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全議案を原案通り可決し閉会 宮代町議会12月定例会

2010年12月07日 11時39分59秒 | 宮代ニュース

宮代町議会12月定例会は7日、町上程の21議案、議員提案1議案、意見書案2件をいずれも全会一致及び賛成多数で可決し、閉会した。

人事院勧告に基づく町職員等の給与やボーナスを減額する4議案については、開会日当日の11月25日に議決していたが、12月6、7日は残りの議案について審議を行い採決の結果、全議案が可決となったもの。

主な議案は、町立保育園にインフルエンザ対策用空気清浄機の導入や監視カメラの設置などを中心とした一般会計予算の補正や4件の指定管理者の継続指定など。

4件の指定管理者の実質継続指定については多くの議員から質問があり、特に新しい村については多くの質問があった。

各議案の採決結果は次のとおり(カッコ内の数字は反対議員数。なお、採決議員は議長を除く13議員)

議案第72号 宮代町行政手続等における情報通信の技術の利用に関する条例(0)
議案第73号 宮代町税条例の一部を改正する条例(2)
議案第74号 宮代町職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例(2)
議案第75号 宮代町議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例(1)
議案第76号 町長及び副町長の給与等に関する条例の一部を改正する条例(1)
議案第77号 教育委員会教育長の給与等に関する条例の一部を改正する条例(1)
議案第78号 宮代町ひとり親家庭等の医療費の支給に関する条例の一部を改正する条例(0)
議案第79号 宮代町課設置条例の一部を改正する条例(0)
議案第80号 第3次宮代町総合計画基本構想の一部改定(0)
議案第81号 埼玉県市町村総合事務組合の規約変更(0)
議案第82号 (宮代町福祉交流センター陽だまりサロンの)指定管理者の指定(0)
議案第83号 (宮代町福祉作業所ひまわりの家及びすだちの家の)指定管理者の指定(0)
議案第84号 (公設宮代福祉医療センターの)指定管理者の指定(0)
議案第85号 (新しい村の)指定管理者の指定(0)
議案第86号 平成22年度宮代町一般会計補正予算(第2号)(2)
議案第87号 平成22年度宮代町国民健康保険特別会計補正予算(第3号)(2)
議案第88号 平成22年度宮代町介護保険特別会計補正予算(第2号)(2)
議案第89号 平成22年度宮代町後期高齢者医療特別会計補正予算(第2号)(2)
議案第90号 平成22年度宮代町公共下水道事業特別会計補正予算(第2号)(2)
議案第91号 平成22年度宮代町農業集落排水事業特別会計補正予算(第2号)(2)
議案第92号 平成22年度宮代町水道事業会計補正予算(第2号)(2)

議員議案 宮代町議会委員会条例の一部を改正する条例(0)

意見書(案) 環太平洋戦略経済協定(TPP)交渉への参加に慎重な対応を求める意見書(0)
         尖閣諸島海域での中国漁船衝突事件における日本政府の対応に関する意見書(4)

 

【議会を傍聴して】

「議会は変わらなければ、存在意義が疑問視される」「執行部提案の追認機関であってはならない」との姿勢が出てき始めているように感じた。

しかし、その思いをどう議会という場で示し、結果に結び付けていくのか、その面では糸口を見出しかねているようで、結果として、単なるパフォーマンスに終わり、傍聴席や執行側にその思いが届いていないのではと思われる。

一般質問の中で「質問すればするだけむなしくなる」とつぶやく議員もいた。町民の要望を御用聞きして執行側に届ける、そんな、議員活動及び一般質問だったら楽だった。そして、その方が自分の議員としての力量を誇示できたり、町民から頼りにされる。

だが、右肩上がりの時代ならイザ知らず、自立に向けてどう町づくりをしていくかという時代に、その手法はだんだん通用しなくなるだろう。執行側に金が無い以上、要求ばかりの質問はだんだん出来なくなる。知恵が求められ、知恵を提案していかなければならない。つまり、施策の見直しを行い、職員及び町民に血を流してもらわなければならない提案など、嫌われ役も引き受けなければならない場面も出てくる。

議員という人気商売にとって、嫌われ役は引き受けてはならない役である。でも、自立する町づくりという将来を考えると、今は嫌われても必ず町の役に立つ。その想いが強い議員ほど、嫌われ発言が多くなり、自分の人気商売としての立場とのハザマに悩む。

悪いことに、今のところは、その考え方は孤立しがちである。議員全体の意識変革が進んでいないため、嫌われ提案は賛同を得にくい。現実に、一般質問を見ても、相変わらず御用聞きした質問が多い。それはそれで、円滑な町政という意味では一つの仕事ではあるのだろうが・・・・、町の将来に視点を定めての提案型質問はほとんど無い。

閑話休題

今12月定例議会を傍聴していて感じたことは、指定管理者制度についてである。

指定管理者制度に先駆的に取り組んだ宮代町では、1期の5年が終わって、次の5年という2期目の指定が多くなった。今議会では、4件が2期目の指定管理承認となった。

2件は応募が1社しかなかったから。2件は事業内容の趣旨から特名でというりゆうで、いずれも無競争で、1期目を引き受けた指定管理者が継続して指定を受けるという結果となった。

その意味するところは、さまざまにあろうが、議会で議論が集中したのは「新しい村」。

議員に、ある種の苛立ちがあるように見られた。「農あるまち」の旗印として開設した新しい村。しかし、頑張ってはいるが、これで良いのだろうかという意識が議員の中にあるようである。

その一つの原因は、議員の新しい村に対する思いがそれぞれ違うのも一因のようである。それは、東洋大学のPPP研究センターの報告書にもあるように「「農のあるまちづくり」というものが一般的でなく、内容がわかりにくく、特色がつかめない」という評価にも表れている。

「農あるまちづくり」のシンボルとしての「新しい村」は、宮代の農の政策集団(宮代町役場との関係は)なのか、実行部隊(農家との関係は)なのか、あるいはその両方を併せ持つ(中途半端になりやすい)のか一般には理解できない。

だから、ある議員は、新しい村の企業としての自立(指定管理料の減額あるいは利益配分)を求め、ある議員は宮代の農の支援と振興(遊休農地の徹底した解消や農業後継者の育成事業、農産物販売制度の見直しなど)を求める。

そうした中で、新しい村は、あるときは企業の顔をみせ、あるときは指定管理者としての顔をみせ、あるときは宮代農業をリードする顔をみせる。それぞれの顔を使い分けながら、事業を展開する。

結果として東洋大学の報告書が指摘するように「宮代町は、耕地面積、農業出荷額とも杉戸町、白岡町のほぼ3分の2から半分と少ない。第一次産業従事者はゼロであり、宮代町が標榜する『農ある町』のイメージと現実のギャップがあることは否めない」という状況である。

事実、私の近くでも今年2つの葡萄畑(巨峰は宮代町の特産物)が姿を消した。

そうしたことへの苛立ちが議員の質問となったのであろうが、採決では全員賛成で指定管理者の継続指定が決まった。

指定管理制度の1期目が終わって、結果として事業はそのまま継続されることになった。時代の進展ににそった新しい施策なり業務の改変は行われていない。つまり、指定管理者に業務を丸投げした結果、クレームなり、アイデアなり、新たな施策を検討する動機付けにつながる情報が直接得られず、行政側の思考が停止してしまっているように感じた。指定管理者制度がもうすでに制度疲労を起こしていないか、徹底的に分析する必要があるように感じた。