超心理マニアのためのブログ

マット・イシカワによる超能力研究の文献ガイド

「曲がっています」の念力暗示効果

2007-03-05 | 論文ガイド
<PA2004(24)>

イギリスハートフォードシャー大学から。
●リチャード・ワイズマン&エンマ・グリーニング
 「「曲がっています」の念力暗示効果」

よく報告される金属曲げの念力効果のひとつに、「事後効果」がある。
これは、曲がりかけた金属片をテーブルにおくと、手も触れずにさらに
まがり続けるという効果である。トリックが使えないので、真性の超能力
と扱われることもしばしばしばあるが、これは「曲がっています」という
言葉による暗示効果ではないか。実験を試みた。

金属の鍵を曲げるトリックの映像ビデオを46人に2つの条件で見せた。
条件は、曲がった鍵ををテーブルに置いたあと、「さらに曲がっています」
と音声を入れているか、いないかである。そのあと、アンケートに答えて
もらうが、その中に「鍵ををテーブルに置いたあと、さらに曲がっていたか」
という質問を入れた。仮説どおり、音声を入れた条件のほうが「さらに
曲がっていた」と有意に多く答えた。

さらに100人で追試しても同じ結果であった。また、あとでビデオの内容を
刻銘に思い出して書いてもらったところ、暗示効果が作用した人は、暗示の
言葉を思い出せない傾向があった。なお、超能力を信じている人のほうが
暗示効果が強いと思われたが、その差異はみられなかった。