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過去には酸素がたくさんあった!? 火星の大気はどう変化してきたのか

2016年07月03日 | 火星の探査
火星探査車“キュリオシティ”が発見した酸化マンガン。

酸化マンガンの存在が示す可能性は、
過去の火星の大気中には、現在よりも豊富に酸素が存在していたこと。

砂丘の模様も火星大気の変化と関係があるようなので、
今回の発見は、火星の歴史を知る手がかりにもなるようです。


酸素は水から作られた

2012年に火星に着陸したNASAの火星探査車“キュリオシティ”は、
同年の8月から火星の“ゲール・クレーター”で様々な探査を行っています。

火星の歴史を調べることが、“キュリオシティ”の大きな目的の1つで、
先日には「火星に高温な火山活動があった」ことを示す発表がありました。

今回、新たな探査結果として報告されたのが、
土壌から多くの酸化マンガンが見つかったこと。

酸化マンガンが生成されるのは、
地球上では大気中か微生物による酸素が関連している場合になります。

現時点で可能性が高そうなのは、
大気中に存在した多くの酸素が関連していること。

なので過去の火星大気には、
多くの酸素が存在していた可能性があることになります。
2014年5月に撮影された“キュリオシティ”の自分撮り。
拡大部分は探査対象の土壌。

この酸素はどこからきたのでしょうか?

いま考えられているのは、42億年前に火星が磁場を失ったときに、
かつて大量に存在したと見られる水が分解されて作られたということ。

火星表面を赤い色に見せている酸化鉄(鉄さび)を作る程度なら、
それほど多くの酸素は必要ありません。

でも、酸化マンガンを作るとなれば、かなり多くの酸素が必要になるんですねー


火星大気の変化

また別の報告では、
火星の砂丘に見られる模様について調べられています。

火星には地球と同様に砂丘があり、
その表面には数十センチ間隔の波模様が見られます。
砂丘に見られる2種類の模様(2015年12月撮影)。
間隔が広いものは地球には見られないタイプ。

でも地球とは異なり、
3メートルほどと広い間隔の曲がりくねった模様も一緒に存在しているんですねー

こうした模様は、現在の薄い火星大気と関係があると見られ、
大気がどのように変化してきたかを知る手がかりになるようです。


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