太宰 治と言う小説家をを知ったのは確か高校生の頃だったと思います。「走れメロス」を読んで、其の篤い男の友情と責任感にいたく感動したものです。「男は斯くあるべし!!」と肝に命じて太宰の本を片っ端から読みました。
所が 「人間失格」「斜陽」と読み進み、その人物描写の退廃的と言うか、無気力、無責任、無感動と言う、今風に例えれば「絶望した団塊の世代」と言いましょうか、「此の人の心は、何故こんなに暗くて絶望的な方向ばかり向くのだろう?」と思い太宰 治が嫌いになってしまいました。また その生き様を見れば心中・自殺を四回もして居て、物凄い「死にたがり屋」です。
最初はカフェの女給の田部シメ子と、鎌倉の腰越の海に身投げ、田部シメ子だけが死亡して太宰は生き残りました。
次に 都新聞社の入社試験に失敗して自殺未遂。 そして 小山初代と心中未遂。 最後に山崎冨栄と玉川上水に入水心中。今度は見事?に死ぬ事が出来て、その遺体が発見されたのが6月19日、奇しくも39歳の誕生日でした。それを記念して「桜桃忌」。
彼は 強度の鬱だったのでしょう。瀬戸内寂聴師の「般若心教」と言う本に依ればこう言う人は所謂「煩悩」の激しい人で、自分に対しての不満、自己嫌悪、周辺の人・事柄に対しての不満・嫌悪と言った「煩悩」が始終激しく頭脳の中を駆け巡って居て、耐え難い状態と戦ってい居たのでしょう。
そして 苦しみぬいてとうとう負けたのではないか?と思いますが・・・死ぬなら一人で静かにヒッソリと死ねばいいのに・・・
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