妻女山の陣場平へ登ったらマルバフジバカマで数頭のアサギマダラが吸蜜していました。忘れていました。そうだ聖高原へ行かなければと翌日向かいました。天候はあいにく曇り空。しかし、これを逃すとフジバカマは散ってアサギマダラは飛び去ってしまいます。
曇り空で撮影条件はよくありませんが、ほぼ無風なのが救いです。早速フジバカマで吸蜜するメスを撮影。アサギマダラ(浅葱斑)は、チョウ目タテハチョウ科マダラチョウ亜科の蝶です。成虫は、春から夏にかけて南から北へ移動し、移動先で世代を重ねた後、秋になると南へ海を渡って移動します。数千キロもの移動をするため、全国でマーキングをして調査をしています。アニメ『鬼滅の刃』にも登場して話題になりましたが、植物学者牧野富太郎をモデルにした朝ドラの『らんまん』のオープニングにも出てきますね。
吸蜜するメス。アサギマダラはガガイモ科キジョラン属の常緑のつる植物のキジョラン(鬼女蘭)に卵を産み付け、幼虫は越冬します。ただガガイモは信州の里山にもあるのですが、キジョランの北限は東京なので、これらのメスはまもなく南下して産卵するのでしょう。6月に飛来したメスが長野県内で産卵しているのが確認されたそうですが。産み付けられた植物はおそらく新芽が山菜のイケマ(牛皮消)でしょう。その卵は夏には羽化して産卵し、その子供達が晩秋に南下するのでしょう。では秋に産卵して育った個体は? どうも雪のない西日本に南下し産卵して一生を終える様です。
上のメスを捕まえて撮影。お腹の膨らみから卵を持っているか見ました。この膨らみからすると卵を抱えていますね。マーキングの際もこんな風に捕まえますが、傷つけない様にコツが必要です。撮影後は放します。
この個体は、後翅下部に黒斑があるのでオスです。これは性標で、メスにはありません。オスはこの性標に性フェロモンを蓄えていて、尾部のヘアペンシルをここにこすりつけて、性フェロモンを移しとります。
オスのアップ。アサギマダラと言われるのは翅の白い部分が浅葱色を帯びているからです。黒から茶色にかけてのコントラストが綺麗です。前翅の中程は半透明で透けて向こうの景色が見えるものも。個体差があります。
吸蜜する2頭のオス。浅葱色(あさぎいろ)というのは、薄い葱の色という意味で、日本の伝統色の名前です。翡翠色、江戸紫、群青色、銀鼠などは聞いたことがあると思いますが、瓶覗とか高麗納戸、甚三紅とかは聞いたことがないと思います。日本の伝統色にもっと興味を持っていただけると嬉しいです。
メスのアサギマダラ。アサギマダラは暑さに弱く北上し、寒さを避けるために南下するといわれています。それぞれの移動先で産卵し成虫は死ぬので、南下と北上の個体はまったく別のものといわれています。真夏に四阿山のカルデラの中の浦倉山から下った渓流で大きな群れを見たことがあります。
そのクローズアップ。草間彌生の水玉模様の様な胸部が可愛い。この浅葱色の部分は構造色です。この部分の鱗粉は、開かずに縮んだままで細長い形です。
フジバカマで吸蜜するのはアサギマダラだけではありません。これはキタテハ(黄立羽)。幼虫はカラムシなどのイラクサ科の葉を食べます。
おそらくこれもキタテハだと思います。いや違いますね。これはヒョウモンチョウの仲間です。種類までは同定できません。フジバカマ(藤袴)は、キク科ヒヨドリバナ属の多年生植物。「秋の七草」の一つで、万葉の時代から人々に親しまれてきた植物です。
「萩の花 尾花葛花 なでしこの花 女郎花 また藤袴 あさがほの花」 山上憶良(巻8-1538)
萩の花、ススキ、葛、ナデシコ、オミナエシ、そしてフジバカマとキキョウの花と秋の花を並べています。咲く花の情景を思い浮かべると秋の趣が感じられます。
ホソヒラタアブのオスも来ていました。体長は9〜11ミリ。小さいです。撮影は大変です。幼虫はアブラムシを食べます。
吸蜜に訪れる小さな昆虫を捕らえに来たアキアカネ。ナツアカネとの見分けは胸部の黒い模様ですが、尖っているのでアキアカネとしました。今年は赤トンボの発生が少ない様に思いました。小雨が降り始めたので帰ります。
前回の茶臼山自然植物園の記事でソリダゴファイヤーワークスがアキノキリンソウの仲間と紹介しましたが。これがアキノキリンソウです。
