goo blog サービス終了のお知らせ 

超心理マニアのためのブログ

マット・イシカワによる超能力研究の文献ガイド

遠隔凝視を意識指標と生理指標で検知する

2007-06-08 | 論文ガイド
<PA2006(7)>

ドイツのフライブルグなどより。
●スザンヌ・ミュラー&ステファン・シュミット&ハラルド・ワラス
 「遠隔凝視を意識指標と生理指標で検知する」

遠隔凝視される被験者が意識的にそれを感知できるか、皮膚電気伝導度の
変化にそれが現れるかを同時に調べた。メタ分析によると、意識的感知の
正答率は皮膚電気伝導度の正答率よりも小さい。つまり、無意識レベルの
感知ののちに、一部が意識上で感知されると思われる。しかし、個々の
実験を見ると、意識的感知でも高い正答率の報告があるので、詳しく検討
する必要がある。

50人の被験者が、個々に質問紙に記入した後、カメラの前に座って皮膚
電気伝導度を測る。実験者が別室でランダムなスケジュールでモニタを
見つめる。被験者は、見つめられたと思ったときにボタンを押す。実験者
は、モニタを見つめないときには、別な課題を行なう条件も設定した。

すべての条件にわたって、有意な効果が出ず失敗に終わった。


念力実験における意識的態度の役割

2007-06-06 | 論文ガイド
<PA2006(6)>

ドイツのギーセン大学より。
●ジュープ・ハウトクーパー 「念力実験における意識的態度の役割」

74人の被験者に対して271回のPK実験を行なった。
被験者は、イメージする、リラックスする、信じる、共鳴する、
予期する、から自分の念じ方の戦略を選んで行なう。念力の対象は
秒200ビットの乱数発生器の偏りである。

また、これは実験者による意識的態度の差異の要因も同様に含め、
分散分析で要因分析している。3人の実験者がかかわったところ、
「信じる」条件で大きな差異が得られた。ひとりが大きなヒッティング
(p<0.002)、ふたりが大きなミッシング(p<0.02,p<0.003)であった。

脳波による画像予感実験

2007-06-05 | 論文ガイド
<PA2006(5)>

イギリスのノーサムプトン大学とドイツのチュービンゲン大学の共同研究。
●タイロ・ヒンターバーガーら 「脳波による画像予感実験」

印象的画像が呈示される1秒前の脳波の差異をノンパラメトリック検定
している。印象的画像の呈示前の脳波は、中立的画像の呈示前の脳波と
Z=2以上の差異(5%有意水準に相当)が、6つの電極のうち4つで
検出された。被験者は20人。

※脳波の用語がわかる方はこの論文からさらなる発見があるかも。



ESPは初期視覚である

2007-06-03 | 論文ガイド
<PA2006(4)>

ライン研究センターより。
●ジェームズ・カーペンター 「ESPは初期視覚である」

ESPは初期視覚であるとする、彼のファーストサイトモデルを
従来からのESPと記憶の研究から、概観する論文である。

ファーストサイトモデルでは、われわれのあらゆる感覚知覚は、
ESPによってはじまるとする。つまり、ESPのプロセスは
われわれの経験の発達すべての基礎となると考える。

2004・2005のJP掲載論文の発展である。



特異体験と催眠

2007-06-02 | 論文ガイド
<PA2006(3)>

スウェーデンのランド大学より。
●エツェル・カーディナ 「特異体験と催眠」

催眠中に、テレパシーなどの特異体験がよく報告される。

この論文では、メスメリズムの時代から、催眠と超心理研究の
関係を歴史的に振り返る。また、催眠中の自覚的報告の調査を
行なっている。

ESPの媒体は感情か

2007-06-01 | 論文ガイド
<PA2006(2)>

イギリスのノーサンプトン大学より。
●リチャード・ブラウトン 「ESPの媒体は感情か」

ESPはしばしば、次の2段階モデルによって説明される。
第1段階:特異的なプロセスによって生体システムに情報が浸入。
第2段階:その情報が通常のプロセスによって、生体システムの
行動を決定付けたり、意識に感知されたりする。

第2段階で重要な働きをする媒体として、ロルやアーウィンは、
「記憶」の意義を主張している。

本論文では、「記憶」よりむしろ「感情」が重要である可能性を
指摘する。ダマシオらの研究により、感情が意思決定や思考に
重要な役割をしているという説が心理学的に受け入れられてきて
いるなかで、感情のESP媒介説がにわかに注目される。

スロットマシーンの当たりの予感

2007-05-30 | 論文ガイド
続いて昨年スウェーデンのストックホルムで開かれた
超心理学国際会議(PA)の論文紹介に入ろう。

<PA2006(1)>

オランダのアムステルダム大学より。
●ディック・ビールマンら 「スロットマシーンの当たりの予感」

32人の被験者に128回のスロットマシーンをやってもらう。
1回0.5ユーロを支払うが、当たりの場合は7ユーロをもらえる。
当たりは8分の1の確率でランダムにおきる。その間の脳波を
測定しておくと、予感したような累積差異が結果表示の1-2秒
前に見られる(p=0.026)。

