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超心理マニアのためのブログ

マット・イシカワによる超能力研究の文献ガイド

地磁気活動と超心理効果の関係

2014-11-26 | 論文ガイド2
<PA2013(15)>

●ロニードゥーガル、ライアン&ルーク
「地磁気活動と超心理効果の関係」
(グリニッチ大学ほか・ロンドン)

地磁気活動が高いときは、超心理効果が出にくいことが
知られているが、その追試を試みた。

10年以上の瞑想経験のある人々22人について、4年間
毎年最低8回、映像クリップの透視実験を行なってもらい、
そのときの地磁気活動との関連性をみた。

その結果、近年100年間で一番小さい活動状態にあたった
ためか、当初の仮説は有意に肯定されはしなかった。
事後分析であるが、他の有意な関係が若干見られた。


サイコメトリとダウジングの比較

2014-09-26 | 論文ガイド2
<PA2013(14)>

●パラ&アルジバイ
「サイコメトリとダウジングの比較」
(アビエルタパンアメリカナ大学・アルゼンチン)

ある人物の写真をもとに、写真から知り得ないことを当てる
実験を、心に湧き出るイメージで判定するサイコメトリ法と、
手の無意識運動による振り子の動きで判定するダウジング法
とで比較検討した。

超心理的な能力があると感じている214人の参加者が得られた。
2群に分け、最初の群では通常の人物写真で両方法を試行した。
その結果、サイコメトリ法だけで0.1%有意の高得点になった。

次の群では、人物写真を自殺した現場写真にして行ったところ
得点は低下した。サイコメトリ法では偶然平均をやや上回り、
p=7.5%であった。

サイコメトリ法のほうが有効であることと、刺激的な手がかり
を使うと現象発揮が抑制されることが示唆された。

※ダウジングは、練習してない人にいきなりやらせてもうまく
 いかないと思われるが。。。


予兆体験の調査

2014-09-25 | 論文ガイド2
<PA2013(13)>

●アレハンドロ・パラ
「予兆体験の調査」
(アビエルタパンアメリカナ大学・アルゼンチン)

予兆体験とは、予測できる合理的な手がかりはないのにもかかわらず、
何かが起きそうだという気がすることである。そうした体験を報告する
人々について調査した。対象者は、次の2群である。

(1)超常現象に興味を抱いて集まった人々255人
(2)学部学生429人

予兆体験報告は(1)の91%、(2)の22%からなされた。
(1)の体験者は、夢で重大事件を見たという報告が多かったが、覚醒時
の虫の知らせ、たとえば知り合いが事故にあった直観なども多かった。
(2)の体験者は、夢で親戚が登場するなど、ありきたりの夢が多かった。
(2)に比べ(1)の体験者は、夢のイメージがありありしているものの、
それほど感情が高ぶらない傾向があった。一方、虫の知らせのイメージは、
ありありしているとともに、否定的感情が高ぶる傾向が(1)に高かった。
(1)の体験者は、直後の出来事、たとえば次に会話の相手が何というか
などの直観を多く報告した。


超常体験と統合失調傾向の関係

2014-09-24 | 論文ガイド2
<PA2013(12)>

●アレハンドロ・パラ
「超常体験と統合失調傾向の関係」
(アビエルタパンアメリカナ大学・アルゼンチン)

超常体験と統合失調傾向には、かねより相関があると指摘され
ていたが、学部学生を通じて次の2つの質問紙調査をした。
 Oxford-Liverpool Inventory of Feelings and Experiences
 Paranormal Experiences Questionaire
その結果、認知的混乱が少ない人は、より快適な超常体験を
している傾向が示された。


こっくりさん様のESP実験

2014-08-01 | 論文ガイド2
<PA2013(11)>

●ジョン・パーマー
「こっくりさん様のESP実験」
(ライン研究センター・アメリカ)

コンピュータのタブレット上をスタイラスペンを走らせ、
16の区画のうち1つに1秒以上止まったときをコール
と判断して、ターゲットの場所を当てるESP実験を
80名に各36試行ずつ行なった。

半数は右手を使い、残り半数は左手を使ってもらった。
また、目をつぶって心を無にして行なってもらう群と、
画面に出る文字を読みあげてもらい認知負荷を高める群
とを設け、無作為にどちらかの条件で行なった。

その結果、
認知負荷を高めて左手を使う条件で、有意なミッシング
が見られた。他の3条件では総じて有意なヒッティング
が見られた。

こっくりさんの事例で知られているように、「自動的に
手が動く」と少しでも訴えた人の得点は、そうでない人
の得点より、かなり有意に高かった。解離性尺度との
正の相関も見られた。

