goo blog サービス終了のお知らせ 

mitakeつれづれなる抄

普段いろいろ見聞き感じ考え、そして出かけた先で気になることを書き綴ったブログです。

嵐山の景観が変わるかも・桂川嵐山検討委が整備目標

2012年07月25日 | 京都

 京都新聞web版7月23日付記事からです。過去洪水被害を出した京都市西部を流れる桂川の整備の在り方について、国土交通省の近畿地方整備局淀川河川事務所は23日、京都府、京都市などとともに検討する「桂川嵐山地区河川整備検討委員会」を設置したとのことです。

 最近では各地で洪水被害があった2004年(平成16年)台風23号規模の洪水に対応できる流下能力の確保とする方針で、一帯の景観や観光に配慮した改修工事を検討していくとのこと。
記事→http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20120723000135

 淀川水系の桂川は、他の水系に属する宇治川と木津川の三川中、最も低いとのことです。過去50年間で計画高水位を超えた水害は11回あり、5年に一度の割で堤防決壊の危機があるとのこと。そこで「桂川は緊急的な流下能力の確保が必要」として、向う30年間に渡り段階的に河川改修を進めていくとのことです。

 桂川は嵐山付近で毎秒900トンの流下能力で、これを2004年台風23号時での毎秒2300トンに引き上げ、最終的に戦後最大の出水量だった1953年台風13号の際の毎秒2900トンに供えるとの目標。そのために河底の掘削、川幅の拡幅、中洲である中ノ島公園の形状変更などがあり、どのような対策が有効か、そして嵐山という最大の景観地での影響を委員会で検証していくとのことです。

   ◇   ◇   ◇

 そうですか、桂川の河川改修。ここで川の呼び方を整理。国土交通省管理の一級河川名としては、上流の源流から淀川合流まで「桂川」という名称ですが、通常の呼び方としては、

  • 左京区広河原の源流から八木の辺りまで・・・桂川
  • 南丹市八木から亀岡市のどこかまで・・・大井川(大堰川)
  • 亀岡市から渡月橋の上約100mの辺りまで・・・保津川
  • 渡月橋の上約100mから渡月橋まで・・・大堰川
  • 渡月橋から淀川合流まで・・・桂川

です。川の名前が地区地区によって変わるのは珍しくないですが、桂川は呼ばれ方がクルクル変わりますね。

 京都新聞記事にあった2004年(平成16年)台風23号は、広く近畿地方に大きな被害を与えた台風で、舞鶴の近くで川の氾濫で観光バスが水没し、屋根の上で夜が明けるのを待ったという、あの台風の時です。

 その台風23号が去ったその日、実は私、この嵐山地区へ行きました。午前の交通情報では道路が冠水しているらしいとの報もありましたが、とにかく行きました。嵐電嵐山駅がある左岸でしたけど、明らかに水没した後。その復旧作業のところ、とても手が付けられないようすのところと、全国ニュースでは全く伝えられませんでしたが、あの台風では嵐山も大きな被害が、あったんです。

 歴史的に見てもここは山峡から抜け出たところで、水は自由自在に流れ出ようとするところで水害は多く、渡月橋の下流では緩く右にカーブさせる為に、江戸時代に左岸強化の為に罧原堤(ふしはらつつみ)と呼ばれる堤防が築かれました。

 そんな地嵐山は、同時に風光明媚な景勝地。小山のような堤防もなく、渡月橋自体が景観なのですが、それが却って災害には弱い構造。そのためにこの検討委員会が発足したわけですが、今後はどうなるのでしょうか。堤防のかさ上げ、中ノ島も堤防で囲まれると、今の景観が大きく変わる事になります。

