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超心理マニアのためのブログ

マット・イシカワによる超能力研究の文献ガイド

創造性と主観的超常体験、変性意識状態との関係

2007-03-19 | 論文ガイド
<PA2004(38)>

イギリスのノーサンプトン大学から。
●ホルト&デラノイ&ロエ
 「創造性と主観的超常体験、変性意識状態との関係」

この40年間に27の創造性と超心理の関係を調べた実験がある。
それによると、芸術家は超心理スコアが高い傾向が強く出ている。
しかし、それは外向性や信念、自信や内省、実験者効果などの
他の要因も考えられる。創造性のテストによると芸術家が必ずしも
高くないこともある。

本論文では、創造性と主観的超常体験をふまえ、変性意識状態と
の関係を調査した。これはケネディ&カンタマニ&パーマー(1994)
の、芸術家の創造性は主観的超常体験に関係が深いとの知見を
さらに拡大した結果となっている。



予知的回避と予知的デジャヴ

2007-03-18 | 論文ガイド
<PA2004(37)>

アメリカのコーネル大学から。
●ダリル・ベム「予知的回避と予知的デジャヴ」

これは<PA2003(1)>の発展であり、内容の要約は次にある。
http://www.kisc.meiji.ac.jp/~metapsi/jspp/MM0505.htm

また予感実験の一種ととらえられる。
http://www.kisc.meiji.ac.jp/~metapsi/psi/3-4.htm


超常信奉と宗教性、認知能力との関係調査

2007-03-17 | 論文ガイド
<PA2004(36)>

台湾から。
●タム&シャー「超常信奉と宗教性、認知能力との関係調査」

これまで欧米でよく行なわれてきた超常信奉と宗教性との関係調査を
台湾で行なった。加えて認知能力テストとの相関をみた。

40人の大学生について調査したところ、超常信奉調査と宗教性調査は
かさなりあう部分も多いが、異なる調査票になっていることがわかった。
宗教心のあつさと認知能力には有意な負の相関が得られた。

※これまでの調査研究から推測されることは、認知能力の低い人がそれ
 に対応して宗教を信じるようになっている一方、超能力などの超心理
 現象については認知能力とは無関係に一定の割合(ギャラップの調査
 では一般人の約6割)で容認されている。

テレパシーの量子モデル

2007-03-16 | 論文ガイド
<PA2004(35)>

中国から。
●ガオ・シャン「テレパシーの量子モデル」

量子論の拡張で、意識をもちこんだテレパシーモデルをつくった。
第1局面:脳がからみあいの量子状態になっている
第2局面:その状態を維持する
第3局面:その状態が崩壊して可能性が確定する

※非常に一般的な量子論のテレパシーへの応用に読める。
 とにかくこの種の理論の問題は、透視が説明できないことである。

透視と予知の強制選択実験中の心拍数変動

2007-03-15 | 論文ガイド
<PA2004(34)>

イタリアのパドバ大学から。
●サルトリ&マサセシ&マルティネリ&トレソルディ
 「透視と予知の強制選択実験中の心拍数変動」

4つの画像を続けて呈示し、そのうちのひとつが当たり
であるようなギャンブル風の実験をひとり20回、12人に
対しておこなった。半分は呈示前にターゲットが決まって
いる透視実験、半分は透視後に決まる予知実験である。
その間中、被験者の心拍数が記録されている。

透視実験と予知実験ともに、被験者が選択回答した画像
が当たりであった割合は、偶然期待値にとどまったのにも
かかわらず、心拍数は透視実験(p=0.0007)、予知実験
(p=0.03)ともに、当たり画像呈示時に高くなった。


遠隔視における意図と注意と期待の役割

2007-03-14 | 論文ガイド
<PA2004(33)>

日本でも有名な超能力捜査官とその研究者の論文。
●ジョセフ・マクモニーグル&エドウィン・メイ
 「遠隔視における意図と注意と期待の役割」

マクモニーグルがTV出演して遠隔視した実験が44件
あるが、そのうち35件は成功と見られる。それらは、
通常の第三者による順位査定をすれば容易に1位にランク
されると見られるほど、精度が高いのである。

