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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

ほぼ快晴の青空。今年最後の妻女山へ。北アルプスと戸隠連峰のパノラマ。会津比売(あいづひめ)神社へ先参り(妻女山里山通信)

2022-12-28 | アウトドア・ネイチャーフォト
 仕事納めの28日は朝からほぼ快晴の青空。昼頃に妻女山へ登りました。まず高速をくぐって上杉謙信槍尻ノ泉の急カーブへ。ここが登れないと上には行けません。なんとか行けそうです。雪が溶けて凍結してアイスバーンになったらスタッドレスでは登れません。毎年スタックして動けなくなる車がいるので要注意です。妻女山で12月の積雪は珍しいのですが、もし1月にかなりの降雪があれば春の訪れは早いかも知れません。

 妻女山展望台から西北の眺め。北アルプスの白馬三山。左から白馬鑓ヶ岳・杓子岳・白馬岳。これらの名称は白明治になって帝国陸軍陸地測量部が地図を作るにあたり地元につけさせたものです。それ以前は、西岳とか岳山とかいって正式な名称はありませんでした。右手前が茶臼山。その右奥は神話の里山・虫倉山。

 左にそびえるのは仁科三山。左から爺ヶ岳・鹿島槍ヶ岳・五竜岳。気温は0度。麓は午後に7.5度まで上がりました。鹿島槍ヶ岳の右の深い谷には、長野県で初めて認定された氷河があります。また下の谷は「かくね里」といって、古くは平家の落人が隠れ住んだ里ともいわれています。

 左手前には(旧妻女山)。川中島の戦いで上杉謙信が最初に本陣としたと伝わる場所で、古代科野国の古墳(円墳)。展望台から歩いて20分ぐらいです。4月に貝母が咲く陣場平へは峠をひだりへさらに10分ほど。国道に雪はありませんが、午前中はブラックアイスバーンになっていて非常に危険です。

 南を見るとその陣場平の山が見えます。展望台は老朽化が激しく危険な状態なので来年度修繕するそうです。大きな石碑は、松代藩が建てた善光寺地震の供養塔です。

 飯縄山(飯綱山)。拙書ではその歴史を詳しく記しています。飯縄権現を祀る飯縄神社。上杉謙信にも武田信玄にも尊崇された神社です。東京の高尾山の薬王院は飯縄権現を祀っています。標高1917mなので低いなと覚えるのですが、伝説と夏のお花畑が魅力的な長野市民の愛する山です。

 戸隠連邦と、戸隠富士と呼ばれる高妻山と左奥に乙妻山。蟻の塔渡りで有名な戸隠。標高は低いのですが、初心者が登る山ではありません。手前の千曲川は渇水期なので一年で最も水位が低い季節です。

 東の松代方面の眺め。清滝から林道経由で尾根に登り、30mの崖を奇妙山へ登るコースは拙書でも紹介しています。奇妙山は行基にまつわる歴史の深い里山で、古い山城の遺構もあります。根子岳と四阿山はまだ雪が少ない様ですね。