薄紫のノコンギ(野紺菊)の脇にシラヤマギク(白山菊)の群生がありました。これにユウガギク、ヨメナ、ゴマナとかあるので、秋の野菊の同定は大変です。『らんまん』のオープニングには薄紫の野紺菊も出てきます。
センニンソウ(仙人草)かボタンヅル(牡丹蔓)の花後の実。葉に鋸歯縁が無いのでセンニンソウでしょう。どちらも毒草です。センニンソウは山野草の中ではトップクラスのいい匂いがします。花はブライダルブーケの様に清楚で豪華ですが、茎や葉の汁は皮膚炎を起こすので要注意です。
久しぶりに見ました。ツル性植物のトリカブトでハナカズラ(花葛)といいます。牧野植物園では、九州、朝鮮半島、中国東北部、ロシア沿岸地域に分布とあり、絶滅危惧IB類なんですが。信州にあるんですけど。大発見ですかこれ。環境省でも九州にしかないと。でもあるんですけど。どうしましょ。ただ朝鮮半島にあるなら信州にあっても変ではないですよね。右上の花は結実しています。見頃は20日頃でした。その下は花がありません。こんな毒草を食べる動物がいるのでしょうか。妻女山陣場平の貝母も薬草で毒草ですが、ニホンカモシカは花を食べることがあります。トリカブトは猛毒です。山菜のニリンソウと似ていて誤って食べると死に至ります。素手で触るのも避けなければいけません。
シシウド(猪独活)でしょうか。すぐ近くにある2m以上のシシウドは花後ですでに立ち枯れし始めています。これは高さ50センチぐらい。シシウド属の別種なのかまだ小さいのか。ノダケ、シラネセンキュウ、ウバタケニンジン、イワニンジンとかありますが、分かりません。
サラシナショウマ(晒菜升麻)で吸蜜するクロヒラタアブ。
今年は山栗が不作です。猛暑と少雨が原因です。松茸も不作だそうですが、森に入っても食菌はおろか毒キノコさえありません。先週かなりの豪雨があったのですが出ません。地温が高すぎるのです。松茸、ショウゲンジ、ウラベニホテイシメジ、ホンシメジ、天然舞茸は不作でしょう。10月下旬に雨が続けばハナイグチ、クリタケ、ムキタケ、ムラサキシメジは出るかも。
ウバユリ(姥百合)が結実しています。枯れると割れてプレパラートの様な薄い膜のついた種を大量にばら撒きます。真夏に咲くラッパ状のユリの花は美しい。オオウバユリは高さ2mぐらいになります。
小雨に煙る三峯山(1131.4m)。眼下にへらぶな釣りで有名な聖湖。小さなスキー場とスライダーがあります。麓には蒸気機関車やジェット機も展示されています。右奥は冠着山(姨捨山)。
千曲川展望台から眼下に姨捨の棚田。稲刈りはこれからのところと終わったところも。千曲川の向こうに五一山脈。その向こうには私のホームフィールドの妻女山、斎場山から鞍骨山、鏡台山へと続く戸神山脈。
今回は聖山へは登りませんでしたが、拙書でも紹介しこのブログでも何度も記事にしています。北アルプスから中央アルプス、美ヶ原、八ヶ岳連峰、志賀高原の山々に戸隠連峰と360度の大展望が魅力。県外からもハイカーがたくさん訪れる本当にいい山です。
●2021年9月23日に撮影した「ハナカズラ(花葛)」に似ているツル性のトリカブトです。今回と同じ場所です。こちらの方がツル植物ということがはっきりと分かると思います。山葡萄のツルにからみついています。
●拙書『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林の冠着山(姨捨山)のページにトリカブトの写真があるのを思い出しました。見るとどうもツル性のトリカブトらしいということで、写真データを探すと4枚ありました・2011年9月27日の冠着山です。場所はほとんど人が通ることのない北面巻き道で、ほぼ廃道になっています。山頂付近にもツル性のトリカブトがあります。冠着山や聖山、聖高原以外にも探すとツル性のトリカブトはあちこちにあるのかも知れません。探してみようと思います。
■2500キロ海を渡り旅する蝶、アサギマダラ
■あいみょん – 愛の花【ACOUSTIC MUSIC VIDEO】 :あいみょんのアコースティックギターが心に響きます。
昔、神田の古書店で『牧野植物図鑑』と『原色牧野植物大図鑑』を見つけて欲しいと思ったけどあまりに高額で諦めた思い出。今回古本の縮刷版を買いました。私もアートディレクターやデザインプロデューサー時代は仕事大好き人間で2度ほど死に損なったことがありますが、彼の仕事量は比べ物になりません。しかもアナログで全て手作業。交通の便も良くないのに日本中を飛び回り。想像を絶します。そして、そんな彼を支えた妻・壽衛さん。史実はドラマとは違いもっと過酷だった様ですが、彼女がいなければこの歴史に残る偉業はなし得なかったでしょう。
