RuN RiOt -marukoのお菓子な美術室-

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大英博物館 古代エジプト展 ―『死者の書』で読みとく来世への旅―

2012-09-14 21:30:00 | 美術
見てきました

森アーツセンターギャラリー

会期は2012年7月7日から2012年9月17日。

古代エジプト、、
なぜか惹かれるその響き
ミステリーハンターになったら絶対行ってみたいよね!!
うん、ミステリーハンターになりたかったよ。。

さて。
今回は大英博物館が世界に誇るエジプトの至宝が六本木に!!
注目は"現存する世界最長の『死者の書』"
全長37m。
この全容が日本初公開
そもそも、古代エジプトでは、人々は死後に冥界の旅を経て来世で復活すると考えられていました。
『死者の書』は様々な試練が待つ冥界の旅路で死者に守護の力を与える呪文集です。
「ヘビを追い払う」呪文や、「水を得る」呪文などが書かれているのです。
旅路で困ったらこれを読んで呪文を唱えればいいのです。
まぁ、ガイドブック的なもんでしょうか
死者に捧げられた美しい巻物。
あぁ、楽しみ

さっそく永遠の命への旅へ!!!

展示は全部で4つの大きな章に分けられていました。

第1章は《古代エジプトの死生観》
古代エジプト人にとって、現世は仮の世界。
来世への準備期間とみなされていました。
生前の行為によって、死者の判定が行われ、その結果で、死者は、死後に再生、復活し、永遠の生命を得るものと信じられていたのです。
「オシリス神像」
死者の書は、当初は棺などに直接書かれていましたが、だんだんとパピルスに書かれるようになりました。
このオシリス神像は丸めた死者の書を入れるためのいわばケース。
顔が緑色でした。
緑色の顔っていうとブータン国王が描いた仏画
そのときは緑色の理由がわかりませんでしたが。
今回のオシリス神像の顔が緑色なのは再生復活の力を象徴する植物の色を表している、とか。

第2章は《冥界への旅》
いよいよ未来に向かって旅立ちます!!
死者は様々なものに姿を変えながら、冥界で旅をします。
行く手には、さまざまな困難が。
この章では護符や首飾りなどの埋葬品が。
「ミイラマスク」
黄金に輝くマスクです。
死者を理想的な姿で表現したものとか。
頭頂部から後ろまで丁寧に細工がされていました。
「カノポス容器の模型」
ミイラ作りの過程で、肝臓、肺、胃、腸は摘出され、それぞれ4つの容器に入れて墓に収められました。
カノポス容器、とは、その容器のこと。
肝臓などを摘出しないこともあったそうですが、そのときでも容器は墓に入れられたとか。
動物みたいな顔がついていて、ちょっとかわいらしかった。
「あとね、心臓も取り出すんだよ。取り出した心臓は乾燥させて、墓に入れるの。」
へぇぇ~
詳しいね、お嬢ちゃん。
小学生の女の子が母親に一生懸命説明していたのが印象的でした。

第3章《世界最長『死者の書』グリーンフィールド・パピルス》
今回の展示のメインです。
大英博物館が誇る死者の書コレクションの中でも世界最長。
37mは長~い!!!
現在は巻物ではなく、96枚に分けられ、ガラス板に挟まれて保管されています。
とにかく発色がいい
色鮮やかでびっくりです。
複製じゃないかって思うほど。。
さてさて。
冥界を旅する(!?)私。
ここには呪文やこの場所ではこうしろ、といったマナーが書かれています。
たとえば蛇やワニに出会ったときに書かれている呪文を唱えると、くるりと向きを変え、蛇やワニは逃げていくのです。
書かれている呪文は約200。
他にも越えるべき丘など難所はたくさん。
死んだ後って大変だな
難所を乗り越えると最大の試練が待っています。
"オシリス神による審判"
です。

あなたは「ウソをついたことがありますか?」
そう、あるんですね、、
残念です。
あなたに永遠の魂は与えられません。

審判のとき、死者は、「~しませんでした。」 という42か条の罪の否定告白をしなければなりません。
少しでも間違えると、自分の心臓は怪物アメミトに食べられてしまいます。
永遠の命を持って楽園であるイアルの野には行けないのです。
42か条には
*ウソをつかなかったこと。
*盗みをしなかったこと。
のようなものの他に、
*誰も泣かせなかったこと
*神を罵らなかったこと
*赤ちゃんの口からミルクを奪わなかったこと
など。。
はっきり言って、イアルの野に行ける人は現在、ほぼいないでしょう(笑)

第4章《『死者の書』をめぐる研究》
『死者の書』は19世紀のエジプト学者が命名したもので、実際には
「日のものに出現すること(の呪文)(ペレト・エム・ヘルウ)と呼ばれていたとか。
『死者の書』ってかっこいいよね。
この名前にしたってことも人気の理由にはなると思う。
古代エジプトでは『死者の書』だけではなく、『洞窟の書』や『冥界の書』などの数多くの葬送文書が存在しているとか。
死後の世界の重要さが垣間見えます。
「動物の風刺パピルス」
擬人化された猫やヤギなどかゲームなどにいそしんでます。
なんだかかわいらしい。
3000年以上も前から動物を擬人化し風刺画としていたってことに驚き。

このほかにも、ミイラや棺な展示品は約180点
見どころたっぷりでかなり楽しい展示でした



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