モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

今年の信州のキノコは読めない。栗茸城にウスヒラタケ、わずかにジコボウ(ハナイグチ)。今頃ザラエノハラタケ(妻女山里山通信)

2020-10-24 | アウトドア・ネイチャーフォト
 雨がそこそこ降ったのでキノコが出ているかなと妻女山山系へ。しかし、不作です。松茸も不作とか。長雨の梅雨と猛暑。秋になっても最低気温が下がらず、9月上旬に出るウラベニホテイシメジや天然舞茸は全滅でした。当地では栗もドングリも例年通りなので問題ありませんが、新潟、富山、石川では不作で熊の出没や襲われたニュースが報じられています。要注意!

 雨後の林道を登ります。上信越自動車道の松代パーキングエリアが眼下に。左に千曲川、右に長野ロイヤルホテル。

(左)ザラエノハラタケ。例年なら9月上旬に出るキノコです。この後にウラベニホテイシメジやマイタケが出ます。やはり変です。(右)山栗は豊作に近い出来だった様です。野生動物が食べた痕跡があります。

(左)そうは見えないと思いますが、林道なんです。歩きます。ツキノワグマは下りてこないでしょうけど熊鈴を鳴らします。(右)マルバフジバカマの残花。やはり秋の訪れは遅い。

(左)林道の崖にコナラの倒木。やがてキノコが大発生するでしょう。(右)ウメノキゴケ。環境の変化に敏感。排気ガスなので汚染されれば真っ先に消えます。

 林道を小一時間歩いてから藪山に入ります。栗茸城を発見。ここは何年も前から知っているシロなんですが、枯れ木は倒れてしまいました。裏側にもたくさんあります。似ている猛毒のニガクリタケとの同定は完全に行わないといけません。死亡例もあります。

(左)噛んでみて苦ければニガクリタケ。(右)クリタケは軸の白い部分までが食べられます。よってハサミで切ります。クリタケの細胞は球形なので頑丈。旨味を引き出すためには、一度冷凍すること。ということで、洗ってほとんどを冷凍しました。残りは、ジコボウ、ウスヒラタケと里芋の親芋とエビ、ゲソ、ホタテと煮物にしました。馬鹿旨でした。冷凍したクリタケはいずれ炊き込みご飯にします。

(左)キクラゲ(木耳)。(右)かなり大きなウスヒラタケ。和風中華洋風にも合います。

(左)ビョウタケですね。(右)猛毒のヤマトリカブト。若葉は山菜のニリンソウと似ているので要注意。

(左)なんでしょうね。キシメジ科でしょうけど。老菌なのと同定ができなかったので採取しませんでした。(右)不老不死のキノコといわれる霊芝(マンネンタケ)。抗癌作用があるといわれ極めて貴重です。これは雨でカビていたので採りませんでした。以前採取したものをコフキサルノコシカケやマタタビや黄精などと焼酎漬けにしてあります。

 やっとジコボウ(時候坊)ハナイグチを見つけました、本来なら全盛期なのに。出ない理由は最低気温。8度以下にならないと出ないのです。ここのところ暖かくて出る条件が整っていませんでした。来週末に期待。

 三人兄弟ゲット。登りには気づかなかった林道脇に大きなジコボウ。虫もあまり入っていない上物でした。

(左)山椒の実もやっと赤くなってきました。(右)クサギ(臭木)の実。

(左)陣馬平のノコンギク。ありふれた花ですが、最も秋を感じさせる野草です。(右)セリバオウレン。周囲の草花が枯れたときに、ニホンカモシカの食害に遭います。ネットをかぶせるとか、なにか対策が必要と思っています。

(左)クヌギのドングリがたくさん落ちていました。コナラのどんぐりは長細い。潰してアク抜きしてクッキーにすると美味。(右)マムシグサの実。誤って口にすると口内が酷くただれます。

(左)コバノガマズミの実。この秋はガマズミのリキュールを作り損ないました。抗酸化作用がありルビー色の美しいお酒が作れます。(右)ヤクシソウ。妻女山展望台の登り口に群生地があります。

 その妻女山展望台からの北方の善光寺平の眺め。日の当たる飯縄山の紅葉が始まっていますね。千曲川手前は長芋畑で収穫が始まっています。来月上旬には講演会もあるので、その準備もします。仲間とのトレッキングや里山保全の作業と納会もあります。紅葉を求めてどこに撮影に行こうか思案中です。今年は季節の移ろいが異常なので難しいです。11月は暖かく、冬は突然に訪れて厳冬になりそうです。撮影に標高の高いところにも行くのでスタッドレスへの交換も早めにしようと思います。
 
