モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

伝統野菜の丸茄子で作る信州の郷土料理。「信州丸茄子と胡瓜の芥子漬け」「信州丸茄子と南瓜の塩皮鯨煮」(妻女山里山通信)

2024-09-03 | 男の料理・グルメ
 信州の伝統野菜のひとつに丸茄子があります。有名なものでは小森茄子、小布施茄子などで、いずれも密度の濃い丸茄子です。昔は父も小森茄子をたくさん作っていました。密度がものすごくて水に放すと沈むほど。その割に皮が薄く、水が皮の色が溶け出して紫になるほどでした。一時期途絶えましたが、また復活したということでホッとしています。やはり米ナスと交配させた丸茄子では、おやきにしても味が物足りないのです。F1種や早生種は、水っぽくておやきにしても美味しくありません。信州の伝統野菜は、JAのスーパーや道の駅などで買えます。



「信州丸茄子と胡瓜の芥子漬け」

丸茄子・・イチョウ切り700gぐらい(準備終えて500g)
胡瓜・・・輪切り200g
塩でまぶして重しを載せて半日おく。
よく絞って水にはなして塩抜きする。
絞って食べて塩が抜けていれば準備OK。

ナス・・・500g(準備したもの)
酢・・・・小さじ1と1/2
キビ糖・・100g
醤油・・・大さじ1と1/2
塩・・・・小さじ1
水・・・・150 cc
これらを混ぜて熱して熱いうちに茄子にかける。

和芥子・・15g
湯・・・・100 cc
溶いてかけて混ぜる。
冷蔵庫で保存。翌日から食べられる。ご飯が進むくん。



「信州丸茄子と南瓜の塩皮鯨煮」

丸茄子と南瓜は一口大に切る。
塩皮鯨は水で洗って塩気を取る。
鍋に丸茄子と南瓜を入れひたひたに水を入れる。
出汁は、昆布・鰹・炒り粉・干し椎茸に本味醂と醤油で。
鯨は長く煮ると固くなるので後の方で加える。
火が通ったら冷まして味を染み込ませる。
冷たいままでも温めても美味しい。ピーマンを入れても美味。
余ったら、ビタミン竹輪や蒲鉾を加えて煮込みうどんにしても美味しい。
塩皮鯨を使う料理は日本全国にあります。くじら汁で検索すると、日本中の色々なくじら汁が出てきます。
我が家では、塩皮鯨で出汁をとった汁で食べる鯨うどんが昔からありました。

復活した小森ナスで作る信州郷土料理、丸茄子のおやき(妻女山里山通信):丸茄子のおやきのレシピ!!!!

「村上春樹さんのピーター・キャットを中心とした70年代のクロニクル」というムサビの美大生時代に彼のジャズ喫茶でアルバイトしていた当時のブログは世界中からアクセスがあります。この文章をクリックで見られます。ロンドンに5週間住んでいて、Queenのフレデイ・マーキュリーの恋人のメアリー・オースチンが勤めていたBIBAの店で当時の私の恋人が彼女からジャケットを買った話。70年代の美大生の赤裸々な日々が見られます。

好評だったブログ記事:「ブラジルへの郷愁」レヴィ=ストロース 川田順造訳 みすず書房。文化人類学、また構造主義におけるバイブルのひとつ(妻女山里山通信)は、都合によりリンク先の楽天ブログに移転しました。

インスタグラムはこちらをクリックツイッターはこちらをクリックYouTubeはこちらをクリック。米子大瀑布、絶滅危惧種のナミルリモンハナバチ・キバネツノトンボ・北信流など。これからどんどんアップしていきます。
 
もう一つの古いチャンネルはこちら。76本のトレッキングやネイチャーフォト(昆虫や粘菌など)、ブラジル・アマゾン・アンデスのスライドショー

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、
『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。掲載の写真は有料でお貸しします。他のカットも豊富にあります。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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真田の上田へ。ペルー料理、ブラジル食材、天然酵母のパン。女性杜氏の酒蔵。戸倉上山田温泉のエメラルド色の観世温泉(妻女山里山通信)

2024-07-28 | 男の料理・グルメ
 週末は息子の用事に付き合って久しぶりに上田へ。まず昼近くなのでペルー料理の店へ。ついでブラジル食材の店へ。元は東京の歴史ある天然酵母のパンの店、ルヴァンへ。その隣りにある知る人ぞ知る岡崎酒造へ。

 ペルー料理の「真田丸焼き」のランチ。「炭火焼きチキン」。パセリとニンニクの調味料や自家製のマスタードをつけて頂きます。とっても美味。卵スープがついて1000円。

 「サルタデポヨ」。ポテトや紫タマネギ、鶏肉などの炒め煮。ペルーの調味料はそれほど癖がなく日本人にも合う味です。アイスのピノとコーヒーがつきます。帰りにキャンディをいただきました。夜のメニューはもっと本格的なものがたくさんあります。チキンの丸焼きのテイクアウトも。トロピカルフルーツのジュースもお勧め。

 お店の外観。2階がレストランで、1階が厨房の様です。日系ペルー人の御婦人が案内してくれます。

 次に訪れたのはブラジル食材の「BEM BRAZIL FOODS」。やっと訪問できました。ここもランチも食べられます。レジのお姉さんは日本語堪能なので心配ありません。質問にも丁寧に応じてくれます。買ったものは後で紹介します。今回は買いませんでしたが、リングイッサ(生ソーセージ)やカルニセッカ(塩漬け牛肉)、コシーニャなども売られています。ただ酒類販売免許を持っていないのかアルコール類はありません。

 北国街道の宿場町、柳町の「ルヴァン」へ。天然酵母と国産小麦のお店。奥にカフェもあります。

 店内。ルヴァンといえばカンパーニュ。実は30年ほど前、調布市のつつじヶ丘に工場と売店がありました。小さかった息子たちを連れて買いに行くと、かならずおまけをくれました。今回そんな話をしたら店員さんのお母さんがそこで働いていたそうです。そんなわけか大きくなった息子におまけをくれました(笑)。

 その隣にある江戸時代から続く「岡崎酒造」。寛文5年-1665年創業。信州には7人の女性杜氏がいるそうです。酒千蔵野の千野麻里子さんの「川中島幻舞」は甘露でした。今回念願かなって、杜氏岡崎美都里さんの純米吟醸酒「亀齢」を買うことができました。1800円で、ひとり1本限定です。地元上田市が誇る稲倉の棚田で栽培された長野の酒米・ひとごこちを使っています。まだ飲んでいません。楽しみです。

 岡崎酒造の古い瀬戸物などが展示されています。駐車場は向かいにあるのですが狭くて繁忙期は入れないこともあります。信州は巨大な酒蔵はあまりないのですが、非常にレベルの高い小さな酒造所がいくつもあります。「寒竹」などもそのひとつ。

 今回買ったもの。パッションフルーツはマラクジャといいますが、ピンガ(ラム酒)と割ってカクテルに(バチーダ)。アイスやケーキなどにも使われます。マテ茶は飲むサラダといわれるほど栄養が豊富。ファリーニャ・デ・マンジョーカは、キャッサバの粉を煎ったもので、アマゾンでは何にでもかけて頂きます。ポン・デ・ケージョはチーズパン。最近お馴染みになりました。ルヴァンのカンパーニュ。密度が高く、これで4人分ぐらいあります。ちゃんと息子の用事を済ませて。戸倉上山田温泉のエメラルド色が美しい観世温泉に入って帰りました。

 たくさんある淡竹でメンマを作りました。穂先と根本に近い太いところで作ります。まず筍を茹でて塩漬けします。一ヶ月ほど冷蔵庫の野菜室で発酵熟成させてから塩抜きします。
『淡竹のメンマ』
■材料
塩抜きした筍・・・・・500g
ゴマ油・・・・・・・・大さじ1と1/2
キビ糖・・・・・・・・大さじ1
(A)
水・・・・・・・・・・200cc
しょう油・・・・・・・大さじ2
オイスターソース・・・小さじ2
鶏ガラスープ顆粒・・・小さじ2

ラー油・・・・・・・・適量
粉山椒・・・・・・・・適量

■作り方
1. 筍をゴマ油で1分炒める。
2. (A)を加えて汁気がほぼなくなるまでかき混ぜながら煮る。
3. 仕上げに好みでラー油と粉山椒を振り混ぜてできあがり。
 より中華風にしたければ、五香粉(ウーシャンフェン)でもよい。
 小ネギやすり下ろし生姜や姜葱醤(ジャンツォンジャン)で和えるといいつまみになります。
 ラーメンや角煮丼などにも。

『信州丸茄子のおやき』
■材料(20個分)
信州丸ナス・・・・・・・・5個
中力粉(地粉)・・・・・・600g
水・・・・・・・・・・・・360cc(今回は準強力粉なので6割に)
信州麹味噌・・・・・・・・100g
ゴマ油・・・・・・・・・・大さじ1
青紫蘇の葉の大きなもの・・40枚
青唐辛子・・・・・・・・・1本(好みで)
 粉と味噌はやや多めに作るのがミソ。足りないと面倒ですが、余っても色々な料理に使えますから。

■作り方
1. ボウルに小麦粉、水を入れ、やや柔らかめの耳たぶの柔らかさに練る。
  濡れ布巾をかぶせて1時間以上ねかす。
2. 別のボウルに麹味噌、ゴマ油、好みで青唐辛子(焼いてみじん切り)をよく混ぜておく。
3. ナスを洗ってヘタを落とし、横に4等分の輪切りにする。輪切りにしたものに切れ込みを入れる。
4. 3の切れ目に2の合わせ味噌を、ナスの大きさに応じて小さじ1ほど挟む。
5. 手のひらに水をつけ、ねかしておいた小麦粉を適量手に取る。
6. ナスをのせ、周りから小麦粉をひっぱって包む。包んだら青紫蘇の葉ではさむ。
7. 大きめの蒸し器を火にかけ沸騰させておく。ナスをくっつかないように斜めに重ねていく。
8. 強火で20分ほど蒸して、箸がスッと入ればできあがり。

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実山椒を採りに妻女山のご天上へ。縮緬山椒を作る。淡竹の季節。鯖の水煮缶汁。淡竹の絶品おやき。淡竹と自家製ベーコンのピラフ。土を喰らう皐月の好日(妻女山里山通信)

2024-05-30 | 男の料理・グルメ
 先日、実山椒を採りに女性が二人登ってきました。そろそろ採り時と登りました。縮緬山椒を作ります。

 山椒の実。食べ頃です。枯れて赤くなったら七味唐辛子に使えます。

 棘があるので採取にはゴム手袋が必須です。それと高い枝を下ろすためのフックも。鍋いっぱい採取するには1時間はかかります。

 山椒の木に絡みついて咲くスイカズラ(吸葛・忍冬)。抗菌、血圧降下、抗炎症、抗痙攣、穏やかな利尿の薬草。スイカズラ茶は市販されています。美肌効果があるとか。

 イボタノキ(水蝋樹)も咲きました。ウラゴマダラシジミの食草です。カイガラムシの仲間のイボタロウムシが樹皮に寄生し、白いロウ状物質であるイボタ蝋が取れ、家具の艶出しとか薬とかに利用されてきました。

