植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

「天下為公」の文字が語るもの

2022年10月26日 | 篆刻
昨日、このブログで「円安」について私見を述べました。ワタシ達は知らない間に、その悪影響を受けていて、電気料は上がりガソリンが高くなり、パン屋のコッペパンが小さくなり、回転ずし店の100円の皿が無くなったりしております。年金など、一定の収入源しかない庶民にとっては、円安のメリットはないので一方的に支出増を余儀なくされています。「食べる事にも窮する」無辜の人たちが増えていることを、国会の先生方や、テレビでいい洋服を着ている華やかなマスコミ関係の人たちにはわからないのでしょうね。

ワタシは、健康の為ほとんど自家用車に乗らないようにしています。おやつは自分で育てた果実、野菜物もいくらかは自給しております。しかし、寒ければ暖房を付けますし、食事のほとんどが外から買ってきたものですから、やはりじわじわ支出増となってるはずなのです。

そこでヤフオクであります。そのほとんどの対象が「石印材」を集めることにあります。①自分で彫るための練習用の石(刻印・使用済みの再利用)、②人から頼まれた時用の上質な印材、③田黄・芙蓉石など希少価値のある高級材、④古今の篆刻家さんの作(側款など在銘)の骨董的・美術文化財的価値があるものの蒐集、と色々な目的で幾つあってもいいのです。

既にして在庫は恐らく4千個を超えております。落札したその大半は10個~50個まとめての出品物で、書道篆刻をやっていた人の遺品整理、書道店の在庫整理、と思しきものであります。廃品処理業者さんからの出品物も多いのです。これらは専門家の作による見事な篆刻の印から、素人が力任せに彫った自用印までピンからキリまででありますが、ほとんどは十把一絡げで、一個当たり100円からせいぜい200円程度で入手出来ております。こうした印の中には、時々「鶏血石」などの銘石や素敵な紐(持ち手の飾り彫り)があるものが紛れ込むので、そんなお宝を掘り出すのが楽しみなのです。

問題は、古美術商・中国関係の文物の輸入業者・あるいは収集家からの放出品など、1点物の印であります。従来から安定的にこうした珍品・高級石材・時代物の逸品がヤフオクに出て来るので、ワタシに限らず篆刻家さんや印のコレクター・美術商などが虎視眈々と狙いをつけてお宝に殺到するのが常であります。

以前は、そんな多くの人が注目する価値が高そうな品物でも、たまにワタシの手の届く金額で落札できたのです。大変なお値打ち品・希少な石材に見えるものでも5千円程度で落札出来たのは人造石や粗悪品・まがいものが多く、ワタシもさんざんその手の石をつかまされてはおりますが、一方でちょっと手が震えるような本物感がある品物も入手出来ているのでトータルでは、十分払ったお金以上の石を収蔵出来ています(あくまで手前みそですが)。

そこで本題に入ります。
石だけで200回以上落札してきたヤフオク(印材)中級者としては、見る目がだんだん出来てきています。蒐集家の断捨離で出してきたような本物の掘り出し物に気づく確率が、上がってきているのです。しかし、このところそうした品物が殆ど落札出来なくなりました。原則1件1万円以内という自主ルールで札を入れるので、一定レベル以上の品物には手が届かないのは致し方ありません。しかし、中にはこれは!と思うものには2万円位いってみよう、と試みているのです。

例によって夜9時半には就寝するので、自分でこの位なら落札出来るか、と大きめの金額を出して、一旦は一時的「最高入札者」には入るものの、その後上回る入札があっても上乗せして追いかけない、これが大損をしない(散財しない)コツでもあります。翌朝チェックすると、例えば15千円で上値にしていたものが5万円位で落札されるというようなことが多くなりました。数日前から通算で40件程入札しましたが、一つも落札出来ておりません。大体自分の設定した金額の10倍くらいで他の方が落札するか、さもなくば深夜に少額を乗せ合う入札合戦が延々と続いて「出品者都合で取り消し」という事例も頻発しています。こうした現象は「円安」と無縁ではないと思います。中国人が、円安によって割安感の出ている「日本」を買いたたいているのであります。

そのちょっと前に落札した石が2件、先日届きました。一つは、黄土色の自然石に薄意があるものの、その半分以上が擦り削られている未刻印Aで、4,100円。もう一つが丸石の上半分に2匹の獅子紐、側面は皮付き(自然石の風合いや形を生かすためにわざと表面を残す)の大型印Bでありました。これは、1,300円(笑)。つまり、専門家・蒐集家さんが目もくれないような様子の品物(ガラクタレベル)だから私が落札出来たということになります。