TV出演やかつてのスターゲート実験を見ると、成功しやすい
実験の要件には、意図と注意と期待が高いことがあげられる。

ナショナル・ジオグラフィックの撮影を例にとり、そのときの
意図と注意と期待の役割を調べる。撮影1回で成功せねば
ならないという、参加者のすべての動機の高さは際立っていた。

※この番組のことについては、昨年末12月30日の本ブログ
 間奏曲(10)ですでに触れている。

遠隔視(リモートヴューイング)については:
http://www.kisc.meiji.ac.jp/~metapsi/psi/3-3.htm

ねぶた祭における乱数発生器の特異的変動

2007-03-13 | 論文ガイド
<PA2004(32)>

日本の明治大学から。
●蛭川立&石川幹人「ねぶた祭における乱数発生器の特異的変動」

青森のねぶた祭に乱数発生器を持ち込んで測定したところ、
お祭中の乱数の偶然期待値からの累積変動が有意(p=0.04)に
なった。お祭の前後と偏差の移動平均を見ても、お祭り中に最大の
ピークが得られた。

原論文は次のHPから入手可
http://www.kisc.meiji.ac.jp/~hirukawa/paper/works.htm

感情的なイベントの検出装置

2007-03-12 | 論文ガイド
<PA2004(31)>

ケルンから。
●ヨハネス・ハーゲル&マルゴット・ツァプケ
 「感情的なイベントの検出装置」

光のビームを乱数源にした独自の乱数発生器で、集合的感情を検出
する実験を行なった。ケルンの近辺のイベントで、3つの異なる
サンプリング周波数で同時に測定したところ、累積偏差の増大が
一様に見られた。

http://www.kisc.meiji.ac.jp/~metapsi/psi/3-7.htm

超心理の存在は証明できるか~念力の信奉調査

2007-03-11 | 論文ガイド
<PA2004(30)>

ハイデルベルグから。
●エクハード・エツォルド
 「超心理の存在は証明できるか~念力の信奉調査」

かつて報告されたような物体浮遊や物品移動などは、最近報告されない。
実験が測定が鋭敏になるにしたがって、現象の規模は低下しているように
思われる。その説明に語用論的(実用的)情報モデルが提案されている。
証明指向の研究をやめ、現象の大きさについての研究を行なおう。
現象の信奉についても再考すべきである。

http://www.kisc.meiji.ac.jp/~metapsi/psi/5-7.htm

※実証的論文を思わせるタイトルだが、さにあらず、意見表明のような
 内容になっている。



家と実験室とで超心理実験の結果に違いがあるか

2007-03-10 | 論文ガイド
<PA2004(29)>

ゲッチンゲンから。
●ズイトベルト・エアテル
 「家と実験室とで超心理実験の結果に違いがあるか」

袋からボールを5者択一で引き当てる実験を「家で」やってもらう
管理なしの(疑わしい)実験を数十名にしてもらって、上位の
十数名に実験室で、再度管理した状況で行なってもらったところ、
平均点は期待値付近まで下がった。が、3人のかなり高得点を
とったものは、むしろスコアがさらに上がった。

※平均点が下がったのは、回帰効果ではないか。3人の高得点者は、
 なんらかの手がかりを無意識に学習したのではないか。

超心理現象を<超流動真空>物理学の観点で説明する

2007-03-09 | 論文ガイド
<PA2004(28)>

モスクワ大学から。
●ルドミラ・ボルディレヴァ、ニナ・ソティナ
 「超心理現象を<超流動真空>物理学の観点で説明する」

超心理実験のデータを説明する物理学の理論をつくらねばならない。
そこで、真空に、スピンをもつが奇妙な電荷をもつ素粒子対が超流動
していると考えるとよい。

※数式はまったくない論文だが、ムズカシイ論文だ。
 超心理現象の説明には時空を越えるとともに、情報が伝達することも
 説明が必要なのだが。。。

長距離のグループテレパシー実験

2007-03-08 | 論文ガイド
<PA2004(27)>

フランスから。
●ベルナー・オーリオールほか9名
 「長距離のグループテレパシー実験」

テレパシー実験を複数の送り手と複数の受け手で以下の条件で7年間
25万回行なった。
・コンピュータによる自動記録
・418人の被験者(選考なし)
・シールドルームに隔離
・送り手0人~15人のグループ
・受け手1人~16人のグループ
・ターゲットは写真または単語
・ターゲット候補群から二者択一、三者択一、五者択一

