モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

6月26日ユキノシタ咲く妻女山でオオムラサキ初見。なんと庭にも来た(妻女山里山通信)

2014-06-27 | アウトドア・ネイチャーフォト
 昼休みに椎茸のホダ木の確認に妻女山へ。高速のトンネルをくぐると大きな蝶が目の前を舞ってヤマフジの葉に留まりました。オオムラサキの初見です。昨年は29日でした。展望台奥の駐車場へ行く間に更に1頭確認。招魂社では2頭を確認しました。

 時間も限られていたので車で長坂峠から陣場平へ。久しぶりにKさんのログハウスへも寄ってみました。更に緑が濃くなった里山と、ここのところの夕立で水位が増して濁った千曲川が眼下に。ノアザミ(野薊)が咲き始めました。夏から秋にかけて咲くノハラアザミとは、ノアザミは総苞が粘ることで区別ができます。夏の高原では両方が同時に咲いていることも珍しくはありません。総苞が粘るので、虫を捕まえに来たザトウムシが、粘る総苞に脚をもぎ取られているのを見ることがあります。

 湿った岩の脇にユキノシタ(雪ノ下)の小さな群生。ダイモンジソウ(大文字草)の仲間ですが、ユキノシタの方が、派手ですね。小さい花なので見過ごされがちですが、拡大して見るとなかなか愛らしい花です。天女の舞姿にも見えます。

 古い分類のクロンキスト体系では、バラ目となっていたのですが、APG植物分類体系第2版ではユキノシタ目になりました。葉の裏に薄く衣をつけて天ぷらにするのを白雪揚げといいます。モチモチとした食感ですが、特に美味でもありません。しかし、生薬としても用いられるので体にはいいでしょう。

 オカトラノオ(丘虎の尾)が咲き始めました。まだ青海波を形作るほどの数は咲いていません。ヒョウモンチョウが留まって吸蜜。なかなか同定が難しいのですが、翅の裏を撮ったカットを見ると、どうやらメスグロヒョウモンのオスのようです。庭にツマグロヒョウモンが舞ってくることもあります。ドクダミ(毒矯み)の群生地がありました。非常に有能な生薬なのですが、これが庭に増えて困っています。地中に張り巡らされた根茎を掘り上げないと除草できません。

 ニガナ(苦菜)は花期が長い花で、先月からあちこちで咲いています。茎を折って出る白い汁は、とても苦いんです。沖縄料理のニガナは、これとは全く別の種類の野菜です。
 ドクダミは、十薬といわれ(『大和本草』1708年に「わが国の馬医これを馬に用いると、十種の薬の効能があるので、十薬という」という記述があります。)万病に効くという民間薬ですが、高熱であの嫌な臭いも消えるので、天ぷらなどで食べるといいそうです。ドクダミ茶も有名ですね。この花を焼酎に漬けると(全草でもよい)、ドクダミ酒ができます。飲んでも効能がありますが、虫さされに抜群の効果があるそうです。というわけで、わずかですが作ってみました。

 盛んに舞っている二頭のオオムラサキを辛抱強く待ちました。この時期は、まだ樹液が出ていないので、オオムラサキは地面の水分や獣の糞、落ちたヤマグワの果実などを吸います。今回も雨後の湿った水分を吸いに来るだろうと、水たまりの脇で待ちました。やがて1頭のオオムラサキが留まって地面に口吻を突き刺しました。単に水分だけでなく地中のミネラルなども溶け出しているのでしょう。

 まだライバルも少なく、翅も綺麗なままです。神社にはもう一頭が、柱に染み込んだ雨水を吸っていました。こういう生態は、地味な観察を続けていないとなかなか気が付きません。翅が青いのはオスですが、あと1週間か10日もするとメスも舞い始めます。ひと雨毎に緑が濃くなっていきます。梅雨明け近くになると樹液も出始めます。

