モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

ツル性のトリカブトを探して冠着山と聖山へ。猛暑と人為の無惨を目の当たりに。サラシナショウマ、アブラチャン。メスグロヒョウモンのメス(妻女山里山通信)

2024-09-15 | アウトドア・ネイチャーフォト
 冠着山(姨捨山)と聖山へツル性のトリカブト(鳥兜)を探して登りました。しかし、2年続きの猛暑と無知が故の除草で無惨な結果となりました。最高気温が34度。9月中旬とは思えない暑さの中、登り始めは26度でしたが、下ってみると標高1000m以上なのに30度。

 冠着権現の石の祠裏のツル性かと思われるトリカブトはありませんでした。除草された痕跡は見られません。昨年根こそぎ抜き取られてされて絶えたのか、無惨な結果です。

 2020年9月5日、同じ場所で咲くトリカブト。周囲は樹木で囲まれていて直立したものが突風で倒れたという状況は見られません。茎の根元も折れてはいません。ツルは長いものは2mぐらいあり地面をはって横に伸びています。咲き始めなので花の色がやや薄い。つぼみもたくさん見られます。ただこれを九州の一部にある花葛(はなかずら)と同じとは言えません。おそらく別種でしょう。聖山で見たものは山葡萄のツルにからみついていましたが、今年は昨年同様猛暑で見られませんでした。また、冠着山聖山とも全山を調べたわけでもなく、近隣の里山も調査できていないので他にも群生地があるかも知れません。

 山頂の北面にサラシナショウマ(晒菜升麻)の群生があり、純白の花穂が爽風に揺れています。

 山頂からは眼下に長野自動車道と姨捨サービスエリア、篠ノ井線が見えます。右下には姨捨の棚田が。稲刈りが始まった田んぼも。千曲川の向こうは茶臼山。山上にたくさん集落があります。名店ロンディネッラも。その奥に陣場平山と富士ノ塔山。右奥に雲に隠れた飯縄山。

 山頂の東の端にあるトリカブトの群生。ツル性ではなく大きく伸びたものが重さで倒れたもの。

 猛毒のトリカブトをものともせず吸蜜するクマバチ。トリカブトの毒性は主としてアコニチンで、心臓発作、呼吸困難など致命的な症状を引き起こし、有効な治療法はありません。クマバチなど蜂には毒が効かないそうです。ただトリカブトの蜜でできた蜂蜜は有毒です。トリカブトは全草が猛毒なので絶対に匂いをかいではいけません。触れたときは手を洗ってください。

 冠着山北面の廃道になった巻き道へ来ました。2011年9月27日に来たときには一面トリカブトだったのですが、わずかに見られるだけ。トリカブトは暑さに弱いのです。

 その中の一本は、大町の居谷里湿原で発見されたツクバトリカブトの変種イヤリトリカブトに似ています。直立した後で直角に曲がり花をつけます。高さは1.5mぐらい。

 少し見えにくいのですが、中央にあるトリカブトがイヤリトリカブトに見えます。

(左)下山途中でヤマボウシの実が落ちていました。熊やスズメバチの好物です。(右)アブラチャン(油瀝青)の実。実からとれる油は、整髪剤や行灯やランプの油として使われました。春に黄色い花房を咲かせます。青い実をかじると爽やかな香りがします。和のハーブとして用いる人も。

(左)ハクサンアザミ(白山薊)かフジアザミ(富士薊)。似ている種なので、どちらでしょう。(右)吸蜜に訪れたルリシジミ。

 サラシナショウマ(晒菜升麻)の花穂。春の若葉は山菜です。

 花穂のアップ。昆虫に人気の花でたくさん訪れます。アリも登ってきます。

 県道498を聖湖経由で聖山へ向かいます。道幅1.5車線の狭いワインディングロード。対向車もあるのでカーブではクラクションを。落石は少ないけれど落枝には要注意。

(左)途中の古峠(東山道脇道)で、見つけた日本のホップ、カラハナソウ(唐花草)。苦味が少ないのでビール製造には使えないとか。無毒なので天ぷらで食べられます。ビールに合うそうです。(右)アキノキリンソウ(秋の麒麟草)があちこちに群生しています。

 メスグロヒョウモン(雌黒豹紋)のメス。雌雄で全く異なる色と文様。なかなか出会えない蝶です。花は帰化植物のノラニンジン(野良人参)か。英名はワイルドキャロット。ローマ時代から薬草として使われたそうで、ヨーロッパではスープや煮込み料理に用いられることが多く、さらには健康食品や化粧品の成分としても有効とか。

 聖山の山頂から南の眺め。眼下は麻績村。四阿屋山と奥に美ヶ原。左の谷を行くと修那羅峠を経て青木村。台形の子檀嶺岳(こまゆみだけ)。拙書の表紙です。右奥は善光寺街道を経て松本へ。冠着山には熊はいないと思います。聖山にはいます。以前、山頂直下で北面の藪の中を登ってくる熊の音に気づいて大きな音と声を出して追い払ったことがあります。

 東方には善光寺平。南からいくつも尾根が伸びています。一番手前が斎場山。右にグニャグニャ曲がる千曲川。左に真っ直ぐな犀川。間が川中島。向こうの落合橋付近で合流します。新潟に入ると信濃川。

(左)ハンゴンソウ(反魂草)。若芽は山菜になり天ぷらなどで食べられますが、結構苦味やアクがあります。(右)ノコンギク(野紺菊)キク科シオン属の多年草。薄紫から濃い紫までありますが、白花もあります。白い野菊はたくさんあるので同定が難しい。

 山頂直下のトリカブト。紫の花びらにみえるのはガク。この色でマルハナバチを誘います。別名は、カブトギク、カブトバナ、アコニツム。ドクウツギ、ドクゼリとともに日本三大毒草。春の若葉は食用野草のニリンソウとそっくりで隣り合わせで生えていることもあるので要注意です。
 下山後は戸倉上山田温泉の観世温泉へ。やっと生き返りました。

ツル性のトリカブトは、環境省のレッドデータブックー日本の絶滅危惧種で、絶滅危惧ⅠB類(EN)に指定されている離弁花類キンポウゲ科の猛毒の植物です。学名はAconitum ciliare。国内では九州の一部だけに極稀に自生するとされています。それが信州の山に自生しているのです。牧野植物園では、九州、朝鮮半島、中国東北部、ロシア沿岸地域に分布とあります。
トリカブトは全国的に変種が多く、ヤマトリカブト、オクトリカブト、ツクバトリカブト、イブキトリカブト、タンナトリカブトに加えて長野県北部特産として茎の長さ300cm、上部はツル状のイヤリトリカブトがあるそうです(1~1.5mという記述もあり)。結論からいうとトリカブトには変種が非常に多く、そのためか詳細な分布や研究は充分には行われていないということ。おそらく九州のハナカズラと当地のツル性トリカブトは別種でしょう。トリカブト亜属でも40種以上あり、花弁の舷部が距に向かって膨大するキヨミトリカブト節には、アズミトリカブト、ハナカズラなどがあります。
「トリカブト亜属に属する種は、多年草のなかの疑似一年草に分類される。地上部と地下の母根(塊根、「烏頭(うず)」)はその年の秋に枯死するが、母根から伸びた地下茎の先に子根(嬢根、「附子(ぶし、ぶす)」)ができ、その子根が母根から分離して越冬芽をもち、翌年に発芽し開花する。地上部と地下の母根から見れば一年草であるが、子根が翌年にも生存するため、擬似一年草のカテゴリーにはいる。分離型地中植物とも呼ばれる。」トリカブト(Wikipedia)

ツル性トリカブトを探して冠着山(姨捨山)と聖山へ。三種類のトリカブトが混生か。イヤリトリカブトか。鞍骨山と天城山のトリカブト(妻女山里山通信)

ツル性のトリカブトを冠着山(姨捨山)と聖山で発見。絶滅危惧種のハナカズラが信州に?(妻女山里山通信)

「村上春樹さんのピーター・キャットを中心とした70年代のクロニクル」というムサビの美大生時代に彼のジャズ喫茶でアルバイトしていた当時のブログは世界中からアクセスがあります。この文章をクリックで見られます。ロンドンに5週間住んでいて、Queenのフレデイ・マーキュリーの恋人のメアリー・オースチンが勤めていたBIBAの店で当時の私の恋人が彼女からジャケットを買った話。70年代の美大生の赤裸々な日々が見られます。

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本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。掲載の写真は有料でお貸しします。他のカットも豊富にあります。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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大海を渡り2500キロ旅するアサギマダラ。オスばかり。来週にはメスも舞い始めてにぎやかになるでしょう(妻女山里山通信)

2024-09-11 | アウトドア・ネイチャーフォト
 冠着山(姨捨山)へつる性のヤマトリカブトの観察と撮影に行こうと思いましたが、県道498が全面通行止め*。仕方なく近くの里山へ、少し早いかなと思いつつアサギマダラ(浅葱斑)の撮影に向かいました。舞っていたのはオスばかり。おそらく来週にはメスも舞い始めてにぎやかになるでしょう。
* 県の千曲建設事務所に問い合わせたところ、聖湖から鳥居平までは行けるそうです。

 アサギマダラ(浅葱斑)は、チョウ目タテハチョウ科マダラチョウ亜科の蝶です。成虫は、春から夏にかけて南から北へ移動し、移動先で世代を重ねた後、秋になると南へ海を渡って移動します。数千キロもの移動をするため、全国でマーキングをして調査をしています。アニメ『鬼滅の刃』や、植物学者牧野富太郎をモデルにした朝ドラの『らんまん』のオープニングにも出てきました。

 フジバカマで吸蜜するオス。後翅下部に黒斑があります。アサギマダラはガガイモ科キジョラン属の常緑のつる植物のキジョラン(鬼女蘭)に卵を産み付け、幼虫は越冬します。ただガガイモは信州の里山にもあるのですが、キジョランの北限は東京なので、メスは10月頃には南下して産卵するのでしょう。6月に飛来したメスが長野県内で産卵しているのが確認されたそうですが。産み付けられた植物はおそらく新芽が山菜のイケマ(牛皮消)はないかと。その卵は夏には羽化して産卵し、その子供達が晩秋に南下するのでしょう。では秋に産卵して育った個体は? どうも雪のない西日本に南下し産卵して一生を終える様です。

