宮代町の夏を代表する祭礼行事のひとつとして江戸時代から伝わる、町指定無形民俗文化財の「東粂原の獅子舞」が17日、舞奉納された。
この獅子舞は、江戸時代、利根川が氾濫したりして不作となり、疫病が蔓延したことから、その原因は当時行なわれてた新田開発によって土地の神々が怒ったためと考え、この怒りを鎮めるため奉納したことが始まりとされている。
従前は、毎年7 月16 日に行なわれていたが、近年ではこの日に近い日曜日に祭礼が行なわれ、舞が奉納されている。
今年は、17日に行なわれたもので、午前中、近在の氏子らが参集して、祭礼を行なった。
午後からは、獅子舞の奉納が行なわれ、近在の人たちが参拝に訪れた。
国会の模様が混沌としている折、国会議員も駆けつける場面も・・・。
埼玉県は県内200箇所程度で獅子舞が伝承されているといわれており、宮代町周辺市町でも数多く舞われている。
宮代町では御獅子様として、厄病退散を祈願して門を回る行事を行なっている地域は数箇所残っているが、本格的な舞を奉納するのは「東粂原の獅子舞」だけ。
こうしたことから、同獅子舞は宮代町の指定無形民俗文化財となっている。
獅子舞は、「神社の周りを一周する村回り」「村回りから帰って神社の鳥居の前で「門がかり」」「鷲宮神社の社殿前での舞」の3部構成となっているが、近年では簡素化され、「門ががり」から舞われている。
獅子舞の奉納の演目は、「梵天」・「綱」・「花」・「悌子」・「弓」・「平庭」・「隠し」があるが、現在は例年この中のいくつかの演目を上演している。
舞は「御囃子」と「三匹の獅子」、一緒に踊りながら獅子の舞を手助けしたりする「ひょっとこ」からなり、これに、御祓いをしながら獅子舞の一行を先導する天狗で構成されている。
こうした伝統行事はどう後世に伝えていくかが課題となっているが、17日の舞では若い演者の姿も見られるなど伝統を受け継いでいこうという姿勢も見られた。
17日の宮代町地域は36.9度(久喜アメダス)と今年最高の暑さとなった。
そうした中で、獅子頭をかぶり、舞を舞うと汗びっしょり。
訪れた人も力強い舞に拍手を送っていた。
なお、参拝に訪れた人には、万灯(まんどう)に飾られた花が授けられた。これは魔除けで、玄関先につるすと無病息災の御利益があるといわれている。