菱沼康介の、丸い卵も切りよで四角。

日々の悶々を、はらはらほろほろ。

来い。 『恋』(1971)

2012年07月20日 00時00分40秒 | 死ぬ前に観れるか?

【死ぬまでに観れるか?】第60回は、『恋』(1971)


原題は、『THE GO-BETWEEN』。


スタッフ。
監督:ジョセフ・ロージー
製作:ジョン・ヘイマン
原作:L・P・ハートレイ
脚本:ハロルド・ピンター
撮影:ジェリー・フィッシャー
音楽:ミシェル・ルグラン


出演。
ジュリー・クリスティ
アラン・ベイツ
ドミニク・ガード
マイケル・レッドグレーヴ
マーガレット・レイトン
エドワード・フォックス
マイケル・ガフ


物語。
友人マーカスの一家が夏を過ごす荘園の別宅に招かれた少年レオは彼らの豪壮な暮らしぶりに驚く。
12歳でそろそろ異性を意識し始めている彼は、一家の長姉マリアンに淡い恋心を抱く。
その夏は暑く、彼女に夏服を買ってもらったレオはすっかり舞い上がって、買い物を抜け出して彼女が消えた時間に何の疑いも抱かなかったが、彼女は小作人のテッドに秘かに逢っていたのである。
レオはマリアンにテッドの手紙の渡し役を頼まれ、テッドとも友情を育んでいく。
マリアンには、ボーア戦争で頬に刀傷を負った子爵の婚約者ヒューがいた。
彼もまたレオには優しく、教養豊かなよき友人だった。しかし、彼らの間を行き来するうち、レオは些細な罪悪感を覚え始めた。
テッドが馬のお産の後、口にした“いい事”とはいったい何だろう。
キスでないのは確かなのだが、少年はまだあまりにも無垢だった。
13歳の誕生日をこの家で祝ってもらうまでは・・・。


受賞歴。
1971年のカンヌ国際映画祭にて、パルム・ドールと国際エヴァンジェリ映画委員会賞をジョセフ・ロージーが受賞。
1971年の英国アカデミー賞にて、助演男優賞をエドワード・フォックスとマイケル・ガフが受賞。
同じく、助演女優賞をマーガレット・レイトンが受賞。
同じく、脚本賞をハロルド・ピンターが受賞。
同じく、新人賞をドミニク・ガードが受賞。







解説によると、L・P・ハートレイの小説『恋を覗く少年』を、ロージーとは名コンビの劇作家ピンターが脚本化。
“過去は異邦に等しい”という独白と共に、美しいイングランドの田園風景が広がり、M・ルグランの不安な、しかし甘い旋律が流れる、ロージーらしく感傷の中にもホロ苦さがほとばしる思春期映画の傑作。
彼特有の凝った回想スタイルが混乱を来す面もあるが、ロージー演出は、階級を越えて愛し合う男女の連絡係となる少年の性の目覚めを、流麗に見えて、その実しっかりした筆づかいで、情緒豊かに運んでいく。


あまりにストレートなタイトル。
こういう作品は本気の勝負作だったりします。

これも観たい。










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