 曇り空ですがほぼ無風ライバルも少ないので吸蜜もスムーズにできます。

 わりと長時間の吸蜜。向こうにも一頭います。幼虫はガガイモ科のキジョラン、カモメヅル、イケマ、サクラランなどを食草とし、卵は食草の葉裏に産みつけられます。幼虫も成虫も体内に食草由来のアルカロイド系毒物質をもち捕食されるのを防いでいます。

 アサギマダラと言われるのは翅の白い部分が浅葱色を帯びているからです。黒から茶色にかけてのコントラストが綺麗です。前翅の中程は半透明で透けて向こうの景色が見えるものも。口吻の真ん中に溝が見えます。口吻はパイプ状ではなく二つの樋(とい)が合わさった形をしています。オオムラサキでは羽化不全で溝に穴が空いていて樹液が漏れているものを見たことがあります。

 草間彌生の水玉模様の様な胸部が可愛い。この浅葱色の部分は構造色です。

 浅葱色(あさぎいろ)というのは、薄い葱の色という意味で、日本の伝統色の名前です。翡翠色、江戸紫、群青色、銀鼠などは聞いたことがあると思いますが、瓶覗とか高麗納戸、甚三紅とかは聞いたことがないと思います。日本の伝統色はなかなか奥が深い。

 飛翔はフワフワと漂い舞う感じで滑空もします。その省エネの飛び方で大海を渡るのでしょう。

 アサギマダラは暑さに弱く北上し、寒さを避けるために南下するといわれています。それぞれの移動先で産卵し成虫は死ぬので、南下と北上の個体はまったく別のものといわれています。

 オスの後翅下部の黒斑は性標で、メスにはありません。オスはこの性標に性フェロモンを蓄えていて、尾部のヘアペンシルをここにこすりつけて、性フェロモンを移しとります。

 9月下旬には交尾を終えて卵を内包した腹部の大きなメスが見られる様になります。オスは塩分やアンモニア摂取のために糞や尿の水たまりに集まる習性がある様で、その際にニホンカナヘビなどに襲われることもあります。オオムラサキは前の二本が胸に折りたたまれてほとんど使われないのですが、観察するとアサギマダラは使うこともあります。

 篠ノ井線のとある踏切。途中アキアカネがフロントグラスにぶつかるほどたくさん舞っていました。今回は山道で鹿に遭遇。危うくぶつかるところでした。

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なんと2種類の青い蜂に遭遇! 幸せを呼ぶナミルリモンハナバチと鮮やかな瑠璃色のオオセイボウ。貝母の陣場平の今(妻女山里山通信)

2024-09-06 | アウトドア・ネイチャーフォト
 ママチャリ速度の台風10号がやっと去って、撮影にでかけました。幸い信州は大きな被害はありませんでしたが、全国各地に大きな爪痕を残しました。災害に遭われた各地の皆様には心よりお見舞い申し上げます。気象庁はもとより米軍もEUも正確な進路予報はできませんでした。こんな台風は初めてでしょう。  最高気温は31度ぐらいで直射日光も少し弱くなりましたが、風速が1〜2mの風が度々吹いて撮影は非常に厳しい条件となりました。  絶滅危惧種のナミルリモンハナバチ(波瑠璃紋花蜂)通称ブルービー。シソ科のロシアンセージで吸蜜中。今回はこの1匹にしか出会えませんでした。  ところで他の寄生バチもそうですが、巣を持たない彼らは吸蜜が終わるとどこかへ飛び立ちますが、どこへ行くのでしょう。本当に不思議です。  このカットで分かりますが、ロシアンセージはほとんどが結実して咲き残っている花はわずか。ブルービーも花を求めてあちこち忙しなく飛び回ります。  やっと花を見つけました。  長い口吻を花の奥まで差し込んで吸蜜。キク科の花とか、ノアザミやノハラアザミの様な集合花があるといいのですが。  眼の前を瑠璃色の蜂が。ナミルリモンハナバチかと見ると違います。おお!オオセイボウ(大青蜂)だ。15ミリほどのナミルリモンハナバチよりさらに小さく「飛ぶ宝石」と呼ばれます。ナミルリモンハナバチより素速く動き回るので今まで撮影できたことがありませんでした。オミナエシの花でよく見られます。  まさに「飛ぶ宝石」。初めてちゃんと撮影できました。マウンテンミント(ピクナンテヌム:シソ科)で吸蜜中。これも幼虫がスズバチ(ドロバチの仲間)の巣に寄生して育つ寄生蜂の一種です。そういえばこの花園にはトックリバチ(徳利蜂)も来ていました。  ハラアカヤドリハキリバチ。オオハキリバチの巣に侵入し、オオハキリバチが幼虫のために保存していた餌に産卵し、巣を乗っ取ります。その際に、卵は噛み潰し、幼虫は外に捨てます。オオハキリバチは知らずにせっせと餌を運びます。寄生蜂はどの様にしてこんな風に進化したのか不思議です。  ハラナガツチバチの一種でしょう。白帯に黒い線が入るのが特徴。触覚が長いのでオス。メスは地中のコガネムシの幼虫に産卵する寄生蜂。4属24種が知られていますが、これはなんでしょう。大きいのでオオハラナガツチバチか。  キビツチバチのメス。成虫は、乾いた崖などで土中に潜って単独で越冬します。これも寄生蜂。  メスは土の中にいるコガネムシの幼虫を探して寄生します。頭上ではツクツクボウシとミンミンゼミが大合唱をしています。  マウンテンミントで吸蜜中のベニシジミ。もう一頭盛んに交尾をせまる個体がいたのですが、受け入れませんでした。  交尾中のカノコガを発見。カノコガ(鹿子蛾)幼虫の食草のアカツメクサにいました。タンポポの葉も食べます。成虫は果樹の花の蜜を吸います。  ナカグロカスミカメの幼虫かな。キク科、マメ科、イネ科の植物につく害虫ですが。ロシアンセージの花と比べるとすごく小さいのが分かります。  アカサシガメの幼虫。孵化した幼虫は数回の脱皮を繰り返して大きくなります。昆虫を捕らえて体液を吸うカメムシの一種。  なんだろうと初め思いましたが、芽を見て分かりました。コブシの集合果と新芽。  山栗(柴栗)も豊作です。  北アメリカ原産のキク科のヘリアンサス(キクイモ)。夏の花が終わって初秋の花が咲き始めました。  右奥には尼厳山の向こうに奇妙山。左に崖が見えるのは金井山。手前のリンゴ畑では秋映が赤くなりシナノゴールドが黄色く熟し始めています。  南方の眺め。左に五里ヶ峯。右手前に有明山。一重山までを五一山脈といいます。五里ヶ峯の手前の集落はあんずの里の森。湿度が少し高く霞んでいます。

幸せを呼ぶ青い蜂・絶滅危惧種のナミルリモンハナバチ(波瑠璃紋花蜂)2024(妻女山里山通信):8月2日の記事。

 週末は約ひと月ぶりに妻女山の陣場平へ。車から出た瞬間に100匹以上のクロメマトイにまとわりつかれました。ゴーグルは必須です。防虫スプレーは効きません。防虫ネットがおすすめ。前回、除草したので清々しています。除草しないとヒカゲイノコズチやイネ科の草が50〜80センチぐらいに生い茂ってしまいます。  日本でここにしかない貝母(編笠百合)の群生地。貝母は枯れて地中で球根が育っています。3月に雪中から芽吹き。4月10〜20日頃に満開になります。当ブログやXで開花情報をアップするのでチェックをお願いします。今年の満開の様子は、4月のアーカイブをご覧ください。ミズヒキが咲き始めました。

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「幸せを呼ぶ青い蜂」ナミルリモンハナバチが吸蜜する花に集まる昆虫たち。なんと寄生蜂がゾロゾロ(妻女山里山通信)

2024-08-25 | アウトドア・ネイチャーフォト
 絶滅危惧種のナミルリモンハナバチ(波瑠璃紋花蜂)の撮影は過酷ですが、姿を消す時間があります。そんなときは、ブルービーが吸蜜する花に集まる昆虫たちを撮影することもあります。そんな虫たちを集めてみました。驚きの結果が。

 マウンテンミント(ピクナンテヌム:シソ科)で吸蜜中なのは、ハラアカヤドリハキリバチ。この蜂もナミルリモンハナバチと同様に労働寄生をします。

 オオハキリバチの巣に侵入し、オオハキリバチが幼虫のために保存していた餌に産卵し、巣を乗っ取ります。その際に、卵は噛み潰し、幼虫は外に捨てます。オオハキリバチは知らずにせっせと餌を運びます。

 ジガバチ。狩蜂の一種で、地面に穴をほって巣を作ります。蛾の幼虫を狩って巣に運び卵を幼虫の体に産み付けます。孵化したジガバチの幼虫は蛾の幼虫を食べて成長します。

 キオビツチバチ。触覚が長いのでオス。メスはコガネムシの幼虫に卵を産み付け、孵化した幼虫はコガネムシの幼虫を食べて育ちます。

 オオモンツチバチ。これも土の中のコガネムシ類の幼虫に卵を産み付ける寄生蜂です。 コガネムシの幼虫をにおいで探して土に潜り、幼虫を見つけると毒針で幼虫を麻痺させ産卵をします。この花園には、なぜか寄生蜂ばかりが集まっています。

 オオハナアブ。複眼がついているのでオス。複眼に独特の文様があります。幼虫は水中で生活し、落ち葉や昆虫の死骸などの腐食物を食べます。

 ツマグロヒョウモンのオス。ツマグロヒョウモンは我が家の庭にも来ます。

 ヒメウラナミジャノメ(姫裏波蛇目)。タテハチョウ科ジャノメチョウ亜科。食草はイネ科のススキ、カヤツリグサなど。

 ベニシジミ(紅小灰蝶)。幼虫の食草は、タデ科のスイバやギシギシなど。翅の表が少し見えていますが、夏型は少し黒っぽい。

 特定外来生物のアカボシゴマダラ。国立環境研究所のサイトによると、「“放蝶ゲリラ”による人為的な放蝶によると考えられている。」とあります。タテハチョウ科は、植物防疫法で検疫有害動物に指定されています。ゴマダラチョウやオオムラサキと競合するので、それらの減少を招く危険性があります。まずいことに産卵中?