別実験で、
16の区画のそれぞれに1から4のいずれかの数字を
表示して、数字のコールとみなす4択の数字当てESP
実験を合わせて行なったところ、認知負荷を高めて左手
を使う条件でも、解離性尺度との正の相関が見られた。
数字を当てるESPプロセスと、場所を当てるプロセス
が異なっていることが示唆される。


ヒーリング方式の差異による相互影響

2014-06-22 | 論文ガイド2
<PA2013(10)>

●小久保、薄井、南、清水、高木、河野、山本
「ヒーリング方式の差異による相互影響」
(国際総合研究所・千葉)

11人のヒーラーに対して、キュウリを生体センサーにして
ヒーリングパワーを測定した。その結果を、どのようにパワー
を発揮しているかの質問と連携させ、クラスター分析、主成分
分析を行なった。

その結果、パワー発揮方法は、(1)チャクラ活性化、(2)言語
主導のDNA書き換え、(3)エネルギー循環改善、の3つに
大別できた。また、(1)と(2)は互いに競合し、(3)は(2)を抑制
する関係が見出せた。


大統領選の遠隔透視

2014-05-04 | 論文ガイド2
<PA2013(9)>

●カッツ&ブルガツ
「大統領選の遠隔透視」
(カリフォルニア・アメリカ)

11人のリモート・ビュワーに対して、2012年の大統領選の結果を
間接的に予知透視してもらう構図の実験をした。

被験者には、単にターゲットは人物であるとだけ示して、選挙の
1週間前に、通常の遠隔透視の方法にて、印象を語ってもらった。
その人物印象を判定者に送って、オバマに合致する特徴項目と、
ロムニーに合致するものとの、どちらが多いかを判定させた。

その結果、オバマが多いとした結果は8、ロムニーが多いとした
結果は3であった。人物の期待効果が出ている可能性があるので、
オバマの当選が予知透視がなされたとは、必ずしもいえない。
しかし、人物透視を行う際の問題点などの知見が得られた。

参考:http://www.kisc.meiji.ac.jp/~metapsi/psi/3-3.htm


精神の起源

2014-05-03 | 論文ガイド2
<PA2013(8)>

●アントニオ・ギジッタ
「精神の起源」
(ナポリ大・イタリア)

現在の科学的世界観では、精神活動は脳に由来し、脳は生物化学的な
物質でできているという還元論的考えになっている。

こうした考えは、デカルト世界の一面だけをとりあげたものである。
デカルトは、物質と精神はそれぞれあるとした二元論を提唱したが、
現在の科学は、物質面だけで精神を説明しようしたので、還元的な
唯物論となってしまったのである。

一方、精神面だけで物質を説明すると、物質は本来的には存在しない
幻影であるという観念論になってしまうし、デカルトのような二元論
では、物質と精神のかかわりあい(どの状況で精神が生まれるか)が
うまく説明できない。

そこで、140億年前の宇宙の創生以来、物質と精神に共通した特性が
進展し、その双方が生まれてきたとする一元論的な考えを主張したい。
これによって、超心理学の実験成果も的確に解釈できるはずである。

※ この主張はオーソドックスな汎心論のように思える。
参考:http://www.kisc.meiji.ac.jp/~metapsi/psi/8-3.htm


幻聴のとらえ直し

2014-03-18 | 論文ガイド2
<PA2013(7)>

●ルノー・エヴラール
「幻聴のとらえ直し」
(パリ・フランス)

幻聴は、精神疾患の症状としてとらえられがちであるが、
その中には、超心理学的な体験がひそんでいる。

幻聴を異常ではなく、逸脱的な体験としてとらえ直す
ことが必要である。


予感実験における期待バイアスの取り扱いの提案

2014-03-17 | 論文ガイド2
<PA2013(6)>

●ダルキヴィスト、モスブリッジ&ヴェスタールンド
「予感実験における期待バイアスの取り扱いの提案」
(ストックホルム大学・スウェーデン)

恐怖画像と温和画想をランダムに呈示して、皮膚伝導度を
測る種類の予感実験では、期待バイアスが懸念されている。
つまり、温和画像が偶然に繰り返し呈示されると、次こそは
恐怖画像に違いないという「ギャンブラーの誤謬」が発生
して、皮膚伝導度が上がってしまう。

