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mitakeつれづれなる抄

普段いろいろ見聞き感じ考え、そして出かけた先で気になることを書き綴ったブログです。

日本の人口減少へ・2015国勢調査人口速報値

2016年02月27日 | 地理・地名
 昨年の国勢調査人口速報値が発表され、日本国全体で調査開始以降初の人口減となったと報道各社が伝えました。
日経web版記事:人口、初のマイナス 15年国勢調査 5年で0.7%減

 先日、一宮市の人口が愛知県で四位になったというのは、一般に広く公表する前に、自治体に速報値を通知したもので、昨日の公表は、一般に広く公表したものです。
総務省統計局の平成27年国勢調査:概要 人口速報集計(pdf)

 日本の人口が1920年(大正9年)の第一回調査から初めて減少に転じました。
 2015年10月1日現在の外国人を含む総人口は1億2711万0047人で、2010年の前回調査より94万7305人減少。
 これは、出生よりも亡くなる数が多い自然減だそうです。
 都市圏では大阪府など関西圏は滋賀県の他は全て減少、東海地域で愛知県は約741万1千人から7万3千人増の748万4千人に増えたもの、静岡・岐阜・三重県はいずれも減少。
 首都圏では、東京都が1315万9千人から35万4千人増えて1351万4千人に増加。他、埼玉・千葉・神奈川県で増加。
 全体の人口が減っているのに首都圏の人口が増えているのは、かつての高度成長期のような過密と過疎を作り出すような現象です。

 ただ、都市部の過密を作り出す要素は無く、地方の過疎、過疎を越えて限界集落の増加などにつながります。

 こうした人口問題は、社会的事象ですが、地理ヲタとして国勢調査人口は気になるもので、弊ブログでは、地理・地名カテゴリに入れました。

一宮市の人口が県内四位に・2015国勢調査速報値

2016年02月19日 | 地理・地名
 昨年の国勢調査人口速報値が発表され、一宮市は愛知県内で三位を岡崎市に譲り、四位になったとのことです。
2月18日付、中日新聞記事からです。


 人口が何位なのかは、まぁその時の状況でよく変わるものですし、順位が上だからどうってことは無いのですが、愛知県内の市で人口の順位は、岡崎市・豊橋市とは順位が近接し、何度か入れ替わってきました。
一宮市の人口は、379,945人で前回調査より1388人増えたものの、岡崎市は372,357人から38,1662人と9305人の増です。
岡崎市の人口増は住宅地造成による転入増だと思いますが、一宮市の人口増鈍化は、マンション建設が一区切りついたからでしょうか。
ひところは市中心部、それも一宮駅に近いところで、マンション建設ラッシュでした。
JR東海の快速が名古屋駅へ10分で行けることから、名古屋市で名古屋駅地区の台頭でオフィス需要が高まり、地価等が高く人気な東山線沿線よりは、快速で10分で到達できる中堅都市でオフィスに通う住居としてマンション建設が進みました。

 その他、気になるところとして、神戸市の順位が国内政令指定都市で5位から福岡市と入れ替わり6位になったとのことです。神戸市の人口は、震災(阪神淡路大震災)の時は別にして、初めて人口減に転じました。
神戸新聞記事:神戸市人口6位に転落 福岡市に抜かれ

 神戸市人口は6340人減の1,537,860人に対し、福岡市は74767人増の153,8510人。
 神戸市人口が減っているのは事前に分かっていましたが、それが国勢調査人口でも表れた形です。
 福岡市は都市の成長期なのか、転入増で増加していますが、神戸市は成熟期にあり、転出減もあり、人口減に転じたようです。

 国勢調査人口速報値が公表されたということで、あれこれ気になるところの人口を見てみることにしよう。

国土地理院の地図で外国人向け地図記号が少し変わる

2016年01月14日 | 地理・地名
 Yahooのトピックにあったニュースからです。国土地理院は、一部の地図記号に良からぬものを連想させたり分かり難いものがあることから、それらを変更するとのことです。
記事:「「卍」はナチス想起させるので「三重の塔」に 外国人向け地図記号、国土地理院が作成へ

