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超心理マニアのためのブログ

マット・イシカワによる超能力研究の文献ガイド

ガンツフェルトの受け手が乱数発生器

2007-04-24 | 論文ガイド
<PA2005(6)>

イギリスのノーザンプトンの大学より。
●ニコラ・ホルト&クリス・ロエ
 「ガンツフェルトの受け手が乱数発生器」

ガンツフェルト実験では、受け手でなく、送り手の超心理能力で
成功する可能性がある。そこで、受け手を人間でなく、応答文の
ストックから乱数によってランダムに選定する自動システムを
受け手とした。この乱数を、乱数表を使う場合、ソフトによる
擬似乱数の場合、真正物理乱数の場合に分けてそれぞれ実験した。

どの場合も、有意にならなかった。
※なんか直観的に、この実験はうまくいきそうにない気がするが。

生態心理学の観点からの超心理研究

2007-04-23 | 論文ガイド
<PA2005(5)>

アリゾナ州立大学より。
●イゴーリ・ドルゴフ「生態心理学の観点からの超心理研究」

ギブソンの生態学的心理学の観点からの検討。

たとえば変性意識状態の知覚は、現実が歪められているのでなく、
生態学的に素直な知覚と言えるのではないか。

超心理現象は、客観的な視点から見れば奇妙であっても、世界に
生きる人間中心の視点から見れば、奇妙でない可能性がある。

※新しい心理学の構築の試みである。

ガンツフェルトの成功要因

2007-04-22 | 論文ガイド
<PA2005(4)>

ライン研究センターの心理学者。
●ジェームズ・カーペンター「ガンツフェルトの成功要因」

241人の芸術家と、342人の一般人でガンツフェルト実験をした
結果を、それらの人々の体験や性格などの要因で成功か失敗かを
予測する重回帰式を作成した。将来の実験の成功率を高める知見である。

実験の成功に寄与すると思われる要因は:
・実験中に肯定的または中立的な、身体的・感情的体験をしていること
・自己超越、感情親密性などに対する想像暗示性が高いこと

実験の失敗に寄与すると思われる要因は:
・饒舌さ、認知的・知性的取組み、不安および不安回避
・芸術家については、状況への不快な適応の示唆

予知的忌避

2007-04-21 | 論文ガイド
<PA2005(3)>

コーネル大学の社会心理学者。
●ダリル・ベム「予知的忌避」

すでに<PA2004(37)>の発表にあったように、あまり
刺激的でない画像でも、将来の呈示(750msX10回)によって、
退屈することを予感し、そちらの画像を忌避する傾向が予想される。

140人の女性と60人の男性について24試行ずつ行なったところ、
全体では偶然期待値であったが、興奮性が低いか、退屈抵抗性が
低い被験者にかぎって集計すると、将来呈示画像が選好される割合
が47.3%(つまり忌避されやすい傾向)で有意(p=0.006)であった。

低興奮性被験者は、否定的な画像で忌避傾向性が強く出て、低退屈
抵抗性被験者は、肯定的な画像で強く出ており、予知的忌避仮説が
よく支持されたことになる。


ヒヨコと藻のPK

2007-04-20 | 論文ガイド
<PA2005(2)>

南アフリカより。
●ドナルド・ベッドフォードら5名
 「ヒヨコと藻のPK」

ヒヨコが明るいところを好むことを確認した後、ヒヨコの入った箱の
照明を物理乱数発生器によって、2分の1の確率で点滅を制御する。
仮説1:ヒヨコがPKで乱数発生器の点灯指示を増やすことができる。

同様に藻の入った箱の照明を物理乱数発生器によって、点滅を制御する。
仮説2:藻がPKで乱数発生器の点灯指示を増やすことができる。

実験の結果、仮説1も2も統計的に支持されなかった。

※ヒヨコはまだしも、藻のPKは、過去のデータからして無理があろう。
http://www.kisc.meiji.ac.jp/~metapsi/psi/3-6.htm

身体化の現象学

2007-04-19 | 論文ガイド
2005年のPA(超心理学協会)の大会は、カリフォルニアの
ノエティックサイエンス(認識科学)研究所で開催された。
ここは宇宙飛行士ミッチェルが創立したニューエイジ系の研究所
であり、ラディンやシュリッツが研究員をつとめている。
http://www.noetic.org/

<PA2005(1)>

西ジョージア大学の心理学者。
●クリストファー・アーンストゥーズ
 「身体化の現象学」

メルロ=ポンティーの言葉を引きながら、身体を拡張した概念
「ロング・ボディ」について論じる。そして超心理の関係にふれる。

※うーん、よくわからん。

目撃記憶の改訂と超常信奉

2007-03-28 | 論文ガイド
<PA2004(47)>

イギリスのロンドン大学より。
●クリッシー・ウィルソン&クリストファー・フレンチ
 「目撃記憶の改訂と超常信奉」

目撃記憶が他者の証言によって歪曲されることが認知心理学で知られている。
超常信奉者が、他者のニセの超常現象目撃証言によって自分も見たという
記憶が作られるかもしれない。その傾向性が超常信奉者が否定者より高い
という仮説を実験で検証する企画を立てた。小規模なパイロットテストを
行ない、現段階ではまだ有意ではないが、若干その傾向が見られている。