そこで、(温和画像の事前繰り返し回数によって分類して)
分散分析を適用するデータ分析方法を提案する。


サンドール・フェレンチの超常現象研究

2014-01-19 | 論文ガイド2
<PA2013(5)>

●ギウリオ・カラテリ&マリア・フェリチ
「サンドール・フェレンチの超常現象研究」
(イタリア・ローマ)

サンドール・フェレンチ(1873-1933)はハンガリーの医師で、
フロイトの精神分析を引き継ぎながら、批判的に活躍した。

彼は交霊会における自動書記や、精神分析の過程におきる
テレパシー現象などを調査・研究した。


双子を使った超能力研究

2014-01-18 | 論文ガイド2
<PA2013(4)>

●ヨーラン・ブルースヴィッツ&エイドリアン・パーカー
「双子を使った超能力研究」
(スウェーデン・ヨーテボリ大学)

過去2年間にわたって、コペンハーゲンとヨーテボリ、それに
ロンドンのキングスカレッジとの共同研究で、双子を使った
超能力研究をつづけている。

一卵性双生児は、二卵性双生児に比べて、テレパシーや偶然
の一致などの特異的現象をより多く体験している。

そうした特異的現象を体験しやすい双子に、超心理実験に参加
してもらうと、実験結果に大きな効果が期待できそうである。
研究促進のために双子被験者群の完備を進めている。


過去遡及ESP実験における理性思考と直観思考の影響

2013-11-28 | 論文ガイド2
<PA2013(3)>

●アロン・ビジル&ディック・ビエールマン
「過去遡及ESP実験における理性思考と直観思考の影響」
(アムステルダム大学)

4つのうちの2つのシンボルのどちらかが画面に出たら
ボタンを押し、残りの2つのうちどちらかが出たら無視する、
という応答実験を行なう。

続いて、ボタンを押す約束になっていたシンボルのどちらかが
無作為に選ばれ、その選択シンボルについて訓練がなされる。

訓練は、その選択シンボルと無視シンボルが無作為な順に
画面に出て、選択シンボルが出たときに限りボタンを押す。
過去遡及実験のこれまでの実績から、訓練された選択シンボル
のほうが、直前の応答実験で早く応答されると推測できる。

このとき理性思考群参加者には、「誤りが少ないように行う」
と教示し、直観思考群参加者には、「なるべく早くボタンを
押すように行う」と教示する。ESPは直観レベルの心理が
影響するというこれまでの知見から、直観思考群参加者に対し、
より早い応答があると仮説できる。

実験の結果、両群まとめた選択シンボルの応答の差異は、
p=3.8%で有意であり、直観思考群参加者のみでは、p=0.1%未満
できわめて有意であった。仮説は支持された。

関連HP:過去遡及ESP=予感実験


超能力でカジノに勝てるか

2013-11-27 | 論文ガイド2
<PA2013(2)>

●ディック・ビエールマン&トマス・ラベイロン
「超能力でカジノに勝てるか」
(アムステルダム大学)

かねてより、超能力ではカジノに勝てるほど安定して当て
られないとされてきた。しかし、リモートビューイング実験
で高スコアをあげている被験者では、二者択一の実験で
63%を当てるので、赤黒を当てるカジノルーレットで
十分勝てる可能性がある。

そこで、同程度に優秀な被験者らについて、模擬カジノ実験
を行なったところ、120試行で56%が当たり、胴元の取り分
を除いても、勝てる確率が得られた。今後の研究費はカジノ
で稼ぐのはどうか。

また、地方恒星時について分析したが、際立った差は得られ
なかった。

関連HP:リモートビューイング地方恒星時


地球意識プロジェクトはESP実験なのか

2013-11-25 | 論文ガイド2
<PA2013(1)>

●ピーター・バンセル
「地球意識プロジェクトはESP実験なのか」
(パリ超心理学研究所)

地球規模のイベントが起きて、人々の意識が同調すると
世界中の乱数発生器にわずかな偏りが起きると解釈される
データが、14年間積み重なっており、統計的に7SD相当
の有意な結果が得られている。

このデータを集めている地球意識プロジェクトでは、
人々の集合無意識が乱数に影響を与えるというPKモデル
で説明している一方、メイらは、実験者らが偏りの大きな
乱数部分を透視して切り出しているというESPモデル
(DAT)を提唱している。

両モデルは統計的分析によって、ある程度どちらが妥当か
を分離検討できる。バンセルは、7つの統計的分析を使い
4SDの精度(3万分の1)で、PKモデルのほうが有力
であると、結論している。

関連HP:地球意識プロジェクトDAT