最高気温34度。山上は28度の中、ネムノキが咲きだす頃と登りました。さすがに誰もいません。クマも淡竹の季節が終わったので下りて来ません。イノシシやニホンカモシカもお昼寝しているでしょう。ネムノキ(合歓木、合歓の木)マメ科ネムノキ亜科の落葉高木。夜になると小葉が閉じて垂れ下がる就眠運動を行うことで眠る木。咲き始めでした。

「昼は咲き 夜は恋ひ寝(ぬ)る 合歓木(ねぶ)の花 君のみ見めや 戯奴(わけ)さへに見よ」 紀女郎(きのいらつめ) 『万葉集』巻八1461
(昼に咲いて、夜には恋しい想いを抱いて寝るという合歓の花を私だけに見させないで。君もここに来て見なさいな):紀女郎が大伴家持に贈った歌ですが、紀女郎は年上の人妻で、戯奴というのは目下の人を呼びかける言葉だそうです。人妻が若者をからかったのか、誘ったのか。背景を知ると、なんとも意味深な歌です。

貝原益軒は「この木を植えると人の怒りを除き、若葉を食べると五臓を安じ、気をやわらげる」と記しています。
化粧の刷毛の様でもあり、線香花火の様でもあり。繊細な花です。なんとも形容し難いかすかに甘い香りがします。赤松と同様に排気ガスには弱く、我が家の山の大木は高速道路ができたら数年で枯れました。葉は合歓皮(ごうかんひ)といって漢方薬です。利尿、強壮、鎮痛、腰痛、打ち身、腫れ物、水虫、手荒れ、精神安定などに効くそうです。
「合歓咲く 七つ下りの 茶菓子売り」小林一茶
江戸の八丁堀の合歓の木が咲く小腹が空く午後4時頃に、茶菓子売りの声が聞こえる様。どんな茶菓子だったのでしょう。茶饅頭か、夏だから水菓子か。
「象潟(きさかた)や 雨に西施(せいし)が ねぶの花」松尾芭蕉
西施は、中国の春秋時代の呉を滅ぼした傾国の美女。その越に滅ぼされた呉のエリートたちが日本に渡来して弥生時代を作ったのです。その後、越も滅ぼされ、また日本に渡来します。

ヤマアジサイ(山紫陽花)。別名は、サワアジサイ。周辺は装飾花で、中心部は両性花。ガクアジサイに比べると、花の色が色々あります。
「言問はぬ木すら味狭藍(紫陽花) 諸弟(もろと)らが練の村戸(むらと)にあざむかえけり」大伴家持 巻4 773
(恋を語らない木ですら、紫陽花のように移ろいやすい。巧みな言葉に私は騙されてしまいました。)
「味狭藍(紫陽花)の 八重咲く如 やつ代にを いませわが背子 見つつ思はむ(しのはむ)」橘諸兄 巻20 4448
(紫陽花が八重に咲くように、ますます長い年月を生きてください。紫陽花を見ながらあなたをお慕いします。)

ヒロオビトンボエダシャク(広帯蜻蛉枝尺蛾)シャクガ科エダシャク亜科の蛾。イネ科の細い葉に捕まって交尾中。右がメスでオスをぶら下げて交尾中。

疲れたのか下の葉に移動して交尾継続。栗の花やハルジオン、ヒメジョオンなどで吸蜜。

キバネツノトンボが孵化していました。産卵からひと月です。

牙で卵の殻を切り開いて出てくる様子がよく分かります。牙を出してこれから出てくるものも見られます。グレーのものはまだ中に幼虫がいます。牙できれいに丸くくり抜くのが分かります。一匹側面から穴を開けている変わり者もいます。

蟻地獄の様ななかなか厳しい姿をしています。棘だらけなのは捕食されないためでしょう。孵化中が2ヵ所、孵化が終わり地上に下りてしまったものが4ヵ所ありました。

イチモンジチョウ(一文字蝶)。ゼフィルスはヤマトシジミが少し見られただけ。これからです。

オカトラノオが咲き始めました。小さなアリが中央に、左上にダニでしょうか。

タマムシ(玉虫)が飛来。別名はヤマトタマムシ。法隆寺の国宝の玉虫厨子は、この玉虫の翅を使っています。中国では「吉丁虫」と呼ばれ、『本草綱目』には「吉丁虫を身につけると恋がかなう」という記述があり縁起のいい虫とされていました。