 葉の上に留まったこれはベッコウバチの仲間ですね。ベッコウバチの仲間は種類が多すぎて未同定のものもたくさんあるようです。これも調べましたが結局分かりませんでした。「だから何?」というようなキョトンとした眼が可愛い小さな蜂です。
 貝母(編笠百合)の果が弾け出しました。茎が立っているうちに弾けるのかと思ったら、倒れてからでした。種は、6枚ある羽根の付け根に縦に並んでいます。ひとつに30個ほど入っているので、ひとつの果で180個ほどの種が入っていることになります。繁殖力が強いわけです。
「時々の 花は咲けども 何すれぞ 母とふ花の 咲き出来ずけむ」丈部(はせつかべ・はせべ)真麻呂(万葉集)
 これが貝母のことであるという説があります。丈部真麻呂は、遠江国山名郡(現在の静岡県袋井市)で徴兵され九州に派遣され国境警備にあたった兵士・防人(さきもり)でした。
 意味は、季節ごとに花は咲くのに、どうして母という花は咲かないのだろうか(咲くのだったら摘み取って共に行くのに)。防人というのは、21歳から60歳までの健康な男子が徴兵されました。任期は三年で、延長もされたそうです。食料・武器は自弁で帰郷は一人で帰るため、途中で野垂れ死ぬ者も少なくなかったとか。人民には重い負担になったようです。戦国時代にも「七度の飢饉より一度の戦」という言葉が残っています。集団的自衛権てわけの分からない言葉を分かりやすく言うと、他国のために無関係な自国民が戦争(大量殺人)に駆り出されて無駄死にするということです。軍産だけが儲かる悪の仕組み。戦争に大義名分など一度もあった試しはありません。

 左に茶臼山、右に白い崖の中尾山。茶臼山の右奥には神話の山、虫倉山。茶臼山の中腹には、恐竜公園とレッサーパンダで有名な茶臼山動物園。雨で作物も育ちますが、畑の除草が大変です。もちろん危険な除草剤は使いません。梅雨明け頃には仲間と山の帰化植物の除草も行う予定です。
 早朝の除草作業から戻ると、なんと庭にオオムラサキが舞っていました。山村ならともかく、こんな里に下りてくるとは。驚きました。

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2000キロを旅してきたアサギマダラと邂逅した梅雨の森で(妻女山里山通信)

2014-06-22 | アウトドア・ネイチャーフォト
 蒸し暑い梅雨の午後、妻女山へ。気温29度、湿度は60%ぐらいですが、まもなく激しい雷雨がやってくる予報です。椎茸栽培のホダ木を点検すると、2本に椎茸栽培の敵ゴムタケが出始めているのを発見。全て取り除きました。ゴムタケは高湿度を好むので、このところの雨で発生したのでしょう。

 左の木の実を見て、すぐになんだか分かったら相当の樹木通でしょう。ウツギ(空木)の実です。果で熟すと3~4裂し、飛び散ります。乾燥した果実を煎じて飲むと、利尿やむくみに効くという民間薬です。シモツケ(下野)が咲くと、夏が近いなと思います。それまで白い花しかなかった里山が急に華やかになります。シモツケソウという草もありますが、妻女山には自生しません。右はコムラサキ(小紫)の小さな花。ムラサキシキブ(紫式部)より低木ですが、実がびっしりと付くので艶やかです。

 里山の青海波、オカトラノオ(丘虎の尾)。オカトラノオは、みな同じ方向を向いて咲きます。大きな群生地では、花穂(かすい)の波うつ様子がまるで丘の青海波(せいがいは)のように見えるほどです。このオカトラノオ、従来の分類体系(新エングラー体系)ではサクラソウ科なのですが、APG植物分類体系ではヤブコウジ科です。どうにもあの赤い実を付ける低木のヤブコウジと同じ仲間とは思えず、人間は猿の仲間ではなくイボイノシシの仲間ですといわれたような気分で、なんとなく釈然としないのですが、 DNAレベルでみるとそうなんですね。
 草地にヒルガオ(昼顔)の花。昼咲いて夕方にはしぼむ一日花。朝顔に比べて優しいピンクが可愛いので、庭や畑に移植したくなりますが、猛烈に地下茎を張るので除去が困難になります。
 今年は雨が多いせいか、イチヤクソウ(一薬草)が元気です。これもAPG植物分類体系ではツツジ科なんですよね。不思議です。これも鹿蹄草(ろくていそう)という生薬です。