「茶臼山動植物園案内図」植物園は下部が恐竜園で上部が植物園と森の中にはアスレチック。長いローラー滑り台もあります。距離は2キロもあり高低差も200mほどあります。33haもあるので、ナミルリモンハナバチがどこにいるのかを特定するのは極めて困難でした。

 ログハウスの休憩所と北口のロープーウェイ。上の南口から入る人が多いのですが、レッサーパンダにすぐ会えるので実は北口がお勧めです。リニューアルしたオランウータンとライオンは大人気の様です。

 北東の眺め。エムウェーブの奥に小布施の雁田山が見えます。善光寺平には高層ビルがないのがいいですね。高いところに住みたければ周囲の里山の上に住めばいいのです。毎日素晴らしい夜景が見られます。

 最後に、「幸せを呼ぶ青い蜂」ナミルリモンハナバチ、通称ブルービー。最初に見かけてから、集まる場所を見つけるのに3年かかりました。

幸せを呼ぶ青い蜂・絶滅危惧種のナミルリモンハナバチ(波瑠璃紋花蜂)2024(妻女山里山通信):8月2日の記事。

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幸せを呼ぶ青い蜂・絶滅危惧種のナミルリモンハナバチの撮影に二度三度。ツマグロヒョウモンのメス(妻女山里山通信)

2024-08-21 | アウトドア・ネイチャーフォト
 絶滅危惧種のナミルリモンハナバチ(波瑠璃紋花蜂)の撮影に再び訪れ、翌日も訪れました。3分撮影しては3分休憩の繰り返しで2時間。撮影中はたびたび息を止めるので3分が限界です。まるでウルトラマンの様。ブルービーの生態などの詳しい説明はひとつ前の記事を読んでください。
  持参するお茶は、自分で淹れたノンカフェインのルイボスティーかマテ茶、タンポポ茶のいずれか。ルイボスティーはポリフェノールが豊富で、活性酸素の抑制や除去などの効果が。マテ茶は鉄分やビタミンが豊富で、飲むサラダといわれます。タンポポ茶は解毒作用、利尿作用があり、カナダの研究チームにより制癌作用があることが分かっています。麦茶は雑菌が繁殖しやすいので持っていきません。

 ロシアンセージ(シソ科)で吸蜜するブルービー。

 吸蜜中のブルービーを邪魔するシーン。他にいくらでも花があるのにちょっかいを出します。それとも求愛行動?

 マウンテンミント(ピクナンテヌム:シソ科)で吸蜜中。

 この日も風があって花が揺れるので羽ばたいています。

 花が極小なので蜜も少ない。

 風がやんで花の揺れがおさまると羽ばたくのを止めます。

 口吻は割りと太め。

 右の翅の先端が少し欠けています。この形で個体識別ができます。

 翅の欠けが上と違うので別の個体です。左後脚を左の花によいしょと。

 左の触覚が欠けた個体。5つ後のカットでも出てきます。

 口吻の先が見えます。別のカットでは2つに割れているものも。

 後ろ脚には鋭いトゲが見えます。

 右の翅の欠けがさっきとは違います。

 割りと太い触覚。

 5カット前の触覚が欠けた個体。

 脚の先端の爪を花にひっかけて吸蜜。

 口吻の先が割れている様に見えるカットもあるので、オオムラサキの様に2本の樋(とい)状のものが合わさって筒になっているのでしょうか。

 口吻は牙の間から伸びていて繊毛があるのが見えます。

 翅は茶色に見えますが、2022年8月の記事を見ると青く写っています。翅も構造色なのでしょうか。

 顎の牙の形がよく分かります。

 マクロレンズのゴムフードから5センチぐらいに近づいても逃げません。

 首は意外に細く黄色い。

 最後にツマグロヒョウモンのメス。3頭ほど舞っていました。2時間で500カット余りの撮影。シャッターチャンスも限られますが、使えるのは5%もありません。過酷な三回目の撮影。流石に過労気味です。

幸せを呼ぶ青い蜂・絶滅危惧種のナミルリモンハナバチ(波瑠璃紋花蜂)2024(妻女山里山通信):8月2日の記事。

「村上春樹さんのピーター・キャットを中心とした70年代のクロニクル」というムサビの美大生時代に彼のジャズ喫茶でアルバイトしていた当時のブログは世界中からアクセスがあります。この文章をクリックで見られます。ロンドンに5週間住んでいて、Queenのフレデイ・マーキュリーの恋人のメアリー・オースチンが勤めていたBIBAの店で当時の私の恋人が彼女からジャケットを買った話。70年代の美大生の赤裸々な日々が見られます。

好評だったブログ記事:「ブラジルへの郷愁」レヴィ=ストロース 川田順造訳 みすず書房。文化人類学、また構造主義におけるバイブルのひとつ(妻女山里山通信)は、都合によりリンク先の楽天ブログに移転しました。

インスタグラムはこちらをクリックツイッターはこちらをクリックYouTubeはこちらをクリック。米子大瀑布、絶滅危惧種のナミルリモンハナバチ・キバネツノトンボ・北信流など。これからどんどんアップしていきます。
 
もう一つの古いチャンネルはこちら。76本のトレッキングやネイチャーフォト(昆虫や粘菌など)、ブラジル・アマゾン・アンデスのスライドショー

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、
『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。掲載の写真は有料でお貸しします。他のカットも豊富にあります。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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幸せを呼ぶ青い蜂・絶滅危惧種のナミルリモンハナバチを探してロシアンセージ、マウンテンミント、キャットミントの花園へ(妻女山里山通信)

2024-08-19 | アウトドア・ネイチャーフォト
 絶滅危惧種のナミルリモンハナバチを求めて8月2日に撮影した場所へ登ったのですがいません。ナミハンミョウもいませんでした。そこで数年前に初めて目撃した茶臼山自然植物園のある場所へ。やはりいません。そこで、ブルービーが吸蜜できる小さな花が咲く場所へ行ってみました。これが大当たり、たくさんの昆虫がいて最初は分かりませんでしたが、よく見るとブルービーが5、6匹いました。しかし撮影条件は最悪でした。
 ナミルリモンハナバチ(波瑠璃紋花蜂)は、「幸せを呼ぶ青い蜂」といわれ、ブルービー(Blue Bee)の愛称を持つ。全国的に減少傾向で、県によって絶滅危惧Ⅰ類、絶滅危惧Ⅱ類、準絶滅危惧種に指定されています。長野県では準絶滅危惧種に指定されています。

 ロシアンセージ(シソ科)で吸蜜するブルービー。ナミルリモンハナバチは、コシブトハナバチ類(スジボソフトハナバチ)やケブカハナバチ類の巣に寄生(労働寄生)し、幼虫は巣に貯えられた花粉などを横取りして育つという珍しい生態をしています。寄生のために卵の数が制限されることも数が増えない理由の様です。

 マウンテンミント(ピクナンテヌム:シソ科)で吸蜜中。いずれも花が極小なためすぐに別の花へ飛び移ってしまうため撮影は大変です。おまけに北風が吹いて花が揺れます。さらに背中に激熱の直射日光が。カメラもすぐにヒートアップ。この夏最悪の撮影条件でした。

 長い口吻で吸蜜。しかし花が極小なのですぐに蜜がなくなるのでしょう。滞在時間は1秒もありません。

 風で木陰になったりして撮影条件がコロコロ変わります。他の昆虫に邪魔されたりして突然飛び立つことも。

 風で揺れるのと花が小さいので安定しないのか、ほとんど羽ばたいていました。ミツバチの仲間なので1秒間に100〜250回ぐらいでしょう。縦横にある飛翔筋が交互に収縮と伸張を繰り返し、高速で羽ばたくのです。そのためブ〜ンという羽音がします。
 昆虫が翅を動かして飛ぶ構造は主に二つあり、トンボの翅は4枚が複雑な動きをしてホバリングや少しなら横移動、後退もできます。筋肉が4枚の翅の基部につながっていて、それぞれを別々に動かせます。これを直接飛翔筋型昆虫といいます。蜂のように、筋肉が翅ではなく外骨格につながっていて、筋肉を交互に収縮させて、外骨格全体を変形させて飛ぶのを間接飛翔筋型昆虫といいます。外骨格の反動を使うので1秒間に1000回以上の羽ばたきができるのです。

 長い口吻は、黒とべっ甲色の縞模様。

 シャッタースピードを少し上げてもこんなものです。脚は花についてますが、実際はホバリングでバランスをとる状態。

 あまりの暑さと疲労で展望台へ。最高気温は34.5度。山の上は29度ぐらいで風が吹くと気持ち良いのですが、なにせ直射日光がきつい。蝉はヒグラシとアブラゼミに加えてミンミンゼミも鳴き出しました。お母さんと低学年の少年と年長さんの女の子が昆虫採取に来ました。ブルービーの写真を見せて、ミヤマクワガタがいる近くの森を教えてあげました。吉田拓郎の「夏休み」が脳内を流れるひとときでした。万葉集から・・・。
「ひぐらしの 鳴きぬる時は をみなへし 咲きたる野辺を 行きつつ見べし」秦忌寸八千島:巻17-3951
(ひぐらしが切なく鳴く時は、女郎花の咲いている野辺を歩きながら、花を見るのがよいですね)越中富山で詠まれた歌。
「黙(もだ)もあらむ 時も鳴かなむ ひぐらしの 物思ふ時に 鳴きつつもとな」詠み人知らず:巻10-1964
(のんびりと気持ちがくつろいでいる時にでも鳴いてほしいひぐらしが、考え事をしている時にやたらと鳴いて落ち着かない)


 展望台へ下る前に撮影したオオモンツチバチ。土の中のコガネムシ類の幼虫に卵を産み付ける寄生蜂です。 コガネムシの幼虫をにおいで探して土に潜り、幼虫を見つけると毒針で幼虫を麻痺させ産卵をします。別名はコガネバチで、『ファーブルの昆虫記』にも出てきます。
 