絶唱!伝説の歌手 藤圭子 スペシャル

 若い人は、宇多田ヒカルのお母さんというイメージだろうけれど、私にとっては美空ひばりや大好きな石川さゆりを遥かに凌ぐ大歌手だと思っています。当時はQUEENとかウェザーリポートとか村上春樹さんのジャズ喫茶でアルバイトしていたのでハードバップのジャズを聴いていたのですが、藤圭子だけは別格でした。こんな可愛い愛すべき女性がいるんだなと思いました。こんな凄い歌手は今までもこれからも出ないかもしれません。なので宇多田ヒカルがデビューした時の衝撃は忘れられません。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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キナーレ現代美術館の朝。飯山の道の駅千曲川で休憩と美味しい買い物。雨の苗名の滝。旅のグルメ(妻女山里山通信)

2020-10-18 | アウトドア・ネイチャーフォト
 豪雨の松代町での車中泊を諦めて十日町へ移動して車中泊。豪雨ではないものの雨が降り続き、1時間毎に目が覚めてしまうというヤレヤレの夜でした。予定では、津南町、栄村から秋山郷へ行き、奥志賀へ抜けるつもりでしたが、台風14号で中止にしました。遭難しそうですものね。

 十日町市のキナーレ現代美術館の朝。内部と作品は、7つ前の記事で紹介しています。動画もアップ。一度は訪れたい美術館です。

(左)117号を飯山へ。道の駅栄で休憩。山菜やキノコ、ジビエなども。(右)道の駅野沢温泉でまた休憩。

(左)飯山の道の駅千曲川で休憩と買い物。店の前には大量の野沢菜が置いてありました。野沢菜漬けを買うときは、必ず無添加の本漬けを!(右)左上から右回りに。ガレット用蕎麦粉。少し粒が粗目です。天然キノコと自家製ベーコンでガレットを作るつもりです。里芋の親芋100円。安くて美味しいのです。道の駅あらいで買った12個500円のサザエと煮物にしました。馬鹿旨。ゴールデンデリシャスとあかねを交配して生まれたシナノピッコロ。まるかじりリンゴで美味です。地元のおばさんが作ったシナモンロール。素朴で美味しい。種無し巨峰。お安いです。きのこカレー。まだ食べてませんが美味しいでしょう。

(左)雨の中を292号へ。山を超えて新潟県の上越市へ向かいます。(右)国道18号を挟んで向かい側にできた新しい道の駅。まだ知られていなくて訪れる人は少ないのですが、トイレが綺麗。屋根付きの駐車スペースがあるので、雨や雪の日にいいでしょう。

(左)新しい道の駅から見上げる妙高山。(右)国道の向こう側には、既存の道の駅あらい。ほぼ満車ですね。きときと寿しや土産物屋、鮮魚センターがあります。鮮魚好きの信州人であふれています。

 苗名の湯に行こううと登る途中にコスモス(秋桜)。そういえば昨年もここで撮影しました。なぜか季節外れの紫陽花も咲いていました。雨に濡れるコスモス。山口百恵の歌が脳内を流れ思わず口ずさみました。

 ところが、苗名の湯は男湯の湯温が上がらないとかで入れません。検索して10分の赤倉温泉へ行くことに。途中のいもり池の始まった紅葉。向こうに雲に包まれた黒姫山。

(左)池の畔にある与謝野晶子の歌碑。私は旅順口包圍軍の中に在る弟を歎いた「君死にたまふことなかれ」を思います。「あゝをとうとよ、君を泣く、 君死にたまふことなかれ、 末に生れし君なれば親のなさけはまさりしも、 親は刃(やいば)をにぎらせて人を殺せとをしへしや、 人を殺して死ねよとて二十四までをそだてしや。」戦争の最中に、戦争に反対する気持ちを詩に表した彼女の強い想い。戦争を企てる輩は、絶対に自らは戦場に行かない政治家と、戦争で儲かる輩です。(右)苗名の滝へ。雨具に着替えて出発。

(左)色づき始めた森。(右)赤く染まった山葡萄。

 だれもいません。独り占め。水は豪雨で茶色く握っています。

 そぼ降る雨に滝の轟音だけが響きます。人はなぜ滝に惹かれるのでしょうね。静かに見ているとなぜか心が浄化される気がします。なぜでしょうね。

(左)誰にも遭わないだろうなと思ったら、欧米系の若い女性二人に邂逅。滑るから気をつけてねと言ったらありがとうございますとニッコリ。観光客か日本在住かはなんとなく分かります。(右)今夜は道の駅しなので。車中泊は10台ぐらい。雨の中、ユキ・ラインハートのA.O.R.を聴きながら道の駅あらいで買った寿司を食べながら晩酌。