 新しく買ったスノーブーツに装着するスパイクアタッチメントを試すために林道を少し登ってみました。すっかり落葉したため樹間から北アルプスもよく見えます。

 降雪してから4,5日経っているのでアニマル・トラッキングには不向きです。タヌキとニホンカモシカの足跡がありました。先週末には猪狩りのハンター達が入った様です。

 帰りに会津比売(あいづひめ)神社へ先参りに。会津比売神社は諏訪社系の神社なんですが、御柱はありません。全国でたった一社という非常に珍しい神社です。会津は福島の会津と関係があります。
 崇神天皇10年9月9日、崇神天皇の伯父大彦命(おおひこのみこと)を北陸道へ、その子武淳川別命(たけぬなかわ わけのみこと)を東海道へ遣わせた。日本海側を進んだ大彦命は越後から東に折れ、太平洋側を進んだ武淳川別命は南奥から西に折れた。二人の出会った所を相津(會津、会津)という。『日本書紀』
 相津と想定される会津坂下町青津。能登南部からの移住者を想定される弥生時代終末期の男壇遺跡・宮東遺跡があり、亀ヶ森古墳等がある。(会津学研究会サイトより引用)
 この会津と、会津比売命の関係やいかに・・。大彦命は東征の後で、長野市篠ノ井の茶臼山動物園の下の長者窪という所に住み、薨去したと伝えられています。彼の功績を讃えて父出速雄命は娘に会津比売とつけたのではないでしょうか。
 この会津比売神社の祭神、会津比売命(會津比賣命)ですが、東北の大震災以降、知られるようになった貞観地震の記述がある『日本三代実録』貞観8(866)年6月甲戌朔条(最初の行)に、「授信濃國-無位-會津比賣神 從四位下」と出てきます。官位のない会津比売命に従四位下の位を授けますよということです。かなり高い位を授かっています。
 その理由なんですが、会津比売は、諏訪大社の祭神、建御名方富命(たけみなかたとみのみこと)の子、出速雄命(いずはやおのみこと・伊豆早雄)の子といわれているからなのです。しかも、神武天皇の子、神八井耳命(かむやいみみのみこと)の子孫といわれる、大和王権より初代科野(信濃)国造に任ぜられた武五百建命(たけいおたつのみこと)[古事記]の室(妻)といわれているからなのです。
■科野国造 武五百建命(たけいおたつのみこと)と妻 会津比売命(あいづひめのみこと)の家系図(諸説あり)
 神武天皇--神八井耳命--武宇都彦命--武速前命--敷桁彦命--武五百建命--健稲背
           大国主命--建御名方富命--出速雄命--会津比売命(出速姫神)

 つまり、出雲系の出速雄命一族は、娘の会津比売命が、天皇系(大和系)の科野国造 武五百建命と結婚したことにより、官位を授与され、後に諏訪に戻って大祝(おおほうり)家となったわけです。貞観年間に、無位となっていた出速雄命、会津比売命の官位授与を申請したのは、当時の埴科郡の大領であった金刺舎人正長といわれています。金刺氏は諏訪系統の流れで、貞観4年(862)に、埴科郡大領外従7位金刺舎人正長とあります。『日本三代実録』[信濃史料] 無位にあった自分の先祖の復権をすべく申請したということでしょう。古代科野国は、出雲系と大和系が結ばれてできたといえるのです。
 本年もご高覧いただきありがとうございました。どちら様も良いお年を。

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。地形図掲載は本書だけ。山の歴史や立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。10本のエッセイが好評。掲載の写真やこのブログの写真は、有料でお使いいただけます。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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クリスマス寒波の北信濃。白銀の世界へ。千曲川河川事務所と長野国道事務所のライブカメラ映像。冬を喰らう(妻女山里山通信)

2022-12-24 | アウトドア・ネイチャーフォト
 クリスマス寒波が襲来。それまでの猛烈な西風から北風に変わるということで、今まで降雪のなかった北信濃の平野部にもかなりの雪が降りました。気温が高かったためかパウダースノーではなく湿雪。10センチほどですが、重くて雪かきが大変です。湿雪は春先が多いのですが12月は稀です。落枝や倒木を招くので心配です。

 望遠レンズで見る斎場山(旧妻女山)。川中島の戦いで上杉謙信が最初に本陣としたと伝わる場所で、古代科野国の古墳です(円墳)。展望台までは車で登る人がいるでしょうけれど、斎場山へ登る人はさすがにいないでしょう。けれども晴れるとスノーハイクをする人やファットバイクなので登る人がけっこういます。私は動物の足跡を探してアニマル・トラッキングをします。休日には猪狩りのハンター達も入ります。