 クサフジ(草藤)かナヨクサフジ(弱草藤)の花。花筒が長いのでヨーロッパ原産のナヨクサフジかな。小さなシジミチョウが吸蜜していました。

 クサギ(臭木)の幹にキクラゲ(木耳)。ありがたく頂きました。トマトと卵炒めにしたり、中華風のオムレツにします。

 陣場平へ。シジュウカラとガビチョウの鳴き声。ウスバシロチョウは今年は数が少ない。3月の数回あったなごり雪の影響でしょうか。

 前日の豪雨でほとんどが倒れました。ここは上にヤマグワの葉が覆っていて倒れていません。間にヒカゲイノコズチ。貝母が消えたら除草します。

 貝母の実。梅雨明け頃に枯れて裂けて種が弾き飛びます。満開の貝母は左のアーカイブから4月の記事をご覧ください。山桜、霞桜、大山桜も咲いて桃源郷です。

 縮緬山椒。普通は佃煮にしますが、薄味で煮込みます。本当はコウナゴなのですが、無かったのでチリメンジャコで。山椒の実は一度茹でこぼします。昆布鰹干し椎茸の出汁で煮ます。清涼感たっぷりの美味しい煮物ができあがり。店で出しているところは聞いたことがありません。唯一無二の土を喰らう皐月の滋味です。

 淡竹が出始めました。これで380円。親戚の山に行けばタダで採り放題。両親が健在の時は行ったのですが、竹藪の熊が出るかもしれない山中での採取はけっこう大変なのです。実際この時期は子連れの熊が淡竹の筍を求めてやってきます。二度ほど遭遇したことがあります。一度は子熊だけ。びっくりして母熊の方へ逃げていきました。二度目は50mぐらい上の林で崖下の泉に水を飲みに行った母熊に置いていかれた子熊が泣き叫ぶ声。いずれも事なきを得ましたが、要注意です。

 淡竹はアクが少ないので一度糠で茹でこぼすだけ。普通は若竹煮とかでしょうけれど、信州ではなんといっても鯖の水煮缶詰との味噌煮です。根曲がり竹もこれ。味噌は仲間と作った信州糀味噌。馬鹿旨です。この時期信州に来たら絶対にこれを食べるべきです。次は淡竹と合いびき肉の中華風おやきを作ります。これも市販では食べられない極旨の逸品です。

「淡竹と新玉葱と合挽肉のおやき」 昨年初めて作って馬鹿旨だったので作りました。皮は幻の小麦、伊賀筑後オレゴンに長芋のとろろ。具の味付けは、手作り信州糀味噌、昆布鰹出汁顆粒、牡蠣油、胡麻油、胡椒。加えて今回は五香粉と鶏出汁顆粒を少し入れました。包んだら両面を胡麻油で焼き目をつけて沸騰したお湯で25分強火で蒸します。極旨のおやきができました。お皿は食器好きなら分かるでしょう。ノリタケの花更紗。70年代に一世風靡した食器。セットで買ったらとんでもない値段ですが、半端ものが国立の陶器店で売られていて貧乏美大生の私でも買えました。

「淡竹と自家製ベーコンのピラフ」昨年作ってあまりの旨さに悶絶。今回は改良版です。材料は茹でた淡竹、自家製ベーコン、鶏胸肉。新玉葱。コンソメ顆粒、白トリュフの白出汁醤油、マジックソルト、白ワイン、バターで炊き込みます。改良した点は、更にハーブの香りをとエルブ・ド・プロヴァンス(ミックスハーブ)を加えたことです。昨年よりハーブの香りも強く自家製ベーコンの味と香りも濃い目なので、シャルドネの白ワインが合います。

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コシアブラ、ウド、タラの芽、山蕗の山菜三昧。のらぼう菜、菊芋、春牛蒡の地野菜。伊賀筑後オレゴンの手打ちうどん。土を喰らう卯月と皐月(妻女山里山通信)

2024-05-15 | 男の料理・グルメ
 4月5月、信州は山菜の季節を迎えます。コゴミに始まって、タラの芽、ウド、コシアブラと。忙しく今年もハリギリを採り損ないました。ウコギも。木の芽(山椒の若葉)は、昨年たくさん採って山椒味噌にしてまだあります。地野菜では、ニラ、のらぼう菜、菊芋、春牛蒡など。土を喰らう卯月と皐月です。

「コシアブラの炊き込みご飯」と「コシアブラのブルーチーズ入り塩麹ハンバーグ」
 コシアブラ・ハンバーグは、いつもは鶏ひき肉ですが、今回は豚ひき肉。コシアブラをたっぷりと刻み入れます。ブルーチーズはブルーキャステロとかゴルゴンゾーラを使いたかったのですが、ブルーチーズ入りのプロセスしかなかったのでそれを。自家製の塩麹を入れています。クセになる旨さ。

「春ゴボウ、菊芋、ニンジン、豚肉のきんぴら」
 ごま油で炒めますが、菊芋は生でも食べられるので歯ごたえを残す程度に。甘辛でご飯が進みます。

「タラの芽、ウド、コシアブラ、春ゴボウ、エノキダケの天ぷら」
 山菜は採りどきが短いのでぼーっとしていると食べ損ないます。アクが出るのが早いので、昼に採ったら夜に食べます。タラの芽は余ったら2分ぐらい茹でてアク抜きし冷凍すると一ヶ月は保存できます。ウドは昔は塩漬けして保存しました。コシアブラは、洗って水分をつけたままジップロックで一週間は保存できます。

「幻のうどん粉・伊賀筑後オレゴンの手打ちうどん」
 友人が作った大正時代に日本一のうどん粉といわれた幻の小麦「伊賀筑後オレゴン(通称いがちく)」。製麺機は、埼玉県戸田市の(株)小野機械製造所のものです。信州の家庭には昔は普通にありました。もう製造していませんが、ネットで探せば中古があると思います。

 伊賀筑後オレゴンは、三重県伊賀上野市の農林省関西試験場が、筑後平野で作っている小麦と、アメリカ西部のオレゴン州の小麦を交配して作った硬質小麦です。日本の小麦は軟質小麦。アメリカのオレゴン種はグルテンが多い硬質小麦です。この二つを交配して作られたのが伊賀筑後オレゴン種で、準強力粉です。信州の善光寺平から上田にいたる間の千曲川の沿岸で、大正時代から戦後まで作られた人気の小麦でした。戦前東京のうどん屋さんで一番喜ばれたのが、この伊賀筑後オレゴン種でした。 わが家でも父が昭和30年代半ばまで作っていました。60俵も収穫していたそうですが、イガチクは小麦の粒がこぼれやすく面積あたりの収量も少なかったので、新品種に取って代わられたということです。現在有志が栽培しています。うどん好きなら食べたら絶句感激すると思います。稀にネットで買えることもあります。

「塩皮鯨の出汁うどん」
 塩漬けの鯨の皮で出汁をとる調理法は昔からあります。ナスやカボチャと煮るのが一般的なのですが、うどんの汁にするのは塩皮鯨が大好きだった父が考案したオリジナルの食べ方の様です。作家・開高健のエッセイ『最後の晩餐』にも、新潟の山奥でゼンマイ採りの時に、小屋の囲炉裏に鯨の皮の塩漬けの大きな塊をつり下げ、味噌汁の大鍋に入れて出汁と脂をとる話が出てきます。そうして過酷な作業に必要なカロリーや栄養を補給したわけです。
 塩皮鯨は、しっかり塩漬けの固いものと、ブロックの柔らかいものを使っています。おそらくゴンドウクジラとミンククジラだと思います。敗戦後の食糧難の時代、日本人を栄養面から救ったのが鯨でした。1年間に世界中でクジラが食べるエサの量は、3~5億トンだそうです。鯨保護がなされると同時に鯨食害論もあり、世界の海に散らばる鯨の生態調査は非常に難しいものの様です。興味のある方は、Wikipediaのクジラで検索を。

「のらぼう菜(野良坊菜)のおひたし」
 のらぼう菜は、東京の奥多摩の伝統野菜で、江戸時代初期にオランダからジャワ島経由で伝わったといわれるナバナです。セイヨウアブラナの原種に近いといわれます。昔、奥多摩へフライフィッシングに通っていた時に知りました。苦味がなく甘く美味しいので、種を取り寄せ父が栽培してくれて種をとり、集落の人達に配りました。秋の彼岸の頃に蒔き、春にとう立ちをポキっと折って食べます。おひたしや炒めもの、ボンゴレビアンコや中華炒めと応用が効く非常に美味しい野菜です。

「山蕗と身欠き鰊の煮物」
 柔らかな山蕗は、皮を剥く必要がありません。また、アク抜きは採ってすぐならば一度茹でこぼせばOK。干しホタルイカやスルメイカでも美味。干しホタルイカは、海無し県の信州では昔から食べられています。切り干し大根などと煮ました。

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稲籾の筋蒔きの季節がやってきました。最高気温が31度の予報。ちょっと信じ難いトラブルが起きましたがなんとか終了(妻女山里山通信)

2024-05-12 | 男の料理・グルメ
 今年も稲籾の筋蒔きの季節がやってきました。最高気温が31度の予報。実際は長野市は32.6度になりました。暑さとの戦いの作業になりました。もう10年目なんですが、ちょっと信じ難いトラブルが起きました。

 まず培養土に薬剤などを入れてかき混ぜます。

 ポットに培養土を入れていきます。

 ポットに籾と覆土をかける機械にかけます。ここで重大な事実が判明。なんと籾米が足りないのです。注文した量がないのです。なんということでしょう。急遽JAに買いに行くことになりました。

 買ってきた籾米を薬剤に浸しゴザの上で乾かします。本当は24時間浸さないといけないのですが、仕方がありません。ちゃんと発芽するでしょうか。

 ブロアーで機械の掃除。余った培養土は袋に入れて。一袋もらいました。一休みして畑へ。

 整地してある苗場にまず根切シートを敷きます。猛烈に暑いです。

 ポットを運びます。つまずくなよ〜、つまずくなよ〜と。お笑い番組ならこの後お約束でつまずいてぶちまけるのでしょうが。

 ポットを敷き詰めていきます。乱暴に扱うと籾や覆土が飛び出てしまうので慎重に。左奥はもち米。昨年は手違いから混じってしまったので、今回はガムテープで目印をつけてあります。少し利口になりました。