■苗名の滝 2020.10.08



(左)今回入った温泉。十日町のJR東日本信濃川発電所近くのミオンなかさと。褐色の柔らかい温泉です。(右)赤倉野天風呂・滝の湯。最高の泉質の野天風呂。話好きな地元の方と邂逅。色々面白い話ができました。なんでも夏は外国人の方がたくさん訪れるそうで、滑り台とかあって目の保養になるとか(笑)。源泉かけ流しのため、冬季は湯音が下がってしまうため営業していません。

(左)前後しますが、今回食べたもの。道の駅あらいの鮮魚センターで。カニ丼。大きなカキフライ。上はサバのフライを挟んだサンドウィッチ。(右)ウニイクラ丼。1500円。醤油がついてきますが、イクラに塩味があるので不要ですね。

(左)十日町の「そらや」の無化調ラーメン。体にやさしい美味しいラーメンです。(右)旅に出る前にタイ人のおば様からいただいた手作りのグリーンカレー。里芋みたいなのは、かまぼこ。辛いけど美味です。

 最終日は、鮫ヶ尾城へ植物の撮影に行ったのですが、端境期で見るものはありませんでした。案内所の女性と色々話をしていたら、関山神社の宝蔵院跡地が整備中で結構できてるからぜひ寄っていってというので訪れました。妙高山信仰の関山神社は、二度訪れていて記事にしていますが、ここは初めて訪れました。来年3月完成だそうです。台風のためにメチャクチャになった旅でしたが、それなりに素敵な出会いもありました。なので旅を止められません。

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JR東日本信濃川発電所・東京電力信濃川発電所。都民はこれがないと通勤通学も生活もできません(妻女山里山通信)

2020-10-16 | 歴史・地理・雑学
 清津峡渓谷トンネルをたっぷりと鑑賞してから十日町に戻り、「そらや」で無化調の美味しいラーメンを食べてから、JR東日本信濃川発電所と東京電力信濃川発電所に向かいました。

 信濃川発電所の起点となる宮中ダム。高さ16.4mの重力式コンクリートダムです。1920年(大正9年)、下流に建設した千手発電所(せんじゅはつでんしょ)の取水ダムとして建設を開始し、1938年(昭和13年)に18年の歳月を掛けて完成しました。 ただこのダムのために、長野県の千曲川まで遡上していた鮭が来なくなりました。現在は魚道が作られ、放流もしているので戻ってきた様です。

「信濃川発電所管内鳥瞰図」。宮中ダムは、一番左上です。大規模な施設ということが分かります。この電力で、山手線や中央線、京浜東北線や新幹線が動いています。それらを利用している都民でこのことを知っている人はどれくらいいるでしょう。訪れたことがある人は数少ないでしょうね。

 ダム湖。元田中康夫県知事の時代に、脱ダム宣言も行われましたが、確かにゼネコンが暴利を貪るための不要なダムもありました。ただ必要なダムもあるのです。なにより人類を滅亡に招きかねない核のゴミが出る原発よりはるかに安全なクリーンエネルギーです。

 轟音を立てて放水中。橋も震えていて少し緊張します。

 魚道。魚の大きさに合わせて三種類の魚道があります。白鷺が魚を求めて集まっていました。

 魚道観察室。残念ながら鮭の遡上は見られませんでした。

 魚道越しに観る宮中ダム。水門は4つ開けられていました。曇り空でなんだかディストピア(暗黒郷)の様な景色ですが、都民を支えるダムです。しばらく佇んで見ていましたが、自分も40年の東京ぐらしでこのダムのお世話になっていたのだなと染み染み感慨にふけりました。

 宮中取水口。水は浅河原調整池へ。そこから千手発電所へ向かいます。ダムカードが欲しかったのですが、小千谷発電所まで行かないと入手できない様で諦めました。ダムマニアではないのですが、行くとダムカードを集めています。河川は日本の本当に大切な宝です。災害も引き起こしますが、恩恵のほうがずっと多いのです。

 近くのミオンなかさとで温泉に入り、松代(まつだい)町へ向かうために県道353へ。そこからの宮中ダム。ここから東京電力信濃川発電所までの道が狭く信濃川の崖上で大変なところでした。

