中国西安で奮闘する大学教師Mの日々

日本人教員として中国の陝西省西安市の大学生・大学院生に対し、「日本文化・社会」や「卒業論文」などを教えています。

気持ちはぶつけ合うことで理解出来るか?(in中国)

2012年05月22日 00時36分43秒 | 現代の中国社会
<空いた時間を使って中国語授業の予習、復習も行っています。ですが、こちらはなかなか集中して取り組めていません…>

今夜の三年生日本語コーナーは、いつも以上に盛り上がり、大変楽しかったです。
最近疲れ気味の私でしたが、学生の皆さんのおかげで元気をもらいました。
学生の皆、どうもありがとうございました。

6月の小旅行の日程・行先も決まって、一安心。
後は、楽しい楽しい学期末試験を乗り切って下さい(苦笑)


さて、今日は日頃感じている中国人のコミュニケーションについて少し感じたことを書きたいと思います。
中国の大学に籍を置きつつ、日頃学生達と話しているとよく彼らのコミュニケーションの特徴が理解できます。
そうした中で、中国の学生達のコミュニケーションの一つの大きな特徴と感じているのは、

「徹底して相手に向い合い、自分の意見を相手にぶつけようとする」

姿勢だと思います。
要するに、相手に自分のすべてをぶつけ、そして相手にもそれを望むというコミュニケーションです。
当然、一人一人の相違はあるのですが、日本人と比べるとはるかにこうした姿勢が鮮明です。

逆に、日本人の私などは自分の全てを相手にぶつけるなどは稀で、相手のそうした態度も望んでいません。
むしろ、なるべく相手の様子などを見ながら、そこから相手の意図や本音をくみ取り、理解しようとします。
つまり、言葉や態度で何でも表現することは好まず、様子や雰囲気から理解しあうことを重んじるのです。
日本人が「空気」の変化に敏感なのはこうしたことも関係していると思います。

一方、中国人から見れば、時には言葉や態度が淡白で、「相手に真剣に向かい合っていない」と感じられるかもしれません。
でも、実際は全くそんなことはないのです。

頭の中では様々なことを考えすぎな位、あれこれと考えているのが日本人なのです。
ただ、それを実際の言葉や態度に出すのが苦手なだけなのです。
または、それを積極的に表現することを美徳としない考えもあると思います。
現に、私も何でも全て言葉や態度にして表現するのではなく、様子から察して欲しいと感じる方です。

「これは言わなくても分かってほしい」

と、ついつい思ったことは何度もあります。


ですから、日本人も中国人も相手に真剣に向かい合おうとしているものの、その表現・態度が異なるだけなのです。
そこをよく理解して、相手の国の人と向かいあうことでより円滑なコミュニケーションが図れると私は思います。

「自分達のスタンダード」から相手に迫るのではなく、「相手のスタンダード」を理解した上で相手と向かいあうことで、
真の異文化理解は可能になっていくと私は思っています。