 位置を微調整したり。敷いていくのもなかなか疲れる作業です。

 板に乗って踏んで平にしていきます。

 その上に保湿、遮光のラブシートを被せます。これをピンで止めていきます。

 寒冷紗を被せ洗濯ばさみで止めていきます。もう水を入れ始めました。トラブルも有り、4時間ちょっとで終了。片付けて昼食に向かいました。それにしても暑い日でした。例年の2倍ぐらい疲れました。籾米30キロをいただいて帰路につきました。ところで籾米を精米できるコイン精米機って長野県にしかないのですね。他県は玄米からのものだけ。信州では籾米で保存するのが一般的です。その方が味も落ちないし虫もつきにくいのですが。なぜ信州だけなのでしょう。

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25センチの上雪が降った後の晴天の妻女山展望台。イノシシの足跡と餌探しの跡。イワシ料理。手作りアンチョビー(妻女山里山通信)

2024-02-08 | 男の料理・グルメ
 4日の日曜の夜から月曜一日中と南岸低気圧による上雪(かみゆき)で善光寺平南部では25センチの積雪がありました。長野市での12時間の積雪量は、2014年2月の大豪雪と同じ量だったとか。降雪時間がもっと長かったらあの時の様に70センチになったかも知れません。上雪は湿雪なので雪かきが大変。雪というより土の重さで玄関周りから道路までで精一杯。道路は諦めました。晴れたらいずれ溶けますから。

 二日後の晴天の日に温泉帰りに妻女山展望台へ登ってみました。SUVの四駆なので登れますが、二駆の普通車なら無理です。最低地上高が低いとバンパーの前に雪が溜まって進めなくなります。展望台後方の駐車場の奥から東の松代方面。昨日と今日の太陽で樹冠の雪はほぼ溶けて落ちました。

 少し望遠で。気温は4度ですが幹線道路の温度は7度ぐらいで積雪はありません。ただし濡れているところは深夜から早朝にかけてブラックアイスバーンになるので非常に危険です。左に奇妙山、右奥に菅平の根子岳が見えます。

 ホワイトリングとエムウェーブの右奥に高井富士と呼ばれる高社山。たかやしろとも言います。左奥に見えるゲレンデは、戸狩温泉スキー場だと思います。

 西から北の展望。左に茶臼山。中央に陣場平山、右に富士ノ塔山。間の奥に戸隠連峰。これだけ積雪があれば充分とはいえませんが春の水不足は少しは解消するかもしれません。

 茶臼山と右奥に虫倉山。両山とも拙書で紹介していますがトレッキングに最適の里山です。茶臼山手前の斜めの白い帯は茶臼山自然植物園や茶臼山動物園。恐竜公園もあります。冬の動物園は夏と違って臭くなくていいですね。

 戸隠連峰も稜線は雲の中。戸隠富士と呼ばれる高妻山は見えません。

 林道を少し登ってみました。イノシシが虫の幼虫を探して鼻で掘り起こした跡です。

 イノシシの足跡は二頭分ありました。姉妹でしょう。姉が子供を生むと数頭のウリ坊を連れて妹も一緒に歩いているのを見かけます。成獣のオスは単独で行動しますが発情期に出くわすと大変危険です。

 副蹄が見えるのでイノシシです。なければニホンカモシカ。タヌキの足跡もありました。

 上信越自動車道の薬師山トンネルと手前に上杉謙信槍尻ノ泉。このカーブが急で凍結したらスタッドレスでは登れません。春先に凍結したときには滑り止めに土を撒きます。上雪なので中央自動車道や長野自動車道は全面あるいは一部が通行止めになりましたが、ここは大丈夫でした。

「鰯の丸干しと生野菜のポン酢醤油マリネ」丸干しは焼いて。野菜はカイワレ大根、玉葱、人参、地大根、胡瓜。ポン酢でさっぱりして鰯の臭みもなく非常に美味。冬越しの鰯は脂が乗って美味しい。丸干しは唐揚げでもいいし、シシャモや小アジでやるのもお勧め。今回キュウリは入っていません。毎年早春に作る一品です。

「丸干し鰯のカレー天ぷら」頭も骨も全部食べたいので中火でじっくり揚げます。付け合せに舞茸の天ぷらも。レモン汁をかけてもさっぱりして美味しい。刺し身で食べて美味しいのは梅雨の鰯。「梅雨の鰯はトロより美味い(入梅鰯)」といいます。それはマイワシです。春にはカタクチイワシが出回るのでアンチョビーを仕込みます。蕗の薹やタラの芽などの山菜が出る春が待ち遠しい。

手作りアンチョビーのレシピを紹介します。ヒコイワシはカタクチイワシのことです。以前ホームページ「CAPINO」の「モリモリレシピ」で紹介していたのですが、20年続けたそのサイトが諸般の事情で消えてしまいました。再アップも難しいので機会があったら 当ブログで他のレシピも紹介します。300ぐらいあります。


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『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、
『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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2023大晦日。大地震で幕を開けた2024元日。二つの戦争の行方。トンガの大噴火による異常気象はまだ続く予想(妻女山里山通信)

2024-01-03 | 男の料理・グルメ
 なにかと慌ただしかった2023大晦日。大地震で幕を開けた2024元日。案じられる二つの戦争の行方。トンガの大噴火による異常気象はまだ続く予想です。能登半島地震で亡くられた方にはお悔やみを、被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。2011年の東北大震災の時は、ツイッター社の日本人社員が気を利かせて独断でサーバーを3倍に増やしたのです。なのでツイッターが機能した。しかし、今回はイーロン・マスクになって彼は退社したそうで増強できなかったことにより許容量を超えてXは自動配布が使えなくなったのです。SNSを自国で構築できないとこういう事態になるのです。そして消防や救急の初動は早かった様ですが、日本政府の対応はあまりにも遅く酷いものです。重要な情報は左のツイッター(X)でリポストしています。
 民主党菅政権は、3.11東日本大震災時、一晩でこれだけの体制を整えました。警察2000名 消防3000名 自衛隊8000名 航空機300機 艦船3000隻 全国の備蓄品確認と輸送方法検討。当時のツイッターでは「枝野寝ろ」がトレンドになったほどでした。そして野党自民党は、民主党の復興策にすべて反対したのです。
 1月4日、海上自衛隊の輸送艦「おおすみ」から発進のLCACが輪島市に上陸し重機を陸揚げ。5日、幹線道路が復旧しました。災害派遣医療チーム Disaster Medical Assistance Teamの活動も開始しました。

 大晦日は息子達と宴会。左は仲間のひとりの葡萄畑で採れたブドウで作ったロゼワイン。ひと口飲んで息子がこれはワインじゃないな。ワインビネガーですね。今年醸造したかなりヘビーなワインに期待しましょう。次は女性杜氏の特別純米酒。純米吟醸の幻舞が有名で飲みましたが、これも非常に甘露でした。次は多摩の明治復刻ビール。ホップと麦のバランスが非常に良く美味です。最後は蓼科のシードル。辛口でドライ、香ばしくて美味です。

 年越しというので餃子。豚と砂肝とラムの三種類。ラムのものがモンゴル料理だねというほどエスニックで美味でした。昔は週末に家族全員で作りました。自作のお醤油豆に本漬けの野沢菜漬け、エリンギ入りのキムチなどなど。何十年ぶりかに紅白歌合戦を。他を見ていてそろそろかとザッピングするとQueen。時間が経ってザッピングするとAdo。多分と思ってザッピングするとあいみょん。神がかった様に見たいものだけ観られました。「愛の花」を聴いて涙ぐむ浜辺美波さんを観ていい年の瀬だと思いました。

 ゆるゆる起きて元旦。我が家伝統の「おしぼりうどん」です。前の記事で詳細を書いているので省略します。午後はゆるゆるとサッカー日本代表のタイ戦を鑑賞。5-0と大勝。そして4時過ぎに緊急地震速報。長野でも長周期振動が長く続きました。これはどこかでもの凄い大地震が起きたと直感しました。子供の頃に2年も続いた松代群発地震を経験しているので、地震に関してはトラウマになっています。で、防災措置を色々しています。平安時代中期の『日本三代実録』には貞観地震のことが生々しく書かれています。これだけの地震大国なのに自公政権は防災予算を大幅に削っているのです。原発再稼働などもってのほか。なんと政府は珠洲市に原発を造ろうとしていたのです。世界最大級の柏崎刈羽原発は複数の活断層の上に建っています。

 2日に初詣は墨坂神社へ。神橋がそれこそ神様しか渡れない構造です。4つほど合祀されている様です。南方熊楠が猛反対した合祀令。それにより多くの神社が消滅し鎮守の森と貴重な自然が失われました。

 本殿参拝の後で西宮神社へ。商売の神様で恵比寿様の御札が配られていました。多くの善男善女が参拝に訪れていました。

 昼は生の丸鶏を生姜と長葱、塩で茹でてスープを取ってアゴ出汁と合わせてお雑煮。絶品。翌朝は蕎麦のつけ汁に。

 妻女山松代招魂社へ。取り壊された拝殿。これを見て建築デザイナーの次男がこの状況では当分再建できないだろうなと。そうですね。何千万円も必要ですからね。クラウドファウンディングをしたらどうでしょう。

 展望台後ろにある大正天皇が皇太子の時にご覧遊された石碑とお手植えの松の痕跡。展望台には観光客も。展望台下の妻女山の川中島の戦いの看板の英訳が色々な意味で面白いと。まあ直訳をしようとしてそうなってしまったのでしょう。「鞭声粛粛」とか英訳は難しいですよね。〜With hushed and noiseless whip and spurでしょうか。without making a fussなら粛粛ですよね。全文は現地で確かめてください。

 展望台から北アルプス。白馬三山の雄姿。麓はもちろん里山にも雪はありません。

 戸隠連峰。高妻山の山頂は雲の中。千曲川の澄んだプルシャンブルーが美しい。

 飯縄山。手前に長野パルセイロのホームスタジアム。今年はもう少しいい成績で山雅と共にJ2に上がって欲しい。と帰宅したら日本航空の事故。海保の飛行機は能登半島地震の救援に向かうところだったとか。いやはやなんとも言葉をなくします。ヒューマンエラーは必ず起きます。それに対する方策がなかったことが大問題。

 松代方面。根子岳、四阿山も雪は少なめです。今年もトンガの大噴火による異常気象はまだ続くと世界の有名な気象学者は言っています。大気中に全水蒸気の10%にあたる量が噴出されたのです。リビアの豪雨や世界各地の豪雨、アンデスやアマゾンの渇水、シベリアのマイナス58度やスウェーデンのマイナス38度もその影響です。猛暑と厳寒はまだ続きます。二つの戦争といい、極悪カルト自民党の裏金問題といい、平穏な年にはなりそうもありません。国民が心底覚醒しないと本当に日本は終わるかも知れません。人任せでは駄目です。

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冬のニューウェーブ信州の郷土料理。冬瓜・ヤマブシタケ・合鴨・シナノスイート・お醤油豆・カブのおやき・おしぼりうどん(妻女山里山通信)