 千曲川河川事務所のライブカメラ映像。朝とお昼過ぎの比較です。道路状況や交通状況は、千曲川河川事務所と長野国道事務所のライブカメラで確認する様にしています。初雪の時はまだ慣れていないので、スリップ事故や追突事故が多発します。スピードは控えめに車間距離はいつもより長く。急発進や急ブレーキをしない。
 スコップ、手袋、スノーブーツ、雪かき(スクレーパー)、氷解スプレー、脱出用チェーン、バッテリーケーブルは必須です。寝袋や毛布、飲み物、食料も。シガーライタージャックからスマホなどに充電できるケーブルも必須です。暖房カイロに携帯用トイレや乾電池式のランタン、ガスコンロと鍋もあると便利。ほとんど車中泊の装備です。そして、これが重要なんですが、車の屋根に雪を積んだまま走るのは非常に危険です。長野県条例に違反で検挙されることも。ブレーキでフロントグラスに落ちると視界が無くなります。後ろに落ちると事故を誘発することも。絶対にしてはいけません。











千曲川河川事務所のライブカメラ映像
長野国道事務所のライブカメラ映像


 ツルヤの商品券をいただいたので久しぶりに行きました。なんと殻付きの生ホッキ貝(200円弱)がありました。もちろん生きています。どれくらいぶりか思い出せないほど。さばいて昆布締めにしました。酢ダコはツルヤオリジナルの無着色でリンゴ酢に漬けたもの。やさしい味です。柿酢で作った自家製の寿司酢で酢飯を作り丼に。これは熱燗が進みます。殻付き生ホッキ貝のさばき方は説明が難しいのでYouTubeで見てください。締め付ける力が凄く包丁では刃こぼれする危険性があるので洋食ナイフで貝柱を切ります。あとは内蔵とか黒いところを取ればOK。

 これはAコープ松代で買った青森産のワタリガニ。なんと6脚で300円しません。ワタリガニと野沢菜炒めの酸辣湯麺を作りました。参考にしたのは、戸倉上山田温泉の本格中華料理の店、大上海(町中華ではない。オーナーはホテルオークラの桃花林で修行したとかなんとか)のワタリガニの酸っぱ辛いラーメン。スープは創味のシャンタンに貝柱出汁(本当は金華ハムと干し貝柱)。酸味は柿酢と生ポン酢。辛味は青柚子胡椒、豆板醤、飯田辛味噌。味見をしながら少しずつ加えていきました。なによりワタリガニから極上のスープが出ます。かなり理想に近い味になりました。余ったスープは翌日に卵おじやに。この冬は寒ブリ、蟹、海老、鮭、タコは高めです。安いのはタラ、白子、牡蠣、ワタリガニでしょうか。Aコープ松代は最近リニューアルしてグレードがかなり上がりました。地産コーナーは県内随一の大きさで充実しています。なんとあの久世福商店も。肉類は国産信州産が充実。魚介類も多品種で鮮度もいいです。原信とか綿半ともいい勝負ですね。山国信州では活魚や鮮魚は手に入らないというのはもう過去の話です。夜捕った魚が同じ日の朝には信州のスーパーに並びます。さばき方とか料理法はネットで調べれば分かります。できれば鹿や猪などのジビエも揃えて欲しい。

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積雪前に妻女山山系の長坂峠、斎場山、陣馬平へ。現状の撮影をして春との比較に役立てます。北アルプスのパノラマ(妻女山里山通信)

2022-12-21 | アウトドア・ネイチャーフォト
 ワールドカップ・カタール大会がやっと終わりました。メッシ・アルゼンチンの劇的な優勝。日本の9位という世界も驚いた進撃。VARよる公正なジャッジ。PKが時の運などではなく、実力とメンタルの勝負というのも理解されたのではないでしょうか。往年のサッカー小僧の私も充分満喫しました。しかし、キックオフが0時と4時という地獄のスケジュール。酷いW杯時差ボケに苦しみました。それもやっと終わりです。というわけで、本当に久しぶりに妻女山へ登りました。

 斎場山方面から見た長坂峠。前回伐採や除草をしたので清々しています。中央の榎の根本には枯れ葉の布団の下にオオムラサキの幼虫がいるはずです。昨年は18日、一昨年は14日に初積雪があったのですが、今年はまだです。それどころか21日現在、豪雪地帯の飯山に積雪が無いのです。冬型だと日本海の筋雲は縦にできるのですが、この冬は猛烈な西風で東西に水平に流れています。そのため普段は雪の少ない新潟の海岸部の柏崎でも豪雪になりました。クリスマス寒波では北風に変わるという予報なので、北信濃も積雪するかも知れません。妻女山も圧雪で凍結したらスタッドレスでは登れません。チェーンかスパイクアタッチメントが必須です。

