最近は栽培もされているコシアブラ。木にも芽にもあまり特徴がなく、タラノメのように明るい林道沿いに生えるわけでもなく、森の中で目立たないので初心者には難しい山菜です。特に芽吹きが盛んな森の中では、みな同じように見えてしまうかもしれません。逆にそんなところも人気の秘密かもしれませんが。
同じようにハリギリは、タラノメやコシアブラに飽き足りない山菜好きの間で静かな人気を誇る山菜です。いずれもウコギ科ですが、ハリギリのアクの強さと歯切れの良さは、ファンも多いはずです。20m以上の高木になるため、成木はよく見かけるのですが、採りやすい木を探すとなると、なかなか難しいものがあります。タラノメより強力な棘も問題です。
妻女山山系にはコシアブラは自生していないので、車を飛ばして辿り着いた深山で季節的には少し早すぎるコシアブラをたくさん採りました。そして、まずは定番の天ぷらと絶品コシアブラの炊き込みご飯にしました。今回は、レシピより多くのコシアブラを入れました。最後に生を刻んで炊きあがった炊き込みご飯にのせて蒸らすのがポイントです。よく袴を取ると書いてあるレシピを見ますが、採ったときついてくることがある木の部分です。なければ取らずにすみます。
鶏ガラスープや中華出汁で、鶏肉や豚肉を入れて炊きあげると、食べ盛りの世代にも充分ボリュームのある一品になります。コンソメキューブを使ってバター風味で洋風に炊きあげてもいけそうです。
そして、写真はこれも定番のコシアブラのゴマ和えです。さっと茹でたコシアブラに、あらかじめ作っておいたゴマだれを和えるだけ。ゴマは自家製の無農薬無化学肥料栽培の白ゴマと黒ゴマを炒って摺りゴマにしたもの。醤油と砂糖に酢です。分量や割合はお好みで。どちらかというとしつこいコシアブラの風味とゴマの強い風味がとてもよく合い、ご飯のおかずにも酒の肴にもなります。
大きめの芽は、ベーコン巻きや豚の三枚肉の薄切りで巻いてソテーしたりフライにしても美味です。オムレツもいけます。塩豚の蒸しもののコシアブラ風味というのも旨そうです。ヤマフキも成長してきたので、また採りにいくつもりです。山菜シーズンは、まだまだ続きます。
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