父が亡くなったのは4年前の2月、
あと1ヶ月で90歳でした。
最後の1年は坂を転げ落ちるように、
認知症が進み亡くなりました。
そのころの様子をブログにしました。
それでも、88歳までは頑固でワガママでしたが、
心臓の手術をしてからも10年間、
1日に2時間ほど犬の散歩で歩き、
同年齢の方と比べても元気にしていました。
きのう以前勤めていた職場の人と、6年ぶりに会いました。
89歳と74歳の男性です。
89歳のSさんはどう見ても10歳は若く見えます。
Sさんは役員でしたが、
経営されている会社は息子さんに任せて、
好きなことをして暮らしています。
好きなことと言っても、いろいろな会に参加して、
たくさんの人たちにアドバイスなどをするため、
2ヶ月に1度は全国各地へ出かけて、
若い人たちと交流しているそうです。
Sさんは緑豊かな長野県在住、
一昨年奥様を亡くされてひとり暮らしです。
いつもは地元で趣味のアウトドアで野山を歩きまわっていて、
運転もまだ自分でしています。
父とSさんの違いは、認知症になるかならないかだけでしょうか。
父は元気でしたが、
Sさんのような意欲的に暮らしてはいませんでした。
父の人生に誇れるものがあったのでしょうか。
わたしに生を与えてくれたことは、ありがたく思っていますが、
ほかに思い当たることはありません。
つい父とSさんを比べてしまいます。
どう生きて、どう死んでいくのか、
わたしの人生も悔いなく、そして最後は笑いながら旅立ちたい。
クリント・イーストウッドも今年の5月で89歳。
たくさんの優れた映画を作りながら、
若いガールフレンドと食事をして、
運転も自分でして(ちょっと危なげだけど・・・)、
わたしの憧れるシルバーライフを送っています。
最新作の『運び屋』には主演、3月8日公開。
クリント・イーストウッドのパワーをもらいに、
映画館へ行こうと思います。
89歳になったわたしは、
Sさんやイーストウッドのように、
パワフルに生きているでしょうか。
それとも父のように認知症になって、
曇った頭でうつろに暮らしているでしょうか。