RuN RiOt -marukoのお菓子な美術室-

お菓子好き。F1好き。
美術館行くの大好き。
買い物も大好き。
休日に全力で生きるOLの日記(笑)

中村誠の資生堂 美人を創る

2014-06-08 21:30:00 | 美術
見てきました

資生堂ギャラリー

会期は2014年6月3日から2014年6月29日。

グラフィックデザイナーでアートディレクターの中村誠(1926-2013)の回顧展となります。

中村は1949年に資生堂に入社。
1950年代半ばから80年代にかけて数多くの広告を手がけてきました。
国内外で多数の賞を受賞しているほか、MoMA(ニューヨーク近代美術館)に作品がコレクションされるなど、世界的にも高い評価を受けています。
本展は、中村誠の資生堂時代の仕事を詳細に振り返る、没後初めての回顧展となります。

会場はこれまでの作品=ポスターがずらり。
中村の創作プロセスを自宅に遺されていた未公開資料なども展示されています。

砂目や手描きスクリーンなど製版の過程の工夫により、写真をイラスト的に表現したり。
大胆なトリミングやソフトフォーカスの使用などで独自の表現をした写真を生み出していました。

天井の高さを生かして、かなり上までポスターが展示されていましたが、これがとても素敵でした。
布を使った展示もきれいでしたし、未公開資料や筆記用具などがさっきまで使っていたかのように机の上に再現されていました。
小規模な展示ですが、人がいっぱい。
資生堂ギャラリーでこんなに人に会ったことないくらい。笑

特に美しかったものはモデルに山口小夜子を起用した香水の広告。
まさに妖艶で美が漂っています。

中村は"一業、一社、一生、一広告"をモットーに企業デザイナーという立場を貫き、"企業のアイデンティティーをビジュアライズするのがアートディレクターの仕事"と語っていた通り、生涯、企業イメージの創出に力を注いだそう。
"計数に表現することのできない表情とか、雰囲気、空気感"を大切にしてきたという中村のデザイン。
すべてを描き切らないことで生まれる"間"や"気配"が、特に山口小夜子の広告で出ていたと思います。

とても美しく面白い展示でした。
美しいものを見ることは楽しいものです。



ブログランキングよかったらお願いします