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超心理マニアのためのブログ

マット・イシカワによる超能力研究の文献ガイド

地球意識は事実か幻想か

2011-12-31 | 論文ガイド
<PA2011(8)>

●ロジャー・ネルソン
 「地球意識は事実か幻想か」(地球意識プロジェクト)

地球意識プロジェクトは、乱数の挙動と人類の意識が地球規模
で相関していると、10年以上の研究で明確にした。地球規模の
イベントがあり多くの人間が思考や感情を共有したときに、世界
各地の乱数の同調が発生するのだ。60-70か所の乱数発生器
が毎秒200ビットの乱数発生を行なった結果が13年分のデータ
ベースとなって、プリンストンにアーカイブされ、誰でも自由に
分析できるようになっている。

現在の分析では、100億分の1の偶然比の有意性が出ているが、
この地球規模の同調の物理学的な理由はわかっていない。ただ、
乱数発生器の地球上の距離が離れると、ごくわずかの同調の
低下が見られる。同調はイベント発生時から、平均して30分から
1時間ほど遅れて起きはじめ、通常2,3時間ほど継続する。

乱数発生器の同調の大きさは、人間の心理的な条件とよく合って
いる。たとえば、人間が重要と思うイベント、深い同情を誘う
イベントでは大きい。逆に恐怖を高めるイベントは個人を分離
してしまうためか小さい。

地球意識プロジェクト:
http://www.kisc.meiji.ac.jp/~metapsi/psi/3-7.htm


予知課題の背後にある無意識の予感の検出

2011-12-30 | 論文ガイド
<PA2011(7)>

●モスブリッジ&グラボウェッキー&スズキ
 「予知課題の背後にある無意識の予感の検出」
 (米ノースウエスタン大学)

3秒から7秒先の未来の興奮刺激を事前に感知できたとする
超心理実験の成果が、少なくとも4つの異なる研究機関から、
5つの異なる生理指標について報告されている。

本研究では、直観的な推測の背後で、その推測が合っている
かどうかの無意識の予感があるという仮定に立って実験した。

具体的には、心拍と皮膚伝導度について、予知課題において
推測が正しかったときと、誤りであったときの事前変化を
測定した。複数の被験者について、3回の実験をおこなった
ところ、1回目と2回目の心拍について、予知推測が正しい
ときと誤りのときで有意な差が見られた。

男女差を調べてみたところ、皮膚伝導度について、男性は
予知推測が正しいときに上がる傾向が、女性は予知推測が
誤りのときに上がる傾向があった。

※男性は成功を予感したときに興奮し、女性は失敗を予感
 したときに興奮するということで、進化心理学上の性差
 理論と整合的な結果である。


催眠感受性とガンツフェルト成績

2011-12-24 | 論文ガイド
<PA2011(6)>

●カルディーナ&マーカッソン
 「催眠感受性とガンツフェルト成績」(瑞ルンド大学)

催眠感受性の高い14名と低い12名についてガンツフェルト
実験を行なった。高い人々は低い人々に比べてスコアが高いと
推測したが、そうはならなかった。しかし、高い人々について
変性意識状態の経験とスコアとの間に相関が見られた。

補助調査として、実験が成功する信念と、過去の実験経験と
スコアの間にはそれぞれ相関がみられた。


夢テレパシーと生体リズム

2011-12-23 | 論文ガイド
<PA2011(5)>

●ルーク&ザイコウィッチ
 「夢テレパシーと生体リズム」(英グリニッチ大学)

朝8時より夜3時の実験のほうが、被験者のメラトニン分泌が
多く、テレパシー効果が高いと推測できる。この点に関して、
過去の研究を調査したが、支持する結果にはならなかった。


人体周囲に見られるヒーリング場の生物物理測定

2011-12-19 | 論文ガイド
<PA2011(4)>

●小久保&高木&根本
 「人体周囲に見られるヒーリング場の生物物理測定」(IRI)

7人のヒーラーに、30分間2回、キュウリの臭いが増すように
施術してもらう。前後左右にも、キュウリを入れた箱を複数置き、
ヒーラーの周囲における施術効果を多点同時に調べる。施術後、
キュウリの箱は24度で24時間保管し、臭いのガスを検知管で
それぞれ測定する。