2023-12-31 | 男の料理・グルメ
 冬は温かい料理が食べたくなるのはもちろんですが、やはり地元の食材を中心に使いたいものです。信州の伝統野菜や地元の野菜は新鮮で安く、旨さも大量生産のものとは一味違います。有機栽培や低農薬栽培であるのも嬉しい。そんな冬野菜を使ったちょっとニューウェーブな信州の郷土料理です。

「冬瓜とヤマブシタケ、牡蠣とカニカマとひき肉の中華煮」 冬瓜は夏野菜なんですが半年もつので冬まで貯蔵できます。昔は父も作っていて冬の煮物料理に使いました。今回はヤマブシタケを使います。加えて牡蠣、カニカマ、合い挽き肉を。冬瓜とヤマブシタケを干し椎茸を入れて煮て、ひき肉はごま油でさっと炒めて加えます。カニカマを入れ、牡蠣は焼いて最後に加えます。中華出汁、貝出汁、牡蠣ソース、味醂、胡椒で味付け。もっと寒くなったら水溶き片栗粉に卵を溶いた金あんでとろみをつけると温まります。

 ヤマブシタケ。天然では2回しか採ったことがありません。幻のキノコです。近年、記憶力増強の成分があると分かり注目されているキノコ。千曲市の久保産業で栽培され、JAのスーパーなどで売っています。

「豚バラ、ゴボウ、大根、ヒジキ、戻し干し椎茸、フキと山椒の実の佃煮、長ネギの炊き込みご飯」 昆布鰹出汁、本味醂、醤油で。業務スーパーの姜葱醤(ジャンツォンジャン)が味のポイント。山椒の実の佃煮を入れたので少しピリッと爽やかな味です。

「ビーフシチューのチーズドリア」。ハンバーグ・ビーフシチューを作りすぎたので残りをチーズドリアに。業務スーパーのクラシック・アルフレッドソースとチェダーチーズで。クラシック・アルフレッドソースは、リコッタチーズ、生クリーム、ペコリーノ・ロマーノチーズ、グラナ・パダーノチーズ、ホエイなどが入ったパスタソースですが、色々な料理に使えます。ほかにクラシック・トリュフソースがありこれもお勧めです。

「合鴨ロースとカブ、赤ネギの煮込みうどん」 業務スーパーの合鴨ロースにカブの葉も使って、関東名産の赤ネギと。昆布鰹出汁に干し椎茸、更に鶏出汁を加えています。解凍した鴨の汁も。カブと赤ネギの甘さと旨さが加わって得も言われぬ美味しさに。父手作りの赤唐辛子を振って。体が芯から温まります。うどんは友人が作った大正時代に日本一のうどん粉といわれた幻の小麦「伊賀筑後オレゴン(通称いがちく)」に地粉を少しブレンド。いがちくは本当に美味しい小麦粉です。ただ生産量が非常に少なくあまり一般には出回っていませんが、ネットでは買えます。うどん好きの方はぜひ一度食べてください。

「リンゴのコンポート」 友人からもらったシナノスイートがぼけはじめたのでリンゴのコンポートを作りました。赤ワイン、水、蜂蜜、シナモンパウダー、レモン汁を適当に鍋に入れてリンゴを15分ほど煮たらできあがり。冷蔵庫で冷やしてハーゲンダッツのバニラアイスといただきます。ミントの葉があればもっと映えたのですが。アルコールは飛ぶので大人のデザートにしたければ、リンゴのお酒カルヴァドスを加えるといいでしょう。リンゴがぼけるというのは信州の方言で、リンゴのシャキシャキ感がなくなってフニャッとする状態です。

「お醤油豆」 北信の郷土料理で市販もされています。茹でた黒大豆に同分量の米麹を入れ、粗塩、醤油、本味醂、キビ糖で味をつけて60度の低温調理で4時間ほど。その後は常温保存します。出来上がりは透明ですが時間が経つと麹が溶けて薄茶色に濁りとろとろになってきます。ご飯のおかずはもちろん、焼き餅に大根おろしとのせたり、煮込みうどんに調味料として入れたりと便利で美味しい体にもいい発酵食品です。

「カブと合挽き肉のおやき」 旬の野菜、カブと合挽き肉のおやきです。皮は幻の小麦、伊賀筑後オレゴン。皮はいがちくに長芋のとろろと全卵、炒り粉を混ぜます。具は合挽き肉とカブは拍子切り。葉もざく切りで使います。手作りの信州糀味噌にごま油、牡蠣ソース、昆布鰹出汁パウダー、炒り粉で混ぜ混ぜ。26センチのフライパンで具を挟んで片面6分ずつ中弱火で焼いてできあがり。カブの甘みがたまりません。具は多すぎるぐらいでちょうどいい。

「ブリ大根」 鮮度抜群の天然ブリのアラが手に入ったのでブリ大根を作りました。最も大事なのは下ごしらえ。竹串で徹底的に血合いを取り除きます。ぬるま湯で洗って湯が赤く染まらなければ大丈夫。仕上げに熱湯で霜降りにします。大根は皮をむかずに下茹でもせずに厚切りで三等分。昆布鰹出汁、本味醂、キビ糖、干し椎茸、生姜2かけ、鷹の爪を電気圧力鍋で炊きました。普通はこれを煮詰めるのですが私はそのまま一晩置きます。今は冷蔵庫の中より朝の台所の方が寒いのできれいな煮凝りができます。 冷たいブリ大根を暖かい部屋でいただく。これが好きなのです。

「おしぼりうどん」 冬の旧埴科郡と更級郡だけで食べられる古代からの郷土料理「おしぼりうどん」。激辛の後に「あまもっくら」という甘さと旨さを感じます。うどんはもちろん地粉で手打ちうどん。激辛のねずみ大根とか戸隠地大根にやや辛味の少ない青大根、別名中国大根(江都青長)を合わせます。青大根はビタミン大根の名で売られています。信州味噌をといて花鰹や葱を薬味にいただきます。北信州の坂城町、千曲市、戸倉上山田温泉、篠ノ井、松代には、おしぼりうどんを食べさせてくれるお店が何軒かあります。
 辛味大根は、辛味成分のイソチオシアネートを多く含んでいます。栄養価も高く、カリウムやビタミンAやカロテンを豊富に含んでいるのです。ジアスターゼも豊富ですから、消化剤を一緒に飲んでいるようなものと良く言われます。そんなわけでお酒を飲んだあとの締めにも最適です。小麦粉は伊賀筑後オレゴンと地粉のブレンドで。製麺機はうどん通なら知っているはずの小野式製麺機。

「牡蠣と信州冬野菜の味噌煮込みうどん」 岡山産の大振りな牡蠣があったので、信州冬野菜の味噌煮込みうどんを作りました。白菜、長葱、春菊、カブ、スナップエンドウ、舞茸。昆布鰹、炒り粉、アゴ、帆立の出汁をブレンド。本味醂と醤油で煮ます。手作り信州味噌は最後に。火を止めて予熱で牡蠣を入れて蓋をして1、2分で完成。牡蠣とたくさんの冬野菜の出汁が合わさって体の芯まで温まる美味しいうどんになりました。うどんは伊賀筑後オレゴンに唐木田製粉の志賀を少しブレンド。残った汁は翌朝卵で閉じて味噌おじやに。

「アジフライとほうれん草の卵とじのサンドイッチ」 揚げたてで分厚いアジフライは豚カツに勝るとも劣らない。ホウレン草は30センチ以上の規格外品の大きなものが甘くて美味しい。根っこが一番甘いのでついていたら使う。オリーブ油で炒めてコンソメパウダーで味付け。アジフライには塩を振りマヨネーズと粒マスタードをたっぷりと。サバフライだとトルコ風に(本当は焼き鯖)。オニオンスライスとレタスにレモン汁で。パンはバゲットがいいですね。

「信州の伝統野菜」図鑑 古くから東西文化の融合点にあった長野県は、全国有数の伝統野菜の宝庫。各地の気候風土に適応して特徴的な味や形、香りなどを持った多種多様な野菜が、貴重な「食の文化財」として脈々と受け継がれてきました。しかし、戦後の経済発展の中で、野菜の生産の主流は育てやすく見栄えのよい規格の揃った品種に移行し、その多くは衰退していきました。その一方で、近年、伝統野菜の存在意義を見直し、復興させようという取り組みが各地に広がっています。(長野県のサイトより)
信州の伝統野菜(Wikipedia)

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『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、
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妻女山里山デザイン・プロジェクト2023最後の作業と納会。激旨海鮮鍋、蒸し牡蠣など(妻女山里山通信)

2023-12-11 | 男の料理・グルメ
 最高気温が15度の暖かい冬の日。妻女山SDPの今年最後の作業を行いました。そして納会。寒風もなく穏やかな日でした。

 まず作業をする陣場平へ。彼らが見ているのは二つ前の記事で紹介しましたが、森林組合が赤松を伐採して燻蒸している白いビニール。妻女山山系のあちこちにあります。

 駆除するのはこのチカラシバ(イネ科)。かなり種がこぼれてしまっているのが気がかりです。シャベルで根の周りをザクッと切って根を掘り起こします。大量の土がついてくるのでジャベルに叩きつけて落とします。

 ここは夏に保護活動をしている貝母(編笠百合)の球根を移植したところです。球根を傷つけないように作業しています。ここ何年も周囲に散った球根を掘り起こしては中央部に植え替えてきたので毎年数が増えています。来年の4月の満開時はそれは見事な花園が見られるでしょう。貝母が満開の様子は、左のアーカイブから4月をクリックしてご覧ください。それは見事です。

 積み上げていきます。この3倍ぐらいを掘り起こしました。まさかエノコログサ(猫じゃらし)の除去の後にチカラシバが繁茂するとは思いませんでした。イネ科の植物は有害帰化植物と同様に非常に厄介です。

 ほぼ作業は終了。他に飛び散ったものも掘り起こして作業は終了。1時間はかかりませんでした。納会を行うログハウスへ移動します。この陣場平は、第四次川中島の戦いで上杉謙信が本陣とした場所です。そんなわけで歴史マニアもこのブログを見て訪れます。三つ前の記事で『甲陽軍鑑』の編者・小幡景憲が描いたここに本陣がある絵図を紹介しています。

 まず掃除をしてテーブルや椅子を水拭きして宴の準備です。ノンアルコールビールで乾杯。

 メインの海鮮鍋。赤海老、牡蠣、帆立、鱈の白子、ムキタケ、ハナイグチ、白菜、長葱。出汁は昆布鰹。フランス産の塩で味付け。それぞれの海鮮から出汁が出て、キノコの出汁と相まって激旨でした。海と山のマリアージュ。食べた後はキムチの汁を加えて残りのキノコも足して煮込みうどんでしめにしました。満足です。

