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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

秋雨前線に想う夏の菅平高原と真田氏山城跡(妻女山里山通信)

2011-08-28 | アウトドア・ネイチャーフォト
 猛暑といわれた割には、秋の訪れは早く、ここのところぐずついた毎日が続いています。台風11号と12号が接近中で、これが「藤原の効果」で秋雨前線を刺激して大水害をもたらさないことを祈るばかりです。8月14日の猛烈な雷雨で、妻女山の高さ20m以上ある赤松が何本も折れてしまいました。林道にかかったものは、なんとか処理しましたが、林内のものはそのままです。

 今年は、梅雨にしっかり雨が降り、夏も暑かったので、このまま順調にいけば松茸はじめキノコは大豊作らしいのですが、気になるのは放射性物質。基準値以下であれば茹でこぼせば80~90パーセントは除去できるそうですが(フィンランド食品安全局)、松茸は茹でこぼしたら香りが抜けてしまいますからね。信州人の大好きなジコボウ(ハナイグチ)は、ゴミ処理に茹でこぼすので問題ありません。

 しかし、こうぐずつくと、スカッと抜けた高原の青空が懐かしくなります。今回は息子達と行った真夏の菅平高原と真田氏本城跡を振り返ってみたいと思います。菅平高原といえば、夏はサッカー、ラグビーの合宿で有名です。高原のあちこちでやたら体格のいいラガーメンや派手なユニを着たフットボーラーに出会います。

 大松山のゲレンデからは、眼下に広大なレタス畑。森とたくさんのグラウンドを挟んで奥には、根子岳と四阿山の雄志。東洋一の規模を誇る菅平牧場。左には日本ダボスが見えます。根子岳と四阿山は、さらに後方の浦倉山と米子大瀑布を囲んだ直径約3キロのカルデラを形成しています。大昔は、そこに標高4000m以上の山があったといわれています。
【信州の山】四阿山カルデラ一周 Mt.Azumaya at Yonako in Nagano 米子大瀑布から、真夏の根子岳・四阿山・浦倉山へ22.5kmカルデラ周回コースのトレッキング・スライドショーをご覧ください。その全貌が分かります。

 ゲレンデには、高原の花火、シシウドが咲いていました。菅平湿原に行くと、湿原の大きな線香花火、シラネセンキュウが咲いていました。湿原は、もっと期待していたのですが、以外と乾いていて外来植物も入っており、なによりすぐ隣がグラウンドなもので、ラガーメンの指示の声やらが煩くてやや興ざめでした。このままだといずれは乾燥して草地になってしまうのでしょう。

 菅平の後は、真田に下り、「真田氏本城跡(真田山城・松尾新城・住連寺城・十林寺の城山)」に寄りました。本城といいますが、これは推定で歴史的根拠はありません。城跡に登ると目の前に、武田信玄が人生最大の敗北を喫した「戸石崩れ」で有名な村上義清の戸石城が見えます。難攻不落といわれながらも、真田幸隆の調略によって落城。上田城築城の前は真田昌幸の居城であり、上田城築城後は後背を固める城として、徳川軍との戦いでは真田信幸が篭城。慶長五(1600)年の関ヶ原の役では、昌幸・幸村父子は西軍、信幸は東軍でしたが、徳川秀忠は真田信幸の一隊に戸石城攻撃を指示、幸村は兄弟の争いを避けて無血開城し、戸石城は信幸に占拠されました。役後、真田昌幸の旧領は信幸(信之)に継がれましたが、信之の松代城転封後に廃城となりました。
 また戸石城は、アニメ「サマー・ウォーズ」の舞台としても有名です。今度登ってみたいと思います。

 真田山城からは、西に戸石城。南西に上田城。北東に四阿山。北西には傍陽(そえひ)から地蔵峠を超えて松代へ続く松代街道の谷が望めます。真田の里は狭いです。たぶん始めて訪れた人は驚くのではないでしょうか。しかし、この狭いのどかな山里から、かの徳川家康をも翻弄した真田信繁(幸村)や、真田一族の物語が生まれたと思うと、感慨もひとしおです。赤松の下の草原に腰を下ろして想像に耽るのもいいかもしれません。私は歴史研究の邪魔になるので、基本的に歴史小説(フィクション)は読みませんが・・。

■歴史ついでに、原発の歴史を学びましょう。
【IWJの原点:孫崎享×岩上安身】 日本国民は「核の平和利用」という甘言に騙されて原発を受け入れた。米はA級戦犯を手なずけ日本は米の属国となった。原発(核発電)は、核爆弾開発技術維持のためにある。
今の除染方法では子供の健康を守れない-児玉龍彦教授(カレイドスコープ書起し)
IPPNW(核戦争防止国際医師会議)から日本政府へ勧告:「国際的に最善といえる水準の放射線防護策を実施するには、いっそうの避難が必要」 世界はもう日本政府を信用していない。
長野県松本市長 菅谷昭氏 2011/3/22 定例記者会見 内部被爆に関するコメント(iinotes書起し) 「核の事故、放射能事故というのは、最初から最悪の事態を想定したかたちで、先手、先手として手を打っていくことが大事」
JSA日本科学者会議ウェブサイト 「放射線被曝問題について」
●多くの専門家がいうように、チェルノブイリで起きた悲劇の数々はやがて日本でも必ず起きます。チェルノブイリでは、無関心な人、気にしてもしょうがないという人から亡くなっていったそうです。情報を精査して日々努めることが肝要かと思われます。但し、カタストロフィは突然訪れるかもしれないので、逃げる準備だけは怠らない様にしましょう。これから冬に向かって北風になると、東京圏は確実に線量が上がります。また、小出助教が言う様に現在も再爆発の可能性は残っています。政府やマスコミの発表はいつも後出しで遅いので、自衛しなければなりません。ハリケーンの襲来で230万人に避難勧告を出した米とはえらい違いです。

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たった一頭になってしまったオオムラサキ (妻女山里山通信)

2011-08-26 | アウトドア・ネイチャーフォト
 長雨が止んだのを見計らって久しぶりに樹液バーを訪れてみました。鬱蒼とした緑と蒸し暑さは夏のままですが、よく見ると小さな秋が散見されます。汗を拭きつつ樹液バーに辿り着いたのですが、あんなに賑わっていたのに全くだれもいません。二十数頭のオオムラサキ、それを上回る数のアオカナブンとカナブン。ミヤマカミキリにルリボシカミキリ。ルリタテハやクジャクチョウ、サトキマダラヒカゲも。

 オオスズメバチは、8月中旬頃から、次世代を託すオスバチと少し遅れて新女王バチの卵を産み付けます。長雨の後で巣の修理や、新女王バチ、オスバチの卵の世話で忙しいのでしょうか。オスバチと新女王バチは、9月中旬から10月下旬頃羽化します。秋口からは大量の餌が必要になるため、樹液バーはほとんどオオスズメバチに占領されます。ちょうどキノコ狩りシーズンの頃が最も攻撃的で危険なのです。ハチに刺されて亡くなる人は、毎年20人~50人程度にのぼり、1984年は73人の方が犠牲になりました。熊による被害よりずっと多いのです。

 天敵である熊と同じ色とうことで(諸説あり)、黒い服や黒髪のままは厳禁です。紺色や焦げ茶もおすすめできません。明るい色がよいといわれていますが、私は経験的にこの季節の葉の色と同じ緑がいいと思います。一種のカモフラージュです。ただ緑だと紫外線が見えるチョウなどには、葉と間違えるのか、よく留まられます。