しかしながら、現物はワタシの期待通りなかなかの品物でありました。
Aは、その石材の種類は寿山石の銘石の一つである「黄高山(高山凍)」と見ました。



半透明、薄灰色の下地に飴色の層が混じり、うっすらと朱も見える艶やかな美しい石です。底部は平面で磨かれていて印を刻んでいたかは不明です。側面4面の内、一面だけは無傷で丁寧な薄意が残っていますが、2面は意図的に削られ、背面にあったと思われる側款が奇麗に削り取られたように見えます。かなり年数がたった古材であることは一目でわかります。なんでこんな勿体無い事をしたのかは見当が付きませんが、完品であれば軽く5万円以上はする秀麗な材であります。

もう一つのBは、高さ8㎝弱、横幅5,6㎝という大型の丸石で、赤みが強い半透明の材質は「馬肉紅」あるいは老嶺石の類で、切り出した岩塊ではなく、土中から出土する自然石であります。この材質の石は、大きめの紐つきの工芸品によく見られるもので、ワタシの収蔵品の中にも共通した特徴の石が3点あります。恐らく彫りやすく、粘りがあって精密な細工に適した良材なのでしょう。側款は「壬戌 竿 〇謙」と読めます。また、印面には「天下為公」(政治や権力は個人一人の血統・系統によるものであってはならない、等しくすべての民のものとすべきである)といった意味で、非常に手馴れた繊細な印の彫りようであります。



これが、たった1,200円の価値しか無いとは到底思えません。というのは、同じ日に出品者によって他に2件の印が出品されていたのですが、いずれも夜中まで3万円まで吊り上がったあと「出品取り消し」になっていたのです。
一つは薄意がある3種類の印3点、もう一つは全体に薄意がある半透明の緑石1点で、もしかすると「艾葉緑」や田黄緑といった超高級な石とも見まごうような素晴らしい石でした。

再出品されたなら、恐らくその2件は、スタート時点で3万円ほどの値をつけ、5万円以上でないと落札出来ないでしょう。そうした品物と一緒に出された1点物が「ガラクタ」であろうはずがないのです。

「天下為公」の言葉は、中国の人民が、長い間皇帝制度に隷属してきたことを戒めようとした孫文さんが好んで書いたそうです。日本ではあの麻生太郎さんがこれを揮毫するとか。意味が分かってるのか疑問ですが、あまりにも皮肉でちょっと笑えませんね。

その中国で、新皇帝とも言うべき「習近平さん」が3期目に突入しました。前職の「胡錦涛」元国家主席を万座の中でつまみ出させたのは、短い無言劇を見るようでした。これは、ひょっとしたら、これから世界に大きな影響を及ぼしかねない大国の「危険極まりない」転換点であったかも、と危惧するのはワタシだけでは無かろうと思います。


コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

安倍さんが遺した財産で食えるか 共倒れするのか

2022年10月25日 | 時事
山際経済再生担当大臣が辞任に追い込まれました。その理由は「旧統一教会」との付き合いがあったにも拘わらず、週刊誌などで暴露されると、渋々認めるという「後だしじゃんけん」の姿勢が酷くて、選挙に強かった安倍さんの遺産である岸田内閣が支えきれなくなった(切り捨てた)からであります。内閣改造の時に、統一教会と関係があった大臣はみんなやめさせられ「アンケート」を出させて、篩にかけたのに、山際さんは「しらばっくれた」のです。

そもそもは、故安部元首相が路上で選挙応援中に狙撃されたことがきっかけでありました。統一教会の信者を親に持った山上容疑者が、その献金のために次々と親族を失い、生活力を奪われて家族崩壊を招いたことを世間に知らしめる「計画的にして最大効果をもたらした襲撃」であったのです。

数十年前からその「霊感商法」が問題視されていたにもかかわらず、存続を許し放置したのが安倍一族と統一教会の深い関係に根差していたことが明るみに出ました。検察や文科省など、それを知っていて見て見ぬふりをし、宗教の自由を隠れ蓑にする詐欺集団・半日団体を温存したのが原因でもあります。

安倍さん亡き後、その「負の遺産」が自民党政権を揺るがすことになろうとは本人も思わなかったでしょう。政治家一家の名門のボンボンであった彼は、自分の足元・立場や権力さえ保てれば日本がどうであろうが、政治や社会の将来がどこに向かおうが知ったことでは無かったのです。

