見てきました
山種美術館
会期は2014年5月17日から2014年7月13日。
めまぐるしく移り変わるファッションの世界。
今回は、江戸絵画や浮世絵の粋なよそおい、近代・現代の日本画や洋画に描かれたモダンなよそおいまで、各時代の男女の着こなしに注目した展示です。
《第1章:クールな男》
安田靫彦「出陣の舞」
戦国時代のおしゃれ(奇抜!?)番長といったら信長でしょう。
右手には扇子を持ち、幸若舞「敦盛」を踊る信長。
桶狭間の戦いを前に清洲城でのこと。
着ている小袖は左右で色、模様が異なる片身替わりのもの。
これは戦国武将の間で流行ったのだそう。
穏やかな色彩で信長のイメージに対するパンチは足りない気分。
(何を求めているのか……笑)
猪飼嘯谷「楠公義戦之図」
この作品好き。
以前にも取り上げています。
何が好きって楠正成の顔。笑
すごく凛々しくてかっこいいのです。
岩の上で弓を持ち、崖下を見下ろしています。
かっこいいわ~。
本当にかっこいい。
え!?装い!?
戦の場面だもん、鎧着てたよ。
前田青邨「異装行列の信長」
描かれているのは16歳の信長。
妻となる濃姫とその父である斎藤道三に会いに行く場面です。
髪の毛は茶筅のよう。
腰には火打ち袋、瓢箪をぶら下げています。
そして袴は虎と豹の皮の半袴。
これぞ信長ですわ。
どう見てもあいさつに行く恰好ではありません。
ただ、対面場所に着くや正装に着替えたのだそう。
守屋多々志「慶長使節支倉常長」
これも以前に取り上げたかな。
4曲1双の屏風です。
柱の並ぶ宮殿内。
宮殿の壁際に腰掛け、外を眺める男性。
市松模様の床が目をひきます。
場所はローマ。
男性は支倉常長。
遠い日本を思い出しているのでしょうか。
紋付き袴姿で白に水玉模様の小袖がモダンな印象です。
《第2章:おしゃれな女》
磯田又一郎「花の中」
蘭や百合の花が咲く中、描かれているのは横向きの白いワンピースの女性。
幻想的で美しい。
伊東深水「婦人像」
描かれているのは映画界の大女優小暮美千代。
胸元が大きく開き、大きな白い襟のついた赤い花柄のドレスを着ています。
白い帽子に赤い長手袋を着け、黒いテーブルに左手を付け右手は肘を立てて頬に当てています。
そのテーブルには上半身が鏡のように映り込んでいます。
妖艶って感じです。
軽く手玉に取られそう。
(自分、女ですが……)
背景は金色でこれまたゴージャスな印象を与えています。
森田曠平「曲水の宴」
「曲水の宴」
水に流れてくる盃が自分の前を通りすぎる前までに詩歌を詠み、盃の酒を飲んで次に流し……
という行事。
王義之の蘭亭序なんかで有名ですね。
これはもともと男性のイベント。
それを女性のみで描いているのです。
様々な着物で着飾った女性たち。
華やかです。
鏑木清方「伽羅」
横になろうとする女性が描かれています。
枕は髪に香を焚くための伽羅枕。
中に香炉が入るのです。
女性の体はしなやかに曲線を描き美しい。
上村松園「杜鵑を聴く」
青色の着物が美しい女性が左手を耳の方に上げ、耳を澄ます仕草をしています。
杜鵑の声がこちらにも聞こえてきそう。
思わず自分も耳に手を当てたくなる作品。
松園は着物に季節感があり、どの作品も美しいです。
伊東深水「春」
西の松園、東の清方
美人画の2人の巨匠の少し後に活躍した深水。
上の2人に負けず劣らずとても素敵です。
描かれているのは2人の女性。
ほんのりウェーブした髪にモダンな着物を着て、顔を寄せ合いひそひそ話をしています。
可愛らしい。
《第3章:よそおう男女》
作者不詳「輪踊り図」
17世紀の作品です。
男女が屋外で輪になり踊っています。
手には扇や鼓を持ち楽しそう。
男女ともに小袖ですが、男性は無地、女性は鹿の子絞りなどの柄物。
それぞれ描き分けています。
池田輝方「夕立」
6曲1双の屏風。
突然の夕立。
神社の境内で雨宿りする人を描いた作品。
左隻は大きな木の下にある塀の陰に2人。
右隻は空を見上げたり、濡れてしまった着物を絞ったりする人が。
この着物を絞る仕草が素敵です。
袖を口にくわえ、裾をぎゅっと絞っているところ。
日常をお洒落で美しく描き出してます。
以上になります。
以前に見たことのある作品も多いのですが、とても素敵な展示です。
"よそおい"というテーマも面白かった。
見たことある作品でもいつもと違う視点で絞るとまた別の作品のように新しい発見がありました。
ブログランキングよかったらお願いします
山種美術館
会期は2014年5月17日から2014年7月13日。
めまぐるしく移り変わるファッションの世界。
今回は、江戸絵画や浮世絵の粋なよそおい、近代・現代の日本画や洋画に描かれたモダンなよそおいまで、各時代の男女の着こなしに注目した展示です。
《第1章:クールな男》
安田靫彦「出陣の舞」
戦国時代のおしゃれ(奇抜!?)番長といったら信長でしょう。
右手には扇子を持ち、幸若舞「敦盛」を踊る信長。
桶狭間の戦いを前に清洲城でのこと。
着ている小袖は左右で色、模様が異なる片身替わりのもの。
これは戦国武将の間で流行ったのだそう。
穏やかな色彩で信長のイメージに対するパンチは足りない気分。
(何を求めているのか……笑)
猪飼嘯谷「楠公義戦之図」
この作品好き。
以前にも取り上げています。
何が好きって楠正成の顔。笑
すごく凛々しくてかっこいいのです。
岩の上で弓を持ち、崖下を見下ろしています。
かっこいいわ~。
本当にかっこいい。
え!?装い!?