 オオスズメバチにまとわりつかれてカチカチと威嚇音を出されたら、巣が近くにあるので速やかに立ち去りましょう。もっと攻撃的なときは、いきなり頭などに体当たりしてきます。三回経験がありますが、それは小石を頭に投げられたような強い衝撃でした。もっと危険な場合は、いきなり刺されます。飛行しているオオスズメバチを見たら、木の陰に隠れるなどして飛行ルートをよく見る事です。薮に入って行ったら、そこに巣がある可能性があります。目を狙ってくるので、キノコ狩りやトレッキングにはポリカーボネートの保護グラスをおすすめします。

 しばらく樹液バーの様子見ていましたが、訪れるものは皆無でした。ハエさえ訪れません。それでも、ヒカゲチョウやコミスジは数頭舞ってきました。でもそれだけです。クヌギの高い梢を見上げても、あの大きな羽音を立てて飛び回っていたオオムラサキの姿は見えません。森はすっかり寂しくなりました。だれも訪れなくなった樹液バーは、樹液が酵母菌で発酵して甘く白い結晶になっていました。これは人が舐めても甘くて美味しいのです。
 さて、このひとりぼっちになってしまったオオムラサキのメスですが、お腹が大きいので卵はあるようです。もし交尾が済んでいれば後は産卵するだけ。たくさん卵を産んでくれるといいのですが。先に生まれた卵は、すでに孵化しているものもあるはずです。

 早々に帰路につくと、倒木に粘菌のエダナシツノホコリが成長していました。苔むした倒木には、キララタケの幼菌が。夏キノコの大きなハナビラタケが、黴びていました。9月に入ると秋のキノコのシーズンが始まりますが、この長野県北部にも3月にセシウムが降下しました。まだ芽吹き前だったので、降下したセシウムはほとんど地上の枯葉上に落ちたはずです。この枯葉を集めて堆肥を作れば、濃度が濃くなるのは当然です。キノコは種類にもよるようですが、放射性物質を吸収し易いので、厳重な検査が必要だと思います。チェルノブイリ以後のフィンランド食品安全局の見解では、放射性セシウムは、きのこを水に漬けたり茹でこぼしたりすることで除くことが可能であり、この工程で70~90%のセシウムが削減できるとされています。もっとも元の数値が異常に高ければ問題外ですが。

★Youtubeスライドショー(BGMは、GarageBandで作曲したオリジナルです)
■Omurasaki butterflies in Japan 2011 Part 1of3【オオムラサキ】


■Omurasaki butterflies in Japan 2011 Part 2of3【オオムラサキ】


■Omurasaki butterflies in Japan 2011 Part 3of3【オオムラサキ】


 1986年のチェルノブイリ以後、規制値超えの食品が輸入差し止めになったことがありました。また、イタリアのパスタが危ないと言われたり、乳製品が危ないといって輸入食品が売れなくなったこともありましたが、そこは忘れ易い日本人。その後、グルメブームにのって実は大量の汚染食品が欧州から日本へ輸出されました。チェルノブイリ汚染のヨーロッパの木材は日本に大量輸入されていたともいわれています。いずれにしても現在の食品安全基準の暫定規制値はチェルノブイリ時よりも100倍も緩くなっています。その上、測定基準がバラバラでサンプリングの数が異常に少ないデタラメ検査と偽装表示(現にスーパーで産地偽装が起きています)で、全国に汚染食品が大量に流通するのは間違いないわけで、自衛するしかないのですが、都市部、特に東京圏では非常に困難なことだと思います。

「食品安全情報」(食品の安全性に関する国際機関や各国公的機関等の最新情報:国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部)

●半減期が約三十年と長く、食品や土壌への深刻な汚染を引き起こすセシウ ム137の放出量を単純比較すると、福島第一原発からの放出量は広島原爆168.5個分に相当すると政府が発表しました。国立環境研究所の推定では、その内の22パーセントが、東日本の陸地に降下したそうです。放射性物質の降下は、北は岩手や宮城、山形の各県から、南は関東を越え静岡県にも届き、新潟や長野、山梨の各県にも到達しました。つまり、広島原爆37個分のセシウムが、東北関東を中心とした各地に降下したわけです。被曝者は、5000万人以上になるのではないでしょうか。恐るべき事実です。

原発推進派は、自らや自らの子や孫も被曝しているというのに、なぜ悪魔の手先になるのか。命より金が大事だと、己の子供や孫に教えているのか。
●電力会社の原発関係支出:1年間=2兆1353億円(2009年)
原子炉メーカー:東芝、日立製作所、三菱重工などへ約6300億円
鉄鋼会社:新日本製鉄等へ約3200億円
建設会社:鹿島建設、大林組、清水建設、大成建設等へ3080億円
商社:三菱商事、丸紅等へ3512億円
化学:住友化学等へ5億4500万円
マスコミ:読売新聞・フジテレビ等大手新聞社やテレビ局へ883億円
(日本原子力産業協会:原子力関係売上高概観)
●NHK電力関係保有事業債:総額900億円超
東京電力(保有数23/金額145億円),中部電力(9/68億円),関西電力(12/65億円),中国電力(10/51億円),東北電力(7/45億円)
3月の事故直後にどこよりも『原発は安全だ』と報じてきたのはNHK。原子力村の御用学者を重用し、「メルトダウンはしていない」「安全だ」と繰り返してきた。実際はチェルノブイリ並みのレベル7で、みなさまのNHKに国民はだまされた。・・実質裏CMと同じ。これでは公正な報道などできるわけがない。
(日刊ゲンダイ2011年8月18日掲載)

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【信州の里山】京ヶ倉2 Mt. Kyogakura at Ikusaka village in Nagano vol.2

2011-08-23 | アウトドア・ネイチャーフォト


BGMは、WYNTON KELLYの "WILLOW WEEP FOR ME"。

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京ヶ倉トレッキングをアップしました! (妻女山里山通信)

2011-08-21 | アウトドア・ネイチャーフォト
 8月9日の炎天下での京ヶ倉トレッキングを【MORI MORI KIDS(低山トレッキング・フォトレポート)】にアップしました。後日所用で通った折に撮影した生坂橋からのパノラマや、旧大岡村から見た京ヶ倉のパノラマ写真も見所です。息子がカシミール3Dで作った京ヶ倉から見える東西南北の山々もアップしてあります。ご笑覧ください。

 ちょっと早すぎる秋雨前線。この間までの暑さが嘘の様です。早くも秋のキノコが出るかもしれません。週末、ちょっと寄ってみたら30センチもある大きなハナビラタケがカビていました。一週間前なら食べごろだったのですが・・。今年は天候が菌類にとってはもうひとつで、夏キノコのヤマドリタケモドキ、アカヤマドリ、アカジコウ、チチタケは不作でした。秋キノコは、放射性物質の汚染が心配ですが、当地はそれほど汚染が酷くないので、茹でこぼせば大丈夫でしょう。70~80パーセントが除去できるとフィンランド政府のサイトにありました。もっとも元の数値が異常に高ければ無理ですが・・。

 ところで、CO2による地球温暖化は、原発マフィアなどによるデータの捏造(クライメートゲート事件)などで、世界的には既に完全に否定されているにもかかわらず、NHKを初め日本のマスコミは相変わらず嘘を報道し続けています。日本などの一部ではヒートアイランド現象や、諸々の要因により猛暑日が増えたりしていますが、地球規模で見ると全く温暖化はしていません。むしろ地球は、長いスパンでは寒冷期に向かいつつあるという説があり(ミランコビッチ・サイクル)、むしろその方が大問題だともいわれています。ただし、それはCO2を無制限に出し続けていいということにはならないのはもちろんです。大気汚染など他の弊害があります。【地球温暖化に対する懐疑論
二酸化炭素温暖化説の嘘を伝える世界のテレビ番組、ニュースの動画集