 人を襲うことはほとんどありませんが、毒針を持っているので要注意。

 今回ナミルリモンハナバチが吸蜜していた三種類の花。左からロシアンセージ、マウンテンミント、キャットミント。いずれもシソ科です。

 ナミルリモンハナバチが吸蜜しない花たち。左からオイランソウ(花魁草・フロックス)。毒草です。ムクゲ(木槿・赤花笠)。ブッソウゲ(仏桑花・ハイビスカス・アメリカフヨウ)。いずれも花が大きすぎて吸蜜できません。

 午後1時。さすがに限界なので下ります。恐竜公園の一番上辺り。長男が4歳の頃、これの口から顔を出したら、1歳の次男が兄ちゃんが食べられたとギャン泣きした思い出。

 りんご畑の上から妻女山山系と奥に鏡台山。左奥には保基谷岳や菅平の大松山。とりあえず温泉へ向かいました。現在善光寺平では、川中島白桃の出荷が最盛期です。ブドウも出始めました。
幸せを呼ぶ青い蜂・絶滅危惧種のナミルリモンハナバチ(波瑠璃紋花蜂)2024(妻女山里山通信):8月2日の記事。

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アオイトトンボ、ミカドフキバッタ、クマバチ、シオカラトンボ。ピラミッドアジサイ、ハナトラノオ、コオニユリ。「やたら漬」(妻女山里山通信)

2024-08-08 | アウトドア・ネイチャーフォト
 絶滅危惧種のナミルリモンハナバチを求めて登ったのですがいませんでした。ではとナミハンミョウの生息地へ。やはりいませんでした。仕方なく山を下って、茶臼山自然植物園へ。
 今回は、紺と白のボーダー柄のTシャツで。シマウマのボーダー柄には虫よけの効果があるそうで、黒牛に白い縞を描いたら虫が70%減ったそうです。アブには取り憑かれませんでした。白いTシャツは目一杯集られます。黒は蜂に襲われます。山へ行くときはマリンファッションがおすすめ。

 アオイトトンボ(青糸蜻蛉)アオイトトンボ科アオイトトンボ属。胸部が撮影の角度でメタリックブルーではなくゴールドに見えます。昨年はもっと色々な種類のイトトンボが見られたのですが、今年は本当に少ない。

 ミカドフキバッタ(ミヤマフキバッタ)。翅が短いフキバッタの一種で飛べません。後脚の腿節下面が赤い。フキやクズ、イタドリなどの葉を食べます。

 ピラミッドアジサイ。日本の山に自生するノリウツギの仲間。和名をミナヅキ(水無月)といい中国と日本が原産地だそうですが、花房が全て装飾花化した園芸品種です。背が高くボリュームが有り見栄えがします。

 クマバチ(熊蜂)。木に縦に穴を開けて仕切りを作り、花粉団子を入れて卵を産み付けます。翅があまりに小さいため航空力学的に飛べないといわれたこともありますが、レイノルズ数の理論で飛べることが分かりました。流体力学において慣性力と粘性力との比で定義される無次元量のことなんですが、わかりやすく言うと、クマバチにとって空気はサラサラではなく、人間にとっての水みたいな粘性(抵抗)があって、充分に飛べるということです。

 クマバチが吸蜜していたのは、シソ科のハナトラノオ(花虎の尾)。別名はカクトラノオ。北アメリカ原産でフィソステギア・ローズクイーン。花言葉は「希望」「望みの達成」。

 シジミチョウはヤマトシジミが何頭か見られただけ。猛暑のためか昆虫そのものが少ない。

 葉の付け根に珠芽(むかご)が無いのでコオニユリ。コオニユリの百合根は非常に美味しく道の駅で売られていたりしますが高価です。

 妻女山と斎場山方面の眺め。下から涼しい風が吹き上げてきました。

 シオカラトンボ(塩辛蜻蛉)のメス。複眼が茶褐色で、腹部の第8節が横に膨らんでいる様にも見えるのでメスのムギワラトンボ。止まっているのは、ベルカシア・アンプレ・クリカウリス。

 眼下はリンゴ畑。青いリンゴがなっています。

 目を上げると遠くに奇妙山。奥の根子岳と四阿山は雲の中。昼のチャイムが鳴ったので、とりあえず温泉へ向かいます。

「やたら漬」信州北部、主に飯綱町を中心に伝わる郷土料理。畑のナス、キュウリ、ミョウガ、ボタンコショウ、大根の味噌漬けを微塵切りにした早漬け料理。今回は、紫蘇の実の塩漬け、青紫蘇の葉を入れ、あご出汁のめんつゆを加えています。
 我が家は昔、飯綱町の叔母から母が教わり妻へと伝わりました。入れる野菜や味付けは家庭によって色々。ご飯はもちろん冷奴や素麺、冷や麦にも。ボタンコショがなければ万願寺トウガラシでも。大根の味噌漬けは昨年の冬に漬けました。やたら野菜を入れるとかやたら刻むとかやたら美味しいとか、語源は様々。コツは、食べる直前に作ること。時間が経ったらおやきとかに。トマト入れたり新感覚のやたら漬けもあります。あご出汁のめんつゆを入れたのは、野菜だけだと旨味成分がないから。塩昆布を入れるとグッと美味しくなります。

「村上春樹さんのピーター・キャットを中心とした70年代のクロニクル」というムサビの美大生時代に彼のジャズ喫茶でアルバイトしていた当時のブログは世界中からアクセスがあります。この文章をクリックで見られます。ロンドンに5週間住んでいて、Queenのフレデイ・マーキュリーの恋人のメアリー・オースチンが勤めていたBIBAの店で当時の私の恋人が彼女からジャケットを買った話。70年代の美大生の赤裸々な日々が見られます。

好評だったブログ記事:「ブラジルへの郷愁」レヴィ=ストロース 川田順造訳 みすず書房。文化人類学、また構造主義におけるバイブルのひとつ(妻女山里山通信)は、都合によりリンク先の楽天ブログに移転しました。

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猛暑日の妻女山里山デザイン・プロジェクトは、倒木処理と除草。昼はアヒージョとカンパーニュ(妻女山里山通信)

2024-08-04 | アウトドア・ネイチャーフォト
 長野市の最高気温が36度の猛暑日。妻女山里山デザイン・プロジェクト(妻女山SDP)は、倒木処理や除草をしました。9時半頃の山上は27度。なんとか作業はできました。

 まず林道脇に市が切って転がしておいた5mほどの落葉松を玉切りして処理。上が折れた立ち枯れの落葉松を発見。いつ倒れるかも知れず危険なので伐倒します。

 受け口を作ります。

 慎重に切っていきます。

 安全に伐倒できました。メンバーは全員がチェーンソーを使えますが、やり方を熟知した上で更に伐採時は周囲の状況を把握しないといけません。林業の労働災害発生率は、全産業平均の約10倍です。最近はハーベスタなどの最新機器やドローンも使われていますが、それでも安全対策は最も大事です。

 玉切りして足で蹴飛ばして転がします。

 林道脇に持ち上げて。

 転がり落ちる危険があるので玉切りします。

 これで大丈夫でしょう。

 伐倒した落葉松は樹齢が50年以上でした。ここは桑畑だったところです。養蚕が終わり、かわりに落葉松を植林したのがその頃。我が家の山もそうでした。売ればいいのですが1本数百円にしかなりません。なので放置林になっているのです。まあ二酸化炭素は吸収してくれますが。里山が荒れ放題なのはお金にならないからです。我々も無償で里山保全をしていますが、限界があります。

 その脇に立ち枯れの栗の木があったのでこれも切りました。これでここの作業は終了。約30分かかりました。取り敢えず長坂峠に登って休憩。

 次に長坂峠南面の除草。ノイバラとヨウシュヤマゴボウを刈ります。ここはイノシシの通り道なので藪にすると隠れ場所になって危ないので除草します。オオムラサキの幼虫の食樹のエノキがあるので、その周囲も綺麗にします。30分たらずで終了。帰りにここで読者のSさんと邂逅。タマムシの撮影をしていました。

 貝母の群生地のある陣場平へ。ここはアカネとか在来種の植物もあるので、貝母群生地の中のヒカゲイノコズチとイネ科の植物だけ除草します。ものすごい数のクロメマトイにまとわりつかれます。オニヤンマくんもクロメマトイには全く効きません。タオルを振り回すといなくなりますがいっ時です。ゴーグルをしていないと目に飛び込んできます。
 ハッカオイルは一時的に有効です。ゴーグルやモスキートネット付きの帽子が有効です。もう一つ、昨年試して効果抜群だったのが、濃紺と白のマリンボーダー柄のTシャツ。ある酪農家が黒い牛に白のストライプを描いたら70%虫が減ったそうです。シマウマに虫が寄り付かないことから判明したそうです。有害帰化生物のアカボシゴマダラが一頭。

 イネ科の植物は株になるのでヤマグワで根こそぎ掘り起こしました。20分ほどで終了。樫の木のベンチでしばし休憩。蝉の声だけ。樹液バーにも何もいませんでした。昨年に続き猛暑で昆虫がほとんど見られません。ただ長いスパンでは地球は寒冷化に向かっており、その過程でドラスティックな気象変動が起きると。縄文海進の際はもっと高温でした。全てをCO2のせいにするのは、政治的経済的な思惑によるものです。テレビなんぞに出ない本物の気象専門家は(たとえば東大のある名誉教授)最新のミランコビッチ・サイクルなどで語っていますが、マスゴミは全く取りあげません。SDGsも本当は非常に胡散臭いのです。メガソーラーは上海電力が膨大な二酸化炭素を出して製造しているものです。二酸化炭素の売買(排出権取引)も実は問題が多い。メガソーラーで阿蘇山や釧路湿原が壊滅の危機。自然災害に弱く破壊されたら、カドミウム、カドミウムテルル、鉛、ヒ素などが流出し回収は不可能です。要するに全て利権、金なのです。テレビや新聞は信用してはいけません。全て利権巨大企業をスポンサーにしています。コロナワクチンもそうです。