 イカリモンガが盛んに舞っていました。幼虫はイノデなどのシダ類を食草とします。これは非常に珍しいことで、この種がシダ類が全世界を覆っていた古い時代からの生物だからでしょうか。蛾というより、セセリチョウよりも蝶らしく、明るい林道を盛んに飛び回って吸蜜していました。
 ハルジオンで吸蜜するのは、ルリシジミ(瑠璃小灰蝶)。翅の表面は水色から明るい青紫色。瑠璃色ということでルリシジミ。春先から晩秋まで、山地から田畑、人家周辺でも見かけます。幼虫はバラ科、マメ科、ブナ科植物の蕾や花を食べます。でも、見かけたのはこの一頭だけ。以前は、ミズイロオナガシジミツバメシジミもたくさんいたのですが。激減しました。蝶の研究家のTさんによると、千曲市の松枯れ病対策のネオニコチノイド系農薬の空中散布の影響が最も疑わしいということです。神経毒で、蜂や昆虫の中枢神経を冒すことが分かっています。欧州ではすでに禁止されている国があります。ベトナム戦争で使われた枯葉剤、ラウンドアップ(ベトちゃんドクちゃんを生んだモンサントの悪魔の農薬)と同様で、非常に危険なものです。
 右はオオミスジ(大三筋)。妻女山山系では、コミスジを目撃することの方が多いのですが、オオミスジも久しぶりに見ました。オオミスジで検索すると、この蝶よりオオミスジコウガイビルがたくさん出てくるのには苦笑しました。以前住んでいた調布の若葉小へ下りる国分寺崖線の森では、今頃になると大量に発生して、通学の小学生を驚かせたものです。

 草原で見つけたのは、ヒメギス(姫螽斯)かコバネヒメギス(小羽姫螽斯)なんですが、翅がもの凄く小さいのでコバネヒメギスでいいのでしょうか。キリギリスの仲間で、死肉もあさります。
 枯れ木の上にいたのはキマワリ(木廻)。ゴミムシダマシの仲間です。大都市の雑木林にも普通にいる昆虫なんですが、これを知っている子供は少ないと思います。たくさんいるのに全く注目されない昆虫採集でも無視される虫です。
 ドクガ科のオオヤママイマイ(大山舞舞蛾)の幼虫。コナラの幹にたくさんいました。撮影中に胸に一匹、首の後ろに一匹取り付いていました。毛に毒はないのですが、刺さったりするとチクチクします。毒があるのは意外に少なく、チャドクガやイラガなどですが、まあ触らないほうがいいでしょう。

 撮影中に木からポトッと落ちたのは、キマダラカミキリ(黄斑髪切虫)。クヌギ、クリなどに集まり、樹液バーにもやってきます。妻女山では極普通に見るカミキリムシです。ところが、松枯れ病の原因とされるマツノマダラカミキリは、一度も見たことがないのです。そのため私は、原因は排気ガスではないかと疑っています。つまり、農薬の空中散布は全く効果が無いということになります。詳しくは、「松枯れ病の原因は、本当にマツノマダラカミキリのセンチュウだけなのか!?」を。
 ハルジオンで盛んに吸蜜するハナアブ科のホソヒラタアブ(細平田虻)。複眼が離れているのでメスですね。腹部が平たく、太細の縞模様が特徴。器用にホバリングしながら吸密します。幼虫はアブラムシを食べます。人間にとっては益虫ですが、モンサントのラウンドアップなど、ネオニコチノイド系やグリホサート系の除草剤や殺虫剤を使うと絶滅し、野菜や果樹、野草の受粉ができなくなってしまいます。実際、妻女山山系でも激減しています。

 明るい林道で優雅に舞っていたのは、2000キロを旅してきたアサギマダラ(浅葱斑)。春の北上と秋の南下を繰り返す「渡り」をするチョウとして有名です。留まるのをジッと待ちましたが、20分ぐらいは舞い続けていたでしょうか。海を越えて2000キロを飛ぶのですから、20分ぐらいなんということもないのでしょう。その優雅な舞姿は、見飽きることがありません。やっと小枝に留まったところを撮影。

 幼虫の食草は、イケマ・カモメヅル・キジョラン・サクラランなどのガガイモ科の植物です。いずれもアルカロイド系の毒素を含む毒草のためアサギマダラも毒化し身を守っています。関東だと9月頃に神奈川の陣馬山で、ものすごい数のアサギマダラが舞うのを見たことがあります。海を渡る蝶といえば、安西冬衛(ふゆえ)の「春」と題した一行詩。『てふてふが1匹 韃靼海峡を渡って行った』を想い出します。韃靼海峡は、間宮海峡ですが、アサギマダラは北限が東北か、せいぜい北海道南部なので、間宮海峡を渡ったのは別の種のようです。なんでしょう。