8月18日 いま生きている日本人は誰一人、廃炉の終わりを見ることはないのではないか 小出裕章(京都大学助教) 今でも毎日10億ベクレル(東電推定)か10兆ベクレル(クリス・バズビー博士推定)が蕗一からは出続けています。英・インデペンデントは、「近代日本の終焉」という記事を書きました。政府がどう安全と言っても、世界は嘘と分かっているわけです。マスコミは一切報じませんが、自然界には異変が続々と起きています。奇形の植物やメダカ等々。そしていずれは人間・・。それでも原発を推進しようとする日本政府や財界、マスコミを、世界は、日本は自ら滅亡への道を選ぼうとしていると報じています。

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★妻女山(斎場山)について研究した私の特集ページ「「妻女山の真実」妻女山の位置と名称について」。「きつつき戦法とは」、「武田別動隊経路図」など。このブログでも右下で「妻女山」でブログ内検索していただくとたくさん記事がご覧いただけます。
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当地では幻の、スミナガシ(墨流)に出会った!!!(妻女山里山通信)

2011-08-19 | アウトドア・ネイチャーフォト
 先週末にやっと巡り会えたスミナガシ(墨流)です。墨流しとは、水に墨汁を流して模様を紙や布に転写する技法で、9世紀頃からある日本独特の伝統芸術。スミナガシの翅の文様は、まさにそれを体現したものといえるため、このような命名になったのでしょう。実際は墨一色ではないので、トルコ発祥のマーブリングに近いものですが、その色合いは正に和のテイスト。オオムラサキが国蝶なら、スミナガシは和蝶ともいうべきと思えるのですが、実際は、日本からヒマラヤまでを含む東南アジアに分布します。

 食草がアワブキなので、当地では希少なチョウといえます。妻女山山系にいることは、知っていたのですが、実際に見たのは今回が始めてでした。オオムラサキが20頭余りいる中でたった1頭ですから、その希少性が分かってもらえると思います。オオムラサキの食草であるエノキは、あちこちに見られます。アワブキは、おそらく谷筋にあるのでしょうが、現在の所特定できていません。

 このスミナガシは、オオムラサキが集まる樹液バーからは少し離れたクヌギの木にいました。発見した時は、思わず声をあげてしまったほど感動的な出会いでした。吸汁の時は、翅を広げているので撮影のチャンスです。極めて日本人好みの和風の柄に朱色の口吻が実にお洒落です。この樹液バーには、もう一頭お洒落なガがきていました。地味な前翅と隠れて派手な紅色の後翅を持つベニシタバです。落語家が羽織の裏地に凝るような、なかなか粋なガですが、これは別にお洒落のためではなく、威嚇するときに翅を広げて紅の部分を見せて相手を驚かすためのものらしいという事です。

 この樹液バーは、直径50センチぐらいのクヌギの木に前もって傷をつけて作っておいたものです。里山ですから、昔は盛んに木山をして枝打ちや伐採をしたので、樹液バーはたくさんあったはずです。しかし、人が入らなくなると樹液バーを作るのはカミキリムシやボクトウガの幼虫だけということになり、樹液バーの数も限られてしまいます。そうすると、樹液バーをよりどころとするたくさんの昆虫達が食糧難に陥る訳です。里山に暮らす昆虫達は、長い事そうやって人の暮らしと密接な関係を保って来たのです。

 今回は、100m位の範囲で、人工的に樹液バーを十数カ所作りました。スミナガシが現れたのはその内のひとつでした。写真に写っている白い物は樹液が酵母菌によって発酵し、水分が蒸発して結晶化したものです。スミナガシやオオムラサキは、この結晶化したものの奥に湧き出ている樹液を吸っています。それも出るとすぐに酵母菌の働きにより発酵するようです。結晶化したものを食べに来る昆虫もいます。この結晶化した白いものはどんな味だろうと舐めてみましたが、いわゆる樹臭さは全くなく、砂糖を水で練ったような甘さで、しかも旨味が感じられます。美味しい!
 メープルシロップを思えば、それも当然だと思うのですが、クヌギの樹液がこんなにも甘いとは思ってもみませんでした。人が感じられるようなアルコール分はありませんが、樹液をたっぷりと飲んだオオスズメバチが、フラフラヨタヨタと歩き回ってから飛び立つ様を見ると、昆虫がほろ酔いするぐらいには発酵しているようです。

 さて、そのスミナガシの翅の色なんですが、よく見るとかなり多くの色味を感じる事ができます。そこで、どれくらいの色味があるのか和色で数えてみました。
 青系から緑系に列挙します。
★紺桔梗(こんききょう)・瑠璃色(るりいろ)・群青色(ぐんじょういろ)・黒橡(くろつるばみ:つるばみはクヌギの古名)・空色(そらいろ)・花浅葱(はなあさぎ)・藍媚茶(あいこびちゃ)・海松色(みるいろ:みるは海藻のミル)・苔色(こけいろ)・白。
 体を覆う長い毛は鼠色ですが、鳩羽鼠(はとばねずみ)を中心に、藍鼠なども感じます。
 そして朱色の口吻は、光の具合で朱鷺色(鴾色・ときいろ)だったり、猩々緋色(しょうじょうひいろ)だったりします。光の加減ではもっと他の色が見えたりもします。実に美しい色合いです。

 撮影の合間に、30センチぐらいの近距離から見ると、本当に美しく、思わず見とれてしまいます。どちらかというと外連味のあるオオムラサキの雄の江戸紫(オオムラサキの青はもっと青味が強い色ですが)よりも、より日本人好みの色合いかなとも思います。といっても当人(当虫)は、「和テイストだ!? なんだそりゃ。知らねえなあ」てなところでしょうが。しかし、こんなに美しいチョウがいることを、地元の人はもちろん首都圏の人はほとんど知らない・・・。里山に対するリテラシーがないですから。
 樹液をたっぷりと飲んで高いクヌギの樹冠へと舞い上がったスミナガシを、恍惚として呆然と見送った暑い夏の午後でした。それは幻のようなひと時でした。

 これから秋になるとオオスズメバチが攻撃的になり、熊も栗を目当てに出没するので、要注意です。

■Suminagashi butterflies in Japan 2011 Part 1of2【スミナガシ】


■Suminagashi butterflies in Japan 2011 Part 2of2【スミナガシ】


【必読!】彼らは放射能利権を守りたいだけ「ICRP(国際放射線防護委員会)の健康基準なんか、信用してはいけない」欧州放射線リスク委員会クリス・バズビー科学委員長が日本人へ警告 内部被曝の恐怖。
「日本政府がICRP(国際放射線防護委員会)の基準を盾にとって、『年間 20mSv(ミリシーベルト)までの被曝は安全』と主張しているのは、言語に絶するほど間違っている。ICRPのリスク・モデルはもともと1952年に作られたもので、その基準は軍需産業が核実験を正当化するためのものです」

 宮城のイノシシからセシウムが検出されました。福一から300キロも離れたセミに奇形が多く見られるという報告もありました。山地の汚染は非常に深刻です。幸い妻女山山系のセミや昆虫に、今の所は異変は見られません。しかし、汚染された生態系は嘘をつきません。世界の報道は、国民や世界に向かって嘘をつく政府と真実を伝えないマスコミ、国際的犯罪企業東電という論調に変わって来ています。隠しても、やがて恐ろしい事態が起きる事で真実は明らかになるしょう。