 東京電力信濃川発電所。上流にある西大滝ダム(長野県飯山市:通ったのですが撮影できず)で取水し、約21kmの導水路で水をここまで運んで発電しています。昭和14年に運転を開始したそうで歴史があります。鉄管の太さは4m近くで迫力があります。ダムのある長野県民や、発電所のある新潟県民は、おそらく1ワットも使っていないのではないでしょうか。で、松代町の道の駅で車中泊すべきと向かったのですが、豪雨。山間部より十日町の方がいいだろうと下りました。台風14号の影響で予定はめちゃくちゃでした。続きは次の記事で。

■信濃川発電所 ドローン空撮映像 Dronevideo at Shinanogawa power station


JR東日本信濃川発電所(千手発電所、小千谷発電所、小千谷第二発電所の3発電所の総称)

JR東日本信濃川発電所の不正取水問題:都民ならずともこの不祥事は知っておかなければいけないことです。但し、河川や海は、国土交通省のものではありません。国民のものです。国交省に管理を任せているだけ。国交省の官僚はそのことを心すべし。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

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清津峡渓谷トンネル Tunnel of Light マ・ヤンソン/MADアーキテクツ(妻女山里山通信)

2020-10-10 | 展覧会・イベント・コンサート
 4つ前の記事で、新潟県の十日町にあるキナーレ現代美術館を紹介しましたが、それは清津峡渓谷トンネル を観るためのリサーチでもありました。今回そのチャンスが得られたので訪れました。それは素晴らしいものでした。もの凄い人気で、平日でも混雑します。週末や連休、これからの紅葉の時期は、交通規制や入場規制もあります。訪れる最適な時期は最後に記します。参考にしてください。

 750mの最後に観られるパノラマステーション。【TUNNEL OF LIGHT. 】トンネルの内側にはステンレスが貼られ峡谷を映し水面は揺らぎながら景色を映します。龍安寺の石庭を思わす、自然を借景として取り入れる高度な環境芸術です。下の人がいないカットを観ていただくとわかると思いますが、この作品は人がいることで輝き、自らの存在理由(レーゾンデートル)が浮かび上がるのです。「東洋的自然観を基に現代社会における新しい建築の在り方の発展に取組み、人々の感情を中心に据えた未来都市「山水都市」のコンセプトを核とし、人と都市と環境との新たな関係性の創出に専心している。」

 赤ちゃんを抱っこしたお母さん。この子が物心ついたときに再び訪れて欲しい。この写真を未来ある赤ちゃんに捧げます。右は母親と訪れた娘さんでしょうか。長いトンネルを抜けて観るこの景色は、命の尊さや人は自然に抱かれて生きているのだということを感じさせてくれます。積雪の冬にはモノトーンの墨絵の世界。4月の芽吹きの頃には、何種類もの緑と春紅葉が見られるでしょう。

 水面は端は歩くことができます。ただ布の靴はだめです。人が歩くと水面が揺れて美しい波紋が見られます。小さな女の子が恐る恐るお母さんの後をついて行くのがとても可愛らしかった。

 普通に撮影していたらつまらないので探しました。二つのトンネルが現れます。鏡像の不思議。確かに私は見たということの不確定さ。視覚の揺らぎ。

 ひとがいない「清津峡渓谷トンネル Tunnel obo Light」。誰もいないと水面は鏡面と化し風景を鮮明に映し出します。これはこれで貴重なカットです。愛の渇望。不在の不安。

 清津峡渓谷トンネルの入り口。このカットを載せている人がいないので載せました。真ん中は水深15センチ。黒い線の外側の両サイドは、布の靴でなければ歩けます。

 何を感じるか、何を思うか、どう反応するか。それはあなたの生きてきた人生の鏡なのです。

 水面(みなも)に映る清津峡の柱状節理。黒部峡谷・大杉谷とともに日本三大峡谷の一つとして知られる信濃川の支流である清津川が形成した峡谷です。日本列島創生の痕跡が見られる峡谷でもあります。
清津峡

 第二見晴所の「見えない泡」。トイレです。

 そのトイレの内側から見える風景。白い点が銀河の様。揺らぎ。

 第三見晴所「しずく」。私はナウシカを思いました。危うい柏崎原発。

 しずくの映ることの安定と不安。この表現は、コンセプチュアル・アートに通じるものがあります。

 赤いトンネル。心が高揚し揺らぐ。

 青いトンネルを行き交う人々。それぞれに人生がある。何を感じ、何を思い日常に帰るのでしょう。車椅子の方も何人かいました。トンネル内は緩い坂道がありますが介助の方がいれば大丈夫です。