 蒸し牡蠣。

 シンプルですが、これが一番美味い。

 赤海老の炭火焼き。殻まで食べられます。まあ人間はキチン質は消化できませんが。旨味はあります。焼いた殻を粉砕して塩を混ぜると海老塩ができます。

各自が作ってきた自家製の副菜。イカとキュウリ、ワカメの酢の物。大根のキムチ、長芋のポン酢醤油漬け。これに手作りの醤油豆もありました。土産は規格外のふじリンゴ。収穫が遅いため実がしまって密がたっぷりで、やはりリンゴの大様だと思いました。以前もらってぼけたリンゴは、赤ワイン、水、蜂蜜、シナモン、レモン汁で煮てコンポートにしました。バニラアイスといただくと馬鹿旨です。

 先月個展をやったメンバーが、新作2点を持ってきました。これは野尻湖。遊覧船が停泊する弁天島。すごく横長の構図がいいですね。

 信濃町から見る戸隠連峰。右奥が高妻山。実はメンバーはほとんどが高校時代に美術班にいました。当時は油絵を描いていました。夏合宿では、戸隠や奥志賀へキャンバスを抱えて描きに行きました。

 皆山仕事の道具や食材を積んで車で登ってきましたが、慣れているからできるのでお勧めしません。林道がかなり荒れているので来年はその整備もしようと決まりました。本来は行政がやるべきなんですが、長野県の林道の多さを考えたら現実的ではありません。そこで我々のボランティア活動が必要になってくるのです。こんな風に里山保全の活動をしている人達は長野県中にいると思います。

 数日前に強風の日があったので、落葉松の葉もずいぶんと散りました。

 下山します。長坂峠から斎場山(旧妻女山)。手前の落葉した黒い木はエノキ(榎)。樹下の落ち葉の下にはオオムラサキの幼虫がいるはずです。

 妻女山松代招魂社。瓦屋根を葺き直す作業が始まっています。周りのソメイヨシノはすべて落葉しました。暖冬なので1月いっぱいぐらいは大雪は無さそうです。逆に2月に入っての上雪(かみゆき)が心配です。2014年の大豪雪の冬がまさにこんなでした。

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信州の伝統野菜や自家製調味料で作る夏のオリジナル料理。小森ナスのおやき、ミニトマトの冷製パスタ、ゴーヤチャンプルー、鰊冷麦、ナスイタリアン、牡丹胡椒、自家製ケチャップのナポリタン(妻女山里山通信)

2023-08-25 | 男の料理・グルメ
 アマゾンに3回も行きましたし、暑いのはむしろ得意です。在京時代は通勤電車の強すぎる冷房と事務所のこれまたパソコンなど電子機器がたくさんあるので強冷房。それと外気の温度差が凄すぎていつも自律神経失調症に悩まされていました。とはいえこの夏の猛暑はさすがに厳しい。アマゾンより暑いです。アマゾンは暑くなると必ずスコールがあり10度ぐらい気温が下がりましたから。雷雨はあるのですが短い。千曲川は渇水期ギリギリの流量です。

「信州の夏野菜の冷製パスタ」。素麺、冷麦、ざるうどんなどがある日本ならではのパスタ。ミニトマト、コーン、玉葱、ピーマン、枝豆にミニトマトで作った自家製のトマトソース。バジルと松の実入り。小森ナスとピーマン、玉葱は先にオリーブ油で炒めておいて冷まします。コーンは蒸して冷ます。味付けはコンソメパウダー。途中に味変でハラペーニョソースを。

「小森ナスのおやき」。赤紫蘇、青紫蘇、ミョウガの葉でつつんで蒸します。粉は幻の伊賀筑後オレゴン。具は手作り信州糀味噌をごま油で溶いたもの。何回も作ると味変したくなり、牛豚合いびき肉を入れたり、エビをたたいて入れたり、ツナを入れたり。豆板醤や食べる辣油とか、自家製の焼いた青唐辛子を刻んで麹と醤油漬けにしたものを混ぜたり。市販のものはナスが薄すぎるのでぶ厚くします。祖母、母、妻へと伝わった我が家の伝統食です。粉と味噌が余ったらボタンコショウやピーマンのおやきを作ります。私はこれが大好きでした。

 おやきは、包んで蒸すもの、灰焼き、蒸して焼く、焼いてから蒸すと色々ありますが、「挟みおやき」というものもあります。これは伝統野菜の小森ナス以外に、玉葱、ボタンコショウ、ケール、牛豚合いびき肉が入っています。調味料は味噌以外に豆板醤、食べる辣油、牡蠣ソース、業務スーパーの葱姜醤と炒り粉。生地には伊賀筑後オレゴンに日穀製粉のホームラン。炒り粉、卵、とろろを入れてあります。とろろを入れると軽くなり冷めても固くなりません。山に撮影に行く時にも持っていきます。

 これは昔、父が作っていた信州の伝統野菜小森ナス。小布施ナスも有名です。ただ本当にオリジナルか交雑していないか調べる方法があります。水に浸ける。本物の小森ナス、小布施ナスなら沈みます。そしてしばらくすると水がポリフェノールでまっ紫に染まります。ならなければ交雑しています。それでも充分に美味ですが。本来の種ではありません。種の保存というのは本当に難しいのです。長野県は伝統野菜を認定し保存に努めていますが、決して簡単なことではありません。父は私や家族のために新鮮な野菜をたくさん送ってくれました。私も家族で帰省した際になるべく多くの野菜を持ち帰れるように、レオーネのツーリングワゴンを買いました。150キロは積めます。冬に上京する時に息子達が「わ〜ネギ臭いよ〜」と言ったことも笑い草です。

「育てたゴーヤでゴーヤチャンプルー」。材料はゴーヤ、デンマーク製のランチョンミート(スパム)、焼き豆腐、小森ナス、ピーマン、玉葱、ケール、ニンニクみじん切り、味付けはコンソメパウダーと昆布出汁のつゆ。ごま油とキャノラー油で炒め卵で閉じます。次男が低学年の時にゴーヤの自由研究をしました。彼が発表しましたが、ある時まで沖縄ではある昆虫のためにゴーヤが作れなかったことを知っていますか。

「鰊の煮物、ナスの天ぷら、オクラの冷麦」。出汁は塩皮鯨と炒り粉、鰹出汁。鰊は甘露煮ではなく薄味で煮ます。その汁もつゆに加えます。調味料は生前に父がたくさん作ってくれておいた自家製の七味唐辛子。これを味わうたびに父を思い出します。思えば農家の長男なのに金のかかる美大への進学を許してくれて応援してくれたこと。まあ、南米放浪の際には、何を考えているのか分からんと母に言っていたそうですが、それは帰国してからちゃんと話しました。本当に感謝しています。名門の陸軍第九師団で暗号をたずさわっていたのですが、一度も戦闘せずに終戦。もしそのまま沖縄に駐留していたら私は生まれていなかったでしょう。人生努力は必須ですが、運だけはどうしようもない。戦争でも自然災害でも仕事でも、それはどうしようもない。

 信州伝統野菜の小森ナスを、洋風で食べたい。昔、ブラジル・アマゾン放浪の旅に出る時に、サンパウロの叔父の奥さんが長距離バスで食べる様にと米ナスのピザを持たせてくれました。これは美味でした。やはりナス料理の洋風というとイタリア料理が思い浮かびます。今回作ったのは、なんていうかイタリア風です。カポナータでもイオンヴォルティーニでもマリネでもないし、我流です。「自家製ベーコンと小森ナスとミニトマトのチーズ焼き」とでもいいましょうか。ニンニクとオリーブ油で炒めてチーズをのせて焼きます。仕上げにパルミジャーノ・レッジャーノをとパセリをのせて少し焼きます。調味料はオレガノが決め手。酒は白ワインかグラッパがおすすめ。それにしても、夏は飽きました。もう要らない。でも10月まで暑いと聞いて天を仰いでいます。この反動は必ず来ます。この冬は要注意です。特に春先の大豪雪。

 7月にアップしたのですが、手軽で美味しいので再びアップします。「鯖の水煮缶詰の冷や汁」。サバ缶は汁ごと入れます。これはひとり用の小缶ですが、大きな缶なら2、3人分になります。キュウリ、木綿豆腐、青紫蘇、すり胡麻、手作り信州糀味噌、業務スーパーの人気商品・姜葱醤(ジャンツォンジャン)と氷水。バックの手ぬぐいは、朝ドラ「らんまん」のモデル牧野富太郎と関係の深い南方熊楠の粘菌(変形菌)です。浜辺美波の昭和大女優の様な美しさと凛とした姿にメロメロです。
日本の植物分類学における 南方熊楠と牧野富太郎の交流。
富太郎と熊楠:これは非常に面白い。稀代の奇人変人天才の同類反発の見本か。必読です。できれば朝ドラで南方熊楠をやって欲しい。でも牧野富太郎より難しいかも知れません。拙書のエッセイの粘菌のページで彼のことを書いていますが、森永キャラメルの箱に粘菌を入れて昭和天皇に献上したなんていうエピソードは可愛いもんです。国立科学博物館の特別展には息子と行ってモジホコリももらってきました。粘菌好きは植物学者レベルではない変わり者が多い。まあ私もその一人ですが。粘菌特集のブログはアクセスが多いです。YouTubeには世界中からアクセスとコメントが来ます。すぐ下のリンクでスライドショーが見られます。
粘菌(変形菌)図鑑。妖しく奇妙で美麗なマクロの世界。ツノホコリ、キフシススホコリ、マメホコリ、クダホコリetc(妻女山里山通信):動物でも植物でもない魅惑的な粘菌の世界。3つのスライドショーも必見ですよ。

「ポテトぼたんこしょうとジャンボピーマンとひき肉のアンチョビーカレー炒め」 ぼたんこしょう(牡丹胡椒)は信州北部の伝統野菜でトウガラシ科。実の先端が牡丹の様でこう呼ばれます。辛いです。信濃町辺りでは訛ってぼたごしょうといいます。郷土料理の「やたら」にも必須。ジャンボピーマンは大きなピーマンで苦味やえぐみが少なく子供でも食べやすい。ポテトはキタアカリで拍子切りにして水に晒します。アンチョビーで塩気が入るのでコンソメパウダーは少なめでニンニクみじん切りとオリーブ油で炒めます。カレー粉はエスビーの赤缶。仕上げに白ワインでフランベ。ご飯のおかずにもビールやハイボールのつまみにも最適です。