 ヤマグワ(山桑)の実が落ち始めました。まもなくオオムラサキの羽化が始まります。終齢幼虫を探したのですが見つかりませんでした。6月末頃は、まだ樹液があまり出ないので、羽化したオオムラサキは、こうした桑の実の潰れた果実や猪の糞などを吸って栄養とします
 冠着山(姨捨山)の方から、大きな雷鳴が轟き始めたので、急いで山を下りました。

 翌日、雨上がりの妻女山展望台へ。そういえば先日新潟から来訪の男性に、展望台から何にも見えないと苦情を言われました。周囲の桜の木やコナラが大きくなって、ほとんど展望が効かないのです。特に松代城跡方面は何にも見えません。木を切るのは忍びないとするなら、古くなった展望台を高く作り変える以外にないでしょう。このままではまずいので、一応長野市に報告はしておきました。

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ウラナミアカシジミの舞う林で実山椒を摘み、ちりめん山椒を作る(妻女山里山通信)

2014-06-16 | アウトドア・ネイチャーフォト

 久しぶりに陣場平へ。林道から落葉松林と山椒の林を抜けて陣場平の広いギャップに出ると、草熱れの匂いが充満していました。信州の北部は、梅雨前線が南岸にかかって東京や南信が雨でも、この様に晴れていることも多いのです。ハルゼミが鳴いています。サンコウチョウがこの間より上手に鳴いています。しかし、樹冠で鳴いているので姿は見えません。

 絶滅させなければならない帰化植物オオブタクサの葉にウラナミアカシジミが留まっていました。わりと羽化したてなのか、ふらふらしていました。この後地面に落ちてしまいました。ゼフの発生が少ないので案じています。撮影を終えて歩き出すと、ヒョイヒョイと追い越して葉に留まったのはヒメウラナミジャノメ。今回は単眼マクロを持ってこなかったので、これ以上寄れませんでしたが、頭部はヒゲモジャで、可愛い模様の割にはおっさんくさい蝶なんです。

 ヤマトシリアゲが三匹、蕗の葉の上の毛虫を襲っていました。体液を吸っているのです。一番左の個体には、朱色のダニが付いていますね。よくセミに付くタカラダニでしょうか。
 貝母(編笠百合)の果も少し枯れてきました。種が弾けるのはもう少し先です。

 ニワトコの赤い実が眩しい。この時期、妻女山山系で見られる赤い実は、ニワトコとヤブヘビイチゴとミヤマウグイスカグラです。食べられるのはミヤマウグイスカグラだけ。ヤブヘビイチゴは食べられますが、無味無臭で不味い。但し薬草です。ニワトコは、4月、弥生の茶花ですね。赤い実はニワトコ酒になります。便秘や皮膚炎、風邪に効くようです。春、ニワトコの蕾が膨らむ頃、朱色のニワトコフクレアブラムシがたくさん付くことがあります。
 陣場平から戻ろうとすると、亡きKさんのログハウス方面から煙が立ち上っているのが見えたので行ってみました。ご家族が集まっていました。所有する山の検地をしに来たのだそうです。お茶を頂いて先日、ホダ木の際にここをお借りしたことと、次回の除草作業で偲ぶ会に出られなかったメンバーとでまたBBQをしたいとお願いしました。ログハウスから見える仁科三山の谷の残雪も、随分と少なくなって来ました。

 帰ろうとすると、男性が二人登ってきました。東京から斎場山を見に来たそうで、持っている資料は、なんと私のブログの記事で、「妻女山」「妻女山 行き方」「妻女山 地図」「斎場山」「さいじょざん」「さいじょうざん」をプリントアウトしたものでした。私も驚きましたが、先方もまさか本人に会えるとは思いもしなかったようで、驚いていました。これも何かの縁と斎場山と陣場平をご案内しました。陣場平へ行くと上から初老の男性が下りてきました。鞍骨城ですかと聞くと、そうでした。とりあえずお二人を案内して、堂平大塚古墳へ降りると、謙信の陣用水の泉がありますよと教えて私は山を下りました。
 そして、アナログの200ミリの望遠レンズを持ってきていたので、試し撮りと妻女山展望台へ行き、爺ヶ岳を撮影しました。テレコンバーターを付けているので、デジタルで800ミリ相当の望遠になりますが、谷の水の流れた跡などがくっきりと写っていて、なかなかの迫力です。すると先ほど陣場平で鞍骨城跡から下りてきた男性が登ってきました。ひとしきり川中島合戦の地元ならではの地理的な解説をしました。妻女山は歴史マニアや歴女がけっこう訪れます。そういう方々と出会い、色々お話できるのは本当に楽しいことです。