戦の場面だもん、鎧着てたよ。
前田青邨「異装行列の信長」
描かれているのは16歳の信長。
妻となる濃姫とその父である斎藤道三に会いに行く場面です。
髪の毛は茶筅のよう。
腰には火打ち袋、瓢箪をぶら下げています。
そして袴は虎と豹の皮の半袴。
これぞ信長ですわ。
どう見てもあいさつに行く恰好ではありません。
ただ、対面場所に着くや正装に着替えたのだそう。
守屋多々志「慶長使節支倉常長」
これも以前に取り上げたかな。
4曲1双の屏風です。
柱の並ぶ宮殿内。
宮殿の壁際に腰掛け、外を眺める男性。
市松模様の床が目をひきます。
場所はローマ。
男性は支倉常長。
遠い日本を思い出しているのでしょうか。
紋付き袴姿で白に水玉模様の小袖がモダンな印象です。
《第2章:おしゃれな女》
磯田又一郎「花の中」
蘭や百合の花が咲く中、描かれているのは横向きの白いワンピースの女性。
幻想的で美しい。
伊東深水「婦人像」
描かれているのは映画界の大女優小暮美千代。
胸元が大きく開き、大きな白い襟のついた赤い花柄のドレスを着ています。
白い帽子に赤い長手袋を着け、黒いテーブルに左手を付け右手は肘を立てて頬に当てています。
そのテーブルには上半身が鏡のように映り込んでいます。
妖艶って感じです。
軽く手玉に取られそう。
(自分、女ですが……)
背景は金色でこれまたゴージャスな印象を与えています。
森田曠平「曲水の宴」
「曲水の宴」
水に流れてくる盃が自分の前を通りすぎる前までに詩歌を詠み、盃の酒を飲んで次に流し……
という行事。
王義之の蘭亭序なんかで有名ですね。
これはもともと男性のイベント。
それを女性のみで描いているのです。
様々な着物で着飾った女性たち。
華やかです。
鏑木清方「伽羅」
横になろうとする女性が描かれています。
枕は髪に香を焚くための伽羅枕。
中に香炉が入るのです。
女性の体はしなやかに曲線を描き美しい。
上村松園「杜鵑を聴く」
青色の着物が美しい女性が左手を耳の方に上げ、耳を澄ます仕草をしています。
杜鵑の声がこちらにも聞こえてきそう。
思わず自分も耳に手を当てたくなる作品。
松園は着物に季節感があり、どの作品も美しいです。
伊東深水「春」
西の松園、東の清方
美人画の2人の巨匠の少し後に活躍した深水。
上の2人に負けず劣らずとても素敵です。
描かれているのは2人の女性。
ほんのりウェーブした髪にモダンな着物を着て、顔を寄せ合いひそひそ話をしています。
可愛らしい。
《第3章:よそおう男女》
作者不詳「輪踊り図」
17世紀の作品です。
男女が屋外で輪になり踊っています。
手には扇や鼓を持ち楽しそう。
男女ともに小袖ですが、男性は無地、女性は鹿の子絞りなどの柄物。
それぞれ描き分けています。
池田輝方「夕立」
6曲1双の屏風。
突然の夕立。
神社の境内で雨宿りする人を描いた作品。
左隻は大きな木の下にある塀の陰に2人。
右隻は空を見上げたり、濡れてしまった着物を絞ったりする人が。
この着物を絞る仕草が素敵です。
袖を口にくわえ、裾をぎゅっと絞っているところ。
日常をお洒落で美しく描き出してます。
以上になります。
以前に見たことのある作品も多いのですが、とても素敵な展示です。
"よそおい"というテーマも面白かった。
見たことある作品でもいつもと違う視点で絞るとまた別の作品のように新しい発見がありました。
ブログランキングよかったらお願いします