「手作りベーコンと手作りケチャップのナポリタン」 産直売り場で完熟トマトが800gで200円。二つ買いました。一つはトマトソースに、もう一つはトマトケチャップを作りました。トマトケチャップは初めて作りましたが馬鹿旨。ケチャップの起源は、中国や東南アジアの魚醤だそうで、それが英国に渡ってウースターソースやトマトケチャップになったそうです。ですからトマトではないケチャップというのもあるのです。野菜は他にボタンコショウ、ジャンボピーマン、長ナス、タマネギです。自家製ケチャップは病みつきになります。作り方はネットにたくさん転がっています。とりあえず私のレシピ。
トマトケチャップ:完熟ミニトマト500g、キビ糖大さじ2、タマネギすりおろし1/8個、ニンニクすりおろし小さじ1、塩コショウ小さじ1、リンゴ酢かワインビネガー大さじ3。オールスパイス・シナモン・ローリエ適量。ミキサーでひいて鍋で煮て適当に水分を飛ばしてできあがり。
トマトソース:完熟トマト800g、タマネギ300g、オリーブ油大さじ3、ニンニク大さじ3を炒める。ローリエ3枚、タイム大さじ1、オレガノ大さじ1、塩小さじ2、キビ糖小さじ1、赤ワイン大さじ3、バジル10枚ぐらいを炒めたところへ加える。仕上げにエキストラヴァージンオリーブ油を大さじ3入れて広口瓶詰めにする。

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『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、
『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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復活した小森ナスで作る信州郷土料理、丸茄子のおやき(妻女山里山通信)

2023-07-19 | 男の料理・グルメ
 善光寺平には伝統野菜の丸ナスがいくつかあります。小森茄子、川中島茄子、小布施茄子など沖積地に最も適した果肉が厚くて密度の高い、焼いても、煮ても、蒸かしても良しと何をしても美味しい茄子です。我が家は父が小森ナスを作っていたのですが、苗を作る人が高齢で止めてしまい、長いこと栽培されませんでした。それが近年伝統野菜を復活させようと、有志が栽培を始めたのです。

 写真は2004年8月、父が栽培していた小森ナスです。艶があってヘタの部分に鋭い棘があります。

 畑の様子。かなり大きな株になるので支柱を立てて、ナスが非常に重いので、時には枝を吊ります。 

 今回JAのスーパーの産直売り場で見つけた小森ナス。2個で税込み205円とリーズナブル。大きいのは直径が12センチあり、2個でなんと750グラムあります。

 生地は友人が作った幻の小麦粉、伊賀筑後オレゴン。通称いがちくです。純白ではなくやや灰色味がかっています。味噌は仲間と手作りの糀味噌。唐辛子は、焼いた青唐辛子をみじん切りにして、麹と醤油で漬け込んだものを使いました。ゴマ油でときます。紫蘇の葉で挟むのが我が家流ですが、今回は青紫蘇と赤紫蘇を使いました。

 出来上がりです。9個できました。シーズン初めなのでなんかとっちらかっています。材料すべてが市販のおやきとはまったく違います。コクのある深みとか素材の旨さは、他では味わえません。

●丸茄子のおやき レシピ
■材料(20個分)
信州丸ナス・・・・・・・・5個
中力粉(地粉)・・・・・・600g
水・・・・・・・・・・・・360cc(今回は準強力粉なので6割に)
信州麹味噌・・・・・・・・100g
ゴマ油・・・・・・・・・・大さじ1
青紫蘇の葉の大きなもの・・40枚
青唐辛子・・・・・・・・・1本(好みで)
 粉と味噌はやや多めに作るのがミソ。足りないと面倒ですが、余っても色々な料理に使えますから。

■作り方
1. ボウルに小麦粉、水を入れ、やや柔らかめの耳たぶの柔らかさに練る。
  濡れ布巾をかぶせて1時間以上ねかす。
2. 別のボウルに麹味噌、ゴマ油、好みで青唐辛子(焼いてみじん切り)をよく混ぜておく。
3. ナスを洗ってヘタを落とし、横に4等分の輪切りにする。輪切りにしたものに切れ込みを入れる。
4. 3の切れ目に2の合わせ味噌を、ナスの大きさに応じて小さじ1ほど挟む。
5. 手のひらに水をつけ、ねかしておいた小麦粉を適量手に取る。
6. ナスをのせ、周りから小麦粉をひっぱって包む。包んだら青紫蘇の葉ではさむ。
7. 大きめの蒸し器を火にかけ沸騰させておく。ナスをくっつかないように斜めに重ねていく。
8. 強火で20分ほど蒸して、箸がスッと入ればできあがり。

 2003年、次男が低学年の時に母さんに手伝ってもらって作った小森ナスのピザ。果肉がしっかりしているので、ピザにしても溶けてしまわず歯ごたえがあります。ピザ生地(pizza dough)も彼の手作りです。この頃彼は料理に興味を持って、自由研究でゴーヤチャンプルーを作ったりしていました。

 当時、父が送ってくれた小森ナスや夏野菜。伝統野菜は、化学肥料や農薬を嫌い、売り物にするには歩留まりが低くてなかなか育てるのが難しいのですが、味は大量生産のF1種などとは比べ物になりません。出始めの一番美味しい食べ方は蒸しナス。半分に切り、縦に1センチ幅に切れ込みを入れ蒸します。冷やして辛子醤油でいただくと最高です。アクが出てくる秋口のナスは、油で素揚げして生姜醤油でいただきます。ナスの辛子漬けもよく作りました。小森ナス、キュウリ、ボタンコショウ、ミョウガ、紫蘇の実、大根の味噌漬けなどをみじん切りにして作る郷土料理のやたら漬けも夏の定番です。息子達が育ち盛りの頃は、丸茄子のひき肉挟み揚げフライを妻がよく作ってくれました。
 在京時代、隣のブルーコメッツのジャッキー・吉川さんとは色々物々交換していたのですが、丸茄子も美味しいとすごく喜んでくれました。息子の友だちのお母さんにあげたところ、ナス嫌いの同級生が、お母さん僕このナスなら食べられると言ったと聞きました。もし、長野市や千曲市にいらしたらJAのスーパーや産直売り場で伝統野菜を探してみてください。

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『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

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2023 稲の筋蒔き。米は日本人の生命の源。とはいえ年々きつくなる農作業。今年もなんとか乗り越えました。鯨うどん。伝統野菜の危機(妻女山里山通信)

2023-05-06 | 男の料理・グルメ
  米作りの基本は、まず苗作りです。そのための筋蒔き作業をしました。曇り空で雨は夜からの予報です。炎天下の作業でないのが助かりました。

 培養土に肥料や殺虫剤を入れてよく混ぜます。使わないのが最善ですが、ネキリムシなどの最小限の対策です。ネオニコチノイド系やグリホサート剤を使うのはもっての外です。畑や庭にラウンドアップなどのベトナム戦争の枯葉剤由来の猛毒の農薬を撒くのは自殺行為。奇形、癌、脳の発達障害、多動性障害など、ありとあらゆる疾病を引き起こします。欧米ではすでに製造販売が禁止されています。自公統一教会創価のカルト政権は国民の命を守るという使命を放棄しています。

 ポットに培養土を入れていきます。作年は190枚弱でしたが、今年は200枚余りと増えました。一人けっつまずいて転んだ人がいました。やれやれ。

 補充のポットをS氏が持ってきてくれたのですが、中にシマヘビの赤ちゃんがいました。観念したのかおとなしいです。亡き伯父なら「お!いい酒のつまみだ」と言って食べてしまうのでしょうけど、逃してやりました。

 ポットに籾と覆土をかける機械にかけます。これも覆土がこぼれるので箕(み)を置くのですが、その置き方も年々進歩しています。ポットを補充する人、機械に入れる人、籾や覆土を補充する人、ポットをトラックに積む人と分業もずいぶん手慣れてきました。

 トラック二台に積み込み、必要な道具も積み込みます。一休みしたあとで田んぼにでかけます。

 苗床に運んで、まずまず根切シートを敷きます。すこし日が出て気温が上昇してきました。低気圧が近づいているのに強風がないのが幸いです。

 ポットを敷き詰めていきます。乱暴に扱うと籾や覆土が飛び出てしまうので慎重に。

 敷いたら膨らんだ場所を踏んでならしていきます。ここで予期しなかったトラブルが。20枚だけもち米があるのですが、軽トラに積む時にちゃんと分けていたのですが、全員にその情報が行き渡っておらず混じってしまったかもしれないのです。まあ苗が出れば見分けがつくだろうということで解決。やれやれ。

 上に保湿、遮光のラブシートを被せます。これをピンで止めていきます。

 寒冷紗で覆うためのアーチを1mおきに作ります。

 寒冷紗をかぶせてクリップと要所要所をピンで止めます。

 3時間半で作業は終了。ところがポットが余ってしまいました。これは作業依頼主のK氏があとでやることに。よって水は張らないで終了です。気温はグングン上昇し28度ぐらいです。道具を片付けて昼食です。

 中国人が経営するスタッフも中国人の長城へ。思い思いに定食を頼みます。大きな鶏の唐揚げがついてきます。
 この時期、農家は野菜の苗の植え付けやらで大忙しです。その野菜もほとんどF1種になりました。採種ができないハイブリッド。伝統野菜の様な不揃いだけれど旨味や奥深い複雑な味はありません。スーパーに並んでいる見た目が綺麗な野菜は、伝統野菜以外はほとんどがF1種。その違いを知らない人がほとんどでしょう。特に早生種は栄養も半分以下しかありません。長野県は伝統野菜を奨励しています。しかし、農家が自家採種することを自公統一教会創価のカルト政権は禁止し犯罪にしようとしています。そうなったら伝統野菜や郷土料理は滅亡し日本の和食文化は崩壊します。消費者はそのことを知るべきです。
信州の伝統野菜:ぼたごしょう、松代一本ねぎ、小布施丸なすなど。JAスーパーの産直や道の駅などで買えます。

 これは前夜に食べた「鯨うどん」。塩皮鯨で出汁をとりうどんの汁にしていただく郷土料理です。普通はナスと煮たり、ナスやカボチャと煮るのが一般的なのですが、どうも塩皮鯨が大好きだった父が考案したオリジナルの食べ方の様です。作家・開高健のエッセイ『最後の晩餐』にも、新潟の山奥でゼンマイ採りの時に、小屋の囲炉裏に鯨の皮の塩漬けの大きな塊をつり下げ、味噌汁の大鍋に入れて出汁と脂をとる話が出てきます。そうして過酷な作業に必要なカロリーや栄養を補給したわけです。うどんは信州地粉のユメセイキ。奥にある小鉢は、山蕗とソフト鰊の煮物。たくさん作ったので、これの炊き込みご飯を作りましたが絶品です。

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手作りベーコンを作る初夏の好日。ソミュール液、エルブ・ド・プロバンス、スモークウッド。タラの芽とコゴミと手作りベーコンの炊き込みご飯、BLTECUサンドイッチ(妻女山里山通信)

2023-05-01 | 男の料理・グルメ
 手作りベーコンが無くなりそうなので作ることにしました。といっても準備から完成までは、1週間はかかります。市販のベーコンの殆どは燻製ではなく燻液に浸けたものです。スモークすると風味が全く違います。その合間に大掃除。ゴールデンウィークの晴れ間は、花粉も黄砂もおさまって風もないので大掃除に最適なのです。冬用の分厚い羽毛布団を掃除機で吸ってから干しました。数あるマットや小さな絨毯も洗いました。やれやれ。

