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どこまで教える?世界の性教育

2020-11-07 07:05:16 | 報道/ニュース

10月15日 NHKBS1「国際報道2020」


♪ パンツ パンツ パンツザウルス!
パンツをはいた恐竜パンツザウルスが登場するこの歌
子どもたちを性犯罪から守るための知識を教える歌で
イギリスの幼稚園や小学校で広く活用されている。
♪ パンツの中身は君だけのもの
  誰かが「見せて」と言ってきたら NO! と言おう
下着で覆われた部分を自分で守ることの大切さを伝えている。
いま世界的には
性についての知識が乏しい上に起きる性暴力や若い世代ののぞまない妊娠を防ぐため
子どもの頃からの性教育が重要だという認識が広がっている。
たとえば国連が掲げるSDGs(持続可能な開発目標)にも含まれている。
SDGsは2030年までに貧困や飢餓の撲滅や環境の保全など17の分野で
持続可能な社会の確立を目指すとしていて
なかでも
2030年までに
すべての人が性や子どもを産むことに関して教育を受け情報を得られるようにする
と明記されている。
いま世界でどのような性教育が行われているのか。

ドイツ東部マグテブルグの公立学校。
日本の中学1年生にあたる生徒たちが性行為や不倫について学ぶ授業。
(教師)
「テーマは避妊について
 この中に名称の分かるものはいくつありますか?」
生物の授業の中で行われた性教育。
避妊具を直接手に取って実際の使い方を練習するなど実践的である。
(教師)
「コンドームを外すときは裏返さないよう気をつけて。
 少し上にあげて精液が中に残るように漏れないように気をつけて。」
(生徒)
「コンドームを使う練習はいい経験でした。」
「避妊の方法や月経はいずれ自分にも関わることです。」
ドイツではすべての州で避妊方法を含めた性教育を行なう方針で一致している。
しかしかつては保守的なキリスト教的な価値観もあり
性にまつわる教育がタブー視されたこともあった。
(生物の教師)
「昔であれば性のことは話すべきではないと言われてきました。
 これほど自然なことを説明しないのは子どもたちに対して不公正です。」
生徒たちからは活発な質問が寄せられている。
“自分の体ではいつから精子が作られるのか?”
“卵子と精子が一緒になったら何が起きるのか?”
教師は性の知識を正しく教えることで
自分の体を大切にすることやパートナーを思いやる心を育みたいと考えている。
(生物の教師)
「いま生徒たちの体で起きている変化についてじっくり説明する必要があります。
 自慰行為や性行為
 異性への関心の高まり
 意図しない勃起
 どれも普通だと伝えたい。」
この授業を受けたグスタフ君。
(グスタフ君)
「生物の時間に避妊具の練習をしたんだ。」
学校での性教育について
保護者は肯定的に受け止めている。 
(父親)
「センシティブなテーマなので自分で調べると誤った方向に行きがちます。
 だからこそ信頼できる情報源として学校でも学ぶべきだと思います。」

台湾では
社会的 文化的な性の違い=ジェンダーにまで枠を広げた性教育が実践されている。
中学校から避妊の方法などを学ぶ以外に
性教育の一環としてジェンダーについて教えている。
台湾の中学生向けの教科書。
男らしさ 女らしさといった性別に対する固定観念にとらわれないよう指導している。
セクシャルハラスメントの定義についても触れられている。
嫌がる女の子に性的な冗談を言ったり
いたずらで友だちのズボンを下ろしたり。
また職場など上下関係があるなかで性的な言動をにおわせたり。
こうした行為の1つ1つがどう受け止められるかを考え
性的な嫌がらせとは何かや相手とどう一線を引くかにいたるまで
中学で教えてる。
専門家は性行為にまつわる知識のみならず
人権や人権 ジェンダーまで意識させる教え方は
いまや世界の性教育で主流となりつつあり
さらには深い理解が性犯罪の抑止につながると指摘している。
(台湾屏東大学 非常勤講師)
「研究では“ジェンダー平等意識”が高い国ほど性犯罪率は下がっている。
 教育を受けた学生は社会構造を見て多くの問題と向き合い 
 “ジェンダー”とは切っても切れない関係があると気づくのです。」                                                                                                                                                                                                                          

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