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粘菌にとっては厳しい夏? (妻女山里山通信)

2011-08-16 | アウトドア・ネイチャーフォト
 梅雨明けしてからぐずついた天候が続いたので、粘菌(変形菌)にとっては例年より厳しい夏かもしれません。多くの粘菌は、雨が降った翌日が晴れになりそうだと一気に発生し、胞子を飛ばすのですが、雨が上がってもぐずつくようだと変形体になる機会を失ってしまいます。晴れるかなと思って変形体になったところで突然の雨だと、雨に打たれて流されてしまいます。この夏は発生自体が少なかったのに加え、そうやって子実体になる前に崩れてしまったものを何度も見ました。

 そんな状態でもなんとか成長した粘菌を、わずかですが撮影しました。今年は粘菌ハンティングというより、オオムラサキや夏のキノコを探すついでに粘菌も探したくらいの状況でした。

 写真のものは、茶臼山と妻女山山系でそれぞれ別の日に撮影したものです。上から、タマツノホコリ、マメホコリ(あるいはコマメホコリ)、シロウツボホコリ、キフシススホコリ?、ツノホコリが胞子を飛ばした後?(小さな甲虫が食べています)、サビムラサキホコリ(これも右下にダニのような虫が)ではないかと思われます。

 キノコは、地面や樹木から栄養を摂るため放射性物質を溜め込み易いといわれています。種類によっても違うようで、ツチグリなどは汚染が酷いデータがすでに出ています。信州人の好きなウラベニホテイシメジ、サクラシメジ、ハナイグチはどうなんでしょう。松茸も気になるところです。粘菌は食べないので心配はありませんが、どういう影響を受けるのか気になります。現在、水産物も野菜も、ほとんど検査されずに市場に出回っている状態。どう考えても異常です。これでは実被害も風評被害も防ぐ事はできません。発癌性だけでなく、血管内膜症を引き起こして心筋梗塞の原因になったり、ありとあらゆる病気を重病化させる要因になるそうです。徹底的な食品検査で内部被曝を防がなければならないのに・・・。

 これからキノコの季節ですが、チェルノブイリ以後の北欧では、生、塩漬けのキノコを茹でこぼすことで、70~90%のセシウムが削減できる(フィンランド食品安全局)としていますが、ホットスポットのものはやはり危険でしょう。食品の安全性に関する国際機関や各国公的機関等の最新情報はこちら(国立医薬品食品衛生研究所)で。
 山の汚染の方が深刻といわれています。全国の松葉による汚染測定結果 長野県は5カ所を測定。北信がかなり高めに出ています。碓氷峠を越えて千曲川沿いに北上したものと、新潟県から南下したものがあるのでしょう。中南信は低めです。

★内部被曝を外部被曝と同じ様にとらえてはいませんか? 
内部被曝について:「体内の0.2マイクロシーベルトは100ミリシーベルトの外部被曝に相当する」という情報を、以前、文部科学省自体が作成しています。50万倍のリスクがあるのにマスコミはどこも伝えませんね。内部被曝の方が遥かに危険です。
★原発推進は、自然界にも放射線はあると言っていますが、問題は「自然放射線と人工放射線の違い」ではなく「自然放射線核種と人工放射線核種の違い。詳しくはこちらのサイトを。さらに、広島長崎以降、2053回に及ぶ核実験が行われ、大量の放射性物質が地球上にすでにまき散らされていることも忘れてはなりません。

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真夏の京ヶ倉から大城へ汗だくトレッキング(妻女山里山通信)

2011-08-14 | アウトドア・ネイチャーフォト
 信州生坂村のヒカゲツツジ(日陰躑躅)で有名な京ヶ倉へ息子達と登ってきました。標高990mといわゆる里山の部類ですが、ミニ戸隠とも呼ばれるその険しい山容は、なかなか魅力的で近年人気の山になりつつあります。GWに友人達とヒカゲツツジが咲き始めた頃に登って魅了されたので、今回は息子達を誘いました。現在は標高の高い京ヶ倉が有名ですが、戦国時代は、山城のあった日岐大城の方が主で、京ヶ倉はその物見台であっただろうと思われます。

 姨捨から猿ヶ馬場峠を越えて麻績の盆地を直進。ところが、差切峡のある55号線が通行止め。403号線を明科まで出ることも考えましたが、それは知った道なので、ここは新ルート開発と麻績まで戻って12号線を旧大岡村へ。山間部を抜けて大岡丙を左折して代という集落から犀川を越えてやっと19号線に出ました。約40分かかりましたが、山深い所に歴史あると思われる小さな集落がたくさんあり、信州の山間部の奥深さを知る事ができたいい回り道でした。

 まず、前回同様に下生坂の林道雲根線のゲートに自転車をデポします。そして前回はやまなみ荘近くの大きな駐車場に車を置いて登ったのですが、今回はこや城登山口に駐車。その分下山後に車を取りに行く長男には自転車でハードワークしてもらわないといけませんが、若いので・・。こや城の背後の山には、日岐大城の支城・小屋城跡があります。

 こや城登山口の標高が620mぐらいですから、京ヶ倉までの標高差は370mほどです。最初に尾根を辿った後は、稜線まで一気に高度をかせぐ感じで急登が続きます。手作り感たっぷりの梯子も四カ所あります。この時期、花はカワラナデシコやリョウブぐらいで特に見るものはありませんが、夏らしく粘菌のサビムラサキホコリが発生していました。ヤマボウシの実がたくさん成っていましたが、まだ青いまま。赤く熟すとオオスズメバチや熊が食べに来ます。人が食べても美味しい実です。汗だくでおおこば見晴し台に着くと、眼下に蛇行する犀川の流れと生坂村の家並や広いブドウ畑が見えます。昭和電工の水力発電所も。

ここから一本北の尾根に向かってトラバースしながら緩く登り、屏風岩を通過すると、左手に目指す京ヶ倉が見え、ほどなく稜線出合に飛び出します。そのまま200mほど進むと、展望のいいやせ尾根、ミニ蟻の戸渡りともいえる馬ノ背です。両側、特に東面が木もなく80mほどの断崖なので、高度感があります。東には岩殿山の山脈越しに麻績の盆地、三角の冠着山、遠く四阿山が見えます。西には、継子落としの向こうに北アルプスの仁科三山や白馬三山が見えるはずなのですが、生憎稜線部が雲で覆われて見えませんでした。

 馬ノ背を進むとトド背岩に突き当たります。名前の様にトドの背中に様に丸くてつかみ所のない岩です。ここを登る訳ではなくルートは左を巻いています。少し尾根を進んだ後、倒木のある岩の窪みを急登して、左側が落ちた最後の岩を登りきると京ヶ倉の頂上です。上に遮る物がないので真夏の直射日光が容赦なく照りつけます。キアゲハが一頭舞っていました。お昼にはまだ早いので大城を目指します。

 急下降した後、天狗岩、双子岩と過ぎると大城(970m)です。本郭を右へ登ると東面が開けたベンチのある山頂。ここで昼食です。ベンチからは東の展望が開け、三角の冠着山(姥捨山)や聖山、四阿屋山、根子岳、四阿山が見えます。吹き上げる風も生暖かいのですが、それでも気持ちがいいとおにぎりを食べている時でした。突然一匹のオオスズメバチが飛来して、長男の太腿に留まったのです。おそらく汗の塩分に惹かれたのでしょう。大変です強靭な顎で咬まれる可能性があります。動くな!と言って首に巻いていたタオルを手に取り、狙いを定めて振り抜きました。あっ!外れた!! しかし、すぐさまもう一回振り抜くとハチは最後の晩餐の塩を舐めたまま成仏しました。間一髪でした。

