杏の花が落花し、アッという間に桜も落花を始めました。すると千曲川河川敷の桃の花が一斉に満開。土手の西洋アブラナの黄色とものすごい色彩のコントラストを描いています。川中島は、川中島白桃の名産地なのです。特に川中島白桃と紅錦果(くにか)は、大きく甘くジューシーで、まさに水蜜桃という名前がピッタリの逸品。
桃の花のどぎついまでのピンクは、やはり和というより中国という感じがします。楊貴妃という感じでしょうか。楊貴妃という名は、杏の品種にある他、梅、桜、牡丹にもあるそうですが、桃の方が相応しい気がします。楊貴妃の愛した桃は、中国山東省の門外不出の「肥城桃」。不老不死の果物ともいわれています。また、桃の花を浮かべたお風呂も好んだといわれています。
日本では、やはり桃太郎ですね。中国では妖艶な桃が、日本では勇猛果敢な少年というのもものすごいギャップで可笑しいですね。古事記にはイザナギノミコトが桃の実を投げて悪鬼を祓った、と記されています。また、三月三日の桃の節句も、邪気祓いの意味があるようです。桃色は、幼児が好む色で、次男は保育園の年少組の頃は、ずっとピンクのTシャツがお気に入りでした。
妻女山の桜は落花し始めましたが、実はもっと奥に行くと昔の品種の桃が野生化して生えているところがあるんです。もうずいぶん前ですが、息子達と夏に登った時に偶然に見つけました。固くて小ぶりの桃は、白桃のようにジューシーではありませんが、かじると野趣豊かな懐かしい味がしました。
昨夜の雨で、里山は一気に芽吹きました。里ではなんとリンゴの花まで咲いてしまいました。なんだか特急列車で春の花が終わってしまいそうな感じです。
★ネイチャーフォトは、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。キノコ、変形菌(粘菌)、コケ、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、特殊な技法で作るパノラマ写真など。
★フォトドキュメントの手法で綴るトレッキング・フォトレポート【MORI MORI KIDS(低山トレッキング・フォトレポート)】もよろしく。いずれ森の杏と鏡台山、鞍骨城跡プチトレッキングをアップします。