■清津峡渓谷トンネル Tunnel obo Light マ・ヤンソン/MADアーキテクツ

パンしてたらおばさんにぶつかった。それも一興。

■清津峡渓谷トンネル Tunnel of Light

短いですが観客が映っています。


(左)第二駐車場。(中)第一駐車場の先にある温泉街を振り返ったところ。ここに泊まるのもいいでしょう。(右)渓谷沿いのプロムナードを進むとエントランス施設。

(左)一階はカフェとショップ。二階には無料の足湯。(中)抗道入り口。入ってすぐ右にチケット売り場。(右)N-079「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2018」の番号。

(左)渓谷沿いに咲く花たち。シュウメイギク(秋明菊)。(中)キツリフネ(黄釣船)。(右)ミゾソバ(溝蕎麦)。

平日でこの賑わいです。11時に着きましたが、第一駐車場はすでに満車。第二駐車場は4台ほどでしたが、12時半に出てくるとほぼ満車になっていました。開抗時間は8時30分から17時(最終入抗は16時30分)です。午前中の早い時間か午後3時以降がおすすめと案内所の女性がアドバイスしてくれました。入抗料金は、大人が800円。小中学生が400円。
マ・ヤンソン/MADアーキテクツ
 MAD Architectsは2004年に中国出身の建築家、マ・ヤンソンによって設立され、ダン・チュン(中国人)と早野洋介(日本人)の3名にて運営される建築事務所。北京、ロサンゼルス、ニューヨーク、ローマに事務所を構える。東洋的自然観を基に現代社会における新しい建築の在り方の発展に取組み、人々の感情を中心に据えた未来都市「山水都市」のコンセプトを核とし、人と都市と環境との新たな関係性の創出に専心している。

清津峡渓谷トンネル Tunnel of Light マ・ヤンソン/MADアーキテクツ 2021(妻女山里山通信):2021年のフォトルポ。意匠が変わっています。

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コシヒカリともち麦の稲刈りに明け暮れた秋の週末。米作りは縄文末期・弥生からの大切な文化(妻女山里山通信)

2020-10-03 | 男の料理・グルメ
 週末は仲間の田んぼで稲刈りでした。ご褒美は、籾米30キロともち米を。年明けはまた味噌作りもします。その前に妻女山里山デザイン・プロジェクトの里山保全の作業と納会もあります。この秋は猛暑の名残で暖かいのですが、この冬は厳冬になるとの予報。豪雪がないといいのですが。

 田んぼは住宅街の中にあります。左には小さな子供がいる若い夫婦が住む家が三軒ほど。休日にお騒がせして申し訳ないのですが、幼女の姉妹が出てきて手を振って応援してくれました。この田んぼがあるから、家の前が開けて清々としているというのもあります。稲の成長を見られるし、カエルやコオロギの鳴き声とか情操教育にもなるでしょうね。

(左)コンバインが刈ることができない四角を手刈りします。米作りは日本人と日本に住む外国人のエネルギーの元です。(右)コンバインで刈り取り。コシヒカリです。

(左)タンクがいっぱいになったら袋に入れます。約30キロ。(右)手刈りした稲を脱穀します。

(左)持ち帰って乾燥機に入れます。(右)本当は天日干しがいいのですが。これは脱穀した後の藁(わら)を干すところ。果樹園や畑に撒きます。石灰で固くなった土を柔らかくします。キノコの培地を撒くとその必要はありません。土を固くしない牡蠣の貝殻の有機石灰というのもあります。

(左)ハゼに掛けきれないわらは、5束づつ束ねて立てます。(右)夕食は昨年採ったクリタケとワラビと豚バラ肉で煮込みうどん。

(左)翌日はもち麦の刈り取りをしました。作業を終了してコンバインをトラックに積み込みますが、これが非常に危険な作業です。(右)無事に積載できました。農業機械での事故は、建築現場より多いのです。

(左)降ろす作業は、乗せるよりも危険です。(右)なんとか無事に作業は終了。ヤレヤレです。曇り空だったので、大量の汗をかくこともなく終えました。温泉に入って帰宅です。帰ってあいみょんの歌を聴きながらビールを飲みながらブログの更新です。さて水曜日からは5連休なので放浪の旅に出ます。どこへ行きましょう。

あいみょん「恋をしたから」Studio Recording Scene

「恋をしたから明日が大好きだった」:せつなく、でも未来も感じる歌。

あいみょん – 裸の心 【short movie】

「この恋が実りますように 少しだけ少しだけ そう思わせて 今、私 恋をしている 裸の心 抱えて」
:大ヒットドラマの主題歌。

高木紗友希 x 小田さくら「逢いたくていま」カバー

息を呑むような素晴らしいデュエット。ハロプロの二大歌姫の共演。

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