一高昭信会、佐高同心会の面々5名の来校あり、昭信会、同心会はいずれも五高東光会と同系列の団体で、彼らを囲んで東光会により知命堂で座談会が開かれた。
彼らの行ったことは「現在の日本は自由主義、個人主義の跋扈による思想的に非常な危機に陥っている。このままでは崩壊してしまう。
今の指導者階級は全て天皇機関説の洗礼を浴びてきた人間ばかりである。帝大の教授連は自由主義者である。
その思想は吾々の校内にも横行しており吾々寮生の白眼視の的であり、晩餐会の時などすぐ喧嘩になってしまう調子である。
汪兆銘に三民主義を許容するなど以ての外である。三民主義の焼き直しで吾々とは相容れないものである。指導者連に旺盛な国家観念があるかは疑わしい。
総代日誌から「我々には未だ文化団体の件が未完成のまま残されている。例えば弁論部等との関係のごときはそれである。
しかし本当にこの運動を継続し発展せしむる丈の熱意があればこそそれは解決し得る問題である。要は吾々のこれに対する熱意いかんの問題であり寮に対する愛の如何である。
もちろん吾々がかかる団体を組織的に設置しこれを運用する場合、それが直ちに寮文化工場を誘致するものではない。
元来この目的が趣味の淘汰にあるのであるが、かかる文化的雰囲気を助成することによって寮文化の向上を資せしめたいものである。
以上の精神を汲んで後輩諸君の一層の努力と熱意を切望する。