タマムシ科の甲虫は、日本に約250種が分布します。普通は餌のエノキで見られるのですが、ここはなんと神社の鳥居です。長野県では絶滅危惧II類。卵はエノキやケヤキ、サクラの枯死木に産み付けられ、幼虫はその朽木を食べて3年ほどかけて成長します。

ヤマホタルブクロの残花。初夏の花が終わり夏の花が咲きだす端境期です。

妻女山展望台から松代方面。右奥の根子岳と四阿山も夏の装い。

北方に千曲川と最奥に飯縄山。川中島の桃は早生種の出荷が始まったそうです。森の杏は最盛期でスーパーや産直売り場にたくさん並んでいます。生食用のハーコットは冷やしてバニラアイスと。加工用はチーズケーキやあんずタルト、ジャム、ジュースに。

引きのパノラマカット。長芋は植え付けが終わってたくさん杭が並んでいます。暑いので今夜はとろろ蕎麦にしましょう。
■「ブラジルへの郷愁」レヴィ=ストロース 川田順造訳 みすず書房。文化人類学、また構造主義におけるバイブルのひとつ(妻女山里山通信)
『アマゾンひとり旅』を掲載中。■ブラジル料理を2回に渡って掲載。ブラジル音楽も。最近大流行りの南米文学(ラテンアメリカ文学)の紹介。『百年の孤独』『族長の秋』『蜘蛛女のキス』など。■モリモリキッズ・スペシャル をクリック!!!
■ 「村上春樹さんのピーター・キャットを中心とした70年代のクロニクル」 ムサビの美大生時代に彼のジャズ喫茶でアルバイトしていた当時のブログ。世界中からアクセスがあります。70年代の美大生の赤裸々な日々。ロンドンでQueenのフレデイ・マーキュリーの恋人のメアリー・オースチンが勤めていたBIBAの店で当時の私の恋人が彼女からジャケットを買った話など。
●インスタグラムはこちらをクリック。
●ツイッターはこちらをクリック。
●YouTubeはこちらをクリック。米子大瀑布、絶滅危惧種のナミルリモンハナバチ・キバネツノトンボ・北信流など。これからどんどんアップしていきます。。
●もう一つの古いチャンネルはこちら。76本のトレッキングやネイチャーフォト(昆虫や粘菌など)、ブラジル・アマゾン・アンデスのスライドショー。

「昼は咲き 夜は恋ひ寝(ぬ)る 合歓木(ねぶ)の花 君のみ見めや 戯奴(わけ)さへに見よ」 紀女郎(きのいらつめ) 『万葉集』巻八1461
(昼に咲いて、夜には恋しい想いを抱いて寝るという合歓の花を私だけに見させないで。君もここに来て見なさいな):紀女郎が大伴家持に贈った歌ですが、紀女郎は年上の人妻で、戯奴というのは目下の人を呼びかける言葉だそうです。人妻が若者をからかったのか、誘ったのか。背景を知ると、なんとも意味深な歌です。

貝原益軒は「この木を植えると人の怒りを除き、若葉を食べると五臓を安じ、気をやわらげる」と記しています。
化粧の刷毛の様でもあり、線香花火の様でもあり。繊細な花です。なんとも形容し難いかすかに甘い香りがします。赤松と同様に排気ガスには弱く、我が家の山の大木は高速道路ができたら数年で枯れました。葉は合歓皮(ごうかんひ)といって漢方薬です。利尿、強壮、鎮痛、腰痛、打ち身、腫れ物、水虫、手荒れ、精神安定などに効くそうです。
「合歓咲く 七つ下りの 茶菓子売り」小林一茶
江戸の八丁堀の合歓の木が咲く小腹が空く午後4時頃に、茶菓子売りの声が聞こえる様。どんな茶菓子だったのでしょう。茶饅頭か、夏だから水菓子か。
「象潟(きさかた)や 雨に西施(せいし)が ねぶの花」松尾芭蕉
西施は、中国の春秋時代の呉を滅ぼした傾国の美女。その越に滅ぼされた呉のエリートたちが日本に渡来して弥生時代を作ったのです。その後、越も滅ぼされ、また日本に渡来します。