 国土地理院が作成する外国人向け地図は、一般刊行物としては直ぐには思いつかないのですが、特別誂えとして作っているのでしょう。

 「卍」はお寺(寺院)の記号として日本国内では広く普及、そして常識化しています。しかしこれはナチスを思い起こさせるものとして、その方面の人には大変に忌み嫌われます。
そうしたものの幾つかの記号を変える、ということだそうです。お寺は「三重の塔」。決して「みえのとう」ではありません。「さんじゅうのとう」です。
 大きなお寺によくある仏塔ですね。

 記事にある郵便局マークの「〒」は日本では分かるものの、外国人には分からないことから「封筒」をイメージするマーク。この郵便局記号が封筒をイメージする地図記号の国はよくあります。
 地図の読み物としての書物で、「地図記号はところ変われば形も変わる」などといった章で、各国の地図記号を紹介したものがあり、そこで郵便局に封筒をイメージする図形の記号が多いことを知りました。

 「卍」も「〒」もパソコンで出せます。特に「卍」は漢字で、「まんじ」と読み、その通りに入れれば変換できます。
 〒は「ゆうびん」と入れると変換できますが、こちらは漢字ではありません。
 あくまで旧逓信省が定めた逓信マーク。逓信省の「テ」の字が元。なので、日本国内でしか通用しません。

 この地図記号は、外国語版地図で、ということですが、日本語の地図にも影響しやしないかと思います。
 卍も〒も日本人には広く普及していますが、外国人には全く分かりません。
 何でもかんでも「国際化」と称して、地図記号も国際化で、日本語の地図も記号の変更が及ぶのを懸念しています。
 三重の塔があるようなお寺はそう多くなく、普通の家々のに囲まれた中にあるお寺に「三重の塔」記号があると、それはそれでとても不自然です。

 ちなみに、三重の塔ぐらいの高さでは微妙ですが、五重の塔になると、地図記号として「高塔」の記号で表記されます。

大阪W選挙22日投票

2015年11月07日 | 地理・地名
 この名古屋近辺では、あまり話題になっていませんが、今月22日に大阪府知事と大阪市長選挙があります。いずれも任期満了によるもので、ここへきて争点に大阪都構想が出てきました。
 産経west記事からです:「ポスト橋下」は誰に? 市長選あす告示 府知事選と同様に「維新vs非維新」が軸

 大阪府民でもないし、大阪市民でもありませんが、地理ヲタとして大阪都構想は気になり、5月の大阪市住民投票前後は何度かブログに書きました。
 結果は、僅差で否決され、大阪都構想(正しくは大阪市を廃し、特別区を設置する)は消えました。
 これで、大阪都構想は無くなったかと思いきや、ここへきて再度大阪都構想が浮上しているとのことです。

 維新の戦略かもしれませんが、大阪都構想に反対する勢力が対案(それとも代案)として示された大阪戦略調性会議が空転もいいところで、さっぱり進展せず、な状態。
 大阪市長のH氏によれば「大阪ぽんこつ会議」。故に大阪維新として、そんな進展もしない大阪会議よりは「改めて大阪都構想」なのだそうです。

 時々(関西の)ラジオでも話題になりますが、一度否決したものを再度蒸し返すのはどうなのか、とか、やっぱり府市がバラバラで為政を行うのは良くないので、もう一度都構想にチャレンジしたい、とかいろんな意見があります。