 最後は昼に使わせてもらうKさんのログハウスへ。まず除草します。階段も腐ってきているのでなんとかしないといけません。

 綺麗になりました。藪にしておくと野生動物が来ます。5月にはキツネがいました。淡竹の季節には親子連れの熊も来ます。熊に顔を引っかかれたが命に別条はないと報道されますが、顔面の骨が砕かれます。熊は臆病なのでまず出会わない用意が必要です。生まれて間もない子連れの熊には熊鈴は役に立ちません。前もってホイッスルや爆竹で逃げる時間を与えることです。藪を近づいてくる熊を三回ほど追い払ったことがありますが、お互い見えていないからできることです。目があったら限界距離以上だったら後ろ向きにしずしずと逃げる。限界距離以内だったら前蹴りか目をナイフやカマで刺す。爪が来る前に。死んだふり?やったことがないので分かりません。

 まず掃除をして昼餉の用意。今回はアヒージョとカンパーニュなど。不思議なことにログハウスの中にはクロメマトイは入って来ません。

 殻付きの有頭海老。帆立貝、タコ、マッシュルーム、ブロッコリーなど。他に焼きトウモロコシ。ゆるゆると時が流れていきます。山上も30度を超えました。2時頃に下山して解散。さすがに疲れました。私は自宅に戻ってぬるい温泉へ。

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幸せを呼ぶ青い蜂・絶滅危惧種のナミルリモンハナバチ(波瑠璃紋花蜂)2024(妻女山里山通信)

2024-08-02 | アウトドア・ネイチャーフォト
「幸せを呼ぶ青い蜂」といわれ、ブルービー(Blue Bee)の愛称を持つナミルリモンハナバチ(波瑠璃紋花蜂)。全国的に減少傾向で、県によって絶滅危惧Ⅰ類、絶滅危惧Ⅱ類、準絶滅危惧種に指定されています。長野県では準絶滅危惧種に指定されています。

 ナミルリモンハナバチは、学名をThyreus decorusといい、ハチ目ミツバチ科ルリモンハナバチ属の昆虫です。成虫の体長は雄10~13mm、雌11~14mm。分布は、日本(本州・四国・九州・大隅諸島)・台湾・東南アジア・中国・朝鮮半島・極東ロシアということなんですが、本州でも確認されているところはごく僅かです。ルリモンハナバチ(瑠璃紋花蜂)ともいいます。

 ノアザミで吸蜜中。ナミルリモンハナバチは、コシブトハナバチ類(スジボソフトハナバチ)やケブカハナバチ類の巣に寄生(労働寄生)し、幼虫は巣に貯えられた花粉などを横取りして育つという珍しい生態をしています。寄生のために卵の数が制限されることも数が増えない理由の様です。

 ブルービーは、10〜15分ごとに吸蜜に訪れますが、数十秒しかいません。しかも吸蜜の間は素早く細かく動きます。マクロレンズなのでフードの先からブルービーまでは10センチもありません。猛暑の中、中腰で息を止めて撮影します。かなりハードな撮影なので1時間半が限界です。

 今回は二日続けて撮影にでかけました。初日の最高気温は33度、山上は27度。二日目は最高気温が35度、山上は29度。時折涼しい風も吹きますが、撮影時に炎天下に出ると焼けるような暑さです。

 頭をノアザミに突っ込んで、長い口吻で吸蜜します。ノアザミは総苞が粘つきますが、ノハラアザミは乾いています。

 蜜源の蜜の量が少ないためか頻繁に場所を変えるので追うのが大変です。

 他には小さなハナアブも訪れますが、ブルービーが来ると逃げます。

 翅の色は飴色ですが、見る角度によっては青く見えます。

 ジャノメチョウ(蛇目蝶)も吸蜜に来ました。ノアザミ、ヒメジョオンなどの花の蜜を吸いますが、樹液・獣糞・腐果にも訪れます。タテハチョウ科ジャノメチョウ亜科ジャノメチョウ属。

 正午のチャイムが鳴ったので帰ります。途中のワイナリーのブドウ畑から松代方面の眺め。奥に菅平高原と根子岳と四阿山。両山とも拙書に載せています。長野県の天然記念物のミヤマモンキチョウが生息します。撮影してブログにアップしているので、右上の検索窓に「ミヤマモンキチョウ」と入力しブログ内検索をプルダウンで選ぶと該当する記事が出てきます。手前の奇妙山と尼厳山(あまかざりやま)は、山城の跡があり、古くは修験の山です。これらも拙書に載せていますが、ハイカーに人気の里山です。

■ナミルリモンハナバチ(波瑠璃紋花蜂)幸せを呼ぶ青い蜂ブルービー(Blue Bee):YouTubeで見るを選んでフルスクリーンでご覧ください。


「村上春樹さんのピーター・キャットを中心とした70年代のクロニクル」というムサビの美大生時代に彼のジャズ喫茶でアルバイトしていた当時のブログは世界中からアクセスがあります。この文章をクリックで見られます。ロンドンに5週間住んでいて、Queenのフレデイ・マーキュリーの恋人のメアリー・オースチンが勤めていたBIBAの店で当時の私の恋人が彼女からジャケットを買った話。70年代の美大生の赤裸々な日々が見られます。

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オオムラサキのオスに今年初めて邂逅。シオカラトンボ、ムギワラトンボ。ヤマトシジミとアメンボウの交尾。猛暑の妻女山(妻女山里山通信)

2024-07-22 | アウトドア・ネイチャーフォト
 最高気温は34度の予報、妻女山陣場平に登ると28度。快適と言いたいところですが、無数のクロメマトイに纏わりつかれました。何もいません。堂平大塚古墳にも下りてみましたが何もいません。樹液バーも空っぽ。仕方なく下りて林道をウロウロ。

 オスのオオムラサキ。左の翅の欠損は、ニホンカナヘビに襲われたのかも知れません。今年初めて目撃しました。長坂峠のエノキの葉にオオムラサキの幼虫などの食痕が見られなかったので心配していました。昨年は猛暑でオオムラサキはオスメス1頭見ただけでした。その影響がもろに出ています。羽化した数は相当に少ないと思われます。

 樹上から転げ落ちるように草むらに落ちてきました。何かに襲われたのでしょうか。水たまりの水を飲んだり、獣糞を吸いに地上に下りることはありますが、そういう時にニホンカナヘビに襲われやすいのです。

 蝶などを狩るシオヤアブのオス。自分より大きな昆虫を狩ることもあります。

 ヤマアジサイは満開です。ヤマハギも満開なのですが、あまりの暑さに吸蜜に来るシジミチョウはいません。

 妻女山展望台から西に茶臼山と右奥に虫倉山。その右に陣場平山。富士ノ塔山。今日は北アルプスは雲の中です。眼下の長芋畑の緑が濃くなってきました。実は耕作放棄地もたくさんあります。若い人が魅力を持つような農業を育てないと自給率の低い日本は、有事のときは都会の人から死んでいきます。輸入戻税や円安で苦労もなく巨額の利益を得ている巨大企業に尻尾を振り、中国などの外資企業に国土を売り払っている売国奴自公政権を潰さないと日本は終わります。

 妻女山山系の麓にはいくつか池や沼があります。そのひとつに行ってみました。まず、シオカラトンボのメス。ムギワラトンボです。メカニックな背中の構造が魅力的。

 シオカラトンボのオス。飛翔交尾するペアもいました。真っ赤なナツアカネもたくさん。

 交尾中のアメンボウ。半翅(はんし)目アメンボ科。ハエや羽虫などを食べる肉食昆虫です。末端に毛が密生した脚の先端に油を塗り、表面張力を利用して身体を水面から持ち上げて滑走します。体重が0.04gしかないのでそりゃあ浮きますよね。昆虫を捕らえたら獲物の体が溶ける液を注入し吸い取ります。

 クサノオウ(瘡の王)で交尾中のヤマトシジミ。蝶の交尾というのは時間がかかります。よって交尾中にシオヤアブなどに狩られてしまうものも少なくないのです。メスは場所が気に入らないとオスを引きずってあちこち移動することもあります。基本メスが主導します。

 このカットから上がメスで、下がオスと分かります。翅の表がオスは青っぽくメスは茶褐色です。ウスバシロチョウもそうですが、蝶の交尾は女性上位が基本の体位です。

 ベニシジミ(紅小灰蝶)。幼虫の食草は、タデ科のスイバやギシギシなど。羽化したてなのか綺麗です。

 カワセミが子育て中なのでしょうか、盛んに水面すれすれを舞って木々をまわって餌を捕らえています。次は大きな望遠レンズを持ってきましょう。撮影に夢中になると池に落ちそうになるので要注意です。炎天下は危険なのでたびたび日陰に入ります。

 眼の前に3、4ミリの真っ白な綿毛がフワフワ。普通は目にも止めないでしょうけれど、すぐにハゴロモの幼虫と分かったので後を追いました。葉に止まったところを撮影。昨年の今頃にスケバハゴロモの幼虫を撮影しブログにアップしました。これはオオシラホシハゴロモかな? 可愛いですけど果樹園の害虫です。ハゴロモ類の幼虫は、過剰な糖分をロウに作り替えて,カモフラージュの材料として利用しているのです。カメムシやセミの仲間です。

 陣場平の様子。歩くと小蛾が草むらからたくさん舞い上がります。それだけ。何もいません。近々ここの除草作業をします。その下見を兼ねて登りました。猛暑でここ2、3年は妻女山山系の昆虫が激減しています。樹液バーにもなにもいません。急激な気象の変化は、生物の特に昆虫の生態系には過激な影響をもたらしています。ただ昨年とは猛暑のパターンがずいぶんと異なります。それが今後どういう影響をもたらすのかは分かりません。逐次定点観測をしていきたいと思います。

「村上春樹さんのピーター・キャットを中心とした70年代のクロニクル」というムサビの美大生時代に彼のジャズ喫茶でアルバイトしていた当時のブログは世界中からアクセスがあります。この文章をクリックで見られます。ロンドンに5週間住んでいて、Queenのフレデイ・マーキュリーの恋人のメアリー・オースチンが勤めていたBIBAの店で当時の私の恋人が彼女からジャケットを買った話。70年代の美大生の赤裸々な日々が見られます。