遠く離れた被験者間の事象誘発脳波の同期効果

2007-03-27 | 論文ガイド
<PA2004(46)>

ドイツのIGPP(心理学と精神衛生との境界領域研究所)より。
●ワッカーマン&ムラーダス&ピューツ
 「遠く離れた被験者間の事象誘発脳波の同期効果」

シールドルームに分離した被験者の脳波を測定し、片方の人に
チェッカーボードの点滅を1秒間無作為に見せる。他方の人は
目を閉じてリラックスする。それぞれ人の脳波をとり、点滅を
見せた時刻と他の時刻の脳波をそれぞれ重ね合わせて分析する。
実験方法と分析方法の表明であった。

自動ガンツフェルト実験での実験者効果

2007-03-26 | 論文ガイド
<PA2004(45)>

イギリスのリバプールの大学より。
●マシュー・スミス&ルイ・サヴァ
 「自動ガンツフェルト実験での実験者効果」

16人に8試行ずつ自動ガンツフェルト実験を行なって
実験者と超心理信奉を独立変数にとって成績の分散分析
をする、という実験計画の表明である。


主観的超常体験の情報源の特定

2007-03-25 | 論文ガイド
<PA2004(44)>

ライン研究センターより。
●クリスティーン・シモンズ「主観的超常体験の情報源の特定」

遠隔視やガンツフェルト実験などで、被験者がいろいろ報告するが、
当たっているときも、当たっていないときもある。もし、報告内容
から、明らかな空想を除去できれば、信頼性は飛躍的に上がる。

たとえば、外的な知覚を通した描写と、内的な想像による描写は
質的に異なるだろう。夢の内容の描写と、覚醒時の思考も区別でき
るだろう。そのように報告をテキスト分析することで、真の超常体験
を確率高く抽出できる可能性がある。その方向で研究企画している。

感情の遠隔影響時の皮膚電気応答変化

2007-03-24 | 論文ガイド
<PA2004(43)>

エジンバラ大学より。
●ピーター・ラマカー「感情の遠隔影響時の皮膚電気応答変化」

送り手と受け手の双方の皮膚電気応答を測定しながら、送り手に
感情的な画像や、単なる風景画を見せる。画像の違いによる
受け手の応答の変化や、送り手と受け手で同期した応答の変化
など、これまでの研究(あまり安定した傾向は見られてない)と
対比して検討する方向である。まだ結果はでてない途中報告。

事象誘発脳波を使った予知的馴化実験法

2007-03-23 | 論文ガイド
<PA2004(42)>

アメリカより。
●ドン&マクドノー&ワレン
 「事象誘発脳波を使った予知的馴化実験法」

ノーマン・ドンらは誘発電位の研究者であるので、ダリル・ベムの
開発した予知的馴化とあわせた実験法を提案している。

ベムの場合、2つのターゲット画像を並べて呈示するが、それを
150msずつ2秒間の間隔をおいて、続けて呈示するようにする。
そのあいだ脳波をとって、将来の呈示画像と同じ画像と違う画像で
呈示の瞬間の誘発電位の(累積値の)差異をみる。

http://www.kisc.meiji.ac.jp/~metapsi/psi/2-5.htm

ヒーリングに伴う電磁場測定

2007-03-22 | 論文ガイド
<PA2004(41)>

アメリカ、デューク大学の工学部より。
●ウィリアム・ジョインズら5名
 「ヒーリングに伴う電磁場測定」

ヒーラーに箱のなかへエネルギーを投射してもらい、
電圧と電荷、磁場、電磁放射を測定した。
パイロットテストでひとりのヒーラーから施術時に電荷
の発生と減衰、それと同時に光の発生が見られた。
次回は本格的な対照実験を計画している。

※この論文は詳しいことが書いてない。
 活動報告にとどまっている。

エヴァ・ヘルストロームの夢とヴィジョン

2007-03-21 | 論文ガイド
<PA2004(40)>

フィールドワークで有名なあの方。
●スタンリー・クリップナー
 「エヴァ・ヘルストロームの夢とヴィジョン」

エヴァ(1898-1986)はストックホルムで活躍した能力者であり、
スウェーデンの超心理学研究学会の発足を支援した。特異的体験、
とくに予知夢や催眠状態のヴィジョンを見るので有名。超心理学者の
調査もたびたび受けている。

1970年に、クリップナーのところに、21の夢と45のヴィジョン
を書き留めたノートが送られてきた。このノートには、予知の内容と
その後の「検証」としての新聞の切り抜きなどが貼ってあった。この
ノートだけで信憑性を主張するのは難しいが、いくつかの特徴を述べる。

タロットカード占いの評価

2007-03-20 | 論文ガイド
<PA2004(39)>

イギリスのロンドン大学から。
●イタイ・イヴツァン&クリストファー・フレンチ
 「タロットカード占いの評価」

占いされる人に、本当の占いとウソの占いを見せて、どの程度当たって
いるかを、評価してもらう実験をした。もし懐疑論者が言うように、
バーナム効果で占いが当たっていると考えられるのであれば、信じて
いる人は、信じていない人よりも、本当の占いとウソの占いともに
評点が高いだろう。

占いされる人は30人、占いされる人は占い師の事前の指示どおり、
タロットカードを並べてから部屋を出て行く、実験者がとなりにウソの
カード配置を乱数で作る。占い師が入ってきて、両方をリーディング
する。その両方を占いされる人が評定する。結果は、信じる人が
確かに高い評定をしたので、バーナム効果が支持された。信じる人は
ウソの占いのほうがニセの占いよりもやや高い評価だった。信じない
人は、逆の傾向だった。

バーナム効果:
http://www.kisc.meiji.ac.jp/~metapsi/psi/6-6.htm