超心理マニアのためのブログ

マット・イシカワによる超能力研究の文献ガイド

超常現象のとらえにくさ

2006-11-13 | 読書ガイド
68番目は、32番に次いでの笠原先生の大著(800ページ以上ある)。

●笠原敏雄(編著訳)『超常現象のとらえにくさ』春秋社(1993)
 
前項のバクスター効果は、それが超常現象であるとしたら、実験者効果
であると多くの超心理学者は考えている。実験者効果は、超心理学者が
もっとも確実視するサイの特徴である。つまり、植物に感情があるように
機器に信号が記録されるのは、機器を操作する実験者の超能力によると
いうことだ。実験者と実験機器の間には、占い師と占い棒のような関係が
あるのだ。だから、超心理実験で安定して肯定的結果が出るのは、一部
の超心理学者に偏るという。
http://www.kisc.meiji.ac.jp/~metapsi/psi/4-9.htm

実験者効果に予知の可能性を加味すると深刻な事態が予想される。実験
者効果があるのなら、実験協力者効果も、実験立会人効果もあるだろうし、
将来その実験結果を耳にする人々の効果も考えねばならない。すると、
超心理実験は閉鎖的に管理できない複雑システムであることに気づく。
誰でもが確認できるように公的に記録することが、現象の発現を妨げると
いうように。。。
http://www.kisc.meiji.ac.jp/~metapsi/psi/5-1.htm

この本では、超常現象が公になることをきらうというある種の原理がある
ように扱うが、たんに否定派の実験者効果なのかもしれない。どちらにして
も、とらえにくいことに変りはない。まさに超心理の奥義を知るには、本書
をおいて他にはない。それほどの重要性を秘めた本である。

著者の笠原さんは心理カウンセラーで「心の研究室」を主宰している。
http://www.02.246.ne.jp/~kasahara/



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