 ツルヤでカナダ産豚バラ肉を買いました。約1キロです。まず昔ながらの製法で作られた粗塩をまんべんなくすり込み冷蔵庫でひと晩寝かせます。

 粗塩を洗い流し、ソミュール液(ピックル液)に浸けます。
豚バラ肉1キロにつき。キビ糖:10グラム、塩:50グラム、しょう油:7ml、水:300ml、エルブ・ド・プロバンス(ミックスハーブ):大さじ1、ローリエ:2枚、粗挽き黒こしょう:小さじ1、ウィスキー:20ml。これらを煮立たせ冷まして浸けます。更にタマネギ、ニンジンの皮、キャベツの芯、セロリの葉、ニンニクを加えます。これをジップロックに入れて、冷蔵庫で毎日上下をひっくり返しながら1週間おきます。

 やっとスモークの日です。ボウルに水を張り、糸状の水流で3時間塩抜きをします。

 キッチンペーパーで水分を拭き取り、風通しの良い場所で1時間ほど風乾します。完全に乾いてはだめです。

 スモークします。私は、バーベキュー用のバケツを段ボールの箱で覆って使っています。確実に着火したか確認します。スモークの直前にブランデーを刷毛でぬって風味をつけるものお勧め。

 市販のスモークウッドの火をつけダンボールの箱で覆います。箱タイプのスモーク器なら中に入れて。スモーク中と書くのは、宅配便や郵便配達の人が煙が出ているので火事と勘違いしない様にするためです(笑)。近くに洗濯物を干すのもだめです。

 こんな感じでスモークウッドを気温にもよりますが、2時間半ぐらい燻煙します。今回は桜のスモークウッドを使いました。スモークチップでもいいのですが、火や温度の管理がスモークウッドのほうが失敗が無く簡単です。

 これぐらいの色味になったらひっくり返します。これで色合いを見ながら2時間ぐらいスモークしたら出来上がりです。小分けしてラップで包み、ジップロックに入れて冷蔵や冷凍保存します。

 さっそくコゴミとタラの芽とベーコンのペペロンチーノを作りました。激旨なんですが、ビジュアルがちょっと滋味ですね。BLTサンドやカルボナーラ、ハッシュドポテトもやりましょう。コシアブラとベーコンの洋風炊き込みご飯も作りたい。

 コシアブラと手作りベーコンのコンソメ炊き込みご飯が馬鹿旨だったので、タラの芽とコゴミと手作りベーコンの炊き込みご飯も作りました。味付けはやはりコンソメスープ。色味は地味ですが想像以上の旨さです。付け合せは山蕗と干しホタルイカの煮物。富山の海の幸と信州の山の幸の最高のマリアージュです。



 手作りベーコンでBLTサンドイッチを作りました。プラスウドとサニーサイドアップとチェダーチーズ。トーストには片面に粒マスタード、もう片面にはマヨネーズ。サニーレタスにはマジックソルトをふりかけて。ブラックペッパーとはちみつがアクセント。BLTサンドは、ノースショアカントリークラブのBLTサンド アメリカ発祥のサンドイッチで、Bacon・Lettuce・Tomatoの頭文字からの命名ですが、オリジナルもびっくりのウド入り。手作りベーコンをカリカリではなく風味を生かしてさっと焼くのがポイント。今回はBLTECUサンドイッチです。ライ麦パンでないのがちょっと残念。でも美味です。

■薫製(スモーク)について
スモークは、食材を塩漬けにして熟成させ、さらに乾燥させながら煙でいぶして保存性を高めたもの。 薫製には、冷薫、温薫、熱薫の3つがある。一般的に低温で長時間いぶすほど保存性が高くなる。
●冷薫:15~30度で一週間から数週間と長時間薫煙し、熟成の旨味が充分に活きる方法。
●温薫:50~80度で2時間から12時間程薫煙。適度な旨味と薫煙の風味が付く方法。
●熱薫:120~140度の高温で短時間薫煙する方法。1kgのバラ肉が1時間半程でベーコンになる。

■木の種類による香りの違い
サクラ:ポークや鴨、ほろほろ鶏など癖のある肉類にピッタリ。
クルミ:くせの無い香りで肉類、魚類などに良く合う。
リンゴ:やや甘い香りで、淡白なチキンや白身魚に合う。
ブナ:魚介類をマイルドな味に仕上げたいときに。ほのかに渋みもあり。
ナラ:色付きが良く香りが柔らかいので、魚介類に合う。
ヒッコリー:香りも良く万能型。欧米ではもっとも一般的。


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紅甘夏のウィスキーマーマレード。ブリカマ塩焼きと酒粕汁。乳酸発酵野沢菜漬け炒め。春待ちホタルイカと菜花のアンチョビーパスタ(妻女山里山通信)

2023-02-01 | 男の料理・グルメ
 2月になった途端に3月の陽気に。最高気温は9度の予報。とはいえ1月は寒く曇天が続いたので撮影にも行けませんでした。ということで郷土料理やらを作りました。水上勉原作、沢田研二主演、土井善晴料理監修の映画「土を食らう十二ヵ月」の様な料理の数々。間に中華やフレンチ、イタリアン、エスニックが入りますが、基本は旬のものを地産地消です。Aコープの産直コーナーでは朝どれの新鮮な野菜が100円、高くても200円ぐらいで買えます。道の駅は観光客相手なのでやや高め。山間部では無人販売も見られます。

 ソフトボールより大きな紅甘夏が特売(130円)だったので買いました。久しぶりに「ウィスキーマーマレード」を作りました。まず粗塩でよく洗いヘタを取ります。食べないのはヘタだけ。厚い皮に十字に切れ目を入れ皮を剥き2ミリにスライス。ひたひたの水で沸騰したら5分弱火で。実は半分に切って縦にザクザク横にザクザク。種ごと皮の鍋に入れ弱火で5分。大さじ6杯ぐらいのキビ糖を入れ弱火で5分。さらに同量のキビ糖を入れ5分。味を見て蜂蜜大さじ2とキビ糖を入れ5分。最後にウィスキー、今回はバーボンのフォアローゼズを大さじ3杯ほど入れて火を消します。煮沸した瓶に保存。まず全粒粉のバタートーストで。苦味酸味甘味バーボンのアルコールと大人の味です。ポークソテーやラムソテー、煮込み料理の隠し味に。
「フォアローゼズ」という名の由来は、創始者であるポール・ジョーンズJr.がある女性に出会いプロポーズした際、彼のプロポーズを受諾する目印にされたのは薔薇のコサージュ。 プロポーズが結実し永遠の愛を誓ったというエピソードから、ラベルには四輪の薔薇がデザインされ、「フォアローゼズ」と名付けられたそうです。

「ブリカマ塩焼きと酒粕汁」。酒粕汁は、地大根、牛蒡、人参、里芋、長芋、長葱をカツオ出汁、炒り粉、昆布、干し椎茸で煮込んで手造り信州麹味噌と酒粕で味付け。別にブリカマの塩焼きを作りのせます。煮込みません。ブリの味を汁に移さないのです。ブリカマを別皿に粕汁をかけてもいいです。西京焼きの様な奥深い味になります。

 2月になると野沢菜の本漬けもかなり乳酸発酵が進んできます。もちろんこのまま漬物でいただくのも美味ですが、冬野菜と炒めると格別の一品になります。植物性乳酸菌は、美味しいだけでなく、からだにも非常にいいのです。

 野沢菜漬けはかなり塩辛いので、ぬるま湯につけてある程度塩気を抜きます。みじん切りにして地大根、人参をついて多めの胡麻油で炒めます。人参大根に火が通ったら、鰹出汁の顆粒を加え本味醂を入れて炒め仕上げます。

 昨冬作った「野沢菜炒めのおやき」。皮にとろろと炒り粉、卵を入れます。とろろを入れると軽くなります。他には包みおやきにしたり、炒飯にしたり、チーズをのせてドリヤに。ピザのトッピングにも。木曽のすんき漬けの様に蕎麦やうどんのトッピングにしても美味。すんき漬けと違い塩気があるのでつゆをやや薄めにするのがコツ。

「春待ちホタルイカと菜花のアンチョビーパスタ」。芽キャベツも入っています。菜花はさすがに信州産ではなく高知産です。山蕗が出始めたらそれでパスタにします。春が待ち遠しい一品です。

「長芋と菜花芽キャベツハムのチーズグリル」。長芋のととろに白だしと卵を加えて混ぜ混ぜ。菜花と芽キャベツの塩茹でをのせて、無塩せきのハムをのせ、チェダーチーズ、溶けるチーズ、パルミジャーノ・レッジャーノをかけて500ワットのオーブンで10分ほど温め、1000ワットで3分ほど焼き目をつけます。最後にパセリを振ってできあがり。食べる時は全体をよく混ぜていただきます。とろっとして優しい味でなんとも美味です。

 手造りの干し柿がたくさんあるので、干し柿のウィスキー漬けを作りました。ウィスキーはバーボンのフォアローゼス。ブランデー、ラム酒、ウィスキー、赤ワインなどでも美味です。これをマカダミアンナッツ入りのバニラアイスと合わせて大人のデザートに。アイスに更にバーボンを入れています。もう一品は、干し柿にブルーチーズを合わせておつまみに。これはベストマッチといえるほど美味しい組み合わせです。個人的にはもっと味の濃いゴルゴンゾーラあたりが好みですが。ウィスキー漬けの干し柿と食べると至福の味ですが、これは旨すぎてちょっと危険。巷では生ハムメロンが有名ですが、それを遥かに超えています。

 お雑煮、お汁粉、安倍川餅、揚げ餅、カレー餅、揚げあられ。色々食べてアイデアが尽きました。そこで、ターキー(七面鳥)のスパムとブルーチーズの海苔餅。けっこういけます。餅を上の野沢菜漬け炒めを海苔で巻いても美味。お好み焼きに入れたり、蕎麦粉があるのでガレットに入れてもいいかも。

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。地形図掲載は本書だけ。山の歴史や立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。10本のエッセイが好評。掲載の写真やこのブログの写真は、有料でお使いいただけます。

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妻女山里山デザイン・プロジェクトの里山保全作業と納会2022。絶品海鮮鍋と土を喰らう料理の数々(妻女山里山通信)

2022-12-03 | 男の料理・グルメ
 割と暖かかった11月でしたが、12月になった途端に冬になりました。冠着山(姨捨山)も山頂が白く染まりました。そんな週末に、妻女山里山デザイン・プロジェクトの今年最後の里山保全作業と納会を行いました。数日前には最高気温が20度だったのに一気に冬へ。氷点下3度。昼も5度ぐらいでした。