「家守りし 妻の恵みや わが学び」
「世の中の あらん限りや スエコ笹」
『原色牧野日本植物図鑑』北隆館が届きました。定価は4800円ですが新古本で3000円で買えました。さらに2、3とありますがとりあえず1を。コンパクト版なので携帯できます。大型本だと中古でも45000円はするので、昔、神田の古書店で見つけて諦めたことがあります。雨などで山に行けない日などに読むのもいいと思います。ただ植物の同定には使いません。近年,植物の分類体系が「新エングラー体系」や「クロンキスト分類体系」などから「APG 分類体系」とよばれる別のシステムに変わりつつあるのです。よって今まで形象学的に分類されていたものがAPG 分類体系によって、エッ!これがこれの仲間?ということがたくさん起きています。興味ある方は調べてみてください。
朝ドラ「らんまん」で牧野富太郎が一般の人にも知られましたが、実際は二重婚で酒蔵の実家の金を絞り出して倒産させたり、お手伝いに手を出し、金が無いのに遊郭三昧とクズ男の見本。まあ妻の壽衛さんありきです。彼女がいなかったら稀代の植物学者牧野富太郎は間違いなく生まれなかった。
■APG 分類体系と植物の進化 横浜国立大学教育学部 倉田 薫子:難解ですが、図版も豊富でじっくり読むといいでしょう。山野草好きにはおすすめです。APG 分類体系で、なんでこれがこれの仲間なの!?って思った方も少なくないと思います。
●インスタグラムはこちらをクリック。ツイッターはこちらをクリック。YouTubeはこちらをクリック。もう一つの古いチャンネルはこちら。76本のトレッキングやネイチャーフォト(昆虫や粘菌など)、ブラジル・アマゾン・アンデスのスライドショー。
◆『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。
★本の概要は、こちらの記事を御覧ください。
★お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
曇り空で撮影条件はよくありませんが、ほぼ無風なのが救いです。早速フジバカマで吸蜜するメスを撮影。アサギマダラ(浅葱斑)は、チョウ目タテハチョウ科マダラチョウ亜科の蝶です。成虫は、春から夏にかけて南から北へ移動し、移動先で世代を重ねた後、秋になると南へ海を渡って移動します。数千キロもの移動をするため、全国でマーキングをして調査をしています。アニメ『鬼滅の刃』にも登場して話題になりましたが、植物学者牧野富太郎をモデルにした朝ドラの『らんまん』のオープニングにも出てきますね。
吸蜜するメス。アサギマダラはガガイモ科キジョラン属の常緑のつる植物のキジョラン(鬼女蘭)に卵を産み付け、幼虫は越冬します。ただガガイモは信州の里山にもあるのですが、キジョランの北限は東京なので、これらのメスはまもなく南下して産卵するのでしょう。6月に飛来したメスが長野県内で産卵しているのが確認されたそうですが。産み付けられた植物はおそらく新芽が山菜のイケマ(牛皮消)でしょう。その卵は夏には羽化して産卵し、その子供達が晩秋に南下するのでしょう。では秋に産卵して育った個体は? どうも雪のない西日本に南下し産卵して一生を終える様です。
上のメスを捕まえて撮影。お腹の膨らみから卵を持っているか見ました。この膨らみからすると卵を抱えていますね。マーキングの際もこんな風に捕まえますが、傷つけない様にコツが必要です。撮影後は放します。
この個体は、後翅下部に黒斑があるのでオスです。これは性標で、メスにはありません。オスはこの性標に性フェロモンを蓄えていて、尾部のヘアペンシルをここにこすりつけて、性フェロモンを移しとります。
オスのアップ。アサギマダラと言われるのは翅の白い部分が浅葱色を帯びているからです。黒から茶色にかけてのコントラストが綺麗です。前翅の中程は半透明で透けて向こうの景色が見えるものも。個体差があります。
吸蜜する2頭のオス。浅葱色(あさぎいろ)というのは、薄い葱の色という意味で、日本の伝統色の名前です。翡翠色、江戸紫、群青色、銀鼠などは聞いたことがあると思いますが、瓶覗とか高麗納戸、甚三紅とかは聞いたことがないと思います。日本の伝統色にもっと興味を持っていただけると嬉しいです。