 実は今回、陣場平に行ったのは、実山椒を採るためでもありました。私の大好物のちりめん山椒を作るためです。京都の土産物屋で買うと、小さな袋で1000円ぐらいしますね。でも、山椒のピリッとした味が薄いんです。私のは佃煮ではなく、一度だけしか茹でこぼしをしないので、食べると口中がジーン!と痺れるのです。砂糖も使いません。わりと薄味で煮上げます。現在W杯が行われているブラジルのアマゾンには、タカカという飲むと口中が痺れる酸っぱいスープがあるのですが、山椒はそれとよく似ています。実の採取は結構面倒くさいのですが、白飯に乗せて頂くあの味は、蒸し暑い梅雨時の最良のおかずなのです。今回は、放射能汚染されていないだろうジャコを探すのに苦労しました。まあ、これならいいだろうというものを、やっと探し当てて買い求めましたが、一応茹でこぼして使いました。なにせジャコは丸ごと食べますから、セシウムどころかストロンチウムが恐怖です。誤って食べると白血病になる危険性があります。慎重にならざるを得ません。仙台湾や東京湾、福島沿岸のものは、絶対に避けるべきです。
 本当に原発は悪そのものです。たかが電気を起こすために、人類を滅亡に導く危険極まりない核を使うなど狂気以外のなにものでもありません。狂っています。

★オリジナル「ちりめん山椒のレシピ」。今回作ったものは、色でも分かるようにかなり薄味です。ジンは入っていませんが、白ワインが入っています。淡竹が採れ始めたので、淡竹と鯖の水煮缶詰の味噌汁も作りました。鯖缶のチョイスがこれまた面倒でした。日本の食文化を根底から破壊した盗電の万死に値する大罪。
 
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★信州でも希少な、ほぼ360度の大パノラマが堪能できる大林山の山菜天ぷら三昧トレッキング・フォトレポート。 カタクリ、ヒトリシズカ、ショウジョウバカマ、タムシバ、コブシ。

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ウツギとヤマホタルブクロ咲く妻女山で、椎茸ホダ木の本伏せ作業(妻女山里山通信)

2014-06-08 | アウトドア・ネイチャーフォト

 梅雨入りを待つかのように、妻女山ではウツギの花(卯の花)が一斉に咲き出しました。花びらの縁が折り目がついたような立体的な白花が鈴なりに咲いています。特に雨後の水滴がついたウツギの花は魅力的。「卯の花の匂う垣根に、時鳥早も来鳴きて、忍音もらす 夏は来ぬ」という唱歌の卯の花とはウツギのことです。匂う垣根とありますが、ウツギに匂いはありません。匂うごとくに咲き乱れるということなのでしょう。昔は色にもにおうという表現を使いましたから。花言葉は、「古風、風情、秘密」。
「卯の花の 散るまで鳴くか ほととぎす」ー正岡子規ー
「霍公鳥(ほととぎす) 鳴く声聞くや 卯の花の 咲き散る岡に 葛引く娘女(をとめ)」ー万葉集(詠み人知らず)ー

 そういえばまだ、東京特許許可局と鳴くホトトギスの鳴き声を聞いていません。
 ヤマホタルブクロの花も咲いています。微風に揺れる様は、花の少ないこの季節には目立ちます。亡き父は、この花に蛍を入れて遊んだことがあると言っていました。それが名前の由来という説もあるようですが、むしろそういう名前なので実際にやってみたということのようです。昔は千曲川の細流にカワニナがいて、蛍が発生したのです。花言葉は、「激しい束縛」・・。
 向かいの中尾山の白い崖がくっきりと綺麗に見える季節になりました。

 週末は、久々の妻女山里山デザイン・プロジェクト(妻女山SDP)の作業でしたが、今回集まったのは3人だけ。シイタケ栽培の地伏せしておいたホダ木の本伏せをしました。ホダ木では普通あり得ないくらい太いコナラです。長所とすれば、ホダ木が長持ちするということでしょうか。上手く管理すれば、10年ぐらいは出続けます。
 まず立てかける馬を作ります。杭に防腐剤を塗りました。杭が2本足りないので、適当なコナラを伐採してナタで尖らせて作りました。山仕事は、臨機応変に現場で用立てるが基本です。