 斎場山(旧妻女山)。川中島の戦いで上杉謙信が最初に本陣としたと伝わる場所で、古代科野国の古墳です(円墳)。15年前にある大学と教育委員会などで発掘調査をしました。その研究結果のレポートの写しを持っています。

 古墳の上部は円形で平らです。落葉したので川中島が望めます。上杉謙信の気分で見渡すのも一興かと。

 そこから西へ100mほど下ると御陵願平(竜眼平)の東の端にイノシシのヌタ場(泥浴び場)。イノシシの足跡はありませんでした。猟師に追われて逃げ切ると火照った体を冷やすために氷を割って飛び込みます。右奥の泥のついた樹はイノシシが体を擦り付けた跡。これをたどるとどこへ逃げたか塒(ねぐら)も分かります。

 その西に広がる御陵願平の平地。往古はここに会津比売神社があったという伝説もあります。上杉謙信が庇護していたため、武田信玄の兵火で消失。後に麓の現在の場所にひっそりと再建されたとか。ここは西に向かって二段に低くなっています。神社は西向きだった可能性。会津比売命の父は出速雄命。その父は諏訪大社の祭神・建御名方命。その父は大国主命。神社が西向きなのは理解できます。さらに出雲族のルーツであると思われる春秋戦国時代の呉の国は、さらに西へ海を渡って長江の倭人の国。会津比売命の夫は、神社御由緒には崇神天皇に初代信濃國造に任命された武五百建命(たけいおたけのみこと)と記されています。つまり、古代科野クニは、大和系と出雲系が結ばれてできたというわけです。

 長坂峠へ戻る途中から望む天城山(てしろやま)と陣場平。右の枯れ葉はヤマコウバシ。若葉が出るまで落葉しません。

 コムラサキ(小紫)の小さな実。毒性はないのですが味もなく小鳥も食べない様です。

 川中島の戦いの際に上杉謙信が七棟の陣小屋を建てたと伝わる陣場平へ。山蕗の葉がもう出ています。

 陣場平の北東の角にある菱形基線測点。地理史の貴重な文化遺産です。眼下に千曲川が見えます。

 霧や霜が降りているため倒木の苔もみずみずしい。

 陣場平全景。妻女山SDPが、貝母(編笠百合)の保全活動をしている場所です。前回の里山保全の作業で立ち枯れ木を伐倒しました。貝母は2月中旬から下旬にかけて芽吹きます。雪があっても出てきます。

 北西の角にある高句麗帰化人の積石塚古墳。今年はこの向こうの藪を伐採し貝母の球根をたくさん移植したので、来春が楽しみです。貝母が咲き始める4月上旬にまた保全作業をします。

 陣場平の一角にあるセリバオウレンの小さな群生地。貝母より早く開花します。西風があまりに冷たいので下山します。

 妻女山展望台から北アルプスの白馬三山。右手前が茶臼山。その右奥は神話の里山・虫倉山。

 北には戸隠連峰と戸隠富士の異名を持つ高妻山。右に長野市民の山・飯縄山。

 北西を見るとたかやしろと呼ばれる高社山。その向こう側は豪雪地帯の木島平と飯山なんですが、雪がありません。週末のクリスマス寒波で積もるかも知れません。手前にホワイトリングとエムウェーブ。

 東には松代の城下。最高気温は8度ですが、西風の寒風が堪えます。手前の広葉樹林が大きくなって葉が茂ると松代城が全く見えなくなるので、10年ぶりに長野市に伐採をお願いしました。寒いので帰ります。

 前の記事で紹介したオニグルミとヒメグルミですが、殻が硬くて割るのが大変な割には実が少ないので面倒と思っていたら、テレビでリキュールにすると非常に美味しいというのを聞き、さっそく作りました。半年一年するとダークブラウンの香ばしい酒ができると思います。楽しみです。