メスのアサギマダラ。アサギマダラは暑さに弱く北上し、寒さを避けるために南下するといわれています。それぞれの移動先で産卵し成虫は死ぬので、南下と北上の個体はまったく別のものといわれています。真夏に四阿山のカルデラの中の浦倉山から下った渓流で大きな群れを見たことがあります。
そのクローズアップ。草間彌生の水玉模様の様な胸部が可愛い。この浅葱色の部分は構造色です。この部分の鱗粉は、開かずに縮んだままで細長い形です。
フジバカマで吸蜜するのはアサギマダラだけではありません。これはキタテハ(黄立羽)。幼虫はカラムシなどのイラクサ科の葉を食べます。
おそらくこれもキタテハだと思います。いや違いますね。これはヒョウモンチョウの仲間です。種類までは同定できません。フジバカマ(藤袴)は、キク科ヒヨドリバナ属の多年生植物。「秋の七草」の一つで、万葉の時代から人々に親しまれてきた植物です。
「萩の花 尾花葛花 なでしこの花 女郎花 また藤袴 あさがほの花」 山上憶良(巻8-1538)
萩の花、ススキ、葛、ナデシコ、オミナエシ、そしてフジバカマとキキョウの花と秋の花を並べています。咲く花の情景を思い浮かべると秋の趣が感じられます。
ホソヒラタアブのオスも来ていました。体長は9〜11ミリ。小さいです。撮影は大変です。幼虫はアブラムシを食べます。
吸蜜に訪れる小さな昆虫を捕らえに来たアキアカネ。ナツアカネとの見分けは胸部の黒い模様ですが、尖っているのでアキアカネとしました。今年は赤トンボの発生が少ない様に思いました。小雨が降り始めたので帰ります。
前回の茶臼山自然植物園の記事でソリダゴファイヤーワークスがアキノキリンソウの仲間と紹介しましたが。これがアキノキリンソウです。
薄紫のノコンギ(野紺菊)の脇にシラヤマギク(白山菊)の群生がありました。これにユウガギク、ヨメナ、ゴマナとかあるので、秋の野菊の同定は大変です。『らんまん』のオープニングには薄紫の野紺菊も出てきます。
センニンソウ(仙人草)かボタンヅル(牡丹蔓)の花後の実。葉に鋸歯縁が無いのでセンニンソウでしょう。どちらも毒草です。センニンソウは山野草の中ではトップクラスのいい匂いがします。花はブライダルブーケの様に清楚で豪華ですが、茎や葉の汁は皮膚炎を起こすので要注意です。
久しぶりに見ました。ツル性植物のトリカブトでハナカズラ(花葛)といいます。牧野植物園では、九州、朝鮮半島、中国東北部、ロシア沿岸地域に分布とあり、絶滅危惧IB類なんですが。信州にあるんですけど。大発見ですかこれ。環境省でも九州にしかないと。でもあるんですけど。どうしましょ。ただ朝鮮半島にあるなら信州にあっても変ではないですよね。右上の花は結実しています。見頃は20日頃でした。その下は花がありません。こんな毒草を食べる動物がいるのでしょうか。妻女山陣場平の貝母も薬草で毒草ですが、ニホンカモシカは花を食べることがあります。トリカブトは猛毒です。山菜のニリンソウと似ていて誤って食べると死に至ります。素手で触るのも避けなければいけません。
シシウド(猪独活)でしょうか。すぐ近くにある2m以上のシシウドは花後ですでに立ち枯れし始めています。これは高さ50センチぐらい。シシウド属の別種なのかまだ小さいのか。ノダケ、シラネセンキュウ、ウバタケニンジン、イワニンジンとかありますが、分かりません。
サラシナショウマ(晒菜升麻)で吸蜜するクロヒラタアブ。
今年は山栗が不作です。猛暑と少雨が原因です。松茸も不作だそうですが、森に入っても食菌はおろか毒キノコさえありません。先週かなりの豪雨があったのですが出ません。地温が高すぎるのです。松茸、ショウゲンジ、ウラベニホテイシメジ、ホンシメジ、天然舞茸は不作でしょう。10月下旬に雨が続けばハナイグチ、クリタケ、ムキタケ、ムラサキシメジは出るかも。
ウバユリ(姥百合)が結実しています。枯れると割れてプレパラートの様な薄い膜のついた種を大量にばら撒きます。真夏に咲くラッパ状のユリの花は美しい。オオウバユリは高さ2mぐらいになります。
小雨に煙る三峯山(1131.4m)。眼下にへらぶな釣りで有名な聖湖。小さなスキー場とスライダーがあります。麓には蒸気機関車やジェット機も展示されています。右奥は冠着山(姨捨山)。