 眼下の谷ならともかく、こんな山頂でオオスズメバチに遭遇するとは思いませんでした。おそらく巣は大城と岩殿山の山脈の間にある入山の谷にあるのでしょう。オオスズメバチの行動半径は数百メートルから2キロぐらいですから、餌を求めてこんな山頂にまで現れることもあるのです。つい数日前に80メートルも追いかけられたので、本当に肝を冷やしました。これから9月10月になると女王蜂や雄蜂の飼育で忙しくなるため、非常に攻撃的になります。秋のキノコ狩りやハイキングは要注意です。

 この日岐大城ですが、『信府統記』によると、大永年間(1521~28)に仁科盛慶が城主であったものを日岐一族の丸山肥後が賜わりましたが、小笠原氏に属したことで武田信玄に滅ぼされ、武田家臣の降幡備前が治めたといわれています。武田氏滅亡後の天正十一年(1583)には、織部佐盛直が城主になっており、上杉景勝に属していたということです。相当に険しい山城ですが、居城ではなく詰めの城として機能していたと思われます。しかし、険しすぎて篭城した方も逃げ場がなく、兵糧攻めにされると以外にもろかったかもしれません。

 昼食後、大城を下ると後は北へ尾根を辿る下山コースです。二ノ郭、三ノ郭を過ぎると急下降して尾根道を辿ります。物見岩、大城三角点を過ぎ、はぎの尾峠の分岐を過ぎるとグレースの森、ここの四阿で休憩して下ると、尾根を外れて林道雲根線まではジグザグの下り。灼熱の林道を10分も歩くと自転車をデポしたゲートです。ここから長男に車を取りに行ってもらいます。私と次男は写真を撮りながらゆっくりと歩いて、19号線沿いにある小さなバス停で待つ事にしました。いやあ麓は陽炎がたつほど暑かったです。

 長男は、思いのほか早く戻ってきました。でも生坂小学校の横の坂はきつくて心が折れそうになったとか(笑)。確かに相当の急坂です。そして、生坂村営やまなみ荘へ。貸し切りでした。ここは、いわゆる天然鉱石ラジウム岩盤温泉で、天然温泉掛け流しではありません。今回は、思いのほか塩素が強く参りましたが、体の疲れは取れました。ラジウム温泉は、日本では健康にいいといわれてきましたが、一方で世界保健機構(WHO)では警告もしています。この辺りは、利用者の自己判断ということでしょう。とはいえ福島原発事故以降では、難しいかもしれませんね。薬草温泉とかに変えた方がお客さんは来るかもしれません。

 55号が通れないので帰路は19号から茶臼山越えの道を選びました。途中評判の信州新町道の駅に寄りました。お目当てはここの手打ち蕎麦。なにせ大盛りが580円ですから。次男はぺろっとたいらげました。甘みと旨味のあるとても美味しい蕎麦でした。辛み大根の汁でいただく郷土料理の「おしぼり蕎麦」もおすすめです。おみやげには隣のおやきもいいですね。農学部の長男は冬の「おしぼりうどん」用にと辛み大根の種(伝統野菜・信州地大根)を買いました。アパートの前の畑で育てるそうです。

★GWのヒカケツツジ咲く京ヶ倉トレッキング



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オオムラサキ以外の樹液バーの常連客 (妻女山里山通信)

2011-08-12 | アウトドア・ネイチャーフォト
 オオムラサキが集まる樹液バーの常連客は、アオカナブン、カナブンですが、他にも色々な種類の虫たちが集まります。中でも一番の奇麗どころといえば、やはりクジャクチョウ(孔雀蝶)でしょう。翅を閉じると樹皮のような黒褐色の地味なチョウですが、開いたらそれは艶やかな文様が目に飛び込んできます。この眼状紋(眼状斑点)は、言葉通り目を模したもので、天敵の鳥などを欺くためのものといわれています。そう思って見ると、なにか鳥の天敵であるネコ科の動物が大口を開けた様にも見えてきます。前翅に牙のような文様もありますし。

 孔雀の羽の様な艶やかな眼状紋故に孔雀蝶。そして、日本産の亜種名は、なんとgeisha(芸者)です…。この芸者という学名を1908年につけたのは、ドイツの昆虫学者・Stichelです。当時の美しい日本女性といえば芸者さんのことだったのでしょうか。信州では、里山から亜高山まで棲息し、夏の高原ではマツムシソウやアザミに吸蜜する姿がよく見られます。里山では花以外に、今回の様に樹液バーにも現れます。成虫はこんなに美しいのですが、幼虫は黒い毛虫です。

 次の青い虫は、ルリボシカミキリ(瑠璃星天牛・瑠璃星髪切)。世界にもいますが、これは日本の固有種です。アオカナブンと共に非常に美しい甲虫で、見つけると思わずジッと見入ってしまいます。国蝶がオオムラサキなら、国の甲虫はルリボシカミキリといわれています。属名のRosaliaとは美しい乙女を象徴する女性名。元はラテン語のrosa(薔薇)でしょう。イタリアはパレルモのカプチン会地下納骨堂に眠る「死後80年以上経過してもなお、“腐敗しない死少女(死蝋化)”」として有名なロザリア・ロンバルドを連想させます。そして、この美しい瑠璃色は死ぬと赤褐色に変化してしまうので、標本では見る事ができないのも特徴です。

 三番目はカブトムシ(甲虫・兜虫)。子供達に人気の甲虫ですが、樹液バーでは一番の強者。オオスズメバチもオオムラサキもかないません。角があるので、カナブンが頭を突っ込んで吸う小さな穴や、オオムラサキが口吻を差し込むもっと小さな穴では樹液を吸えないので、吸える場所が限られてきます。ですからそこを見つけたら、全てを角で排除してそこから動きません。動かせるとしたら、人間かミヤマクワガタぐらいではないかと思います。

 最後はミヤマカミキリ(深山髪切)。鈍いオリーブグリーンの大きな甲虫。幼虫はイチジク、クリ、リンゴ等といった果樹を食害する害虫なんですが、成虫は樹液バーに集まります。このミヤマカミキリが凄いというか、可哀想なのは、オオスズメバチが目の敵にするということです。大きくて弱いからか、大きくて目障りなのか、カブトムシにはかなわないオオスズメバチもミヤマカミキリには、なんとか勝てるということで、樹液に来ると執拗に追いかけ落とすまで攻撃を止めません。時には二匹三匹で襲いかかることもあります。ミヤマカミキリも結構気が強くて最後まで抵抗するのですが、虚しく突き落とされます。

 突き落とされると翅があるのですから、飛べば良さそうなものですが、樹上からならともかく地上から飛び立つのは苦手なようで、根元からニジニジと登って行きます。そして、やっと登って樹液バーに辿り着いたと思ったら、またオオスズメバチに追い落とされるのです。そんな光景を観察しているといかに哀れですが、オオスズメバチがいない時もあるので、毎日が地獄というわけでもないようです。
 他には、ルリタテハなどのチョウや、キシタバのようなガ、アブやハエやアリなど小さな虫達もたくさん集まります。

 さて、次の記事は先日息子達と登った真夏の信州は生坂村の京ヶ倉です。昼食時に長男の脚にオオスズメバチが留まっていやあ大騒ぎ・・。

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オオムラサキが話せたら・・・ (妻女山里山通信)