 二つの馬が完成しました。ここまでは順調に作業は進みました。そしていよいよホダ木の運搬ですが、これが大変でした。一輪車に乗せて20mほど運び上げるのですが、太い上に灌水でたっぷりと湿っているため重く重労働でした。3本積むと楽に100キロは超えそうな感じです。運び上げてから、それを馬に立て掛けるのがまた大変。それでもなんとか昼近くには終了。綺麗に並びました。椎茸が発生するのは二年後の今頃でしょう。二年前に立てかけたものは、今年から椎茸が出始めました。

 昼食は、先月偲ぶ会をやった、山仲間の故Kさんのログハウスをお借りしました。偲ぶ会に出られなかったK君が記念碑にビールをあげて参拝。まだ来ていない仲間達も、次のBBQパーティーには参拝できるといいねと・・。この日は、暑くもなく、湿気もそう高くなく、きつい作業をするのにはもってこいの日でした。残念ながら北アルプスは見えませんでしたが、濃くなった里山と光る千曲川が綺麗でした。

 ログハウスを掃いて、テーブル、椅子の拭き掃除をしてから、今回作ったのはお好み焼き。生地は、千曲市の名産の小麦粉ユメセイキに、これまた名産の長芋をとろろにして入れました。春キャベツをこれでもかとたっぷり入れ、長ネギ少々、ダシ粉も入れて、やや緩めに溶きます。信州産の豚バラ肉を乗せて焼き、ひっくり返す時に卵。青のり、ソース、マヨネーズ、花鰹で仕上げます。紅生姜を添えて。結局三枚焼いて食べた後にジンギスカンもたいらげました。私が作ったニシンのオリーブ油煮とコシアブラ入りキャラブキも。食材は、各自が放射能汚染されていないだろうというものを吟味して集めました。まあ、野菜は全て自家製ですが。食後は、ログハウスに向かって倒れそうな落葉松のチェック。この伐採は難儀しそうです。

 北アルプスのスカイラインは見えませんでしたが、沢に残雪のある中腹がよく見えました。白く光る千曲川。水平に伸びる長野新幹線。偲ぶ会の頃に比べると、ずいぶんと緑が濃くなりました。最近、家の周りでカッコウが半日ぐらい鳴いています。さすが信州とは思いますが、ずっと側で鳴かれると、結構煩いものです。贅沢な悩みですが、もうケッコウと言いたくなります。ログハウスで鳴いていたのはサンコウチョウでしょうか。少し鳴き方が下手でした。

 ウスバシロチョウは、ほとんど姿を消しました。蜘蛛の巣にかかって絶命した二頭を見ました。替わってヒカゲチョウやミドリヒョウモンがよく見られるようになりました。本来なら目にするはずのツバメシジミなどが、まだ見られません。松枯れ病の農薬空中散布のせいでないといいのですが。ホダ木にたっぷりと潅水して、3時に山を下りました。
 翌日は、農作業の後でホダ木置き場周辺の除草をしました。蜂に刺される可能性があるので、ポイズン・リムーバーは必携です。1000円で助かる命もあるのです。
 次回は、7月の下旬に山の帰化植物を中心に除草をします。これは人海戦術が必要なので、仲間全員に声をかけます。昨年は、ムモンホソアシナガバチの巣を派手に壊しましたが、幸い誰も刺されずに済みました。エルニーニョで、梅雨明けが8月にずれ込むとか。こういう年は、梅雨明け頃に集中豪雨が来ることがあるので警戒しています。
 
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信州でも希少な、ほぼ360度の大パノラマが堪能できる大林山の山菜天ぷら三昧トレッキング・フォトレポート。 カタクリ、ヒトリシズカ、ショウジョウバカマ、タムシバ、コブシ。

★妻女山山系の自然については、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。キノコ、変形菌(粘菌)、コケ、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、森の動物、特殊な技法で作るパノラマ写真など。蝶の写真はこちらにたくさんあります。

★ネイチャーフォトのスライドショーは、【Youtube-saijouzan】をご覧ください。粘菌やオオムラサキ、ニホンカモシカのスライドショー、トレッキングのスライドショーがご覧頂けます。