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妻女山里山デザイン・プロジェクトの里山保全作業と納会2022。絶品海鮮鍋と土を喰らう料理の数々(妻女山里山通信)

2022-12-03 | 男の料理・グルメ
 割と暖かかった11月でしたが、12月になった途端に冬になりました。冠着山(姨捨山)も山頂が白く染まりました。そんな週末に、妻女山里山デザイン・プロジェクトの今年最後の里山保全作業と納会を行いました。数日前には最高気温が20度だったのに一気に冬へ。氷点下3度。昼も5度ぐらいでした。

 まず長坂峠で伐採と除草をします。伐採する樹種と範囲はメンバーに詳しく指示します。手前は国蝶のオオムラサキの食樹であるエノキ(榎)。この保全が目的のひとつです。

 ノイバラやススキの除草。草薮にしておくとイノシシなどの隠れ場所になります。他にサワグルミ、ヌルデなどの幼木も伐採。イボタノキはあるシジミチョウの食草なので残します。ヤマガシュウも切ります。

 最初のカットと比べると清々してしてきました。もう少しです。ヤマコウバシも伐採。落葉期は伐採の適期なのですが、樹種が分かっていないと的確な伐採はできません。そのため、夏季に伐採する樹木に目印のテープを巻いたりします。テープは紙製か自然分解テープを使います。

 どんな作業が必要になるか分からないので色々な道具を積んできています。アナログのノコギリやナタ、剪定バサミなども。ロープやシメラーも必要になることがあります。もちろん、それぞれの道具の扱いには熟知していないと駄目です。林業関係は非常に事故が多いのです。

 分かりにくいかも知れませんが清々しました。メンバーも、里山は面倒見無いとだめだねと。そうです。里山が荒れると麓の街も荒れるのです。街なかにイノシシやクマが出てくるのはそのためです。里山は人の手が入ることが重要なのです。

 次の現場へ。斎場山(旧妻女山)。川中島の戦いで上杉謙信が最初に本陣としたと伝わる場所で、古代科野国の古墳です(円墳)。右に見える明るい斜面が、今回伐採や除草をしたところです。

 問題の現場。林道上にあるので大変危険です。思いつきで作業するのは極めて危険。相談して重心が右の方にあるので脚立で落とそうと決定。見事に落ちました。この後、この枯れ木を伐採しようと皆が言いましたが、実は枯れ木ではないのです。右の枝は生きています。このまま放置することにしました。

 移動して上杉謙信が七棟の陣小屋を建てたと伝わる陣場平へ。妻女山SDPが、貝母(編笠百合)の保全活動をしている場所です。立ち枯れのヤマザクラを伐倒してもらいました。実は今年の5月に一人で作業をしていたら、2mぐらいの幹が折れて突然落ちてきたのです。貝母が咲くとたくさんの方が訪れるので伐倒しました。

 そこから少し離れた場所の立ち枯れのヤマグワ(山桑)。手前に貝母の球根をたくさん移植したのでこれも伐採。少し高いところで切っているのは、アラゲキクラゲが出るからです。菌を移植しようと思います。

 作業は順調に進んで終了。堂平大塚古墳の庭を借りて納会の始まり。晴れていて無風なので日向にいると暖かいのですが、気温は0度ぐらい。ヒヨドリのキーッ!という音が響きます。寒いので移動可能な薪ストーブに点火。この前に、害獣駆除(イノシシ狩り)の車が3台登っていきました。鞍骨山へも3人ぐらい登っていった様です。この季節はハンターが入るので、自分の存在を知らせるホイッスルなどの携行が必須です。

 今回は海鮮寄せ鍋。有頭赤海老、アンコウ、ホタテ、牡蠣、白子、厚揚げ、白菜、聖護院蕪、天然ムキタケとヒラタケ、松代一本ネギ。昆布と白出汁で味付け。濃口醤油は使いません。大根おろしとしぼりたて生ぽんずと柚子胡椒でいただきます。