その結果、コントロールに対して有意に高いガスが検知された。
さらに、その場所による効果変化は、左右対称な波長1.5mの
波型が記録された。人体を多層に囲む、いわゆる生体エネルギー
フィールドが測定されたのかもしれない。


非意図的な予知の追実験

2011-12-17 | 論文ガイド
<PA2011(3)>

●ヒッチンソン&ロエ&シャーウッド
 「非意図的な予知の追実験」(英ノーザンプトン大学)

4つの図形から好きな図形を選ぶと、ランダムにセットされた
画像群からその図形に連動してひとつが選ばれ、画面に表示
される。ルークらの実験では、性的画像やマンガが偶然確率
以上に出やすいと報告されている。

その実験を、1人あたり15試行50人に行なった。全体的に
期待値以上に当たったが、有意とまでは至らなかった。しかし、
開放性の高低とスコアは相関があった(r=0.29, p=0.02)。
創造性や超能力信奉、運の信奉の高低との相関はなかった。
スタンフォードのPMIR仮説と整合性のある結果と言える。

PMIR:
http://www.kisc.meiji.ac.jp/~metapsi/psi/5-3.htm


前世記憶の持続性―レバノン事例の追調査

2011-12-13 | 論文ガイド
<PA2011(2)>

●ハラルドソン&アブイツェディン
 「前世記憶の持続性―レバノン事例の追調査」(アイスランド大学)

かつてイアン・スティーヴンソンが調べた、レバノンの子どもたちに
ついて、彼らの「前世記憶」がどの程度維持されているか、追跡の
調査を行なった。

彼ら28人は、すでに大人(28-56歳)になっており、4人は、その
記憶をまったく失っていて、3人は、記憶があるが確信をもっていな
かった。21人については、記憶を維持していた。前のスリランカの
追跡調査では、3分の1の大人しか記憶を維持していなかったので、
それに比べると多かった。

よく記憶されているのは、どのような経緯で前世で死んだかであった。
しかし、忘却は進み、覚えているとした人でも平均して子ども時代の
報告項目30のうち、覚えていたのは4項目であった。子ども時代に
インタビューすることの重要性があらためて指摘できる。


超能力のグループ訓練の試み

2011-12-12 | 論文ガイド
<PA2011(1)>

●ファビオ・ダシルバ
 「超能力のグループ訓練の試み」(サンパウロ大学)

14人の「自己意識体験グループ」参加者に対して、2時間の
訓練セッションを68回行なった。訓練は「体系的な自己知覚」
「創造性や変性意識状態の活性化」「対人関係や感情統制の向上」
「意思決定場面などの日常的な超能力発揮」「ESPの模擬実験」
からなる。

半数の7人について、次のESPテストをそれぞれ3回行なった。
・中国透視:図形を描いた小紙を丸めたものを耳に入れて透視
・ブラジル透視:小さな印刷図形を封筒に入れて透視

結果スコアは、部分的に有意になり、グループ全体として超能力の
訓練効果がある兆しがみられた。しかし、訓練を重ねるに従って
顕著にスコアを向上させた参加者はいなかった。


場に同調して感情表明する機械の提案

2011-08-27 | 論文ガイド
<PA2010(18)>

●清水、石川
 「場に同調して感情表明する機械の提案」

フィールド意識の研究では、人々の感情の同調に応じて
乱数発生器の偏りが起きるとされる。その偏りを、喚起
度合いの軸と、快・不快の軸に対応させ、感情の2次元
に従った顔表情を画面に呈示するシステムを試作した。

人々がいろいろな感情を共有する場に、これを持ち込み
人々が画面を見ることによって、機械も共感していると
感じる。それにより、人間と機械の共生に新たな局面が
訪れるかもしれない。


予測的中前の生理指標の測定

2011-08-26 | 論文ガイド
<PA2010(17)>

●シェーンヴェッター、アムバック
 「予測的中前の生理指標の測定」

ひとつのジャンル(たとえば家具)から4つの画像を見せ、
次にランダムにそのうちのひとつが出るが、被験者は
それを予測する。その時の被験者の生理指標(心拍数
など)を測定した。予測が当たったときには、画面が
出る前に、その予感が生理指標に現れると仮説する。
また、被験者の性格テストも行った。