★妻女山(斎場山)の歴史については、「「妻女山の真実」妻女山の位置と名称について」。をご覧ください。「きつつき戦法とは」、「武田別動隊経路図」などリンク記事も豊富です。
このブログでもページの右上で「妻女山」や「斎場山」、「川中島合戦」、「科野」などでブログ内検索していただくとたくさん記事がご覧いただけます。主に古代科野国と戦国時代、幕末から明治維新にかけての記事がご覧頂けます。
川中島合戦と山名についての考察。斎場山と妻女山まとめ。関連記事のリンク集も
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毒草と山菜と。放射能汚染と。二人静の群生地(妻女山里山通信)

2014-06-04 | アウトドア・ネイチャーフォト
 北海道で最高気温が37度という冗談のようなニュースが流れてきましたが、信州も日曜日から連日30度超えの日が続いています。朝夕の灌水が大変ですが、今日でやっと一息つける様です。梅雨入りはいつになるのでしょうか。

 クサフジ(草藤)でクマバチが吸蜜中。クマバチは、その体の大きさに比べて余りにも翅が小さいため、長いこと航空力学的には飛べないと不名誉なレッテルを貼られてきた過去があります。レイノルズ数の理論でそれは説明されたのですが、大きな羽音は、刺さないと分かっていても、やはり驚かされます。クサフジは蜜が少ないのか、頻繁に移動するのでなかなか撮影が困難です。ウスバシロチョウもクサフジにやってきました。一頭が首に巻いたタオルに留まりました。塩分を含んだ汗を吸うためです。コミスジが姿を見せるようになりました。

 林道にモグラの死骸。モグラの死亡原因は、ほとんどが餓死です。非常に大食漢なので、縄張り争いに負けたりして餌場(トンネル)を追い出されると、半日ほどで餓死してしまうのです。太陽に当たって死ぬという俗説は誤りです。
 林道脇のクララ。今頃や梅雨明けの除草で切られてしまうことが度々あります。蝶の食草なので、切らないでください。林下にマムシグサ(蝮草)。毒草ですが、その独特な形から愛好家も少なくない山野草です。秋には短いトウモロコシのような実が成り、初めは緑で後に真っ赤になりますが、毒です。誤って食べると口中がただれ、刺すような痛みに襲われるそうです。

 森のなかにフタリシズカ(二人静)の群生地がありました。ヒトリシズカが花穂が1本に対して、2本なのでフタリシズカなのですが、見ると必ずしも2本ではなく、1本のものもありました。3つ4つ付くのもあります。両方共、静というには似つかわしくないほど賑やかに群生しますが、この静かは煩いの反対語ではなく、源義経の愛した静御前のことです。フタリシズカは、静御前の霊が取り付いた菜摘み女と霊が同じように舞うという、能の「二人静」から来ているそうです。

 全草が猛毒のヤマトリカブト。9月に咲く鳥兜状の花ももちろん猛毒ですが、高貴で非常に美しい。
 タケニグサ(竹似草)も毒草です。茎が中空で折ると黄色い汁が出てきます。これが有毒なのですが、皮膚病、たむし、みずむしなどの薬で、患部に直接塗るのだそうです。以前除草の際に触れてかぶれたことがあるので要注意。
 獣道を進むと、ニホンカモシカの糞がありました。まだ新しく、この日の午前中にしたものです。ニホンカモシカは、巣の近くに大きな糞場がたいていありますが、採食歩行の途中でもするので、縄張りのあちこちにこうした糞が見られます。

 毒草の後は山菜。ユキノシタ(雪ノ下)。この葉を天ぷらにするとモチモチとして美味です。右下に野生の三つ葉が見えます。栽培のものより風味が強烈です。中はワサビ(山葵)の葉。以前、山梨の渓流で野生のワサビの茎と葉を摘んで、酒粕でワサビ漬けを作ったことがあります。これは絶品でした。
 最後はモミジガサ(紅葉傘)。豊臣秀吉の大好物だったとかで、別名をトウキチロウ(藤吉郎)といいます。かなり強いセリの味がします。
 長野市(南部や西山は既に終わっています。北部の1000m以上の所でしょう)、中野市、野沢温泉村、軽井沢町のコシアブラの採取、出荷及び摂取の自粛要請がありました。軽井沢町はタラノメ、ゼンマイも。長野市は犀川の北の山間部。高社山以北の地域、軽井沢町は放射性プルームが流れ、斑状に汚染されています。中でもコシアブラは溜めやすい様です。野生キノコと山菜は要注意。『キノコの汚染と除染について』私が制作したスライドショーです。