 これだけの海鮮と地元野菜や天然キノコを入れたのですから旨くないわけがありません。皆スープを味見して「うめ〜!なんだコレ」と絶叫。「料亭の味だ」などなど。皆に持ってくるものを細かく指示した私もニンマリ。濃縮白出汁は流行りで色々ありますが、試しに試して厳選。キッコーマンの旨味広がる香り白出汁を。ポン酢は高級品は5000円のものも。さすがに手が出ません。これもいくつも試して選んだのはキッコーマンのしぼりたて生ぽんず。柚子胡椒は大分のフンドーキンのもの。

 皆が持ち寄った副菜。鯛の昆布締め。自家製の柿酢でしめてあります。絶品。仲間で味噌作りしたり、各自で柿酢や塩麹を作ったり、映画『土を喰らう十二ヵ月』の様な暮らしをしています。少し前にはメルローのワインの仕込みもしました。自家製長ネギのキムチ。おにぎりの具でも食べたい。

 話題は、ワールドカップサッカーや色々。特に今回の料理ともリンクする水上勉原案、沢田研二さん主演の『土を喰らう十二ヵ月』監督・脚本:中江 裕司氏の話題へ。美しい信州の四季と土を喰らう土井善晴さんの数々の料理。そして死生観。染み染みと心に沁みる映画です。自分の日常を見ている様な映画でもありました。土井善晴さんとは、10年ぐらい某大手新聞社のPR誌で記事をアートディレクションさせていただきました。今回の映画で出てくる料理も納得しながら観ていました。
 ワールドカップであれだけの大群衆がマスクもせずに大歓声を揚げていることに、政府もマスコミも一切触れない違和感。クラスターも発生していない。疑問に思いませんか!? なぜ日本だけ未だにワクチンを打ち続けているのか。私や仲間の近くでも接種後の死亡や脳梗塞、体調不良がひん発している事実。高額で買ってしまったワクチンを消費するために子供にまで打つという狂気。海外はもうワクチンは打っていません。実はコロナは既に終わっているのです。本当におめでたい日本人。安価なイベルメクチンがあれば何も問題ありません。友人の医師もそう言っています。利権まみれの統一教会自民党と創価学会公明党のカルトに日本は滅ぼされる寸前です。覚醒を!
【再生回数200万回:動画】福島雅典京都大学名誉教授「科学と医学を徹底的に無視して無茶苦茶だ。今、打ってない人がかかってるんじゃない、打った人がうつしあってるんだ!」/ネット、医師、著名人も声をあげる
各国政府、COVIDワクチンによる数百万人の死亡を確認 - 英米豪加NZの5ヵ国とヨーロッパではCOVID-19ワクチン導入後、180万人の過剰死亡が発生 (The Expose):世界では既に大規模な集団訴訟が起きている。全く伝えない日本政府とマスコミ。日本でも2021年に6万人、2022年には10万人超えの超過死亡者が出ている事実を伝えない。ワクチン利権に侵され国民を見殺しにしている。
「米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、英国、そしてヨーロッパのほとんどの国の政府が発表した公式報告によると、「Covid-19」注射の大量導入以来、180万人の過剰死亡が記録されたことが確認された。英国政府が発表したさらなる証拠によると、これらの過剰な死亡の最もあり得る原因はCovid-19のワクチン接種であることが確認されている。なぜなら、すべての年齢層でワクチン未接種の人の死亡率が最も低いからである。」
『土を喰らう十二ヵ月』公式サイト:水上勉原案、沢田研二主演の信州小谷村(おたりむら)が舞台の胃袋と心に沁みる映画です。