千曲川展望台から眼下に姨捨の棚田。稲刈りはこれからのところと終わったところも。千曲川の向こうに五一山脈。その向こうには私のホームフィールドの妻女山、斎場山から鞍骨山、鏡台山へと続く戸神山脈。
今回は聖山へは登りませんでしたが、拙書でも紹介しこのブログでも何度も記事にしています。北アルプスから中央アルプス、美ヶ原、八ヶ岳連峰、志賀高原の山々に戸隠連峰と360度の大展望が魅力。県外からもハイカーがたくさん訪れる本当にいい山です。
●2021年9月23日に撮影した「ハナカズラ(花葛)」に似ているツル性のトリカブトです。今回と同じ場所です。こちらの方がツル植物ということがはっきりと分かると思います。山葡萄のツルにからみついています。
●拙書『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林の冠着山(姨捨山)のページにトリカブトの写真があるのを思い出しました。見るとどうもツル性のトリカブトらしいということで、写真データを探すと4枚ありました・2011年9月27日の冠着山です。場所はほとんど人が通ることのない北面巻き道で、ほぼ廃道になっています。山頂付近にもツル性のトリカブトがあります。冠着山や聖山、聖高原以外にも探すとツル性のトリカブトはあちこちにあるのかも知れません。探してみようと思います。
■2500キロ海を渡り旅する蝶、アサギマダラ
■あいみょん – 愛の花【ACOUSTIC MUSIC VIDEO】 :あいみょんのアコースティックギターが心に響きます。
昔、神田の古書店で『牧野植物図鑑』と『原色牧野植物大図鑑』を見つけて欲しいと思ったけどあまりに高額で諦めた思い出。今回古本の縮刷版を買いました。私もアートディレクターやデザインプロデューサー時代は仕事大好き人間で2度ほど死に損なったことがありますが、彼の仕事量は比べ物になりません。しかもアナログで全て手作業。交通の便も良くないのに日本中を飛び回り。想像を絶します。そして、そんな彼を支えた妻・壽衛さん。史実はドラマとは違いもっと過酷だった様ですが、彼女がいなければこの歴史に残る偉業はなし得なかったでしょう。
「家守りし 妻の恵みや わが学び」
「世の中の あらん限りや スエコ笹」
『原色牧野日本植物図鑑』北隆館が届きました。定価は4800円ですが新古本で3000円で買えました。さらに2、3とありますがとりあえず1を。コンパクト版なので携帯できます。大型本だと中古でも45000円はするので、昔、神田の古書店で見つけて諦めたことがあります。雨などで山に行けない日などに読むのもいいと思います。ただ植物の同定には使いません。近年,植物の分類体系が「新エングラー体系」や「クロンキスト分類体系」などから「APG 分類体系」とよばれる別のシステムに変わりつつあるのです。よって今まで形象学的に分類されていたものがAPG 分類体系によって、エッ!これがこれの仲間?ということがたくさん起きています。興味ある方は調べてみてください。
朝ドラ「らんまん」で牧野富太郎が一般の人にも知られましたが、実際は二重婚で酒蔵の実家の金を絞り出して倒産させたり、お手伝いに手を出し、金が無いのに遊郭三昧とクズ男の見本。まあ妻の壽衛さんありきです。彼女がいなかったら稀代の植物学者牧野富太郎は間違いなく生まれなかった。
■APG 分類体系と植物の進化 横浜国立大学教育学部 倉田 薫子:難解ですが、図版も豊富でじっくり読むといいでしょう。山野草好きにはおすすめです。APG 分類体系で、なんでこれがこれの仲間なの!?って思った方も少なくないと思います。
●インスタグラムはこちらをクリック。ツイッターはこちらをクリック。YouTubeはこちらをクリック。もう一つの古いチャンネルはこちら。76本のトレッキングやネイチャーフォト(昆虫や粘菌など)、ブラジル・アマゾン・アンデスのスライドショー。
◆『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。
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★お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。