 私は5月の投票前に書いたとおり、大阪府と大阪市が二重に存在し、重複した行政をやっているのは無駄で、東京都のような強力な行政機関があってもいい、と大阪都構想には賛成でしたし、今でもできることならば、と思っております。
 しかしながら、維新、さらにH氏は全く賛同できません。H氏に賛同できないのは、あの方、府知事をやる前、タレントとしてテレビに出てた時、能楽は進展が無いので、頭のおかしなものだ、などと言ったらしいです。
 直接聞いたわけではなく、伝聞でしたが、品格を欠く発言だと思い、以来、幾分忌避しております。
 しかし演説などで言っていることはスジが通っており、もし私が大阪市での投票権があれな維新に入れてたかもしれません。
 こういうのが、積極的な意志は無いものの消極的な支持になってしまうのでしょうね。

 大阪に都制度を置く。日本の副首都のように。
 なかなか結構なことですね。都制度は東京だけで、天皇が住まいするから都だという意見がありますが、「都」を調べてみますと、メトロポリタン、つまり大都市の意味もあるそうで、大阪のような機能の都市は、基礎自治体の市とその上部の都道府県という関係でなく、府が直接統治をおこない、細かいところ、住民の部分で特別区が行政とするものが、宜しいのかな、と思います。

小字とマイナンバー

2015年09月16日 | 地理・地名
 ニュースでは、国会で安保法案阻止で混乱のようですね。
 このところ、小字ネタで書いていますが、最近のニュースで国民から異論が多いマイナンバーと絡めて。

 小字は日本における最小単位の地番表記に相当します。
 そもそも地名とはなんぞや?ですが、漢字の通り、土地の名前です。
 自然に基づく名前や、過去の災害から危険性を伝えるために伝えられた名前など。
 また一本松など、目標物となるための名前など。
 いずれも人の暮らしで自然に付けられた名称で、自然名称と言われます。

 小字はそれを公称としたもので、公とされたのは、明治維新後のことで、地租改正で、土地の耕作地に課税するために、場所を特定するために正式に定めるために、旧来の地名を字(あざ)として定めたのが始まりです。
 字とは太閤検地以降に、土地を管理する帳簿の名前となり、それが明治維新後の地租改正でも旧来の習慣を引き継ぐ意味で「字(あざ)」の名が用いられました。

 これを土地の場所を表すのに番号も加えて、地番としました。
 なので、地番はあくまで、土地(耕作地)の場所を特定するものでしたが、それを住所表示にも準用したのが、小字が住所表示となったものです。

 地籍図というものがあります。法務局へ行くと「公図」とも呼ばれているものですが、国土地理院の国土基本図が刊行される以前は、最小の地図でした。土地の区画を図に示したもので、どこの土地が誰某のものかが分かる物。これを「字切図(字限図・あざぎりず)」とも呼んでいます。
 字切とは読んで字の通り、字(あざ)すなわち土地の区画を示したもので、地租改正の際に急遽作られたもので、距離関係などが曖昧な部分もあり、これが後年、土地の所有権や境界論争の基となっている要因です。

 地租改正の頃(1年前の1872年明治5年)大区小区制というものが導入されました。大区小区とは、江戸時代からの村があり、各村には名主がいる制度を改め、全て番号で示す方式です。
 府県の下には、大区を設け、その下に小区を設けるもの。大区・小区は番号数字で表し、例えば我が一宮市の旧中島郡一宮村は、第5大区第13小区と称していました。第5大区は中島郡に相当します。
 この小区に戸長を設け、人民の統制を図るもの。
 人民の統制で、ピンときました。字(後の小字)は課税を目的とした人民の管理統制に用いられたもので、今、話題のマイナンバーに共通のものを感じます。

 大区小区の制度は、旧来の習慣や人・物の流動を無視したもので、全く受け入れられず、1876年、僅か4年で廃止され、江戸時代からの村が復活しました。
 そして地方自治の始まりである市制町村制施行で、それらの村々が集まり一つの大きな町村が出来た際に、それまでの村単位が「大字」と呼び、旧来の字設定の区画を「小字」と呼び区別したものです。

 ちなみに、市制・町村制はそれぞれ法律です。今でも町や村が市に昇格すると、「市制を布いた」と表現しますが、この市制とは、法律の市制をの前を引き継いでいるものです。