12月1日 NHK「おはよう日本」
若松さん(27)は
1年半前
実家のみかん農家を継ぐために東京から愛媛県宇和島市に戻ってきた。
若松さんの実家は100年以上続くみかん農家。
高齢の祖父母にとって待ち望んでいた後継者だった。
「みかんパラダイスを撮って。」
農作業の合間には写真や動画を撮影。
SNSを使って発信する。
(若松さんの祖父)
「もう喜びに堪えないような思いです。
遊び自体が悪いとは思いませんが遊び過ぎたらそりゃもう大変な事で
そこはちゃんと気をつけて。」
宇和島に戻るきっかけは
東京でスケートボードに熱中していた頃
実家のみかんで作ったジュースを友人たちにふるまったときに聞いた一言だった。
(若松さん)
「飲んだみかんジュースが
『あれ全然違う こんな感じなんすか みかんジュースって』という感想。
その文化は愛媛で絶やしたくないし
確実に絶やさない方がいいと思うし
みかん作らないとっていう感情になった。」
去年1年間
若松さんは柑橘専門の研究機関 みかん研究所に通い続け
みかんの作り方を一から学んだ。
栽培技術や品種の開発方法など指導を受け
毎日が勉強だったという。
「これが成り枝?」
「来年の成り枝。」
息抜きは自作の“ランプ”でスケートボード。
若松さんは愛媛のみかんを若者たちに発信するため
自らブランドを起ち上げた。
Tシャツなどのアパレルやミカンジュースなどをオンラインやイベントで販売している。
(若松さん)
「反応はいろいろあるんですけど
とにかくおいしいって言ってくれたら一番うれしくて。
売りに出た後に戻ってきて
みかん山に上がってきた時にしみじみ思うときもありますね。
“頑張ろう”みたいな。」
農作業を終えて向かったのはみかんジュースを卸しているカフェ。
生産者の顔が見えることと消費者の声を聴くことを何よりも大切にしている。
「松山の若い子たちは若松さんを知っているので
インスタで見たことあるんですとか
けっこう聞かれることもある。」
「若松さんはちゃんと作ってるんだろうなって信頼して飲んでます。」
「ほんとにおいしかったんで
それはもうはっきり覚えてます。」
(若松さん)
「昔からのやり方じゃない部分のやり方でも
やって行けたら良いなと思いますね。
人間の生きる糧になるものを作っていることは
かっこいいことなんじゃないかなって思いますね。」
誰からもかっこいいと呼ばれる農家になりたい。
愛媛が誇るみかんの文化を若い世代へつないでいく。