 平成16年の台風23号で増水した桂川。これでもかなり水量が下がりました。10月21日撮影。

Dscf0052

 同じく渡月橋上流。ここが大堰川。画面中程の流れの段差が江戸時代の堰で、手前の角倉了以が造った西高瀬川へ水を取り入れています。

Dscf0056

 普段の渡月橋。左端が中ノ島公園。

Img_0020

 このような光景も30年後には変わってしまうのでしょうか。洪水・水害対策とのかね合いもあり、景観保存とはとても言えません。止むを得ないことです。


祇園祭交通規制で歩行者一方通行・可能なのだろうか

2012年07月09日 | 京都

 祇園祭。今年も明日、鉾を組み立て始める「鉾建て」で、明日7月10日から18日まで、交通規制が始まります。

 そして京都新聞2012年7月8日付け記事から。祇園祭の交通規制についての記事で、規制内容は「例年通り」ですが、今年は歩行者に対する面で、雑踏混乱防止のため、一方通行規制を導入することが伝えられています。
記事→http://www.kyoto-np.co.jp/sightseeing/article/20120708000008

 車両に対する規制は、10日から山と鉾が建つ部分の一部若しくは全面通行規制、宵々々山の14日からは夕方から歩行者天国となるための規制。これら車両に対する規制は例年通りですが、雑踏事故を防止するために、今年は室町通と新町通に歩行者の一方通行とするのだそうです。

 一方通行となるのは、

  • 室町通の四条から蛸薬師まで北行一方通行
  • 新町通の蛸薬師から四条を超えて仏光寺まで南行き一方通行

です。そして四条通で長刀鉾の前の歩道にコーンを置き、左側通行を徹底させるとのことです。

***2012年7月13日追記
 10日も過ぎ、日毎に「祇園祭 交通規制」のキーワードで検索される方が増えております。
そこで京都府警ページ、京都市交通局のページをリンクさせます。

 7月17日は夕方に神幸祭で祇園石段下界隈、夜に入り四条寺町の御旅所前後で交通規制が行われます。(例年)

***追記ここまで

 6月には弊ブログで記事「祇園祭の宵山・露店の出店規制へ・京都府警」を書きましたけど、京都府警は雑踏事故に対して今年は警備強化のため、露天商(屋台)の数を減らす方針であり、一方通行となる室町通と新町通には、露店を片側だけに置くのだそうです。

 これら、室町と新町の一方通行は、これまで各町内で自主的な「お願い」として一方通行としていました。また四条通の歩道も小さい文字ですが「左側通行」と書いてあったような記憶です。それを今年は府警の警備とするのですが、ここで一つ疑問です。

 道路交通法では車両に対する一方通行規制の規定はありますが、歩行者に対する一方通行の規定は見た記憶がありません。またそんな標識も無く、規制を行うにあたっての法源はどうなるのでしょうか。やはり府警からの「お願い」なのか、道路交通法に定めのある「現場警察官の指示」なのでしょうか。指示に反したらどうなるとか・・・。

 要するにそれだけ宵山を最高潮に人が多く出るわけで、私は行く気が起きないです。以前は7月13日に出かけていましたが、今年は行けそうにもなく、17日の巡行を久しぶりに見たいところです。唐櫃による大船鉾の約140年ぶりの巡行も見たいですし。


祇園祭・山と鉾の重量

2012年07月05日 | 京都

 7月に入り、祇園祭関連のキーワードで検索からのアクセスが増えています。祇園祭でも八坂神社の行事よりも、普通の感心事はやっぱり山鉾巡行でしょうね。八坂神社では7月17日に神輿が街中へ出て一週間お留まりになる神幸祭があり、祇園さんがお出ましになるのを喜んだ町衆からの協賛行事ともいうべきものが山鉾巡行です。

 youtubeで偶然発見しましたけど、2008年の巡行で、初めて山と鉾の重量を測定したそうで、その模様をKBS京都が撮影した動画がyoutubeにありました。2008年の巡行順で山鉾全て見られます。

 動画を基に各山鉾の重量です。今年の2012年の巡行順に並べました。単位はトン。

  • 長刀鉾  11.10
  • 郭巨山   0.69
  • 霰天神山  0.65
  • 蟷螂山   1.22
  • 函谷鉾  11.39
  • 油天神山  0.55
  • 綾傘鉾   0.36
  • 占出山   0.51
  • 月鉾    11.88
  • 孟宗山   0.54
  • 太子山   0.59
  • 木賊山   0.67
  • 菊水鉾  10.31
  • 伯牙山   0.52
  • 四条傘鉾  0.40
  • 芦刈山   0.64
  • 鶏鉾     9.42
  • 白楽天山  0.71
  • 山伏山   0.60
  • 保昌山   0.67
  • 放下鉾  10.32
  • 岩戸山   8.25
  • 船鉾     8.41
  • 橋弁慶山  0.80
  • 北観音山  9.27
  • 鈴鹿山   0.70
  • 浄妙山   0.78
  • 黒主山   0.67
  • 南観音山  9.54
  • 鯉山     0.81
  • 八幡山   0.75
  • 役行者山  0.84
  • 大船鉾  未測定

