まがりかどの先に

まがりかどの先にはきっと良いことがあると信じ、目の前の人生の小路をてくてく歩き続ける日々の雑記です。

山吹の花

2016年04月21日 | 日記

晩春に咲く山吹の花が満開を迎えました。

落語にもなっていますが、昨日ラジオで、太田道灌の山吹の花伝説が紹介されていたのを思い出し、改めて庭先に自生して咲いている花をながめてみると、これがなかなか、悪くない!

                                               七重八重 花は咲けども 山吹の 実の一つだに なきぞ悲しき 

現在の都電荒川線面影橋駅付近(山吹の里)に、道灌さんが鷹狩りに出た際、突然のにわか雨にあい、を借りようと立ち寄った農家の娘(紅皿)が、一輪の八重咲きの山吹の花を手折り、差し出してこの歌を詠んだのだとか。

道灌さん、はじめ、なんだこの娘は、と痛くご立腹したものの、後に、この歌は、後拾遺和歌集に収められた兼明親王(醍醐天皇の皇子、かねあきらしんのう)が読んだものだと知り、古歌を理解しなかった自分を恥ずかしく思い、歌人として大成したのだとか。

「うちは貧しいんで、お貸しできる箕もないんですよ」とは言わず、歌に込めでやんわり、分かってくださいという、奥ゆかしい心配り。
今の時代、分かりにくいよなぁ、はっきり言わなきゃわかんないだろ、という話ではありますが、相手のおかれた状況をみとる感性、立場を慮る感性。西洋人化してきた日本人が失いつつあるところかな、とも思います。

 

コメント (2)
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