藻blog.

水曜どうでしょうとお買い物の依存症。

動く相部屋

2013年06月25日 | 旅行と水どうロケ地巡り
6月23日の午前中に三重で行われる祭りがどうしても見てみたかったのです。

本来なら前日の22日に名古屋か三重辺りで1泊してから祭りに行きたいのですが
このブログを見てれば分かるように、最近は暇さえあれば旅に出てしまっていて
本当にお金が無くなってきてしまってて、金銭的な問題で行くのを悩んでいました。

そして、ウジウジと悩んでいるうちに気がつけばすでに22日の午後。
新幹線を使ったとしても祭りに間に合う事が時間的に難しくなってしまい
ふと、今まで禁断の方法として選んだ事の無い交通手段を検索してみたところ
まるで自分の予約を待っていたかのごとく席が1つだけ残っているのを発見。

『深夜バス(東京駅 22:50→伊勢市駅 8:30)』

水曜どうでしょうファンにとっては最も恐ろしいけど最も崇高な乗り物です。

水曜どうでしょうで大泉さん達が苦しみ続けたからこそ
いつかは自分もやられてみたいという気持ちがあったのは確かですが
大泉さんやミスターの見事なやられっぷりを幾度となく見ているだけに
例え今回深夜バスで現地へ行ったとしても
自分がやられすぎて本来の目的を達成する事が出来ないんじゃないかと
不安が頭をよぎるのは当然の事です。

しかしながら、この方法であれば移動+宿代と考えてもかなり安いですし
翌朝までに三重に到着することが唯一可能な方法でもあり
やはりいつかは乗り越えなければいけないと思うどうでしょうファン心理もあって
心の準備が整う前に震える手で深夜バスの予約ボタンをクリック。

予約が確定してしまったらもう躊躇している場合でもなくなったので
急いで三重行きの準備を開始し必要最小限の荷物だけまとめて
深夜バスの出る東京駅に行くために地元から出てる高速バスに飛び乗りました。



高速バスは地元を19:00出発で東京駅には21:30頃に到着予定です。
こんな夜に東京に到着する高速バスに乗るのも初めてです。
近くに座ったおばちゃんは「夜の10時くらいには帰るから」と電話してます。
実にうらやましい限りです。
「僕は明日の朝の8時半までずっとバスの中ですよ」と教えてあげたいです。

いつもなら高速バスに乗ってしばらくしたら寝て東京まで行くのですが
今回はここで寝てしまったら深夜バスに不戦敗しそうなので
音楽を聴きながら必死に起きた状態を維持しつつ東京に向かいます。



夜で道が空いていたために30分も早く東京駅に到着しました。
本来ならこの30分もの早い到着は嬉しい誤算となるのですが
今回ばかりは普通に到着しても深夜バスの出発まで1時間以上余っていたのに
早く到着したせいで2時間近くやる事もなく東京駅で待つはめになりました。

深夜バス初心者なのでこの2時間の待ち時間で食事を取ってしまう事が正しいのか分からず
結果的に自分の出した安全策としては出発の時間までグルグルと東京駅内を歩きまわって
できるだけ疲れておく事しか出来ませんでした。

そんなヒマすぎる2時間を過ごして出発の10分前になったので
指定されたバス乗り場に行くと巨大なフロントガラスのヤツは待ち構えてました。



俺の深夜バス初陣の相手です。(右側のバス)
臨時便だったので、どうでしょうみたいに○○号といった名前が無かったのが残念です。

いよいよ嬉しさと怖さが入り混じった何とも言えない感情を抱きつつ出陣(乗車)。



入るや否や『外の景色なんか楽しむな!だまって三重まで寝てろ』と言わんばかりに
車内のカーテンは全部閉められており、なかなかのボディーブローです。
しかしそんな中、深夜バス上級者でしょうか?
ハンドタオルを顔に乗せてガンジーのように寝の状態に入っているオッサンも居たりして
それぞれがそれぞれのスタイルでこれからの9時間半にどう対峙するか
孤独な戦いがすでに始まっています。

そんな中、僕はと言えば、今までどうでしょうの画面を通してしか知らなかった
独特の熱気というか密閉空間での人の密度の高さからくるムンッとした蒸し暑さを実際に感じ
ポロシャツやジーパンの中の予想以上の不快感に早くもやられ気味です。完全に装備を間違えました。
やはり深夜バス芸人の大泉さんのように勝負服で来る事は重要ですよ。