さて安倍政権が残したもう一つの負の遺産が「アベノミクス」であります。自民党政治を盲信する支持者やマスメディアの自民シンパの先生方は、いまだに安倍政治のおかげで日本の政治と社会が安定し、経済も上昇し、雇用が改善したと思っているようです。

しかし現実は、正規雇用は減少して非正規雇用者が増え、主婦や老人は安い給料で働かされ、年金などは実質減額されています。株が上がったと言っていましたが、円安誘導によって外貨建ての株価が膨らんで見えたに過ぎません。安倍政権は、財政の規律を破り実質0金利の継続によって低利での国債発行を無制限に増やして莫大な負債を残しました。その引き受け手が日銀なので、日銀券をどんどん増刷します。すると、現金がじゃぶじゃぶ国内に流れていくので、相対的に諸物価が上がる要因になります。

ロシアのウクライナ侵攻による悪影響で、天然ガスと原油の供給が大幅に減ったこと、ウクライナが提供してきた小麦などの農産物の生産停止などによって、様々なコスト上昇要因が増えました。そのため、世界的な物価高騰に進んできたのです。各国政府や中央銀行が、流通する現預金・マネーサプライ(流動性)を減らし長期金利を上げて、インフレ抑制に走ります。

ところが、超低金利のままであった日本との金利差がが大きく開いてきて、円が売られ(円安となる)ています。これを例えれば、貧しい後進国の独裁国家があったとして、軍隊や役人の維持のための支払いや、自らの私財を蓄えるために自国のお札をバンバン刷って発行したら、国際的な信用がなくなり、通貨を外貨に交換して貰えなくなります。結果として猛烈な物価高騰を招く(ハイパーインフレ)ことになり、給料が追いつかない国民は、お札の束を抱えてパンを買う行列に並ぶことになるのです。

世界的な物価高騰・インフレ経済に陥った時、日本(日銀)は打つ手がなく円安・物価高に対抗出来る手段を失っているのです。今月になって2回、日銀が円買いという為替介入をしたようです。一度は公開し、先日は「ステルス(非公開)」で市場介入し、円高誘導を行ったのです。残念ながら、そのために活用できる外貨準備高は20兆円程度で、世界全体で動かされる資金からみたらほんのわずかであります。介入は、一時的限界的な効果にとどまりすぐに円安に戻ってしまうのです。小手先ではどうにもならない悪夢のような構造に落ちた政策が「アベノミクス」の正体でありました。

安倍さんは現役総理の時に「悪夢の様な民主党政権」が口癖でありました。民主党時代に維持した「円高」を悪者扱いし、輸出が伸びないのは円高のせいだと主張したのです。しかし、それはその一部の要素に過ぎず産業構造の変革が置き去りにされることにもなりました。

今、本来なら長期金利の引き上げを実施すべきなのです。しかし、今年度末には1000兆円を超える ことが確実な国債残高であります。仮に1%上げたら、長期的に見れば年間で10兆円の利息負担増となります。これをまた国債で補うならその残高は雪だるま式に増えていくでしょう。低金利の恩恵で生き延びてきた中小、借金まみれの企業は、次々に倒産に追い込まれるでしょう。変動金利型の住宅ローンで身の丈以上に多額な借金を負った債務者は、返済不能に陥り持ち家を手放すことになります。

だから日銀は「金利を上げられない」ので、円安に対抗できる術がないのであります。結果、皆さんの運転する車のガソリン代は上がり電気代は上がり、パンもパスタもなにもかも値上がりしているのに、給料は上がりません。そうして、安倍さんが実施した2度の消費税増税で、消費は低迷しており景気は浮揚する要素がありません。

岸田さんが非課税所帯層にお涙金を恵んでくれ、電気代をちょっとだけ補填するそうであります。財政規律が崩壊しバラマキ資金は国債増額、しかし財務省は一度手に入れた打ち出の小づち「消費税」を決して手放そうとしません。労せずして自分たちが、思いのままに出来る税収(官僚たちの給料や老後の資金のもと)だからであります。

有権者の皆さんは、そんな事を承知のうえで自民党政治を肯じているのか、もしそうだとしたら、なんと自己犠牲的で寛容な民衆なのだろう、と思うのです。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

戦争を知らない子供たちの一人だけれど 英霊を思う

2022年10月24日 | 時事
昨日は、当「須賀地区」の戦没者慰霊祭でありました。自治会長としては大事な仕事、背広にネクタイという、年に一度あるかないかの格好で参加したのです。