2011-08-09 | アウトドア・ネイチャーフォト
 網がなくても手で捕まえられるチョウは幾種類かいます。アサギマダラなどもそうですが、オオムラサキも慣れると手で捕まえることができます。翅を閉じて一心不乱に樹液を吸っているところを後ろからそっとつかむのですが、ちょっとコツが必要です。翅の付け根に近い方を素早くそっとつかむのですが、端っこをつかむと、暴れて翅がちぎれてしまいます。つかむのが強すぎると翅を傷めてしまいます。加減が難しいところです。また、つかむと想像以上に翅を広げて逃げようとする力が強い事に驚くかもしれません。
 初めのうちは、放せ戻せと脚をバタバタさせますが、すぐにおとなしくなります。そんな風にして撮影したのが、掲載の写真です。

 さすがにつかまれている時は口吻を一番小さく丸めていますね。この部分はけっこうもろいですから、弱点といえるでしょう。口吻はストローのように見えますが、実際は顎が変化したものなので、横に二つに割れていて雨樋が二本合わさったようなものなんです。羽化した直後はまだ割れていて、すぐにファスナーが閉じる様に合わさって管になるのです。

 また、タテハチョウ科のチョウはみな4本脚に見えますが、ほとんど使われない前脚が胸に小さく折り畳まれているのが分かると思います。最後の写真は、メスに交尾を迫るオスのカットなんですが、メスは樹液を吸うのに夢中でオスのことなど眼中にありません。オスはそれをいいことに、強引に把握器(valva)でメスを捕らえて交尾をしようとするのですが、メスも気がついてすぐに反転。なにするのよ!ってな調子でオスと対峙します。

 触覚で相手を確かめながら、オスは求愛するのですが、なかなかメスはウンと言わない様です。種の保存という観点からすれば、どんどん交尾してたくさん卵を産んだ方がいいように思いますが、メスのオスに対する要求はなかなか厳しいようで、OKをもらえるのはなかなか難しいようです。そんな訳でオスは時に強引に交尾してしまおうとするらしいのです。求愛飛行の最中に捕らえて落として交尾とか。写真の様にメスが樹液を吸うのに夢中になっている間に後ろから忍び寄って羽交い締め?(把握器で捕獲する) メスもうかうかしていられないようです。

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オオムラサキの樹液バー撮影は命がけ・・・ (妻女山里山通信)

2011-08-07 | アウトドア・ネイチャーフォト
 週末の樹液バーは、雨後久しぶりに晴天になったため今までになく大盛況でした。それはいいのですが、なんと今までは登場しなかったオオスズメバチが現れました。ついでにヒメスズメバチも。これには参りました。なんてったってオオスズメバチは、スズメバチ類の中で世界最大のハチですからね。そんなものがアマゾンでもなくアフリカでもなく、この日本にいるというのが凄いんですが・・・。しかも、その毒は強烈で、マムシより強いというのですから。さらに襲いかかって毒針で刺すだけでなく、強靭な顎で肉をえぐるという凶暴さ。

 私は除草の際に何度も追いかけられた経験がありますが、幸い刺されたことはありません。また。山道でいきなり頭に体当たりされたことが二度ありますが、小石を投げつけられたような痛さでした。50-60センチの近距離でカチカチと威嚇されたこともあります。ニホンミツバチは、集団で囲ってその体温で殺してしまうという必殺技を持っていますが、セイヨウミツバチは放っておけば全滅します。とにかく時速40キロで追いかけ、一日約100kmもの距離を飛翔するのですから、世界最強のハチといっていいでしょう。天敵はハチクマという鷹の仲間の猛禽類なんですが、当地にはノスリやトンビはいますが、ハチクマはどうでしょう。他には月の輪熊、鳥、ムシヒキアブなど。やはり最大の天敵は人間でしょうね。

 オオスズメバチは、樹液にとりついて削岩機のように激しく頭を振りながら盛んに樹液を吸っています。とはいえ、ここで引き下がったら話になりません。というわけで撮影続行です。オオスズメバチが攻撃的になるのは、彼らの巣に近づいた時です。樹液を吸っている時は、こちらが余計な事をしない限り、向こうから襲ってくることはまずありません。といっても威嚇はされますし、近づくとまとわりつかれることもあります。間合いを計って速やかに逃げることが肝心です。あとは秋口になると、女王蜂や大量の雄蜂を養わなければならないので、さらに攻撃性が高まります。

 掲載のアップの写真は、レンズからハチまでが3~4センチ。私の顔までが40センチぐらいです。撮影の邪魔になるため虫除けネットはしていませんが、タオルハット(これが最近なかなか手に入らない)の内側に白いタオルを垂らして顔を防御。首にもタオルを巻いて肌の露出を最小限にしています。眼にはポリカーボネートの透明なメガネという出で立ちです。

 恐いのは、彼らがお腹いっぱいになって巣に樹液を運ぼうと飛び立つ時。これは巣の方向へ飛び立つので、その方向を塞がない事です。それよりもっと恐いのは、撮影している最中に巣から戻って来た時です。これは危ない! オオスズメバチの羽音をカナブンや他の昆虫のそれと瞬時に区別できるようにしておくことが大事です。速やかに逃げないとまとわりついて威嚇されます。たいてい10メートル位逃げるとそれ以上は追いかけてきませんが(ところが後日80mも追いかけられるという恐怖の体験をしました)。

 この樹液バーの序列ですが、簡単にいうと以下の様になります。(この樹液バーに訪れた昆虫たちのみ)
カブトムシのオス>カブトムシのメス>オオスズメバチ>ヒメスズメバチ>オオムラサキのメス>オオムラサキのオス>ミヤマカミキリ>カナブン・アオカナブン>ルリタテハ・クジャクチョウ>それ以外の小さな昆虫。
 体の大きな力の強い順ですが、これは絶対的なものではなく、たとえばオオムラサキはスズメバチを排除してしまうこともありますし、カナブンなどはカブトムシに何度も排除されてもめげずに戻ってきます。また、カナブンやアオカナブンが大挙して穴に体を突っ込んでいるときは、オオムラサキといえども手は出せません。アオカナブンが固まっているところへ口吻を差し込んで、蹴られたら口吻が切れてしまうこともあるでしょう。そうなったら生きていけません。

 最も傍若無人なのは、オスのカブトムシで、最も凶暴なのはオオスズメバチですが、それとてカブトムシは角で突き飛ばすだけですし、オオスズメバチはしつこく頭突きをお見舞いするだけで、相手を殺すようなことはしません。スズメバチは一応カブトムシにもアタックを試みるのですが、全く動じないのですぐに諦めます。一番下のカットの右にある様に、メスのアオカナブンはオスを背中に乗せて交尾しながら樹液を吸っていたりします。アオカナブンは、カブトムシやオオスズメバチに何度蹴散らされて木から落とされて動かなくなっても、絶対にめげずに何度も戻って来るのが素晴しい! 