その差異と、被験者の意識(自分が幸福と思っている、マシンに
影響を与えられると思っているなど)との関連も分析してみた。


超心理学とトランスパーソナル心理学

2007-05-19 | 論文ガイド
<PA2005(28)>

●パネル 「超心理学とトランスパーソナル心理学」

アーサー・ヘイスティング:両心理学の共通性
スタンリー・クリップナー:ラズロのアカシック・フィールド・モデルから
マリリン・シュリッツ:意識とヒーリングの理解に向けて
チャールズ・タート:超心理学方法論のトランスパーソナルな観点

最後のは、超心理学の実験者効果というのは、超心理学があえて避けて
いるスピリチュアルな観点から説明されるのでは、という主張のようだ。

ロバート・モリスを懐古して

2007-05-18 | 論文ガイド
<PA2005(27)>

●パネル 「ロバート・モリスを懐古して」

ジム・カーペンター:40年間の友として
デボラ・デラノイ:モリスの超心理学への貢献
ホイト・エッジ:バリ島での活躍
エドウィン・メイ:スターゲートへの貢献
キャロライン・ワット:ケストラー超心理学講座教授としての活躍

前年に惜しくも亡くなったモリスのメモリアル
http://www.kisc.meiji.ac.jp/~metapsi/jspp/MM0508.htm

肯定/懐疑実験者による比較実験の失敗の分析

2007-05-17 | 論文ガイド
<PA2005(26)>

●キャロライン・ワッツ&マリリン・シュリッツ&リチャード・ワイズマン
 &ディーン・ラディン 「肯定/懐疑実験者による比較実験の失敗の分析」

懐疑論者が協力する遠隔凝視超心理実験<PA2005(15)>が、
今回失敗した点について、肯定的実験者シュリッツが、(1)被験者と
十分のラポートをとっていなかった、(2)成功を期待する集中に欠けた、
という仮説を立て調査した。

しかし、両方の仮説ともに支持する状況証拠は見られなかった。



ガンツフェルトの成功率UP

2007-05-15 | 論文ガイド
<PA2005(25)>

ブラジルのクリチバの大学より。
●ダシルバ&ピラト&ヒラオカ 「ガンツフェルトの成功率UP」

ガンツフェルトの受け手が報告する言葉の質的分析と、皮膚電気伝導度の
モニタを併用することによって、受け手がターゲット群から主観的に選定
するのでなく、コンピュータで客観的に選定する方法を模索している。
その結果、成功率UPを目指す。

※本日のフジテレビの特番、王強さんが透視を成功させていました。
 肯定的番組づくりで、好感がもてました。脱O教授時代の幕開け?


特異体験者のインタヴュー

2007-05-14 | 論文ガイド
<PA2005(24)>

ドイツのIGPPより。
●クリスティーナ・シャーファー
 「特異体験者のインタヴュー」

特異体験者が自発的に語るライフヒストリーを聞くことと、
半構造化インタヴューを行なった。それは録音されて質的分析
を行なう状態にある。体験者の感じる危機感や現実変容などの
体験にかかわる構造的な背景をさぐりたい。

※明日火曜日の夜「超魔術VS超能力!!これは奇跡か!?」
 という特番があるそうです??

夢テレパシー実験での送り手の影響

2007-05-13 | 論文ガイド
<PA2005(23)>

イギリスのノーサンプトン大学より。
●クリス・ロエ&サイモン・シャーウッド&ルイ・サヴァ&イアン・バーカー
 「夢テレパシー実験での送り手の影響」

参加者は夢日記をつけて、夢のなかで自宅からターゲットを遠隔透視する。

ターゲットの部屋には送り手がいない場合といる場合があるが、参加者に
送り手がいるかいないを言っておきながら、コインを投げているかいないかを
あとで決定する場合がある。

以上の企画でこれから実験するが、事前の仮説は、全体での肯定的な結果、
送り手がいる場合がいない場合より当たりやすく、また送り手がいると思って
いるときが、いないと思っているときより当たりやすい、である。



仮想現実技術のテレパシー研究への応用

2007-05-12 | 論文ガイド
<PA2005(22)>

イギリスのマンチェスター大学より。
●クレイグ・ミュレイ&クリスティン・シモンズ&ジェズ・フォックス
 「仮想現実技術のテレパシー研究への応用」

没入型の仮想現実技術がテレパシー研究へ応用できそうである。
送り手と受け手が同様の、ヘッドマウントディスプレーとグローブを
つけて、送り手が仮想の品物を動かすときの印象を受け手が感じ取る
実験などが想定できる。

※テレパシーより、仮想環境を自分の生活にふさわしいように乱数を
 操作する、というPK実験として扱うほうが期待がもてるのでは
 ないだろうか。

体脱体験をしやすい人は

2007-05-11 | 論文ガイド
<PA2005(21)>

イギリスのマンチェスター大学より。
●クレイグ・ミュレイ&ジェズ・フォックス&デイヴィッド・ウィルデ
 「体脱体験をしやすい人は」

体脱体験をしやすい人は「道徳=倫理感」や「個人的自己概念」が高い。
体脱体験をしやすい人は「身体封鎖感」が低い。
(身体封鎖感尺度の項目例)
自分の外観に満足している。
他者と物理的に接触することが好き。
身体を整えることが健康につながる。
危険なことをするのが好きだ。(これはたぶん反転項目)

という仮説のもとで、質問紙調査をして分析する構想を述べている。

http://www.kisc.meiji.ac.jp/~metapsi/psi/7-2.htm