 まず長坂峠で伐採と除草をします。伐採する樹種と範囲はメンバーに詳しく指示します。手前は国蝶のオオムラサキの食樹であるエノキ(榎)。この保全が目的のひとつです。

 ノイバラやススキの除草。草薮にしておくとイノシシなどの隠れ場所になります。他にサワグルミ、ヌルデなどの幼木も伐採。イボタノキはあるシジミチョウの食草なので残します。ヤマガシュウも切ります。

 最初のカットと比べると清々してしてきました。もう少しです。ヤマコウバシも伐採。落葉期は伐採の適期なのですが、樹種が分かっていないと的確な伐採はできません。そのため、夏季に伐採する樹木に目印のテープを巻いたりします。テープは紙製か自然分解テープを使います。

 どんな作業が必要になるか分からないので色々な道具を積んできています。アナログのノコギリやナタ、剪定バサミなども。ロープやシメラーも必要になることがあります。もちろん、それぞれの道具の扱いには熟知していないと駄目です。林業関係は非常に事故が多いのです。

 分かりにくいかも知れませんが清々しました。メンバーも、里山は面倒見無いとだめだねと。そうです。里山が荒れると麓の街も荒れるのです。街なかにイノシシやクマが出てくるのはそのためです。里山は人の手が入ることが重要なのです。

 次の現場へ。斎場山(旧妻女山)。川中島の戦いで上杉謙信が最初に本陣としたと伝わる場所で、古代科野国の古墳です(円墳)。右に見える明るい斜面が、今回伐採や除草をしたところです。

 問題の現場。林道上にあるので大変危険です。思いつきで作業するのは極めて危険。相談して重心が右の方にあるので脚立で落とそうと決定。見事に落ちました。この後、この枯れ木を伐採しようと皆が言いましたが、実は枯れ木ではないのです。右の枝は生きています。このまま放置することにしました。

 移動して上杉謙信が七棟の陣小屋を建てたと伝わる陣場平へ。妻女山SDPが、貝母(編笠百合)の保全活動をしている場所です。立ち枯れのヤマザクラを伐倒してもらいました。実は今年の5月に一人で作業をしていたら、2mぐらいの幹が折れて突然落ちてきたのです。貝母が咲くとたくさんの方が訪れるので伐倒しました。

 そこから少し離れた場所の立ち枯れのヤマグワ(山桑)。手前に貝母の球根をたくさん移植したのでこれも伐採。少し高いところで切っているのは、アラゲキクラゲが出るからです。菌を移植しようと思います。

 作業は順調に進んで終了。堂平大塚古墳の庭を借りて納会の始まり。晴れていて無風なので日向にいると暖かいのですが、気温は0度ぐらい。ヒヨドリのキーッ!という音が響きます。寒いので移動可能な薪ストーブに点火。この前に、害獣駆除(イノシシ狩り)の車が3台登っていきました。鞍骨山へも3人ぐらい登っていった様です。この季節はハンターが入るので、自分の存在を知らせるホイッスルなどの携行が必須です。

 今回は海鮮寄せ鍋。有頭赤海老、アンコウ、ホタテ、牡蠣、白子、厚揚げ、白菜、聖護院蕪、天然ムキタケとヒラタケ、松代一本ネギ。昆布と白出汁で味付け。濃口醤油は使いません。大根おろしとしぼりたて生ぽんずと柚子胡椒でいただきます。

 これだけの海鮮と地元野菜や天然キノコを入れたのですから旨くないわけがありません。皆スープを味見して「うめ〜!なんだコレ」と絶叫。「料亭の味だ」などなど。皆に持ってくるものを細かく指示した私もニンマリ。濃縮白出汁は流行りで色々ありますが、試しに試して厳選。キッコーマンの旨味広がる香り白出汁を。ポン酢は高級品は5000円のものも。さすがに手が出ません。これもいくつも試して選んだのはキッコーマンのしぼりたて生ぽんず。柚子胡椒は大分のフンドーキンのもの。

 皆が持ち寄った副菜。鯛の昆布締め。自家製の柿酢でしめてあります。絶品。仲間で味噌作りしたり、各自で柿酢や塩麹を作ったり、映画『土を喰らう十二ヵ月』の様な暮らしをしています。少し前にはメルローのワインの仕込みもしました。自家製長ネギのキムチ。おにぎりの具でも食べたい。

 話題は、ワールドカップサッカーや色々。特に今回の料理ともリンクする水上勉原案、沢田研二さん主演の『土を喰らう十二ヵ月』監督・脚本:中江 裕司氏の話題へ。美しい信州の四季と土を喰らう土井善晴さんの数々の料理。そして死生観。染み染みと心に沁みる映画です。自分の日常を見ている様な映画でもありました。土井善晴さんとは、10年ぐらい某大手新聞社のPR誌で記事をアートディレクションさせていただきました。今回の映画で出てくる料理も納得しながら観ていました。
 ワールドカップであれだけの大群衆がマスクもせずに大歓声を揚げていることに、政府もマスコミも一切触れない違和感。クラスターも発生していない。疑問に思いませんか!? なぜ日本だけ未だにワクチンを打ち続けているのか。私や仲間の近くでも接種後の死亡や脳梗塞、体調不良がひん発している事実。高額で買ってしまったワクチンを消費するために子供にまで打つという狂気。海外はもうワクチンは打っていません。実はコロナは既に終わっているのです。本当におめでたい日本人。安価なイベルメクチンがあれば何も問題ありません。友人の医師もそう言っています。利権まみれの統一教会自民党と創価学会公明党のカルトに日本は滅ぼされる寸前です。覚醒を!
【再生回数200万回:動画】福島雅典京都大学名誉教授「科学と医学を徹底的に無視して無茶苦茶だ。今、打ってない人がかかってるんじゃない、打った人がうつしあってるんだ!」/ネット、医師、著名人も声をあげる
各国政府、COVIDワクチンによる数百万人の死亡を確認 - 英米豪加NZの5ヵ国とヨーロッパではCOVID-19ワクチン導入後、180万人の過剰死亡が発生 (The Expose):世界では既に大規模な集団訴訟が起きている。全く伝えない日本政府とマスコミ。日本でも2021年に6万人、2022年には10万人超えの超過死亡者が出ている事実を伝えない。ワクチン利権に侵され国民を見殺しにしている。
「米国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、英国、そしてヨーロッパのほとんどの国の政府が発表した公式報告によると、「Covid-19」注射の大量導入以来、180万人の過剰死亡が記録されたことが確認された。英国政府が発表したさらなる証拠によると、これらの過剰な死亡の最もあり得る原因はCovid-19のワクチン接種であることが確認されている。なぜなら、すべての年齢層でワクチン未接種の人の死亡率が最も低いからである。」
『土を喰らう十二ヵ月』公式サイト:水上勉原案、沢田研二主演の信州小谷村(おたりむら)が舞台の胃袋と心に沁みる映画です。

 私が持参した長芋の溜まり漬け。分量の割合は、醤油200ml、柿酢70ml、キビ糖30g、味醂40ml。これを温め冷まします。イリコ出汁粉大さじ1、塩昆布ひとつかみ、鷹の爪を入れて出来上がり。割合はお好みで調整してください。密閉容器に野沢菜、白菜、蕪、大根、人参、長芋などを刻んで入れ、溜まりをそそぎます。冷蔵庫で保存して一週間ほどで食べられます。野菜の旨味も出てさらに美味しく。薄まったら足します。
 最後は水に浸した米を入れて和風パエリアに。卵で閉じます。もう筆舌に尽くし難い旨さで皆おかわり。完食です。旨すぎてもう納会は毎年これでいいと。いやいや世の中には旨いものはもっとあるということで、次々とアイデアが。ワールドカップということで、スペイン料理なども。食後は、私が愛飲しているタンポポコーヒーを振る舞いました。ノンカフェインだけでなく物凄い薬効があるのです。
カナダのウィンザー大学の研究チームの研究成果により、セイヨウタンポポの根茎が癌治療に非常に効果的であることが分かりました。化学療法とは違い、タンポポの根茎を使った治療を始めた結果、数日以内に癌細胞が消滅したのです。タンポポの根茎は、癌細胞を破壊するだけでなく、胆汁分泌を促し、肝臓を浄化し、アレルギーを改善させ、コレステロール値を下げます。

 さて解散です。妻女山の四阿からは北アルプスがくっきりと見えました。手前の茶臼山や右奥の虫倉山には雪はありませんが、冠着山(姨捨山)には降雪が。長野市北部も初雪があった様です。

 土を喰らう冬。今年は山栗や胡桃は不作でした。これは豊作だった昨年のオニグルミ。一番下の真ん中が先の尖ったヒメグルミ。信濃クルミや信濃カシグルミとは全く別の味がする山の恵みです。

 地元の豚と私が採った天然のハタケシメジ、クリタケ、ムキタケ、ヒラタケに白菜、松代一本ネギ、玉葱を使った豚汁うどん。アゴ出汁で。右は前述の溜まり漬け。野沢菜、地大根、青大根、人参、長芋。

 ブリ大根。ブリのいいアラが手に入ったので地大根と炊きました。ポイントは茹でこぼして血合いなどを徹底的に取ることです。生姜と友人の手作り醤油、キビ糖、本味醂で煮ました。普通は温めていただくのでしょうけれど、私は冷蔵庫で一晩冷やして煮こごりになったものが好きです。ブリの臭みもまったく感じません。お年取りの魚というと、西のブリ・東の鮭が有名ですが、信州はその両方が混在します。富山の寒ブリ、新潟の鮭が入るからです。ちなみに我が家では祖母の代では塩ブリで、母の代で鮭になりました。単に母がブリがあまり好きではなかったという理由ですが。塩鮭は一本買いで厚さ4センチぐらいに切って酒粕に漬けます。それを湯がいていただくのです。また父が自家製の醤油豆を作っていました。私が子供の頃は、祖母が大きな樽にお醤油豆を作り、味噌蔵にあって、よく祖母に言われて撹拌しに行きました。

 土を喰らう郷土料理の続き。(左)イカこんにゃく。こんにゃくは信州新町道の駅で買い求めた生芋こんにゃくです。本漬けの野沢菜漬けも食べられる様になりました。乳酸発酵も始まっています。3月になると熟成して木曽のすんき漬けの様になります。油炒めや炒飯やおやきにも。右は簡単べったら漬。普通は塩漬けした大根を甘酒で和えますが、今回は塩麹とはちみつ、キビ糖で漬けました。(右)ウルメイワシの丸干しの天ぷらとさつま芋の天ぷら。カレー粉とアオサ海苔をまぶして。食用油が高騰しています。そんなとき見つけたのが、昭和産業の「焼き天ぷらの素」。半袋60gを使いました。大さじ1.5の油をフライパンにしくだけでザクザク食感の天ぷらができます。調理後は拭き取るだけ。安上がりで環境にもいい、嫌な添加物は入っていません。これお勧めです。ウルメイワシの丸干しの天ぷらは、海無し県信州の古くからの郷土料理。在京時代には妻が二度揚げして息子達にも食べさせていました。

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