こてこてのプロ野球ファンのワタシに限らず、多くのスポーツファンにとって、注目度が高い2022ドラフト会議が行われました。個々の試合を観るより、年に一回のこのイベントの方がはるかに面白く興奮するのです。この先贔屓のチームがどういう構成になり、次世代を担う原石が入って来るか否かはわが巨人にとって最も重要なポイントであります。
今年のドラフトは、戦前から、目玉が少ない不作の年と言われました。何十万と言われる「プロ」を目指す野球少年・球児たちが年によってそうそう大きな格差が出るはずもありません。優れた選手が松坂世代など、特定年に集中することは否定しません。それは、小さな子供が憧れるような(その親が野球で稼がせようと思う)野茂やイチローなど大活躍した時期に、適期を迎えた少年がサッカーやゴルフより野球を選ぶ、といった要因が大きいのですが。
今年が、不作と言われる原因は、二つです。一つは高校野球の地方予選・甲子園で有力選手(特に投手)が目立たなかったことにあります。体調不良や県予選での敗退など地方に埋もれて各球団の目に留まりにくかったのです。この夏の甲子園でも、大阪桐蔭の強さは目だったものの、傑出した投手、スカウト注目の選手が少なかったのは事実です。
もう一つの理由は「コロナ」でした。この3年と言うもの練習はともかくとして対外試合が極端に減り、個々の選手の経験値が向上しにくかったのに加え、各球団のスカウトがチェックする機会が限られた結果、アマ球界に長くとどまる(データがある程度蓄積している)大学・社会人に目が行ったのであります。それとてコロナによる制約で情報収集が難しかったに相違ありません。
それがあって、過去にない事前指名9チームで、競合選手がいないという異例の展開となりました。先に言ったもん勝ち、というか、例年のドラ一に匹敵するレベルの上位選手が少ないので、他球団と競合する前に唾つけた、とけん制したのです。競合してくじを外し、外れ1位も外すなどと言う愚挙(巨人の得意技)では、有望な選手が獲れないと判断したのです。
結果として、くじ引きになったのが2選手各2球団ずつ、トータルで上限120名に対し、支配下69名という非常に少ない指名に終わったのであります。勿論これは、試合に来る観客数の激減による収入減、長引く企業スポンサーからの協賛金の減少、なども影響し数打てば当たる方式が通用しにくくなっているのです。
で、肝心のわが巨人軍のドラフト会議の結果であります。事前の予想と希望は下のブログに書きました。
果して、今回の採点は95点で良かろうと思います。支配下5名と少なかったのと、野手3人というのは意外でありましたが。
それでも、ここ10年振り返ってみても一番の出来であったと言えます。それは、将来は分かりませんが、現段階ではほぼ唯一衆目が一致して「特A」とした超高校級「浅野翔吾」を阪神との一騎打ちで引き当てたからです。浅野選手は、夏の甲子園ではその長打力・打率・走力の素晴らしさを存分に発揮して即戦力に最も近い高校生という評価であったと同時に、171㎝と小柄で、伸びしろが少ないとして指名を見送った球団もいたと思えます。わが巨人でも、小柄な選手はほとんど上位指名はしていません。
今までこのブログで再三指摘してきたことですが、そもそも、高校生では見送られたピークに近い大社選手を評価して取ることに反対してきました。実際巨人では即戦力として活躍した選手は少なく、なおかつレギュラーとして活躍できる年数も短いからです。
今回のドラフトでも、ワタシはどれだけ才能豊かな伸びしろのある高校生をどれだけ取ってくれるか、に注目していて「浅野」1位指名を一番最初に公表した時、久しぶりにワタシの声が届いた、今年は大丈夫だ、と確信していたのであります。未公表3球団中恐らく浅野指名があるだろうと覚悟していましたら、やはり阪神が来ました。しかし、今回ばかりは頂きだろう、11連敗で終止符が打てるだろうと感じたのです。何故なら、いち早く指名選手を公表したら獲得する確率がとても高い、くじ運の悪さは阪神も巨人並、疫病神の様な風貌の(知らんけど(笑))岡田新監督が就任したことにあります。
本来なら、2位指名で高校生左腕投手に行って貰いたかったのです。左の先発・中継ぎが枯渇し投手力不足は明らかなので、あとは全員投手でも良かろうと考えていました。しかし、門別投手や田中晴也・齋藤響介 ・甲子園を沸かせた山田陽翔 など獲得できるタイミングで取らず、Bクラスの評価だった東京六大学3冠王(予定)の萩尾匡也 慶応大)になりました。ドラフト下位でも取れそうな評価の選手でしたが、左右の違いこそあれ「高橋由伸2世」を選んだからには、スカウティングで即戦力野手と評価したのでしょう。
3位と5位は高い評価を受けている「田中千晴」と横手から投げる社会人「船迫 大雅」 、いずれも力任せでは無い制球力がある好投手で、ケガさえなければ手薄であった中継ぎとしていけるでしょう。
そして育成ドラフトは7名の投手の内、高校生が6人で、ソフトバンクのように鍛えて体を大きくすれば化けるかもしれない原石を集めたのは流石でありました。
特A選手を引き当て、手薄な外野手と中継ぎ投手に即戦力を取る、さらに衰えと怪我による坂本選手の当面の補充しとして俊足好打者の門脇 誠を取るというバランスよい補強になりました。
そんなわけで、前回に書いた指名公表済みの選手を除く「獲れればいい選手」11名のうちの2名が交渉権獲得だったので、100点満点にしてもいいくらいであったのですが、支配下で左腕の高校生が取れなかったこと、プロ向きと期待していたお気に入りの「山田陽翔 」を見送ったことを-5減点にいたしました。