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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

秋雨前線に想う夏の菅平高原と真田氏山城跡(妻女山里山通信)

2011-08-28 | アウトドア・ネイチャーフォト
 猛暑といわれた割には、秋の訪れは早く、ここのところぐずついた毎日が続いています。台風11号と12号が接近中で、これが「藤原の効果」で秋雨前線を刺激して大水害をもたらさないことを祈るばかりです。8月14日の猛烈な雷雨で、妻女山の高さ20m以上ある赤松が何本も折れてしまいました。林道にかかったものは、なんとか処理しましたが、林内のものはそのままです。

 今年は、梅雨にしっかり雨が降り、夏も暑かったので、このまま順調にいけば松茸はじめキノコは大豊作らしいのですが、気になるのは放射性物質。基準値以下であれば茹でこぼせば80~90パーセントは除去できるそうですが(フィンランド食品安全局)、松茸は茹でこぼしたら香りが抜けてしまいますからね。信州人の大好きなジコボウ(ハナイグチ)は、ゴミ処理に茹でこぼすので問題ありません。

 しかし、こうぐずつくと、スカッと抜けた高原の青空が懐かしくなります。今回は息子達と行った真夏の菅平高原と真田氏本城跡を振り返ってみたいと思います。菅平高原といえば、夏はサッカー、ラグビーの合宿で有名です。高原のあちこちでやたら体格のいいラガーメンや派手なユニを着たフットボーラーに出会います。

 大松山のゲレンデからは、眼下に広大なレタス畑。森とたくさんのグラウンドを挟んで奥には、根子岳と四阿山の雄志。東洋一の規模を誇る菅平牧場。左には日本ダボスが見えます。根子岳と四阿山は、さらに後方の浦倉山と米子大瀑布を囲んだ直径約3キロのカルデラを形成しています。大昔は、そこに標高4000m以上の山があったといわれています。
【信州の山】四阿山カルデラ一周 Mt.Azumaya at Yonako in Nagano 米子大瀑布から、真夏の根子岳・四阿山・浦倉山へ22.5kmカルデラ周回コースのトレッキング・スライドショーをご覧ください。その全貌が分かります。

 ゲレンデには、高原の花火、シシウドが咲いていました。菅平湿原に行くと、湿原の大きな線香花火、シラネセンキュウが咲いていました。湿原は、もっと期待していたのですが、以外と乾いていて外来植物も入っており、なによりすぐ隣がグラウンドなもので、ラガーメンの指示の声やらが煩くてやや興ざめでした。このままだといずれは乾燥して草地になってしまうのでしょう。

 菅平の後は、真田に下り、「真田氏本城跡(真田山城・松尾新城・住連寺城・十林寺の城山)」に寄りました。本城といいますが、これは推定で歴史的根拠はありません。城跡に登ると目の前に、武田信玄が人生最大の敗北を喫した「戸石崩れ」で有名な村上義清の戸石城が見えます。難攻不落といわれながらも、真田幸隆の調略によって落城。上田城築城の前は真田昌幸の居城であり、上田城築城後は後背を固める城として、徳川軍との戦いでは真田信幸が篭城。慶長五(1600)年の関ヶ原の役では、昌幸・幸村父子は西軍、信幸は東軍でしたが、徳川秀忠は真田信幸の一隊に戸石城攻撃を指示、幸村は兄弟の争いを避けて無血開城し、戸石城は信幸に占拠されました。役後、真田昌幸の旧領は信幸(信之)に継がれましたが、信之の松代城転封後に廃城となりました。
 また戸石城は、アニメ「サマー・ウォーズ」の舞台としても有名です。今度登ってみたいと思います。

 真田山城からは、西に戸石城。南西に上田城。北東に四阿山。北西には傍陽(そえひ)から地蔵峠を超えて松代へ続く松代街道の谷が望めます。真田の里は狭いです。たぶん始めて訪れた人は驚くのではないでしょうか。しかし、この狭いのどかな山里から、かの徳川家康をも翻弄した真田信繁(幸村)や、真田一族の物語が生まれたと思うと、感慨もひとしおです。赤松の下の草原に腰を下ろして想像に耽るのもいいかもしれません。私は歴史研究の邪魔になるので、基本的に歴史小説(フィクション)は読みませんが・・。

■歴史ついでに、原発の歴史を学びましょう。
【IWJの原点:孫崎享×岩上安身】 日本国民は「核の平和利用」という甘言に騙されて原発を受け入れた。米はA級戦犯を手なずけ日本は米の属国となった。原発(核発電)は、核爆弾開発技術維持のためにある。
今の除染方法では子供の健康を守れない-児玉龍彦教授(カレイドスコープ書起し)
IPPNW(核戦争防止国際医師会議)から日本政府へ勧告:「国際的に最善といえる水準の放射線防護策を実施するには、いっそうの避難が必要」 世界はもう日本政府を信用していない。
長野県松本市長 菅谷昭氏 2011/3/22 定例記者会見 内部被爆に関するコメント(iinotes書起し) 「核の事故、放射能事故というのは、最初から最悪の事態を想定したかたちで、先手、先手として手を打っていくことが大事」
JSA日本科学者会議ウェブサイト 「放射線被曝問題について」
●多くの専門家がいうように、チェルノブイリで起きた悲劇の数々はやがて日本でも必ず起きます。チェルノブイリでは、無関心な人、気にしてもしょうがないという人から亡くなっていったそうです。情報を精査して日々努めることが肝要かと思われます。但し、カタストロフィは突然訪れるかもしれないので、逃げる準備だけは怠らない様にしましょう。これから冬に向かって北風になると、東京圏は確実に線量が上がります。また、小出助教が言う様に現在も再爆発の可能性は残っています。政府やマスコミの発表はいつも後出しで遅いので、自衛しなければなりません。ハリケーンの襲来で230万人に避難勧告を出した米とはえらい違いです。

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★ネイチャーフォトのスライドショーやムービーは、【Youtube-saijouzan】をご覧ください。粘菌や森のあんずのスライドショー、トレッキングのスライドショーがご覧頂けます。

★ネイチャーフォトは、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。キノコ、変形菌(粘菌)、コケ、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、森の動物、特殊な技法で作るパノラマ写真など。粘菌の写真はこちらにたくさんあります。

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