好評だったブログ記事:「ブラジルへの郷愁」レヴィ=ストロース 川田順造訳 みすず書房。文化人類学、また構造主義におけるバイブルのひとつ(妻女山里山通信)は、都合によりリンク先の楽天ブログに移転しました。

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『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、
『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。掲載の写真は有料でお貸しします。他のカットも豊富にあります。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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蜂雀と書く不思議なホウジャク。極小のミナミヒメヒラタアブ。ジャノメチョウの交尾。夏の茶臼山自然植物園(妻女山里山通信)

2024-07-19 | アウトドア・ネイチャーフォト
 11日ぶりの晴れ。しかも梅雨が明けました。梅雨は短かったのですが、長野県の降水量は平年の1.5倍だとか。よく降りました。この日の最高気温は32度の予報ですが、茶臼山自然植物園は28度。しかし日差しは刺すように暑く炎天下にいられるのは3分ほど。今回のお目当ては蜂雀と書くホウジャクです。前回、目撃したので。

 まず見つけたのはミナミヒメヒラタアブ。複眼がくっついているのでオス。体長が8-9ミリしかないので、探さないと存在すら気がつきません。小さすぎて羽音もしません。以前9ミリのオスが8ミリのメスを抱きかかえて交尾飛翔する場面を撮影しましたが、本当に幸運でした。

 胸部と腹部の間の両側に小さなヘラ状の突起が出ています。昆虫は4枚の翅を持っていますが、ハエ目の昆虫は2枚です。これは後翅が退化して平均棍という飛翔の際にバランスをとるための器官に変化したものです。長い下口式の口器(唇弁)を出して花粉や密を吸います。

 後方は茶臼山南峰。一番下からは2.5キロ。標高差は300mほど。ここまで登ってくる人は少ないのですが、5人ほど登ってきました。日課としている方もいる様です。熱中症対策は必須です。花は外国産の園芸種が中心。

 ヒメクロホウジャク(姫黒蜂雀)チョウ目スズメガ科 ホウジャク亜科。体長は45ミリほど。地表に粗い繭を作り蛹で越冬します。幼虫の食草は、アカネ、ヘクソカズラ、アケビなど。ブラジルで見たハチドリそっくりです。

 体長と同じぐらいの長い口吻で吸蜜しています。1秒間に70回ほど高速で羽ばたきます。写真の様に花に止まることもありますが、基本はホバリングしながら吸蜜します。

 吸蜜している花は、ブッドレア・ブラックナイト。高さ2.5メートルぐらいになる華やかな花です。蝶が集まるため、英名はバタフライブッシュ。

 翅の一部が透けていて美しい。初めて見たときは、なぜ日本にハチドリがいるのと思いました。

 高速で羽ばたき移動するので、これも撮影が難しい昆虫です。

 日本特産のヤマユリ(山百合)。大柄で艶やか。鱗茎は食用の百合根になります。ただ花はユリ中毒を起こすので芳香が強くても嗅がないほうがいいでしょう。ネコは死ぬこともあるそうです。

 ベルカシア・アンプレ・クリカウリスで交尾しながらメスが吸蜜している3組のマメコガネ(豆黄金)。幼虫はブドウ、バラ、ヤナギ、そしてクズやマメ類などの根を食べ、成虫はそれらの葉を食べることから害虫として知られています。北米ではジャパニーズ・ビートルと呼ばれる外来の重要害虫。鳥やスズメバチが天敵ですが、土壌中のバチルス・ポピリエという乳化病菌が幼虫に寄生するため大量発生を抑えているということです。つまり、農薬の空中散布などで土壌汚染されて細菌が死ぬと大量発生の可能性もあるわけです。

 オカトラノオで吸蜜するヒメキマダラセセリ(姫黄斑挵)。

 ブッドレアで吸蜜するウラギンスジヒョウモン(裏銀筋豹紋)。

 交尾中のジャノメチョウ(蛇目蝶)。クガイソウ、マツムシソウ、アザミ類などの花で吸蜜するほか、腐った果実や獣糞も吸います。幼虫の食草は、イネ科やカヤツリグサ科の葉。

 植物園にいついている黒猫。声をかけても振り向きもせず。暑さに参っている様です。

 黄色い花は、北米原産のルドベキアの一種。草丈が2メートルぐらいあります。別名は松笠菊。右奥に根子岳と四阿山。手前に奇妙山。昼近くですが暑くて誰もいません。頭がクラクラしてきたので帰ります。

 帰る途中にヤブカンゾウ(藪萱草)ススキノキ科ワスレグサ属の多年草。私も畑で育てていますが、蕾は金針菜で、中華の高級食材。消炎、止血薬として血尿、痔などに効く薬草です。

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絶滅危惧Ⅱ類のハナダカバチ。ツバメシジミ、ベニシジミ、ルリシジミ、ヤマトシジミ、ウラギンスジヒョウモンが舞う茶臼山自然植物園(妻女山里山通信)

2024-07-08 | アウトドア・ネイチャーフォト
 最高気温が36度になった長野市。茶臼山自然植物園に行きました。毎年この季節に必ず訪れています。10時過ぎに着いたときの気温は30度。湿度が低いので日陰に入るとしのげますが、日向は痛いほどの日差し。20分ほど撮影しては車に戻って休憩を繰り返しました。ただそのために帰ってからバッテリーがあがってしまいました。アイドリング状態でのエアコンはほどほどに。

 ハナダカバチ(ニッポンハナダカバチ)。いきなり凄い昆虫を発見。絶滅危惧Ⅱ類です。砂地に巣を作る肉食性の昆虫。なので海岸や河川敷に生息するのですが、なぜこんな山の中に。茶臼山は地滑りの山なのであちこちに崩れた砂の崖があるのです。ここから続く中尾山は裾花凝灰岩の砂地が各所にあるので生息できるのでしょう。

 メスが斜めに30センチほどの巣穴を掘り、幼虫の餌となるハエやアブを毒針で刺してとらえ巣に運びます。ひとつの巣には一個の卵を産み育てます。ただ人を襲うことはない様です。成虫の体長は、21~23ミリ。学校や公園の砂場に巣作りすることもあるそうです。成虫はこんな風に花で吸蜜もするのですね。花はオカトラノオ。

 飛んでいるハエやアブを空中で捉えて毒針を刺し麻酔をかけて生きたまま巣に運びます。フランスの昆虫学者のファーブルが『昆虫記』にハナダカバチの生態を記しています。世界には300種ほどいますが、まさか茶臼山で邂逅するとは思いませんでした。

 展望台から登って藤棚を超えると英国風ガーデン。色々な花と昆虫が見られます。超ラッキーなら幻のブルービーに邂逅するかも。

 シジミチョウは、まずツバメシジミを発見。ツバメシジミ(燕小灰蝶)チョウ目シジミチョウ科。後翅にある尾状突起が特徴なんですが切れて無くなっています。庭でもよく見られるシジミチョウです。

 夏型のベニシジミ(紅小灰蝶)。幼虫の食草は、タデ科のスイバやギシギシなど。

 オカトラノオで吸蜜するルリシジミ(瑠璃小灰蝶)。ヤマトシジミに似ていますが、目が真っ黒です。オスの翅の表面は水色から明るい青紫色。瑠璃色ということでルリシジミ。春先から晩秋まで、山地から田畑、人家周辺でも見かけます。幼虫はバラ科、マメ科、ブナ科植物の蕾や花を食べます。

 ヤマトシジミ(大和小灰蝶、大和蜆蝶)。幼虫の食草がカタバミなので、その周辺で見られます。

 マルバハギで吸蜜するルリシジミ。妻女山のヤマハギはまだつぼみです。

 休憩に立ち寄った丸太造りの展望台から東方の眺め。左の薄紫の花は、ヒメルリトラノオ。ヨーロッパ~北アジア原産のベロニカ・スピカータの小型品種です。中央遠くに根子岳と四阿山。手前に奇妙山。いずれも拙書に載せています。何組か子連れの家族が来ていますが、皆左のアスレチックのある森の中にいます。炎天下にいるのは私だけ。

 吸蜜中のウラギンスジヒョウモン(裏銀筋豹紋)。ここではほかにツマグロヒョウモン、メスグロヒョウモン、ミドリヒョウモンなどを撮影したことがあります。

 似たものにオオウラギンスジヒョウモンがいますが、前翅裏面中ほどに外縁に平行にぼやけた白色の点列があることや、翅頂が丸いことなどからウラギンスジヒョウモンとしました。また、翅頂に白斑がないことからオスです。食草はスミレ類で、成虫はオカトラノオ、アザミ類で吸蜜します。 吸蜜中のこの花は、キク科のヘリオプシス・ヘリアンソイデス。

 キキョウ(桔梗)の花。根っこは生薬として用いられます。根を生薬で桔梗根といい、去痰、鎮咳などの薬効があります。
「萩の花 尾花 葛花 瞿麦の花 姫部志 また藤袴 朝貌(あさがお)の花」山上憶良。朝貌の花が桔梗のことといわれています。奈良時代に唐から入ったのですが、その当時は朝に咲く花をまとめて朝顔と呼んでいました。清少納言は、朝顔を大和のなでしこ(撫子・牛麦)として、オミナエシ(女郎花)、キキョウ(桔梗)、カルカヤ(刈萱)、菊、壷スミレと並べて褒めたたえています。

 ガウラ。アカバナ科の多年草です。和名をハクチョウソウ(白蝶草)といいます。北アメリカ、メキシコ原産。

 葉を見てすぐにタデ科と分かりました。帰って調べると、ベルカシア・アンプレ・クリカウリスだそうで、中国・ヒマラヤ・パキスタンに分布するそうです。

 茶臼山自然公園の地図。左が山頂直下で標高700mほど。右が400mほど。結構標高差があります。南側に動物園があり、北口入り口からモノレールに乗って入場できます。昼を過ぎて更に気温が上昇。ボーッとしてきたので帰ります。