 また、オオスズメバチが最も毛嫌いするのは、観察しているとどうやらミヤマカミキリのようです。理由は分かりませんが、ミヤマカミキリが来た時は執拗に追い落とします。アオカナブンは、自分が吸いたい場所にいると追い落としますが、それ以外は割と気に留めないようです。しかし、ミヤマカミキリだけはこれでもかという感じで木から落とすのです。オオスズメバチにとっては、長い触覚が邪魔なんでしょうか。そのミヤマカミキリですが、結構激しく抵抗します。でも勝てない。けれども、何度落とされても登ってくるのです。で、また落とされる。また登って追い出され、偶然近くの別の樹液バーに行き着いて、やっと安心して飲んだくれることができたりすると、人(虫)ごとながら思わず良かったな!なんて思ったりしてしまうほどです。

 ともかく、日本では毎年30人以上がオオスズメバチに刺されて亡くなっています。刺す時に毒と一緒に警報フェロモンを出して仲間に知らせますが、同様の成分が化粧品や食品に含まれる香料に入っていることがあるので、スズメバチの巣があり得る所へは、香りのあるものは持ち込まないことです。山へ行く時は無香料が基本。山ガールも。
 詳しくは、こちらの記事をご覧ください。「オオスズメバチの「警報フェロモン」の成分を突き止めた」小野正人さん(玉川大学農学部助教授)

 オオムラサキのスライドショーです。オオムラサキの生態と素晴らしさが分かると思います。撮影は望遠マクロではなく、スーパーマクロレンズで、レンズの先端から被写体まで数センチのこともあります。なぜ逃げられないのと聞かれたことがありますが、気配を殺します。目の前数十センチにオオスズメバチがいる撮影は、非常に緊張しますが、見ていると彼らの感情が分かるときもあるのです。しかし、肉を取るでもなくただアオカナブンを殺した時は本当に驚きました。後年のブログ記事にあります。BGMは、ガレージバンドで作ったオリジナル曲です。ぜひ御覧ください。
 昆虫は、ネオニコチノイド農薬の空中散布で、絶滅します。妻女山山系の昆虫も、千曲市の松枯れ病の空中散布で絶滅しました。仲間を募って中止に追い込みましたが、戻り始めるのに2年かかりました。現在も完全には復旧していません。ベトナム戦争の枯葉剤と同じ成分のネオニコチノイド系農薬や殺虫剤、ラウンドアップや草退治は、発癌性、奇形、多動性症候群、脳の発達障害を引き起こします。絶対に使ってはいけない。











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■【必読!】2011年3月20日、隠蔽された3号機格納容器内爆発 やはり3号機は再臨界による核爆発だった。こうして東京圏3000万人は被爆した。政府と東電、保安院が未だに隠蔽する重大事案の論証。
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手乗りジャノメチョウ (妻女山里山通信)

2011-08-05 | アウトドア・ネイチャーフォト
 週末の雨上がりの蒸し暑い午後、オオムラサキの集まる樹液バーに行ったのですが、オオムラサキはおろかアオカナブンの団体さんもみえません。どうしたことでしょう。雨上がりで樹液の出が悪いのでしょうか。仕方なく倒木に腰をかけてひたすら待つことにしました。オオムラサキは登場しないのですが、ジャノメチョウとコミスジは盛んに飛び回っています。

 ジャノメチョウは割と日向の好きなチョウで、森の開けた草地や林道を軽快に飛び回るのをよく見かけますが、撮影しようとすると、からかう様にすぐに飛び立ってしまうカメラマン泣かせのチョウです。そんなジャノメチョウが、こともあろうに私の手に向こうからやってきて留まりました。

 お目当ては汗のようです。指に留まって盛んに口吻であちこちつついて汗を吸っています。くすぐったくてしょうがないのですが、我慢して撮影です。しかし、右手に留まってしまったので左手で撮影しなければなりません。ところがシャッターボタンが右側にあるので、思う様に撮影できないのです。そこで、左手に移ってもらうことにしました。

 よほど私の汗が気に入ったのでしょう。左手にも簡単に移ってくれましたが、試しに左右に手を強めに振っても全く動じる事なく汗を吸っています。夏の亜高山の登山道で、休憩しているとベニヒカゲが汗を吸いに来ることがありますが、こんなにしつこく長時間吸っているのは珍しいかもしれません。よほど塩分とミネラルが欲しかったのでしょうか。

 ジャノメチョウは、翅にある蛇の目の真ん中が青いのが普通ですが、これはなぜかシロでした。地味なチョウですが、光の加減で翅が緑がかったり、赤がかったりと玉虫色に変化して、なかなか美しいことが分かります。そんな様子を眺めていると、やがて満腹になったのかヒラヒラと飛び去って行きました。

 すると、今度はオオムラサキが樹液を吸いに来ました。やっと来てくれたと思って撮影しようと近づきましたが、下の樹液バーではなく、上の樹影バーに行ってしまいました。今日はそっちの方が出がいいようです。これは駄目だねと前を見ると、ガが留まっています。コシロシタバ(小白下羽蛾)です。幼虫はクヌギの葉を食べて育ちます。他のサイトの写真は、上から撮ったものがほとんどなので、横顔を撮ってみました。なかなかダンディな面構えです。

 その後倒木に戻ると、横にあるコナラの樹洞から大量のトゲアリが出たり入ったりしています。いやぁもの凄い数です。いったい何が起きたのでしょう。よく見ると、その大行列は地面から続いています。7月28日付の記事でトゲアリの生態について記しましたが、ひょっとしたらこれは、寄生していたクロオオアリの巣から樹洞への引っ越しの最中なのではないかと思ったのです。確証はありませんが、どうもそんな感じです。

 とにかくアリはせわしなく動くので、撮影がむずかしいのですが、ちょうどお昼でおにぎりを食べていたところだったので、ご飯粒をひとつアリの通り道に置いてみました。すると案の定、しばらくしてトゲアリがそれを発見。そこを撮影しました。それにしてもアップでみると、もの凄い棘です。鳥類などの天敵に対しての防御なんでしょうね。不用意につまむと咬まれます。アリは蟻酸や種類によっては蜂と同じような毒性分を持っているので、少量ですがかなり痛みが伴います。

 アリの大群のせわしない移動を俯瞰していると、宇宙から見た人類も簡単に踏みつぶされてしまうほどの儚い存在であるのだという事に思いが巡ります。子供達の命より経済(金)が大事とかいう原発推進派の年寄り達(経団連・経済官僚)は、まさにそういう観点から知るべき謙虚さが微塵もない人達なんでしょう。この世代は戦中派で、父親不在、飢餓状態、対米劣等感をトラウマとして育った人達。『モダン・タイムス』をそのまま生きた世代。しかも、チャーリーのようにドロップアウトはせず、最後まで金にしがみつく経済の囚人達。恐らく己の家も機能不全家庭でしょう。もちろん全員がそうというわけではないですが・・・。そのあげくの果ての原発事故。
 アマゾンのある先住民は、ジャングルは子孫から借りたものといって大事にするそうです。子孫なんか知ったこっちゃないと、最終処分の技術も全くない核をガンガン使って数十万年の来世まで地球を汚染しまくった現代人。いったいどっちが未開人なんでしょうね。

 下の樹液バーに行くと、オオムラサキはいませんでしたが、アオカナブンとミヤマカミキリが飲んだくれていました。汗を吸いに手に留まるのは、ジャノメチョウやベニヒカゲだけでなく、他の種類のチョウでもあります。もちろん、オオムラサキも吸いにくることがあります。

「オオムラサキの一生」

★ところで内部被曝を外部被曝と同じ様にとらえてはいませんか? 
内部被曝について:「体内の0.2マイクロシーベルトは100ミリシーベルトの外部被曝に相当する」という情報を、以前、文部科学省自体が作成しています。50万倍のリスクがあるのにマスコミはどこも伝えませんね。内部被曝の方が遥かに危険です。

■【必読!】2011年3月20日、隠蔽された3号機格納容器内爆発 こうして東京圏3000万人は被爆した。政府と東電、保安院が未だに隠蔽する重大事案の論証。

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森の樹液バー繁盛記・オオムラサキとカブトムシ (妻女山里山通信)