 「山鉾」のうち、山には舁山と曳山とがあり、舁山は本来はその名の通り担いで巡行するものでしたが、今は車輪がついています。0.5トンから一番重いもので蟷螂山の1.22トンと、案外軽いものなのですね。蟷螂山が飛びぬけて重いのは、からくりで動くカマキリ(蟷螂)の仕掛けでしょうか。同様に橋弁慶山も動く仕掛けがあり、若干重いのでしょう。

 曳山は岩戸山と南北観音山。鉾とほぼ同じ構造ですが、真木には松が付けられます。その分軽くなるのでしょうか。

 鉾は、いわゆる「鉾」と「傘鉾」とがあります。傘鉾は鉾の原始的な形と考えられているそうです。傘の形をした簡単な構造で、棒振り囃子を囃子ながら巡行します。

 そして鉾。10トンを超えます。鶏鉾が少し軽いですね。そして船鉾が8.41トンと随分軽いのは意外でした。船の形しており、随分重そうな感じですけど、測ってみないと分からないものですね。

 この鉾の重量は、巡行中の御池通で測定されたものだそうです。鉾には搭乗人員がいます。鉾には概ね屋根方が4人、囃子が交代入れて40人、音頭取が2人乗っていますけど、巡行中の計測はこれら搭乗者を乗せたまま計っています。動画にある重量は、この搭乗者込みなのか、後で搭乗者の体重を差し引いたものなのか、その辺りは何処をどう検索しても分かりませんでしたが、動画の中で「鶏鉾、9.42トン」と発表しており、上記測定値と符号していることから、搭乗者込みの重量ですね。


四条通一車線化で祇園祭の鉾建てはどうなるのだろうか

2012年07月03日 | 京都

 今年も祇園祭が始まりました。1日の吉符入りに続き、2日のくじ取り式が行われ、今年の巡行で長刀鉾に続く山壱番は郭巨山(かっきょやま)となりました。

 その長刀鉾。山鉾を持つ町は烏丸通よりに西に建てられますが、長刀鉾と保昌山の二つは烏丸通より東に建てられます。長刀鉾は四条通烏丸東入の長刀鉾町。交通量の多い四条通、四条烏丸交差点東側の東行き車道に建てられます。

 また京都市は四条通の烏丸から川端までの間約1.1kmで、車道を片側1車線にし、その分を歩道拡幅と沿道への荷物積み下ろしスペースにすると発表しています。その時にもふと思った事を、ここで改めて書いてみます。

 長刀鉾。前記の通り四条通に建ちます。鉾建ては7月10日でこの日から鉾が完全に解体される18日まで、第一車線(歩道寄り車線)が通れなくなります。四条通を一車線化すると、この長刀鉾はどうなるのでしょうか。一車線にしたら通れなくなるを理由に鉾建てを止める事は絶対にありません。京都は現在の政策と伝統がぶつかると、伝統の方を優先する不文律があります。

 多分四条烏丸と四条河原町の交差点手前は、右折レーンを設けて計三車線にするのではないかと思いますけど、それでも長刀鉾は四条烏丸交差点の東側で交差点を抜けた後。完全に一車線化対象です。そのあたりどのような構想なのか、一寸気になっています。

 グーグル・ストリートビューから。長刀鉾が建つ位置のビュー。


大きな地図で見る

  路面上に鉾を建てる時に用いる杭を入れる部分が見えます。ここに長刀鉾が建ちます。歩道屋根がここだけ変わっています。また場所がもろ四条烏丸停留所で、7月10日~7月18日の間はここを停車するバスは全て通過扱いになります。

 京都新聞のリンクがまだ残っていました。
http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20120120000154

 