 ハルジオン(春紫苑)で吸蜜する3種の蝶と蛾。まずは小さなマドガ(窓蛾)。花との比較でも相当小さいことが分かると思います。
 前回も紹介したエダシャクの一種なんですが、後翅が黄色いのでトンボエダシャクではないようです。色々調べてみましたが、ピッタリと該当するものが見つかりませんでした。なんでしょう。お分かりの方、ご教授ください。
 春紫苑に三頭のウスバシロチョウが吸蜜していました。オス同士で縄張り争いをしたり、メスに求愛したりと忙しい様子です。ウスバシロチョウのメスは、交尾するとオスに交尾板(受胎嚢)をつけられます(写真の腹部に見えるラベンダー色の突起)。交尾したオスが、メスがもう交尾できないように、分泌物の粘液でできた殻をメスの腹部に付けます。言わば貞操帯の様なものです。ウスバシロチョウの交尾は、女性上位です。「シェルのランプシェードの様な翅が美しいウスバシロチョウの交尾は女性上位」。

 妻女山松代招魂社。緑が濃くなってきました。この季節は、桜の木の下を通るときは気をつけないといけません。青虫や毛虫が樹上からぶら下がっているのです。ドクガ(毒蛾)が首筋にポトッなんてなるとかぶれます。6月末には、オオムラサキも舞い始めるでしょう。ウスバシロチョウの撮影中に、男性ひとり、女性二人のハイカーが鞍骨城跡を目指して登って行きました。最近人気がありますね。本郭は見晴らしがよくないので、その20m先に二つの展望岩があることを教えてあげました。

 妻女山展望台から見る善光寺平と飯縄山。左の戸隠連峰は霞んでいます。川中島合戦図の説明看板がずいぶんとボロボロになりました。位置関係がメチャクチャで、絵も実際の地形とかけ離れていて評判の悪かった看板です。関西から来たおじさんに、あまりに酷いやないかいと言われたことがあります。そもそも戦国時代に妻女山という山名は存在しませんから。斎場山(甲陽軍鑑では誤って西条山)です。もうひとつ、展望台の周囲にサクラを植えたのは完全に失敗でした。大きくなって景色が見えません。特に海津城(松代城)方面は、全く見えなくなりました。これはいけませんね。展望台も古くなりました。ここは建て替えて5mほど高くしたらどうでしょう。サクラも切らずに済みます。松本の芥子坊主山にあるような木造の展望台がいいですね。

 ノイバラ(野茨)の花が満開です。花は可憐なのですが、これが森の縁に蔓延ると、中に入れなくなります。「童は見たり野中のバラ」の歌詞で有名なゲーテの詩に曲をつけたシューベルトの「野ばら」。だれもが小中学生の頃に歌った想い出がある曲です。ノイバラは挿し木で簡単に増えるほど繁殖力が旺盛なので、除草作業では刈る対象になります。

 帰りに畑に寄って灌水作業をしました。ヒナゲシが揺れています。シロバナのカスミソウとカモミールも咲いています。カモミールティーでも作りましょう。カモミールには体内の平滑筋という筋肉の組織を落ち着かせる作用があり、腹痛や胃痙攣、女性の生理痛などを和らげる効能があるそうです。神経を鎮めてくれるので不眠症にもいいとか。マウンテンバイクは、ビアンキのperegrineというモデルで、もう20年以上乗っています。さすがにハードワークはできませんが、ポタリングには最適です。30年以上前のプジョーのロードレーサーPF10Jは、長男が修理して今も乗っています。屋代線跡地が、サイクリングロードに生まれ変わるそうで、楽しみです。

 
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★ネイチャーフォトのスライドショーは、【Youtube-saijouzan】をご覧ください。粘菌やオオムラサキ、ニホンカモシカのスライドショー、トレッキングのスライドショーがご覧頂けます。

★妻女山(斎場山)の歴史については、「「妻女山の真実」妻女山の位置と名称について」。をご覧ください。「きつつき戦法とは」、「武田別動隊経路図」などリンク記事も豊富です。
このブログでもページの右上で「妻女山」や「斎場山」、「川中島合戦」、「科野」などでブログ内検索していただくとたくさん記事がご覧いただけます。主に古代科野国と戦国時代、幕末から明治維新にかけての記事がご覧頂けます。
川中島合戦と山名についての考察。斎場山と妻女山まとめ。関連記事のリンク集も
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