気象観測所で何度か見かけている「謎の白い筒」です。用途不明でしたが、ようやく正体がわかりました。
見かけたものはどれも筒の先が斜め上を向ています。何らかの受信アンテナなのだろうと想像していました。
稚内地方気象台北見枝幸特別地域気象観測所(関連記事)で筒の根元の銘板を捉えることができました。やはりアンテナです。周波数は400MHz帯です。
いろいろ調べてみると、これはDCS(Data Collection System)のDCP(Data Collection Platform)のアンテナで、通信相手は気象衛星ひまわりでした。地震計のデータをひまわり経由で気象庁に伝送しているそうです。地震では地上通信回線が寸断される可能性があるので衛星通信回線も確保しているとのこと。DCSは地震計の他に離島や船舶での気象観測データ等の中継に用いられているそうです。ひまわりにこのようなお役目があったとは知りませんでした。
GPS受信用と思われるアンテナが併設されています。DCSは多数のDCPが同一周波数を時分割で使うことと、帯域幅が1.8kHzと狭いため時刻同期・周波数同期に使用しているものと思われます。
白い筒の中にどのようなアンテナが入っているかは不明のままですが、円偏波のクロス八木アンテナかヘリカルアンテナなのかなと思います。高度36000kmの静止衛星に電波を送り込むにしては小さいなと感じますが、送信専用のようなので必要な電力さえ送り込めばアンテナに頼る必要はないのかな。
(取材日:2016/11/3@北海道枝幸郡枝幸町)
仙台管区気象台です。
鉄塔は測風塔と呼ばれ、高さ52.6mだそうです。風向風速計だけが設置されています。
丸いドームには気象ドップラーレーダーのアンテナが設置されています。
ウィンドプロファイラです。初めて実物を見ました。
露場です。
積雪計です。
通風筒です。気温計・湿度計が納められています。
左が雨量計、右が感雨器です。
建物の屋上には日照計・日射計が2か所に設置されています。なぜ2セットあるのかは不明です。
生物季節観測の案内板です。
不明観測装置がありました。碍子のようなものは気温計・湿度計と思われますが、黒いボール状のものは正体不明です。また太陽光パネルも設置されています。
建物にはもう一つレーダードームがありますが、これは仙台管区気象台のものではないようです。この建物には防衛省東北防衛局も入所しているので、その関係かもしれません。
(取材日:2016/10/22@宮城県仙台市宮城野区)
電子基準点観測点番号「940013」、基準点名「小樽1」です。雪のため近づくことができませんでした。
94型です(関連記事)。
かろうじて観測点番号を読み取ることができました。
電子基準点の説明を記した案内板です。
(取材日:2016/3/13@北海道小樽市)
稚内地方気象台の露場観測機器群です。
手前が雨量計、奥が温度計です。
積雪計です。
鉄塔中間に取り付けられているのはGPSアンテナと思われますが、てっぺんについている大きな筒は用途不明です。室蘭地方気象台浦河特別地域気象観測所にも同じものがありました(関連記事)。
アンテナのような形ですが、用途不明です。
見づらいですが、大きな鉄塔の手前に円形のステージがついた小さな鉄塔があります。そこに日照計と風向風速計が設置されています。稚内地方気象台は稚内合同港湾庁舎に入居しています。奥の大きな鉄塔が気象台のものかは不明です。
大きな鉄塔を別の角度から。
この風向風速計は気象台のものではないようです。
露場の手前に設置されている立ち入り禁止看板です。稚内はロシア語併記がデフォルトです。
(取材日:2015/8/10@北海道稚内市)
電子基準点No.020854です。北海道西興部村にあります。
番号の上2桁は設置年とのことです。
02型といわれるタイプのものです。他に94型・93型があるそうです。
この基準点、こちらの記事にもこっそり登場しています。
(取材日:2014/8/12@北海道紋別郡西興部村)