空を飛ぶ宝石の形容がピッタリのオオセイボウ。実際に観察するとエメラルドグリーンやコバルトブルーに輝く宝石が飛翔しているように見えるのです。鉱物が好きな私は、ブラジルのレシーフェで鉱物(宝石)の見本を入手。新潟県糸魚川市のフォッサマグナ・ミュージアムと長野県大鹿村の中央構造線博物館へは何度も足を運んでいます。今回はそんな「宝石蜂」オオセイボウの特集です。

オオセイボウ(大青蜂)はハチ目セイボウ科の昆虫。ドロで巣を作るスズバチの巣に卵を産み付け、幼虫はスズバチが持ってきた蝶や蛾の幼虫とスズバチの幼虫も食べて成長する寄生蜂です。

まさにメタリックな鎧を着た宝石のようなハチ。体長は12〜20ミリといいいますが、写真の個体は12ミリぐらい。体表には無数の凹凸があり、光の加減で様々な色に見える「構造色」です。

寄生蜂は、昆虫類約100万種の中の約20%を占めると推定されています。植物に寄生するものと動物に寄生するものがあり、植物に寄生するものはホルモンの作用で虫こぶを形成します。昆虫に寄生するものは、種により寄生する昆虫が決まっています。

昆虫類ではほぼ全ての分類群が寄生バチによる寄生をうける。また、寄生バチ自身も多種の寄生バチによって寄生されることが知られています。寄生蜂によって寄主の昆虫が異常に増えるのを抑制しているという側面もあります。

寄生蜂については、Wikipediaの「寄生バチ」を参照してください。殺傷寄生バチ、飼い殺し寄生バチとか外部寄生バチ、内部寄生バチや卵寄生バチ、幼虫寄生バチ、蛹寄生バチなどがあります。

幼虫の形態に関して。「ハバチ類ではチョウなどによく似たイモムシとして自由生活を送るのに対し、寄生バチを含むハチ目の他属ではいずれも付属肢や感覚器の退化傾向が著しく、自由生活能力に乏しい点も、寄生生活への適応に由来するものと考えられる。」とあります。

吸蜜しているのはマウンテンミント。オミナエシによく集るとありますが、吸蜜しやすい小さな花に集まる傾向があります。

止まってもすぐに飛び立つ事が多いのですが、それは周囲にたくさんのライバルの昆虫がいて吸蜜しているから。たまたま止まった花が吸蜜直後だと蜜がないのですぐに他の花へ移ります。

今回は2匹のオオセイボウが訪れました。同じ花で奪い合いもしていましたが大事になることはありません。食性は雑食性で、付着藻類や水生昆虫なども食べます。

寄生することから英名では「Cuckoo wasp (カッコウの蜂)」といいます。

非常に希少で準絶滅危惧種に指定されている県もありますが、環境省では情報不足と評価されています。

体表には微毛があります。外骨格はかなり硬いキチン質でできています。

頭部は細長く特徴的な形です。翅音は小さく、このときは近くにクロマルハナバチがいて大きな翅音をたてていたため全く聞こえませんでした。この花には他にも数種類の寄生蜂が集まっていました。

寄生されるスズバチ(鈴蜂)。もちろん対抗するのですがいないときを見計らって巧妙に卵を産み付けられてしまいます。スズバチはドロバチ科で、ドロで固めた鈴のような巣を作ります。十数個に区切られた部屋には、蛾の幼虫が麻酔を打たれて詰められ、卵が一個ずつ産み付けられます。孵化した幼虫は、蛾の幼虫を食べて成長します。オオセイボウの幼虫はその餌を横取りし、最終的にはスズバチの幼虫も食べてしまいます。
■「ブラジルへの郷愁」レヴィ=ストロース 川田順造訳 みすず書房。文化人類学、また構造主義におけるバイブルのひとつ(妻女山里山通信)
『アマゾンひとり旅』を掲載中。■ブラジル料理を2回に渡って掲載。ブラジル音楽も。最近大流行りの南米文学(ラテンアメリカ文学)の紹介。『百年の孤独』『族長の秋』『蜘蛛女のキス』など。■モリモリキッズ・スペシャル をクリック!!!
■ 「村上春樹さんのピーター・キャットを中心とした70年代のクロニクル」 ムサビの美大生時代に彼のジャズ喫茶でアルバイトしていた当時のブログ。世界中からアクセスがあります。70年代の美大生の赤裸々な日々。ロンドンでQueenのフレデイ・マーキュリーの恋人のメアリー・オースチンが勤めていたBIBAの店で当時の私の恋人が彼女からジャケットを買った話など。
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●もう一つの古いチャンネルはこちら。76本のトレッキングやネイチャーフォト(昆虫や粘菌など)、ブラジル・アマゾン・アンデスのスライドショー。