日露戦争から大東亜戦争で、国のために戦った246柱の御霊が祀られております。今の平和や日本の国体があるのも、戦争で散った若い命「英霊」のたまものだと有力者たちの挨拶に込めた思いが語られました。英霊は、一般には戦争で亡くなった人たちの霊を尊び敬う尊称であります。

戦争は、国の領土や人民の生命財産を守るために行われ、職業軍人として兵士・兵隊が戦地に赴きます。しかし、太平洋戦争にせよ日露戦争にせよ、国を守るためと言うより、領土を広げ植民地を得る事を目的に、他国へ派兵したのではなかったのか、と思います。もし、列強に対抗して「国際連盟」を脱退しなかったら、もし、大東亜共栄圏などという絵空事の大義をかざした軍部や一部の政治家が、中国や南方諸島、アジアの諸国へ軍隊を送らなかったら、どうなっていたのかと思うのです。

軍部がいたずらに無謀な戦争を起こさなかったら、死なずに済んだのではなかったか。330万人と言われる日本の戦死者、アジア全体では2千万人の死者を出したのです。一方の戦争当事者英米軍はわずか25万人でありました。

敗戦によって日本が近代化し、戦後の急激な成長の結果有数の経済大国になった、というのは後付けの理屈だろうと思います。広島長崎の原爆によって終戦が早まり、結果的には日本の人民が本土決戦で失われなかったというのはアメリカが原爆投下を正当化するために付けた勝手な理論であります。

英霊と言う漠とした呼称をつけていながら、実は無駄死にであったのだ、と感じざるを得ないのです。戦争を始めた為政者・軍や上層部のせいで死なずに幸せに暮らせたはずの命を失ったのだと。死んだ兵士の多くは餓死と病死であったと聞きます。その無念を思うと戦争の罪の大きさ重さをワタシ達は忘れてはならないと改めて感じるのです。

ワタシが生まれたのは終戦から10年後でありました。母方の祖母は、太平洋戦争が始まってすぐ、福岡県の小倉で防空壕掘りに駆り出され、夕刻一人残って手掘り用具を洗っている時に崩落して生き埋めになったと母に聞かされました。初めての民間の戦争犠牲者として「孝女烈婦」として表彰されたそうです。伯父はブーゲンビル島4万人の守備隊の一人で、幸いにして生還しました。それから20年後もこめかみに銃弾が残ったままでした。亡父は、広島の海軍兵学校にいて、原爆投下の日、広島に行く用事があったのに、なぜか汽車に乗らずたまたま「呉港」にいて難を逃れたと聞きました。父が英霊になり損ねたために今のワタシがあるわけです。

今、ウクライナで、プーチンが起こした大義も無い侵略戦争が8か月続いています。双方ですでに数万人の兵士と民間人が亡くなっているのだそうです。プーチンが軍をださなければ誰一人死なずに済んだはずなのです。国を守るために戦って死んだウクライナ兵は、まさに尊い英霊(日本人にしか使わない用語のようですが)でありましょう。しかし、死んだロシア兵とともにプーチンの犠牲者でもあるのです。

このブログで紹介した書道の師匠である藤原ひさ子先生の「冬の衣袴」という歌集は、戦地に赴いて戻らなかった息子の事を詠んだ母「原谷洋美」さんの句や歌を書作品にしたものです。


「英霊は帰られましたか と 問ふ便り
身内も未だ帰らぬ と 書く」
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

忙しいのは生きてる証拠 やることがあるのは有難い

2022年10月23日 | 日記
年金暮らしの身になると、サンデー毎日=毎日が日曜日となるそうです。残念ながらこのワタシは、ここ数年と言うもの休日が無い毎日が月曜日みたいなものであります。

定年後、小さな店舗をコンビニに貸し、周囲を掃除したり草むしりをする傍ら、緑地部分にバラを植えて、園芸家気取りであった頃は、まだ優雅でありました。家内と起こした会社は、従業員はおらず、ワタシは専務兼雑用係兼経理で、月に8万円の給料ですがこれは、そのまま家内の懐へ「食費」として召し上がられます。

そして、一念発起して始めた書道・篆刻に没頭し、蕎麦を打ち、ブログの毎日更新を課し、メダカの繁殖に精を出すころから徐々に自分の生活や時間が圧迫されて来るようになりました。とどめが自治会長を押し付けられたことです。一年を通して不規則な行事や相談事に悩まされ、質の悪い関係者からいびられ愚痴が増えていったのであります。

