【俺は好きなんだよ】第1822回
『アリスとテレスのまぼろし工場』(2023)
製作国:日本
上映時間:111分
映倫:G
配給:ワーナー・ブラザース映画=MAPPA
スタッフ。
監督:岡田麿里
企画・プロデューサー:大塚学
製作プロデューサー:木村誠
アニメーションプロデューサー:野田楓子、橘内諒太
副監督:平松禎史
演出チーフ:城所聖明
制作:MAPPA
原作・脚本:岡田麿里
キャラクターデザイン:石井百合子
3Dディレクター:小川耕平
撮影監督:淡輪雄介
美術監督:東地和生
色彩設計:鷲田知子
編集:高橋歩
音響監督:明田川仁
音響制作:dugout
音楽:横山克
主題歌:中島みゆき 『心音』
声の出演。(キャスト)
菊入正宗 (榎木淳弥)
佐上睦実 (上田麗奈)
五実 (久野美咲)
笹倉 (八代拓)
新田 (畠中祐)
仙波 (小林大紀)
園部 (齋藤彩夏)
原 (河瀬茉希)
安見 (藤井ゆきよ)
佐上 (佐藤せつじ)
菊入時宗 (林遣都)
菊入昭宗 (瀬戸康史)
物語。
現代、14歳の菊入正宗の住む町で製鉄所の爆発事故が起こり、それをきっかけに町から出られなくなり、時も止まってしまう。
やがて町の人々は、ずっと同じ状態を保っていれば、いつか元に戻れると信じ、変化することを禁じるようになっていく。
正宗も変化を恐れつつ、退屈な日常を送るようになっていく。
ある日、政宗は、嫌い認定していた同級生の佐上睦実に誘われ、製鉄所の立入禁止エリアに向かう。
謎の事故で世界から切り離され、時も止まった町、変化を禁じられた町で恋に落ちていく少年と2人の少女の運命を描くファンタジー・ラブストーリー・アニメ。
人気脚本家・岡田麿里が『さよならの朝に約束の花をかざろう』に続いて手掛けた監督(脚本)第2作となる長編アニメーション。
アニメーション制作は、これが初のオリジナル劇場アニメーションとなるMAPPAが担当。
とても、日本アニメならではの楽しみを存分に味わえました。
映画にするには、大きなファンタジーがあると喜ばれるというのはあると思う。
おいらは、小さな映画も特に着せずは見るけれど。
それはまるで、宮崎駿と高畑勲の作品の対比のような。
今作は、アニメならではの表現に満ちている。
誇張された日常、時間停止、架空世界、巨大な現象。
言葉遊びが目立つ辺り、脚本家の映画ともいえる。
タイトルから、何が<まぼろし>なのか、と考えていた。
見ているうちに、どっちが<まぼろし>なのか、と考えるようになる。
突飛な設定をタイトルにふわっといれることで受け入れさせようとしている。
それは、どんでん返しを減らしてもいるのだけど、嘘も減るのよね。
おいらが見逃したのかもしれないけど、タイトルの「アリスとテレス」ってなんだったんだろう。
劇中出てきていたかしら。
ちなみに、アリストテレスはギリシア古典期の哲学者で、プラトンの後継者、あるいは批判者としてギリシア哲学を大成した人物。人間の本性が「知を愛する」ことにあると考えた。ギリシャ語ではこれを「フィロソフィア」と呼ぶ。フィロは「愛する」、ソフィアは「知」を意味する。これがヨーロッパの各国の言語で「哲学」を意味する言葉の語源となった。
アリストテレスの名前の意味は、ギリシア語の「Ἀριστος」(最高の)と「τελος 」(目的)から 。
そこから考えると、今作のタイトルは、「最高の目的」という意味なのかもしれない。
NETFLIXほかで配信。
ネタバレ。
日常の方が死後の世界だったネタで、漫画とかでいくつかありますね。