オオセイボウ(大青蜂)はハチ目セイボウ科の昆虫。ドロで巣を作るスズバチの巣に卵を産み付け、幼虫はスズバチが持ってきた蝶や蛾の幼虫とスズバチの幼虫も食べて成長する寄生蜂です。

まさにメタリックな鎧を着た宝石のようなハチ。体長は12〜20ミリといいいますが、写真の個体は12ミリぐらい。体表には無数の凹凸があり、光の加減で様々な色に見える「構造色」です。

寄生蜂は、昆虫類約100万種の中の約20%を占めると推定されています。植物に寄生するものと動物に寄生するものがあり、植物に寄生するものはホルモンの作用で虫こぶを形成します。昆虫に寄生するものは、種により寄生する昆虫が決まっています。

昆虫類ではほぼ全ての分類群が寄生バチによる寄生をうける。また、寄生バチ自身も多種の寄生バチによって寄生されることが知られています。寄生蜂によって寄主の昆虫が異常に増えるのを抑制しているという側面もあります。

寄生蜂については、Wikipediaの「寄生バチ」を参照してください。殺傷寄生バチ、飼い殺し寄生バチとか外部寄生バチ、内部寄生バチや卵寄生バチ、幼虫寄生バチ、蛹寄生バチなどがあります。

幼虫の形態に関して。「ハバチ類ではチョウなどによく似たイモムシとして自由生活を送るのに対し、寄生バチを含むハチ目の他属ではいずれも付属肢や感覚器の退化傾向が著しく、自由生活能力に乏しい点も、寄生生活への適応に由来するものと考えられる。」とあります。

吸蜜しているのはマウンテンミント。オミナエシによく集るとありますが、吸蜜しやすい小さな花に集まる傾向があります。

止まってもすぐに飛び立つ事が多いのですが、それは周囲にたくさんのライバルの昆虫がいて吸蜜しているから。たまたま止まった花が吸蜜直後だと蜜がないのですぐに他の花へ移ります。

今回は2匹のオオセイボウが訪れました。同じ花で奪い合いもしていましたが大事になることはありません。食性は雑食性で、付着藻類や水生昆虫なども食べます。

寄生することから英名では「Cuckoo wasp (カッコウの蜂)」といいます。

非常に希少で準絶滅危惧種に指定されている県もありますが、環境省では情報不足と評価されています。

体表には微毛があります。外骨格はかなり硬いキチン質でできています。

頭部は細長く特徴的な形です。翅音は小さく、このときは近くにクロマルハナバチがいて大きな翅音をたてていたため全く聞こえませんでした。この花には他にも数種類の寄生蜂が集まっていました。

寄生されるスズバチ(鈴蜂)。もちろん対抗するのですがいないときを見計らって巧妙に卵を産み付けられてしまいます。スズバチはドロバチ科で、ドロで固めた鈴のような巣を作ります。十数個に区切られた部屋には、蛾の幼虫が麻酔を打たれて詰められ、卵が一個ずつ産み付けられます。孵化した幼虫は、蛾の幼虫を食べて成長します。オオセイボウの幼虫はその餌を横取りし、最終的にはスズバチの幼虫も食べてしまいます。
■「ブラジルへの郷愁」レヴィ=ストロース 川田順造訳 みすず書房。文化人類学、また構造主義におけるバイブルのひとつ(妻女山里山通信)
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