モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

妻女山、春爛漫!(妻女山里山通信)

2009-04-13 | アウトドア・ネイチャーフォト
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 森の杏も盛りを過ぎ、妻女山(赤坂山)の招魂社の桜が満開になりました。そこで春の花を求めて清野氏の天空の山城、鞍骨城跡までプチトレッキングに出かけました。「風林火山」に続いて「天地人」の影響もあるのでしょう。日曜日とあって妻女山展望台は、県内外の観光客がたくさん訪れていました。

 ザックを背負って支度をしていると、ミニバンの男性がこの林道どこまで行けますかと訪ねてきました。陣場平まではなんとか行けるのですが、車が大きくUターンの場所が無いのと轍が深いので、東風越までと斎場山(本来の妻女山)を紹介しました。次に老夫婦が来られて鞍骨城跡から先の御姫山の肩まで行けるかとの質問を受けました。鞍骨城跡までは、道も案内もしっかりしているので、鞍骨城への城郭の上り下りさえ気を付ければ往復3時間みれば余裕ですが、その先は険しいヤセ尾根で、ピークもただの御姫山の肩でなにもないので鞍骨城跡までにしたらどうですかとアドバイス。

 私は一足先に林道ではなく旧山道を登って藪こぎしながら陣馬平へ直行しました。途中右から視線を感じたので見上げると、すぐ上にいつものニホンカモシカの母さんが珍しく座っていました。暖かくなったねえと声を掛けながらシャッターを切りました。すっかり春めいてなんだか彼女も嬉しそうでした。そしてバイモ(貝母)の群生地へ。思った通り満開でした。しかし、このバイモ、満開といっても下を向いて咲くのと花が緑なので咲いているという感じがしないのです。別名は編笠百合といって中国原産の花で、渡来時期は江戸中期か奈良時代以前とされています。

 そして、菫の代表種、タチツボスミレを見ながらカタクリの群生地へ。カタクリは、スプリング・エフェメラル(春のカゲロウのような儚い命の花)の象徴のような花ですが、人知れず群生地があったりするのです。周りには猛毒のヤマトリカブトの群生地もありました。ニリンソウと間違えて食すると昇天します。

 鞍骨城跡の本郭によじ登り、その先の見晴らしの良いヤセ尾根の展望地で、桜が満開の松代城(海津城)や象山、妻女山を見下ろしながら昼食。柔らかな微風が心地よい午後でした。しばらくすると城跡の方から人の声が。どうやらあのご夫婦も無事に城跡に登れたようです。あの上杉景勝と直江兼続も、赤坂山(現在の妻女山)に陣を構え、鞍骨城に御旗を立て、北条軍を威嚇したといわれています。

 その後は、もうひとつのカタクリの群生地へ。こちらの方は、奥行き20~30m、幅100m以上はある大群生地なのですが、市のサイトにも紹介されていないので、おそらくほとんど知られていないのだろうと思います。近くのニワトコの若葉には、鮮やかなオレンジ色をしたニワトコヒゲナガアブラムシの卵生雌がたくさんいました。そして、東風越ちかくの日溜まりで関東蒲公英を発見。最近は西洋蒲公英ばかりなので少し嬉しくなりました。

 山道を下ると、道端にヒオドシチョウが一頭留まりました。撮ろうとすると飛び立ってしまいます。しばらくジッとして気配を消しいると足元に留まって羽を広げて日向ぼっこ。スーパーマクロにして徐々に近づき撮影。レンズから蝶まで、わずか4センチ。日向ぼっこする越冬と縄張り争いでボロボロのヒオドシチョウを撮影できました。里では、この暖かさで桃も満開になりました。千曲川河川敷は、桃のピンク色の花で溢れています。週末の長野マラソンの日までもつといいのですが。

★ネイチャーフォトは、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。キノコ、変形菌(粘菌)、コケ、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、特殊な技法で作るパノラマ写真など。
★フォトドキュメントの手法で綴るトレッキング・フォトレポート【MORI MORI KIDS(低山トレッキング・フォトレポート)】もよろしく。いずれ鞍骨城跡プチトレッキングをアップします。
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