サルトリらが報告した、心拍による予感効果は再現でき
なかった。残念ながら、他の生理指標における予感も、
その性格による差も検出されなかった。


瞑想の集中を遠隔支援できるか

2011-08-25 | 論文ガイド
<PA2010(16)>

●ステファン・シュミット
 「瞑想の集中を遠隔支援できるか」

瞑想者がロウソクの炎に集中したときにボタンを押す
ように依頼した状態で、遠隔地から密かに、その集中
を助ける瞑想をする。実際に、助ける条件の時間帯で、
助けない時間帯よりも、集中がなされたという報告の
ボタンが多く押されるかどうか、比較実験した。

1993年から2006年にかけて12の実験がなされ、
うち問題が発見された1件を除き、11実験576試行に
ついてメタ分析したところ、効果サイズd=0.11、有意
確率p=0.009で、安定した効果が得られた。また、その
大きさは、視線検知実験の効果と同程度であった。




易占いを使ったPK実験

2011-08-24 | 論文ガイド
<PA2010(15)>

●ロエ、マーチン、ドレナン
 「易占いを使ったPK実験」

易占いの陰陽64パターンを、乱数発生器によって出力し
占いに合致したパターンを出すことで、臨場感にあふれる
PK実験に仕立てる着想。試験的な実験の範囲では効果は
検出されてない。


予知遠隔視におけるガンツフェルト状態の効能

2011-08-22 | 論文ガイド
<PA2010(14)>

●ロエ、クーパー、マーチン
 「予知遠隔視におけるガンツフェルト状態の効能」

ロエ&フリント(2007)では、遠隔視実験で被験者をガンツフェルト状態
にすることで、14試行の2択実験をしたところ、12試行が的中した。
ガンツフェルト状態にすることに効果があったかどうかを判定する
ために、今回はより厳密な実験を行なった。

40人の参加者に対して、予知的な遠隔視実験を、通常意識状態で
絵を描かせるという遠隔視実験の伝統的方法と、ガンツフェルトで
変性意識状態にして口述を記録するという方法で、順に行なった。
半数の参加者では、順番を逆にしてカウンターバランスをとった。

遠隔地点は4か所をグーグルマップから選定してあり、参加者の
応答がなされた後に、乱数によってターゲットが決まり、その地点
の写真を、参加者に見せてフィードバックする。ターゲットを
含む4か所の写真は、参加者の応答記録とともに、外部判定者に
もっていき、外部判定者が応答記録ともっとも近い写真を、4か所
のうちから選ぶ(実際には、類似度の評定から最大と評定された
ものを採用している)。全体として「予知」の手順となっている。

実験全体として、かなり有意な予知が検出された。ガンツフェルト
状態にした場合は、偶然期待値25%の正解に対して、35%の正解
(z=1.768, p=0.038)であり、伝統的方法をとった場合は30%の正解
(z=1.627, p=0.052)であった。ガンツフェルト状態に誘導する
ことに、一定の効果があると結論できる。


高得点者による事後プライミングの再試

2011-08-11 | 論文ガイド
<PA2010(13)>

●ラベイロン、ワット
 「高得点者による事後プライミングの再試」

前に162人に対して事後プライミング実験を行なったところ、
有意な結果が得られなかったので、こんどは高得点者に対して
のみ再試をした。高得点者39人を選び、うち28人に再度、
協力をしてもらった。

実験は、画面に快単語か不快単語のいずれかをランダムに呈示
し、なるべく早くどちらかを判定して該当ボタンを押す。ボタンが
押されると、ランダムに快画像か不快画像が画面に呈示される。
これを繰り返すというものである。

仮説は、画面に快単語と快画像のように、整合的に呈示される
場合は反応時間が短く、快単語と不快画像のように、不整合の
ときは反応時間が長いと期待する。

結果は、前回と同様、事後プライミング効果は検出されなかった。
性別や年齢、性格特性との関連もなかった。仮説は指示され
なかった。


霊媒トランス状態の神経科学的研究

2011-08-10 | 論文ガイド
<PA2010(12)>

●ペリシ、モレイラ=アルメイダ、ニューベルグ
 「霊媒トランス状態の神経科学的研究」

10人の霊媒を被験者にして、霊視作業中の脳活動をSPECT
で断層撮像した。うち5人は初心者であり、霊視作業中での
彼らの脳活動は、脳のさまざまな部分で高まった。ところが、
熟練者の5人は、霊視作業中、逆に脳活動が低下した。

※ あらゆる心的作業は、熟練すると脳血流を増やすことなく
 効率的にできるようになるので、これもその一環だろう。