全体の結果は偶然期待値だったが、興味深い傾向がいくつか見られた。
しかし、その傾向性は明瞭ではない。積重ね効果(スタッキング効果)
の問題が発生してしまった。
http://www.kisc.meiji.ac.jp/~metapsi/psi/2-1.htm

交霊術の真偽をテストする

2007-03-07 | 論文ガイド
<PA2004(26)>

ふたたびイギリスの大学から。
●リチャード・ワイズマン&シアラン・オキーフェ
 「交霊術の真偽をテストする」

超心理学の一部として交霊術がとりあげられることがあるが、十分に
実証的に評価されていない。次の3点が重要である。
1.なんらかの通常の伝達手段で情報が漏れている
2.霊媒が誰にでもあてはまる一般的なことを言っている
3.第三者によって客観的な評価をする

この原則にのっとって、5人の自称霊媒に、5人の会席者の「霊視」を
交代でしてもらった。会席者は部屋に隔離して誰とも会わないようにし、
霊視の内容は、個々に分離してシャフルし、第3者の判定者にそれぞれ
どの会席者についての霊視と見られるか、判定してもらった。

会席者は、自分に対する霊視は当たっているという印象をもつにもかかわ
らず、第3者による判定はすべての霊媒にわたって偶然期待値であった。

※さすがに、懐疑論者のワイズマンは徹底している。現象を出ないように
 しているとも見えるが。。。どうだろうか。
http://www.kisc.meiji.ac.jp/~metapsi/psi/1-3.htm

不運・幸運にかんする迷信の信奉

2007-03-06 | 論文ガイド
<PA2004(25)>

イギリスのエジンバラなどから。
●リチャード・ワイズマン&キャロライン・ワット
 「不運・幸運にかんする迷信の信奉」

性格と迷信の信じやすさの相関研究は多い。これまでは、恐怖や不安に
関するものばかりであったので、今回は幸運についても注目した。

不運信奉の質問例:はしごの下は危ないを気にしますか?
       鏡が割れたら不幸がくると思いますか?
幸運信奉の質問例:幸運のお守りをもっていますか?
       指をクロスしたらツキがやってくると思いますか?

ひとつ目の調査は、インターネットを使って、不運・幸運信奉と神経症
傾向との関係を調べた。4339人から回答があった。男性より女性が、
そして神経症傾向が高い方が、不運・幸運信奉ともに高かった。

ふたつ目の調査では、同じことに人生満足度を加えて116人に郵便で
調査した。神経症傾向が高い方が、不運・幸運信奉ともに高いことだけが、
再度支持された。

「曲がっています」の念力暗示効果

2007-03-05 | 論文ガイド
<PA2004(24)>

イギリスハートフォードシャー大学から。
●リチャード・ワイズマン&エンマ・グリーニング
 「「曲がっています」の念力暗示効果」

よく報告される金属曲げの念力効果のひとつに、「事後効果」がある。
これは、曲がりかけた金属片をテーブルにおくと、手も触れずにさらに
まがり続けるという効果である。トリックが使えないので、真性の超能力
と扱われることもしばしばしばあるが、これは「曲がっています」という
言葉による暗示効果ではないか。実験を試みた。

金属の鍵を曲げるトリックの映像ビデオを46人に2つの条件で見せた。
条件は、曲がった鍵ををテーブルに置いたあと、「さらに曲がっています」
と音声を入れているか、いないかである。そのあと、アンケートに答えて
もらうが、その中に「鍵ををテーブルに置いたあと、さらに曲がっていたか」
という質問を入れた。仮説どおり、音声を入れた条件のほうが「さらに
曲がっていた」と有意に多く答えた。

さらに100人で追試しても同じ結果であった。また、あとでビデオの内容を
刻銘に思い出して書いてもらったところ、暗示効果が作用した人は、暗示の
言葉を思い出せない傾向があった。なお、超能力を信じている人のほうが
暗示効果が強いと思われたが、その差異はみられなかった。