 私が持参した長芋の溜まり漬け。分量の割合は、醤油200ml、柿酢70ml、キビ糖30g、味醂40ml。これを温め冷まします。イリコ出汁粉大さじ1、塩昆布ひとつかみ、鷹の爪を入れて出来上がり。割合はお好みで調整してください。密閉容器に野沢菜、白菜、蕪、大根、人参、長芋などを刻んで入れ、溜まりをそそぎます。冷蔵庫で保存して一週間ほどで食べられます。野菜の旨味も出てさらに美味しく。薄まったら足します。
 最後は水に浸した米を入れて和風パエリアに。卵で閉じます。もう筆舌に尽くし難い旨さで皆おかわり。完食です。旨すぎてもう納会は毎年これでいいと。いやいや世の中には旨いものはもっとあるということで、次々とアイデアが。ワールドカップということで、スペイン料理なども。食後は、私が愛飲しているタンポポコーヒーを振る舞いました。ノンカフェインだけでなく物凄い薬効があるのです。
カナダのウィンザー大学の研究チームの研究成果により、セイヨウタンポポの根茎が癌治療に非常に効果的であることが分かりました。化学療法とは違い、タンポポの根茎を使った治療を始めた結果、数日以内に癌細胞が消滅したのです。タンポポの根茎は、癌細胞を破壊するだけでなく、胆汁分泌を促し、肝臓を浄化し、アレルギーを改善させ、コレステロール値を下げます。

 さて解散です。妻女山の四阿からは北アルプスがくっきりと見えました。手前の茶臼山や右奥の虫倉山には雪はありませんが、冠着山(姨捨山)には降雪が。長野市北部も初雪があった様です。

 土を喰らう冬。今年は山栗や胡桃は不作でした。これは豊作だった昨年のオニグルミ。一番下の真ん中が先の尖ったヒメグルミ。信濃クルミや信濃カシグルミとは全く別の味がする山の恵みです。

 地元の豚と私が採った天然のハタケシメジ、クリタケ、ムキタケ、ヒラタケに白菜、松代一本ネギ、玉葱を使った豚汁うどん。アゴ出汁で。右は前述の溜まり漬け。野沢菜、地大根、青大根、人参、長芋。

 ブリ大根。ブリのいいアラが手に入ったので地大根と炊きました。ポイントは茹でこぼして血合いなどを徹底的に取ることです。生姜と友人の手作り醤油、キビ糖、本味醂で煮ました。普通は温めていただくのでしょうけれど、私は冷蔵庫で一晩冷やして煮こごりになったものが好きです。ブリの臭みもまったく感じません。お年取りの魚というと、西のブリ・東の鮭が有名ですが、信州はその両方が混在します。富山の寒ブリ、新潟の鮭が入るからです。ちなみに我が家では祖母の代では塩ブリで、母の代で鮭になりました。単に母がブリがあまり好きではなかったという理由ですが。塩鮭は一本買いで厚さ4センチぐらいに切って酒粕に漬けます。それを湯がいていただくのです。また父が自家製の醤油豆を作っていました。私が子供の頃は、祖母が大きな樽にお醤油豆を作り、味噌蔵にあって、よく祖母に言われて撹拌しに行きました。

 土を喰らう郷土料理の続き。(左)イカこんにゃく。こんにゃくは信州新町道の駅で買い求めた生芋こんにゃくです。本漬けの野沢菜漬けも食べられる様になりました。乳酸発酵も始まっています。3月になると熟成して木曽のすんき漬けの様になります。油炒めや炒飯やおやきにも。右は簡単べったら漬。普通は塩漬けした大根を甘酒で和えますが、今回は塩麹とはちみつ、キビ糖で漬けました。(右)ウルメイワシの丸干しの天ぷらとさつま芋の天ぷら。カレー粉とアオサ海苔をまぶして。食用油が高騰しています。そんなとき見つけたのが、昭和産業の「焼き天ぷらの素」。半袋60gを使いました。大さじ1.5の油をフライパンにしくだけでザクザク食感の天ぷらができます。調理後は拭き取るだけ。安上がりで環境にもいい、嫌な添加物は入っていません。これお勧めです。ウルメイワシの丸干しの天ぷらは、海無し県信州の古くからの郷土料理。在京時代には妻が二度揚げして息子達にも食べさせていました。

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。地形図掲載は本書だけ。山の歴史や立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。10本のエッセイが好評。掲載の写真やこのブログの写真は、有料でお使いいただけます。

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