 立ち寄った北口入り口から下るとネムノキの花が満開。遠くに根子岳と四阿山。

 すぐ下から南東の眺め。眼下に篠ノ井市街。奥に私がホームフィールドとしている妻女山山系。とにかく暑いので温泉へ向かいました。

 この二日前の妻女山陣場平。貝母の群生地に行くと遠くに見慣れたニホンカモシカがお尻を見せて草を食べていました。静かに横にまわると、なんと脇に小さな子供がいてお乳を飲んでいました。生まれて間もない様です。一週間も経っていないでしょう。母親が気づいて振り返りました。顔見知りなのですが、流石に生まれたばかりの子供が一緒では近づけません。しばらくして子供を促すように森の奥へ消えていきました。4月2日に撮影した彼女を確認すると、確かにお腹が大きい。彼女の家系は三代前まで全てオスメスの双子を産んでいます。今回は一頭だけ。

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梅雨の晴れ間に、万葉集に艶めかしくうたわれたネムノキの花。ヤマアジサイの涼やかな花。ムギワラトンボ舞う(妻女山里山通信)

2024-06-29 | アウトドア・ネイチャーフォト
 約2週間ぶりの梅雨の晴れ間。前日はかなり雨が降りました。遠くからネムノキの花が咲いているのが見えたので、まずそこへ向かいました。

 ネムノキ(合歓木、合歓の木)マメ科ネムノキ亜科の落葉高木。夜になると小葉が閉じて垂れ下がる就眠運動を行うことで眠る木といいます。
 ネムノキは高さ10m以上になります。花は葉の上に咲くので、下からはよく見えません。ここは林道下の斜面に根本があるので間近で見られます。化粧の刷毛の様でもあり、線香花火の様でもあり。繊細な花です。なんとも形容し難いかすかに甘い香りがします。赤松と同様に排気ガスには弱く、我が家の山の大木は高速道路ができたら数年で枯れました。葉は合歓皮(ごうかんひ)といって漢方薬です。利尿、強壮、鎮痛、腰痛、打ち身、腫れ物、水虫、手荒れ、精神安定などに効くそうです。貝原益軒は「この木を植えると人の怒りを除き、若葉を食べると五臓を安じ、気をやわらげる」と記しています。

「昼は咲き 夜は恋ひ寝(ぬ)る 合歓木(ねぶ)の花 君のみ見めや 戯奴(わけ)さへに見よ」 紀女郎(きのいらつめ) 『万葉集』巻八1461
(昼に咲いて、夜には恋しい想いを抱いて寝るという合歓の花を私だけに見させないで。君もここに来て見なさいな):紀女郎が大伴家持に贈った歌ですが、紀女郎は年上の人妻で、戯奴というのは目下の人を呼びかける言葉です。人妻が若者をからかったのか、誘ったのか。背景を知ると、なんとも意味深な歌です。
「合歓咲く 七つ下りの 茶菓子売り」小林一茶
 江戸の八丁堀の合歓の木が咲く小腹が空く午後4時頃に、茶菓子売りの声が聞こえる様。どんな茶菓子だったのでしょう。茶饅頭か、夏だから水菓子かな。

「象潟(きさかた)や 雨に西施(せいし)が ねぶの花」松尾芭蕉
 西施は、中国の春秋時代の呉を滅ぼした傾国の美女。その越に滅ぼされた呉のエリートたちが日本に渡来して弥生時代を作ったのです。その後、越も滅ぼされ、また日本に渡来します。詳しくは下のリンク記事を。
中国正史の書を読む梅雨空の好日。『中国正史 倭人・倭国伝全釈』『中国正史の倭国九州説 扶桑国は関西にあった』『西暦535年の大噴火』(妻女山里山通信

 ヤマアジサイ(山紫陽花)。別名は、サワアジサイ。周辺は装飾花で、中心部は両性花。ガクアジサイに比べると、花の色が色々あります。

「言問はぬ木すら味狭藍(紫陽花) 諸弟(もろと)らが練の村戸(むらと)にあざむかえけり」(大伴家持 巻4 773)
  (恋を語らない木ですら、紫陽花のように移ろいやすい。巧みな言葉に私は騙されてしまいました。)
「味狭藍(紫陽花)の 八重咲く如 やつ代にを いませわが背子 見つつ思はむ(しのはむ)」(橘諸兄 巻20 4448)
  (紫陽花が八重に咲くように、ますます長い年月を生きてください。紫陽花を見ながらあなたをお慕いします。)

 ムギワラトンボ(麦藁蜻蛉)。シオカラトンボのメス。オスも未熟な時はメスと同様な色合いをしています。まだ羽化直後なのでしょうか、翅がよれて眼も青くありません。ルリシジミらしきものを見かけました。

 陣場平へ登る途中。落葉松の倒木を処理しようと思ったら、誰かが切ってくれていました。有り難い。道路にはみ出ていたつるを片付けました。丸太は梅雨明けにメンバーと処理しましょう。

 陣場平。気温は20度ですが、前日の大雨のために湿度は100%近く。この湿度ではゼフィルスは樹冠を舞っていて下りてはきません。

 貝母(ばいも・編笠百合)は全部倒れました。実はまだ弾けていません。種が飛び出すのは梅雨明けごろ。

 ザトウムシ(座頭虫)。節足動物門鋏角亜門クモ綱ザトウムシ目で日本には80種類ぐらいいます。アメリカでは足長伯父さん(Daddy Longlegs)と呼ばれています。「千と千尋の神隠し」の釜爺(かまじい)のモデルであり、また「新世紀エヴァンゲリオン」のマトリエルのモデルとなっています。

 ミヤマフキバッタの幼体か。ヒメギスの幼体にしては触覚が短すぎるし後ろ脚がねています。

 陣場平の中央にあるクマノミズキ。花が咲いているものと結実したものが見られます。

 堂平大塚古墳へ。濃緑(こみどり)の里山の向こうに晴れていれば北アルプスが見えるのですが。中腹が見えていますね。

 ハハコグサ(母子草)キク科ハハコグサ属の越年草。春の七草のひとつです。里山にあると野草ですが、畑にあるとかわいそうですが雑草です。

 イチヤクソウ(一薬草)。別名は 鹿蹄草(ろくていそう)といい生薬。 薬効は急性腎炎、膀胱炎、妊娠時のむくみなど。妻女山山系では貴重な花です。

 葉を巻く昆虫は、オトシブミ科のオトシブミ(落し文)やハマキガ科のハマキムシ(葉巻虫)です。巻いた葉は揺籃といいます。これはどちらでしょう。後者かな。

 ヒメウラナミジャノメ(姫裏波蛇目)。前翅がかなり傷んでいます。飛ぶのに問題はありません。

 妻女山展望台から茶臼山と右奥に虫倉山。

 飯縄山の山頂は雲の中。千曲川は大雨のために増水して濁っています。南長野運動公園。右はAC長野パルセイロのホームスタジアム。今日行われた信州ダービーは、松本1-1長野でした。信州ダービーは本当に面白い。盛り上がります。

 北アルプスは雲の中。夏色の空。明日からまた梅雨空に戻りそうです。

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オオミドリシジミの激しい占有行動や卍巴飛翔。休憩中を撮影。ウラゴマダラシジミとも邂逅。梅雨入り前の夏めく善光寺平。キタアカシジミ?(妻女山里山通信)

2024-06-16 | アウトドア・ネイチャーフォト
 前日は羽化したての綺麗なオオミドリシジミがいたのですが、強風で下におりてきませんでした。翌日登りましたが前夜に雨が降ったので湿度が高くおりてこない可能性もありました。着いてみると下草に雨露は残っていましたが、湿度は低くオオミドリシジミの占有行動や卍巴飛翔(まんじともえひしょう)も始まっていました。卍巴飛翔は占有行動のひとつで、2、3頭で激しく高速でクルクル回ること。時間は数秒から十数秒で、終えると近くの日当たりの良い葉に止まって見張るように占有行動をします。

 占有行動の激しいバトルが終わると日当たりの良い葉の上で休憩。森の宝石とも呼ばれます。
 オオミドリシジミ(大緑小灰蝶:Favonius orientalis)は、チョウ目シジミチョウ科ミドリシジミ亜科に属するチョウ。オスの翅は、青緑に輝き非常に美しい蝶です。メスの翅は灰褐色。幼虫の食樹はブナ科のコナラ・クヌギ・ナラガシワ・カシワ・ミズナラなど。

 美しい翅の表の色は鱗粉の色ではなく、オオムラサキと同様に構造色です。

 構造色なので見る角度により色味が少し変わります。それもまた美しい。

 葉に止まってから近づくと逃げます。そこで止まるであろう葉を特定して、そのそばで待ちます。

 まるでエメラルドかアクアマリンの様。森の宝石です。テリトリーの占有行動や卍巴飛翔は、晴れの日の朝から始まり午前9時半から10時半頃に突然終了します。雨や曇の日には行いません。太陽が大好きなゼフィルスです。

 ミドリシジミとつくものは他に、ミドリシジミ、ウラジロミドリシジミ、フジミドリシジミ、ミヤマカラスシジミ、メスアカミドリシジミ、ハヤシミドリシジミ、アイノミドリシジミなどがいますが、このエリアでは最後の三種も見られます。

 シジミチョウの多くは、この時期に羽化して産卵するため、農薬散布をすると簡単に絶滅してしまうのです。同時期に林道脇などの除草もされますが、食草であるイボタノキやクヌギやヤマザクラ、カシワの幼木や若木が切られると、大量の卵が死んでしまいます。

 月末までは占有行動のバトルが見られそうです。

 占有行動が終わったので陣場平へ。貝母(編笠百合)は実が大きくなり後は枯れて弾けて種を飛ばすだけです。日本でここだけの大きな群生地。花の見頃は4月10〜20日頃です。

 ウラゴマダラシジミ。シジミチョウ科 シジミチョウ亜科のシジミチョウで、幼虫の食草はイボタノキ。成虫もイボタノキやクリで吸蜜するので、その近くで見られることが多い蝶です。イボタノキの花が散ってしまったので今は栗の木の花で吸蜜していると思います。

