And Li Po also died drunk

勝手に好きな音楽、映画、本を書き連ねる。

西に向かって踏みだせば

2014-08-14 13:08:17 | 日記
クラシックを聴き始めた頃、指揮者といえばカラヤンとバーンスタインくらいしか知らなく、
音楽雑誌を読み始めていろいろと知った。そこで情報を得るということは評論家が褒めた盤を
信じるか信じないかは別で興味を持つ。売上を左右するくらい影響を持つと思えばレコード会社も
評論家のアホ先生たちにCD送ったりは当然で、褒めてもらうために金を使ったりするのだろう。
音楽評論家の家が雑誌に出ることあるが広い部屋に豪華なオーディオ。嘘八百並べて、優雅な生活
できるのならそんないいものない。
その雑誌でピエール・ブーレーズを知った。当時はCBS専属で日本語表記もブレーズだった。
もともと作曲家で、指揮は現代音楽ばかり。解釈も分析的でというと何かかっこよくみえて
いろいろ買ってみた。時は過ぎ、バーンスタイン、ホロヴィッツと同じくグラムフォンに引き抜かれ
再録音、新録音。昔のクールな面もある一方、「巨匠」という熟しすぎた桃のようになってしまったが、
かえってその腐った分が評論家のお気に入りになってCD出るごとに絶賛。
最近クリュイタンスの「亡き王女のためのパヴァーヌ」を聴いてやはりこれだと思った。
ドビュッシー、ラベルもブーレーズの演奏はベストなんだかでは1,2位に選ばれて、それを信じてグラムフォン盤を聴いていたのだが、それは「盗まれた街」だった。
表情のない人間の街を歩いているような。晩年のバーンスタインの香水1本使って体に塗ったくった女性がラードをそのまま食べてるような演奏も
我慢できないけど、品を漂わせていた王様が実は裸でおまけにバカだったことを知らされたような感覚になった。
元々最初のウェーベルン全集がレコードで出たとき宝のように大事に聴いていたし、ドメーヌ・ミュジカルがCDになって4枚組2セット
これもまた喜んだのだけれど、仲の良かった友人の嫌な面をみて遠ざかってしまうようなものだろうか。
古い友人の思い出として、春の祭典のジャケットを。何度見ても理解できなくて、裏のブーレーズの写真はなおさら。