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鷲宮催馬楽神楽が舞われる 埼玉県久喜市・鷲宮神社で年越祭

2012年02月14日 20時47分14秒 | 宮代ニュース

関東平野に春の訪れを告げる埼玉県久喜市・鷲宮神社の年越祭が14日、同神社で行なわれ、国指定重要無形民族文化財の「鷲宮催馬楽神楽」が奉納された。

鷲宮神社の「年越祭」は「鷲のとしこし」とも呼ばれ、通常の節分から立春にあたる行事。

関係者によると「他の節分の総まとめ『トリ』の節分という形で行なわれる旧正月行事で、毎年2月14日に行なわれる。鷲宮神社の格式の高さをうかがい知ることができる祭事」とのこと。

このため本殿脇では「福は内、福は内、鬼は外」の声とともに、厄除の豆がまかれ、福豆が授与され

多くの人が参拝に訪れた。

この日は、鷲宮神社に伝わる、国指定重要無形民族文化財「鷲宮催馬楽神楽」が奉納され、参拝者やカメラマンなどが神楽殿を囲んだ。

鷲宮催馬楽神楽は「関東神楽の源流」といわれ、始まりは明らかではないが、、『吾妻鏡』の建長3年(1251)に、鷲宮神社の神前で神楽を行ったところ見事な神のおつげが現われ、祈願が成就したとの記載がある。ただ、この神楽が現在の神楽に繋がるものかどうかは不明。

江戸時代の享保年間以前は、三六座の曲目があったが、享保年間に現在の十二座に再編成されたと伝えられている。

曲目の大半は、古事記や日本書紀の神話を題材とした一種の舞踊劇で、里神楽の源流といわれるが、里神楽のような演劇性は少ないともされている。

通しで舞われることはまれで、毎年、元旦・2月14日・4月10日・7月31日・10月10日・12月初酉の日の神社本殿の正面の神楽殿での奉納や4月15日の久喜市・八甫の鷲宮神社での舞いでも、その時々の状況に合わせて、数座が舞われている。

鷲宮神社神楽殿は、本殿と対面する形で設置されており、舞いの型も、「四方固めとか三度(三歩ずつ歩く)などといった宗教味の濃い動作が含まれており、古い祭りの儀式や作法をしのばせる格式を持っている」とされる。

3.11の東日本大震災の発生を受けて地域コミュニティが絆を結ぶキーのイベントとして里神楽等地域の祭りを見直す動きが強まっている。

ただ、こうした行事は、伝承者の高齢化が進み、後継者の育成ができていない面が強い。

こうした中で「鷲宮催馬楽神楽」は比較的若い後継者が育っており「他の神楽保存会に比べると鷲宮催馬楽神楽はその面での育成は進んでいる」(保存会関係者)とされる。

地元中学校の伝承教育に続いて、行政の講座展開、更には一昨年からは保存会による「伝承教室」が毎月2回土曜日(2012年2月は4日と18日)の夜7時から2時間小学生以上を対象に開催され、神楽に親しんでいる。

14日はこうした教室等で神楽に興味を持った子供たちが「端神楽(はかぐら)」や「第八座 祓除清浄杓大麻之段(ばつじょうしょうじょうおおぬさのまい)」の巫女舞いを披露。

舞いが終わると、この日で巫女舞いを卒業する少女に感謝状が贈られるイベントもあった。

こうした後継者を育てる努力が「鷲宮催馬楽神楽」を支えている。

なお、次回の鷲宮催馬楽神楽の舞いは4月10日の「春季崇敬者大祭(稲の豊作を祈願して、崇敬者の家内安全を祈る祭典)」で奉納されるが、2月26日(日)14:30から久喜総合文化会館小ホールで「久喜伝統芸能の愉しみ 神々を感じる・鷲宮催馬楽神楽」として舞台公演される(詳細はこちら)。

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