とはいえ、そんな不快指数の高い空気感も含めて
「そうかぁ~、これが深夜バスかぁ~」と感無量な気分になってしまうのは
水曜どうでしょう好きなら仕方ないところでしょう。

そんなこんなをしているうちに出発の22時50分になり
いよいよ長い9時間半の旅がスタートです。

でもまぁ、まだ夜の11時台なので特に眠くなる事もなく
iPodを聞きながらボーっとしているうちに次の乗客が乗る横浜駅に到着。
横浜で最後の乗客達を乗せた深夜バスは発車後すぐに車内が完全に消灯。
こんなに無慈悲に突然電気を消されるとは思っていなかったので軽くパニックになりました。

そして、ここからが本当の深夜バスとの戦いです。

必死に寝てやる!と目をつぶったのですが
横浜から乗ってきた隣の席のヤツがスマホでメールを書いていて
漏れてきた明かりが超ウザい。
一応気を使っているのかブランケットの中でメールをしているんだけど
ブランケットが薄いから全然光を遮断出来てないどころか
全体的にボワッと光っちゃってたりして余計に安眠妨害されまくりでした。
敵はバスだけじゃないよ!

で、メールも打ち終わったらしくようやく暗くなって
ウトウト~っと眠りに入ったと思ったら
今度は車内の照明が乱暴にビカビカッと歯医者の治療ランプのように顔を照らし
「休憩地点の海老名SAにつきました~」と強制的に起こされる。

これが深夜バスの洗礼かぁー
中途半端に寝て余計に疲れた体を気力で動かし
意味もなくトイレに行ったりペットボトルの水を買ったりしてまた車内に戻る。
タオルを顔に乗せていた上級者はこの間微動だにせず熟睡状態。さすがだ。

さすがに疲れもあって再び走り出したバスに乗ると
今度は割と早く眠りにつくことができた。

だが、しかし気持ちよく寝ていたらまたビカビカッと車内照明が点けられて
「休憩地点の※△●〆☆ (よく聞こえない) に到着しました」と叩き起こされた。

「オイオイ、何処だよここは」

まだ6割眠ったままの身体を酷使してスマホのGPSで現在地を確認すると
掛川サービスエリアで休憩のようである。



すでに時間は夜中の3時。
寝に入ったかと思ったら2時間で起こされるというこのシステム。
これは何かの罰ゲームか何かか?俺が何か悪い事でもしたか?
さすがに掛川サービスエリアでは疲れすぎてて席から立つ事も出来ず
ブランケットを顔までかけなおしてわずかばかりの抵抗を示すので精一杯だった。

そして再びバスは出発。
出発時のアナウンスでは休憩は2回との事だったので
もうこのまま伊勢まで寝ていればいいやと思っていたのだが
朝方になってまた乱暴に車内照明が点灯。
「名古屋に到着です。お降りの方は・・・」
三重まで直通かと思っていたけど名古屋からは細かく乗客を降ろしていくようだ。
うわぁーもう勘弁してくれ。

名古屋を過ぎたら桑名やら四日市やら寝る間も与えてくれない間隔で
車内照明が点いたり消えたりを繰り返し
僕の精神状態は疲労感や睡眠を超えた先の「無」の境地に近づいていた。

だがしかし、そんな「無」の状態すら許されないのが深夜バス。
最後の強敵はハンドタオルを被って早々に寝に入っていたオッサンだった。

深い眠りから目覚めたオッサンは誰一人触れる事の無かった禁断のカーテンをバッと開け
窓の外から入ってくる日光を上半身全体で受け止め
身体を睡眠モードから活動モードへと切り替える作業を開始。

オッサン一人が勝手にやるならいいけど
その日光の余波がちょうど俺の席にビシッと直接差し込んできて
身体は睡眠を欲しているのに、もうまぶしくて寝るに寝られない。

ミスターが語気を荒げて言っていた
「深夜バスってのはね、動く相部屋なんだから!!」という意味が今ならすごく分かります。



そんな長く厳しい9時間半の旅も伊勢市駅に到着して終了です。

深夜バスについてはどうでしょうである程度の事は分かったつもりでしたが
実際やってみると数々の準備不足や経験不足により完敗でしたよ。

だがしかし、どうでしょう藩士としては
どこかでこの「やられっぷり」を期待していた部分もあったので
バスから降りるとき、体調が最悪な自分がなぜか嬉しくなってしまいましたよ。

今回の深夜バスの旅は水曜どうでしょう的な醍醐味を身体全体で味わう事が出来て
旅としては負けたものの気持ち的には『負けて悔いなし!』でした。


三重到着してからの話はまた次回に。
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