 やや大型のシジミチョウで、翅の裏の縁に沿って二列の黒胡麻状の紋があり、それが名前の由来です。

 堂平大塚古墳で除草した後で下山。妻女山展望台から。西の茶臼山。右奥に虫倉山。両山とも拙書で紹介。茶臼山は幼児でも登れます。

 北に飯縄山。手前は南長野運動公園の野球場と屋内プールにサッカースタジアム。その手前に千曲川。

 北東にホワイトリングとエムウェーブ。右奥に高社山。拙書でも載せていますが、歴史のある非常に面白い里山です。

 東に松代の城下町。奥に大きな奇妙山。本来は帰命山で、本名を仏師岳(仏師ガ岳)といい古代は修験の山で、戦国時代以前の山城の跡もあります。ハイカーに人気の里山で、拙書でも紹介しています。

 4日後、再び現場に。朝8時半にはすでに激しい卍巴飛翔が森のあちこちで繰り広げられていました。しかし、なかなか下りてきません。やっと山椒の葉に止まったところを撮影。

 前回に比べると3倍ぐらいに数は増えています。午後は激しい夕立になりました。大雨で翌日の撮影は難しそうです。眼の黒い線は、触覚の影です。

 あちこちでコムラサキ(小紫)の花が咲き始めました。

「鴨ロースと淡竹のピラフ」旬の淡竹に鴨のロース、新玉葱、インゲン、エリンギをコンソメパウダーとエキストラ・ヴァージン・オリーブオイル、胡椒で炊き込みます。鴨ロースの脂が行き渡って美味。淡竹は鯖水煮缶汁や天ぷらなど和風が多いのですが、洋風や中華風も合います。淡竹に海老団子や鶏ひき肉を詰めてフライも美味。豚の角煮と中華風炊き込みご飯もお勧め。淡竹の季節も終わりなので、それ目当ての子連れの熊も来なくなるでしょう。

 2年前に妻女山山系で撮影したシジミチョウ。最初アカシジミと思ったのですが、帰って拡大してみると違う。ひょっとしてキタアカシジミ(カシワアカシジミ)か? ネットで群馬のアカシジミと北海道のキタアカシジミを画像で比較しているサイトがあったので比較してみました。どちらでもないというか両方の特徴が見られる。キタアカシジミで画像検索すると、そちらに近い様な。で、「キタアカシジミ 長野県」で検索すると、キタアカシジミが絶滅危惧Ⅱ類. Vulnerable (VU).になっていました。生息する様です。信州には東信などにはアカシジミも生息します。不思議です。どういう分布なのでしょう。私が発見し撮影したナミルリモンハナバチ(ブルービー)も全く生息分布が分かっていません。
 基本的に厳密な生物の同定というのは、DNAレベルまで調べないと分からないのです。動物に限らず植物でも菌類でも粘菌でさえそうです。それらをすべて調べるほどの機関も人員も予算も時間も無いというのが現状です。

梅雨の森の宝石オオミドリシジミ。ウラゴマダラシジミ、ミズイロオナガシジミ。枯れ始めた貝母の実。熟れた実が匂うあんずの里(妻女山里山通信):羽化したての鮮やかなオオミドリシジミです。

「村上春樹さんのピーター・キャットを中心とした70年代のクロニクル」というムサビの美大生時代に彼のジャズ喫茶でアルバイトしていた当時のブログは世界中からアクセスがあります。この文章をクリックで見られます。ロンドンに5週間住んでいて、Queenのフレデイ・マーキュリーの恋人のメアリー・オースチンが勤めていたBIBAの店で当時の私の恋人が彼女からジャケットを買った話。70年代の美大生の赤裸々な日々が見られます。

好評だったブログ記事:「ブラジルへの郷愁」レヴィ=ストロース 川田順造訳 みすず書房。文化人類学、また構造主義におけるバイブルのひとつ(妻女山里山通信)は、都合によりリンク先の楽天ブログに移転しました。

インスタグラムはこちらをクリックツイッターはこちらをクリックYouTubeはこちらをクリック。米子大瀑布、絶滅危惧種のナミルリモンハナバチ・キバネツノトンボ・北信流など。これからどんどんアップしていきます。
 
もう一つの古いチャンネルはこちら。76本のトレッキングやネイチャーフォト(昆虫や粘菌など)、ブラジル・アマゾン・アンデスのスライドショー

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、
『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。講演は一人1000円✕10人、60分が最低基準です。掲載の写真は有料でお貸しします。他のカットも豊富にあります。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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イボタノキで吸蜜するコマルハナバチ。羽化したてのミズイロオナガシジミ。光るヒメウラナミジャノメ。淡竹のおやき。コミスジ、オオミドリシジミ(妻女山里山通信)

2024-06-08 | アウトドア・ネイチャーフォト
 最高気温が29度の予報の中、妻女山へ。そろそろゼフィルスに出会えるかもと。なんと羽化したてのミズイロオナガシジミに邂逅しました。アカシジミとクジャクチョウも目撃。信州の里山は、梅雨と真夏に向けてどんどん賑やかになって行きます。

 イボタノキで吸蜜するコマルハナバチ。花が小さく蜜が少ないのか次々と花を替えるので撮影に難儀しました。逆光に光る毛が美しい。長い口吻が目立ちます。

 オスのコマルハナバチ。とにかく動きが速い。毛深くて花粉が付きやすいので果実の受粉を助ける優秀な昆虫なのです。

 スポットライトを浴びたようにヒメウラナミジャノメ(姫裏波蛇目)。前翅の付け根の青と緑の毛が美しく光っています。草の上を跳ねるようにフワフワと飛ぶので遠目でも分かります。

 蝶の撮影に来ていた顔見知りの女性から羽化したばかりのミズイロオナガシジミ(水色尾長小灰蝶)がいると教えてもらいました。なんでも羽化の瞬間を目撃したとか。羽化したてなので綺麗です。私は鳥にはあまり詳しくはないのですが、彼女によるとガビチョウが増えた。ヒヨドリ、シジュウカラはたくさんいるけど、サンショウクイやクロツグミもいると。

 羽化したばかりで動きがぎこちない。舞い上がったと思ったら小さな草につかまって逆さまになってしまいました。食樹は、ブナ科のコナラやクヌギなど。

 イチモンジチョウ(一文字蝶)アゲハチョウ上科タテハチョウ科。幼虫の食草は、スイカズラ科のスイカズラやタニウツギ、ヤブウツギなど。妻女山山系のものは、オレンジ色の斑紋があります。

 キバネツノトンボの卵塊を見に行きました。この茎には三か所に産み付けられています。孵化が楽しみです。蛹化や羽化も見てみたい。孵化の後は茎の上部に集まり3日以内には落下して散らばっていくそうですが。その後どこで暮らすのでしょう。

 ヤブヘビイチゴ(藪蛇苺)。イチゴはそれ自体は偽果で痩果(そうか)。本当の果実は表面の粒々。無毒ですが無味無臭。中国では、ジャモ(蛇苺)といい全草を熱、咳、のど、痔の薬。抗がん活性作用もあるらしい。

 ヤマホタルブクロ(山蛍袋)キキョウ科ホタルブクロ属。昔、ホタルを入れて遊んだからの名前だそうですが、本当かなと思っていたら、生前父が子供の頃そうやって遊んだと言っていたと聞いて、へえ!って納得しました。

 オカトラノオ(丘虎乃尾)の蕾。サクラソウ科オカトラノオ属。花は穂の下の方から咲いていきます。群生地では、花穂(かすい)の波うつ様子がまるで波の文様の青海波(せいがいは)のように見えます。

 林道倉科坂線から松代方面。左に拙書でも紹介の奇妙山。山頂は古い山城です。右奥に根子岳が霞んでいます。

 翌日は曇り。キバネツノトンボの卵塊は気になったのですが温泉へ。帰りにJAのスーパーに寄ったら東北フェアでなんとホヤの刺し身が売られていました。大好物です。しかし普通は信州では、生のナマコ(海鼠)と同様にお目にかかることはありません。初めて食べたのは恐らくアマゾンから帰ってブラジルで出会った友人を訪ねて青森に行った時。はまって在京時代は生のホヤを買って自分でさばいていました。久しぶりの美味を堪能。お酒が進みます。

「淡竹と鴨・合挽肉・ビタミンちくわのおやき」旬の淡竹に鴨のロース、合挽肉、信州人のソウルフード・スギヨのビタミンちくわ、新玉葱の中華風おやき。皮はまぼろしの小麦粉・伊賀筑後オレゴンにとろろを少し。具の味付けは、手作り信州糀味噌、昆布鰹出汁顆粒、牡蠣ソース、五香粉、豆板醤、XO醤、ジャンツォンジャン、ラー油、胡椒。鴨の脂が淡竹と合わさってこくのあるいい味を出します。皿はオールド・ノリタケのBROOKVALEです。

 コミスジ。ボディの七色が美しい。

 枯れ葉の中でもがいていたミズイロオナガシジミ。羽化不全でしょうか。

 森の宝石、本命のオオミドリシジミ。強風で専有行動も少なく下に来ません。次の機会を待ちます。

「フェジョン・コズィード」ブラジルのほぼ毎日食べる料理。フェジョン・プレット(黒いんげん豆)を茹でて、ひき肉、ウインナーソーセージをニンニクでコンソメ味で炒め煮したもの。ファリーニャ・デ・マンジョーカの粉と辛いピメンタをかけて食べます。ブラジル旅行中は毎日食べていました。ブラジル人のソウルフード。臓物が色々入るとフェイジョアーダ。付け合せはガーリックライス。バックの布は。昔アマゾン川の中流の街サンタレンの生地屋で買ったもの。

「村上春樹さんのピーター・キャットを中心とした70年代のクロニクル」というムサビの美大生時代に彼のジャズ喫茶でアルバイトしていた当時のブログは世界中からアクセスがあります。この文章をクリックで見られます。ロンドンに5週間住んでいて、Queenのフレデイ・マーキュリーの恋人のメアリー・オースチンが勤めていたBIBAの店で当時の私の恋人が彼女からジャケットを買った話。70年代の美大生の赤裸々な日々が見られます。

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『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、
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