2011-08-03 | アウトドア・ネイチャーフォト
 ある午後の樹液バーの様子を、フォト漫画にしてみました。登場するのは、オオムラサキのメスとオス、カブトムシ、アオカナブンの団体さん。よく見るとカナブンもいます。ここには登場しませんが、実はこの後にミヤマカマキリ、スズメバチ、ルリタテハも加わってさらに大賑わいになりました。森の樹液酒場で繰り広げられる人間模様ならぬ昆虫模様をご覧ください。

 樹液といえば、白樺ジュースが有名です。信州の高原に行くと土産物屋によく白樺ジュースの瓶詰めが売られています。虫歯予防の成分であるキシリトールが含まれているため、これを常飲する北欧の人々には虫歯が少ないといわれています。また、メープルシロップも有名です。カナダの国旗にもなっているサトウカエデ(砂糖楓)の樹液を煮詰めたもので。ホットケーキやスウィーツに使われますが、日本ではイタヤカエデが最も糖分が多く、シロップが作れるそうです。

 また、樹木の切り株や樹幹の傷などから流れ出た樹液(主に糖分の多いカエデやミズナラなどの広葉樹)に天然の酵母が繁殖して発酵。そこにフザリウム属の赤カビが付着して繁殖しコロニーを形成して、樹液酵母のコロニーができることがあります。この酵母を使ってビールやパンを作る事もできます。リンクの写真のものは、私が伐採した山藤の切り口にできたものです。自然が作る発酵物質は、まだま無限の可能性を秘めているのかもしれません。

 コナラやクヌギの樹液というのは、大量には出ないので舐めて味見をするということは、なかなか難しいのですが、意を決して昆虫達が舐めた跡を指でまさぐって舐めてみると、いわゆる樹臭いだけで、非常に甘いという感じや、発酵してアルコール分があるという感じではありませんが、小さな虫たちには充分な栄養たっぷりのお酒なんでしょう。少し酸味は感じます。前述の樹液酵母も舐めてみましたが、やはりいわゆる樹液の木の香りがする味で、わずかに甘いという程度でした。自然の味というのはそんなに強烈ではないんですね。むしろ人間が食べる料理の方が、遥かにエキセントリックな味なんです。グルメブームというのは、人間の飽くなき食欲の結果。自然界の食物連鎖からは大きく逸脱したものです。

 ということで樹液の成分で調べてみると、多数のアミノ酸に、グルコース、ガラクトースなどの糖分、エタノール、酢酸などが含まれています。この中で誘因効果が高いのは酢酸だそうで、そういえば糖蜜を作る時に、黒糖に焼酎やバナナなどを混ぜますが、酢を入れるといいといいますからね。そして樹液は染み出ると、すぐに酵母菌によって発酵するので多少はアルコール分もあるのでしょう。市販のカブトムシゼリーは、こういったものを合成したものです。毒ではないかもしれませんが、食べない様にしてください。美味しくないですから・・。カブトムシゼリーを試食したルポがあったのでリンクしておきます。よい子は真似しないでください。でもその辺に転がっていたら、酔っぱらったお父さんが間違えて食べてしまいそうですね。樹液バーでの、観察は本当に面白いもので、ここにオオスズメバチやクジャクチョウ、ハエやミヤマカミキリなどが参加すると酒池肉林魑魅魍魎の世界になります。そのルポはいずれ。

★Youtubeスライドショー(BGMは、GarageBandで作曲したオリジナルです)
■Omurasaki butterflies in Japan 2011 Part 1of3【オオムラサキ】


■Omurasaki butterflies in Japan 2011 Part 2of3【オオムラサキ】


■Omurasaki butterflies in Japan 2011 Part 3of3【オオムラサキ】


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オオムラサキの求愛 その悲しい顛末・・・(妻女山里山通信)

2011-08-01 | アウトドア・ネイチャーフォト
 その悲しい顛末は、フォト漫画でご覧ください。
 オオムラサキの求愛行動は、まずオスが縄張りを確保する事から始まります。自分のテリトリーに侵入して来た他のオスを、執拗に追いかけて攻撃し追い出します。この格闘はかなり激しいもので、翅も傷つきます。その攻撃性は、自分より遥かに大きな鳥にも向けられ、ヒヨドリやツバメを猛スピードで追いかけるのを目撃したことが幾度もあるほどです。

 オスは飛んでいるメスを発見すると、求愛飛行に入り、メスを自分の縄張り内の木の枝に留まらせようとします。メスが枝に留まってくれると求愛を開始するのですが、この時オスは、腹部を内側に曲げて交尾器(ゲリタニア)をメスに向かって突き出す仕草をします。これでメスがOKだとオスがメスの背後に回り込んで交尾が始まるのですが、拒絶の場合メスは正面を向いたままで、やがて飛び去ってしまいます。メスのOKのサインはよく分かりません。

 向かい合っている時に、お互いに触覚で触れ合って相手を確認しているようです。匂いや味で相手を確認しているのでしょうか。チョウは紫外線が見えるので、オスは視覚的にもメスを確認できるのかもしれません。モンシロチョウなどは、オスもメスも人間の眼には同じ白に見えますが、紫外線で見るとメスが白でオスはグレーに見えます。そんな違いがオオムラサキにもあるのかもしれません。

 お見合いが成立すると、いよいよ交尾です。オオムラサキのオスの尾には、把握器(バルバ)があり、これを使ってメスと結合します。オスはメスより早く羽化するので、メスの羽化直後を狙って強引に交尾にもっていったり、葉や枝で休んでいるメスを捕捉して交尾したりします。メスが既に交尾を終えていると必ず拒絶するので、いくらオスが追いかけても無駄になります。22日の記事で書いたように、交尾を終えたと思われるメスをオスが追いかけて、そのオスを交尾がまだと思われるメスがすがるという場面を目撃しましたが、メスがオスを追いかけるという珍しい行動も、例外的かもしれませんがあるようです。

 オオムラサキの交尾は、短くて3時間、普通は5、6時間、長い時は10時間から20時間にも及ぶそうです。これは、大量の精子を細い管からメスの腹部にある交尾嚢に入れるのに時間がかかるからともいわれています。オスの腹部を見ると、それほど大量の精液を常に蓄えているようには見えないので、精子を作りながら交尾しているのかもしれません。直径約2ミリの無精卵は一定量成熟すると産卵口に送られ、蓄えられた精液で受精し体内受精します。産卵された卵は精液が接着剤となりエノキの葉に固定されます。蛹から羽化してから3週間余りの期間に、これだけのことをするのです。

 里山の荒廃や雑木林の減少によって絶滅が心配されたオオムラサキですが、現在は各地で保護活動が盛んです。それはいいことなのですが、ある特定種のみを守ればいいというものではありません。クヌギやエノキだけを守ればいいというものではありません。信州の長野市や千曲市では縦割り行政の弊害からか、獣害駆除のための除伐や林道や登山道整備のための除草の際に、他のチョウの食草であるイボタノキやコクサギ、クララなどが産卵されているにもかかわらず全て均一に刈られてしまうという現実があります。おそらく他の自治体でも同じでしょう。
 また、千曲市は松枯れ病対策に空中散布を行っていますが、もしネオニコチノイド系の農薬であれば、ハチやハナアブ類に決定的なダメージを与えてしまい、いずれ麓の農業にも壊滅的な悪影響を及ぼす事になります。チョウが子供達やマニアによる昆虫採取により絶滅することはありませんが、このように卵ごと食草が軒並み刈られてしまったり、危険な農薬の方が、はるかに生態系への影響は大きいことをぜひ知って欲しいのです。

「オオムラサキの一生」

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