 ところでくじ取り式で、山鉾巡行の順番が決まりました。2年後に復活する鉾の巡行を前に今年から唐櫃の巡行となる大船鉾(おおふねぼこ・大舩鉾・凱旋船鉾)は後祭(あとのまつり)の最終。つまり巡行全体のしんがりです。そして大船鉾の巡行で後祭で順番が少し変わり、前祭の最後に引き続いて橋弁慶山。そして北観音山。山が三基続いて、南観音山。山が三基続いて、大船鉾。

 大船鉾は鉾はまだ巡行しないものの、囃子方は巡行しますので、十分賑やかになりましょう。2年後が楽しみです。


祇園祭の宵山・露店の出店規制へ・京都府警

2012年06月12日 | 京都

 本日の京都新聞web版、及び讀賣online関西発記事からです。夏の京都の大きな行事、祇園祭の宵山において、見物客の安全のために路上に出店する露店の規制に乗り出すことが分ったそうだ。
京都記事→http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20120612000026
讀賣記事→http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20120612000026

 露店商組合への取材で分ったものだそうで、明石市の花火大会事故以来の雑踏警備教化だそうで、祇園祭でこうした出店規制は初めてとのこと。

 宵々々山(7月14日)から宵山(7月16日)までの夕方以降は、御池通~高辻通と東洞院通~西洞院通の間が歩行者天国となり、露店出店の規制となるのは、歩行者天国の出店範囲にある交差点から5m以内の箇所、烏丸通の四条と綾小路の間で全て規制。新町通と室町通では道路片側でのみ出店を認めるという内容。

 この内容に対して露天商組合では当然ながら反発。一方で祇園祭山鉾連合会の理事長の弁では、「これまで事故が無かったのが不思議なくらい。まつりの情緒を楽しんでほしい」と歓迎にも読めるコメントです。

   ◇   ◇   ◇

Img_0107  7月17日の神幸祭に先立つことの山鉾巡行。祇園祭ではこの神幸祭が重要なお祭りで、祇園さん(牛頭天王など)が街にきてくれはるとの喜びを表したのが山鉾巡行で、その前の晩を山と鉾と共に喜び楽しむのが宵山です。

 前日の7月16日の宵山は、とにかく凄まじい混雑で、中心部の四条通や山鉾が集中している新町通・室町通では身動きが出来ないほど。地下鉄や阪急の地下駅出入りにも支障がでています。当然雑踏警備の警察官も警備会社の人も出ておりますが、これまで事故らしい事故は無かったと聞いています。これも祇園さんがお守りいただけているのでしょうか。

 本来、宵山は7月16日だけなのですが、あまりにも込み合うので、前日にも(15日)、さらにその前の日にも(14日)と段々期間が伸びてます。さらに今では13日もプレ宵山とかいう人もいて、四条通は普通に自動車が通りますが、宵山の雰囲気だけは十分楽しめますので、私は7月13日に行く事が殆どですね。

 ここで何度か出た新町通と室町通。狭い道で新聞記事では7mとありますけど、場所によってはもっと狭い所があります。ここに菊水鉾、鶏鉾(以上室町通)、放下鉾・北観音山・南観音山・岩戸山・船鉾(以上新町通)があり、さらに山が幾つかあります。この狭い道に両側から露店出されては本当に通りにくいったらありゃしない。露店の幅が約2mあり、それが両側から、露店の前に買い物客が立つと、通り抜けの幅は限られますね。

 なので、室町通と新町通は、町内会で自主的に一方通行になっています、7月13日に行けなかったときは一応本番とされる7月14日に2度行きましたけど、それでもあの混雑ですからね。正直あの露店の存在には辟易した思いがあります。

 祇園祭を民俗学的に、また文化人類学的に調査したものをまとめた書物によれば、この露店の設置は、町内会はほとんどノータッチだそうで、どこでどんな品物が売られているのか、殆ど把握していないそうです。

 私は思うに、個人的に露店は好きではないなので、この府警の対策は歓迎するところですが、ただ単に規制ではなくどんな宵山を演出するのか、ただ雑踏警備!だけで策を講ずるところは、重要な祭の役割なのに全くビジョンが見えません。