ヤマアジサイ(山紫陽花)。別名は、サワアジサイ。周辺は装飾花で、中心部は両性花。ガクアジサイに比べると、花の色が色々あります。
「言問はぬ木すら味狭藍(紫陽花) 諸弟(もろと)らが練の村戸(むらと)にあざむかえけり」大伴家持 巻4 773
(恋を語らない木ですら、紫陽花のように移ろいやすい。巧みな言葉に私は騙されてしまいました。)
「味狭藍(紫陽花)の 八重咲く如 やつ代にを いませわが背子 見つつ思はむ(しのはむ)」橘諸兄 巻20 4448
(紫陽花が八重に咲くように、ますます長い年月を生きてください。紫陽花を見ながらあなたをお慕いします。)

ヒロオビトンボエダシャク(広帯蜻蛉枝尺蛾)シャクガ科エダシャク亜科の蛾。イネ科の細い葉に捕まって交尾中。右がメスでオスをぶら下げて交尾中。

疲れたのか下の葉に移動して交尾継続。栗の花やハルジオン、ヒメジョオンなどで吸蜜。

キバネツノトンボが孵化していました。産卵からひと月です。

牙で卵の殻を切り開いて出てくる様子がよく分かります。牙を出してこれから出てくるものも見られます。グレーのものはまだ中に幼虫がいます。牙できれいに丸くくり抜くのが分かります。一匹側面から穴を開けている変わり者もいます。

蟻地獄の様ななかなか厳しい姿をしています。棘だらけなのは捕食されないためでしょう。孵化中が2ヵ所、孵化が終わり地上に下りてしまったものが4ヵ所ありました。

イチモンジチョウ(一文字蝶)。ゼフィルスはヤマトシジミが少し見られただけ。これからです。

オカトラノオが咲き始めました。小さなアリが中央に、左上にダニでしょうか。

タマムシ(玉虫)が飛来。別名はヤマトタマムシ。法隆寺の国宝の玉虫厨子は、この玉虫の翅を使っています。中国では「吉丁虫」と呼ばれ、『本草綱目』には「吉丁虫を身につけると恋がかなう」という記述があり縁起のいい虫とされていました。

タマムシ科の甲虫は、日本に約250種が分布します。普通は餌のエノキで見られるのですが、ここはなんと神社の鳥居です。長野県では絶滅危惧II類。卵はエノキやケヤキ、サクラの枯死木に産み付けられ、幼虫はその朽木を食べて3年ほどかけて成長します。

ヤマホタルブクロの残花。初夏の花が終わり夏の花が咲きだす端境期です。

妻女山展望台から松代方面。右奥の根子岳と四阿山も夏の装い。

北方に千曲川と最奥に飯縄山。川中島の桃は早生種の出荷が始まったそうです。森の杏は最盛期でスーパーや産直売り場にたくさん並んでいます。生食用のハーコットは冷やしてバニラアイスと。加工用はチーズケーキやあんずタルト、ジャム、ジュースに。

引きのパノラマカット。長芋は植え付けが終わってたくさん杭が並んでいます。暑いので今夜はとろろ蕎麦にしましょう。
■「ブラジルへの郷愁」レヴィ=ストロース 川田順造訳 みすず書房。文化人類学、また構造主義におけるバイブルのひとつ(妻女山里山通信)
『アマゾンひとり旅』を掲載中。■ブラジル料理を2回に渡って掲載。ブラジル音楽も。最近大流行りの南米文学(ラテンアメリカ文学)の紹介。『百年の孤独』『族長の秋』『蜘蛛女のキス』など。■モリモリキッズ・スペシャル をクリック!!!
■ 「村上春樹さんのピーター・キャットを中心とした70年代のクロニクル」 ムサビの美大生時代に彼のジャズ喫茶でアルバイトしていた当時のブログ。世界中からアクセスがあります。70年代の美大生の赤裸々な日々。ロンドンでQueenのフレデイ・マーキュリーの恋人のメアリー・オースチンが勤めていたBIBAの店で当時の私の恋人が彼女からジャケットを買った話など。
●インスタグラムはこちらをクリック。
●ツイッターはこちらをクリック。
●YouTubeはこちらをクリック。米子大瀑布、絶滅危惧種のナミルリモンハナバチ・キバネツノトンボ・北信流など。これからどんどんアップしていきます。。
●もう一つの古いチャンネルはこちら。76本のトレッキングやネイチャーフォト(昆虫や粘菌など)、ブラジル・アマゾン・アンデスのスライドショー。