8月2日から中断していた、
地球観測衛星“いぶき”に搭載されている温室効果ガス観測センサー“TANSO-FTS”の、
熱赤外バンドによる観測。
JAXAの発表によると、観測は再開されていて、これで、全バンドでの観測に復帰したそうです。
原因は宇宙放射線
“いぶき”は今年の8月2日正午ごろ、
温室効果ガス観測センサーの熱赤外バンド(バンド4)用検出器を、
マイナス200度に冷却するための冷凍機が止まってしまったため、
熱赤外線バンドによる観測が中断されていました。
調査の結果、冷凍機の停止は、
宇宙放射線などのによる一時的な誤動作の可能性が高いと判断。
9月14日に冷凍機の再立ち上げが行われ、
結果、熱赤外バンド用検出器が所定の温度まで冷却されたので、
停止していた熱赤外線バンドの観測(全運転モード)を、
9月16日の12時(日本時間)から再開したそうです。
観測機器から発生する熱への対応
宇宙から赤外線を観測する場合、
観測機器そのものの熱から発生する赤外線によって、
観測に影響が出ないようにする必要があります。
なので機器から熱を出さないようにするため、
機器自身を冷やさないといけないんですねー
機器を冷やすのに使われる冷凍機として、
“いぶき”には、単段パルス管冷凍機と呼ばれるものが搭載され、
冷却には液体窒素が使われています。
この冷凍機はアメリカのノースロップ・グラマン社が製造し、
同型のものが“ひまわり6号”やNASAの地球観測衛星“OCO-2”などにも、
搭載されています。
観測の目的
“TANSO-FTS”は、
短波長赤外域(1.6と2.0マイクロミリ)と熱赤外域(14.3マイクロミリ)に存在する、
二酸化炭素などの温室効果ガスの吸収スペクトルを、
フーリエ干渉計と呼ばれる分光器の一種で測定し、
そのガス濃度を決定することができます。
なお、熱赤外バンドによる観測が中断していた間も、
短波長赤外バンド(バンド1~3)の検出器は正常だったので、
二酸化炭素・メタンの観測は継続して行われていました。
“いぶき”は温室効果をもたらすと言われている、
二酸化炭素やメタンなど温室効果ガスの濃度分布を宇宙から観測。
気候変動の予測精度の向上や、
環境問題の対応に貢献することを目的としているんですねー
2009年1月23日に“H-IIA”ロケット15号機で打ち上げられ、
高度約667キロ、軌道傾斜角約98度の太陽同期準周回軌道から観測を続けています。
2014年1月には、当初計画されていた5年間の定常運用期間を完了。
でも衛星の状態が良好だったので、そのまま運用が継続されていました。
ただ2014年5月には、
2翼ある太陽電池パドルのうち、片側のパドルの回転機構が停止。
5年の設計寿命を超えているので故障も仕方ないですね。
こちらの記事もどうぞ ⇒ 地球観測衛星“いぶき” 熱赤外バンドの観測を中断
地球観測衛星“いぶき”に搭載されている温室効果ガス観測センサー“TANSO-FTS”の、
熱赤外バンドによる観測。
JAXAの発表によると、観測は再開されていて、これで、全バンドでの観測に復帰したそうです。
原因は宇宙放射線
“いぶき”は今年の8月2日正午ごろ、
温室効果ガス観測センサーの熱赤外バンド(バンド4)用検出器を、
マイナス200度に冷却するための冷凍機が止まってしまったため、
熱赤外線バンドによる観測が中断されていました。
調査の結果、冷凍機の停止は、
宇宙放射線などのによる一時的な誤動作の可能性が高いと判断。
9月14日に冷凍機の再立ち上げが行われ、
結果、熱赤外バンド用検出器が所定の温度まで冷却されたので、
停止していた熱赤外線バンドの観測(全運転モード)を、
9月16日の12時(日本時間)から再開したそうです。
観測機器から発生する熱への対応
宇宙から赤外線を観測する場合、
観測機器そのものの熱から発生する赤外線によって、
観測に影響が出ないようにする必要があります。
なので機器から熱を出さないようにするため、
機器自身を冷やさないといけないんですねー
機器を冷やすのに使われる冷凍機として、
“いぶき”には、単段パルス管冷凍機と呼ばれるものが搭載され、
冷却には液体窒素が使われています。
この冷凍機はアメリカのノースロップ・グラマン社が製造し、
同型のものが“ひまわり6号”やNASAの地球観測衛星“OCO-2”などにも、
搭載されています。
観測の目的
“TANSO-FTS”は、
短波長赤外域(1.6と2.0マイクロミリ)と熱赤外域(14.3マイクロミリ)に存在する、
二酸化炭素などの温室効果ガスの吸収スペクトルを、
フーリエ干渉計と呼ばれる分光器の一種で測定し、
そのガス濃度を決定することができます。
なお、熱赤外バンドによる観測が中断していた間も、
短波長赤外バンド(バンド1~3)の検出器は正常だったので、
二酸化炭素・メタンの観測は継続して行われていました。
“いぶき”は温室効果をもたらすと言われている、
二酸化炭素やメタンなど温室効果ガスの濃度分布を宇宙から観測。
気候変動の予測精度の向上や、
環境問題の対応に貢献することを目的としているんですねー
2009年1月23日に“H-IIA”ロケット15号機で打ち上げられ、
高度約667キロ、軌道傾斜角約98度の太陽同期準周回軌道から観測を続けています。
2014年1月には、当初計画されていた5年間の定常運用期間を完了。
でも衛星の状態が良好だったので、そのまま運用が継続されていました。
ただ2014年5月には、
2翼ある太陽電池パドルのうち、片側のパドルの回転機構が停止。
5年の設計寿命を超えているので故障も仕方ないですね。
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