会社は9月末が決算、昨日ようやく時間を確保しワタシ一人しか知らない会計処理をやりました。しかし、これは片手間で、自治連の会長から面倒な電話はかかって来るし、90歳になる一人暮らしの裏のおばさんが病院に行くというので送ってやってと頼まれ、結婚したばかりの次男夫婦がやってきてお金の清算など(祝儀を全額渡しました笑)、ウチで採れたイチジクやブドウ・柿を食べさせました。

のみならず、愛車の後ろのランプが切れたので急遽車屋さんに連絡を取って、ランプ交換に行きました。30分の時間がとれると「河野隆」先生監修の篆刻テキストの摸刻、メダカのエサやり観葉植物の水遣り、と息つく暇もなく一日が過ぎていくのであります。

世の中で多忙な人は無数にいて、ワタシよりはるかに分秒刻みの仕事をこなしている方も多いでしょう。でもそうした人はもっと若く、お金を稼ぐことに直結しているからモチベーションや体力・気力がついていくのです。その点、早い話、66歳のワタシは、一年中一銭にもならない仕事や作業で日々てんてこ舞いしているわけであります。これだけ無駄に忙しい年寄りはそうそう居ません。(笑)

さらに、合間を縫ってスマホに目を走らせ、数十件のLINEを読み返信し、ネットのニュースに目を通し、ヤフオクの新たな出物・品物をチェック、最低3,4件に入札いたします。ボケ対策のツムツムだって一日4.50プレーしております。目覚めて夜中に幾度か起きるまで若い人たちと同様片時もiPhoneを手放さず、通算で毎日最低5時間はスマホをいじっているようであります。なのでエアロバイクを漕ぎながらツムツムをやりながら、音楽を聴くなどということが日常なのです。

篆刻は辛うじて1個ほりました。昨日記憶に残る情報の一部は、以下の通りです。
レクサスの新車が全く入荷せず、ショールームにたった3台しかなく、しかも展示車なのにすでにその1台さえすでに売約済だそうです。また前国家主席であった胡錦濤国家主席が、何か批判して10年に一度の党大会でつまみ出された、裏のおばさんはボケてるので、在庫がたくさんあるのにまた目薬を貰いに行っている。サッカー女子U-18は残念ながらスペインに負けた。篆刻・あるいは篆刻家とはどういう意味・定義かという論戦・情報交換もいたしました。何よりうれしかったのが、大きな病気をしている九州の兄が、実家の納屋を解体するなどと連絡をくれ、一時に比べてずっと元気そうなことでありました。

毎日がこんな調子なのです。さてこれからメダカのエサをやったら着替えて、近くの神社で行われる「戦没者慰霊祭」へ出席します。そういえば沖縄で天皇皇后も慰霊祭に出席されていました。雅子様元気になったかなぁ。

そうだ、今年大学に入ったハナちゃん(チャットで知り合った書道仲間)、篆刻の授業で使う篆刻用具一揃いを頼まれていました。腐るほどある印材やら印泥など10種類くらいをまとめて送らねば。やり残しの会計処理を終わらせましょう。

基本、忙しいのは好きなのです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

起雲閣に行ってまいりました(2回目)

2022年10月22日 | 書道
書道の師である「藤原ひさ子」先生が、熱海の起雲閣で、2回目になる作品展を開きました。
起雲閣と先生の作品展の内容については昨年同時期に一回目が行われたので、重複を避けるためその時のブログをご参照下さい。 

書道の仲間(先生の弟子)が全員集まって、ちょっと手伝いをした後は書道教室同様、お茶を飲みお菓子を食べ世間話でした。70歳平均のおばさまばかりなので、そのうるさいこと。

大正時代に政商のお大尽がお母さんの療養所として建造された起雲閣は、その後、人手に渡り、20世紀最後まで高級な旅館として文人文豪に愛されたそうであります。庭園も手入れが行き届いて見事であります。

尾崎紅葉さんや夏目漱石さんなどの書などが展示されていてまさに「眼福」でありました。

肝心の先生の作品集は、書・歌集「冬の衣袴」 という書物に収められていて、太平洋戦争に赴き戦死した息子の母親が詠んだ歌を書に書きうつしたものであります。

先生が最も得意とする分野、仮名交じりの書は、万葉仮名などの流れで、漢字のみ、カナのみという書体の二派の中間にあるものです。書道家さんは概ねどちらかを得意として、前者は男後者は女性というのが歴史的には大勢を占めた時期が長いようです。かく言うワタシも、只管漢字を書く毎日で、藤原先生からは、(下手な)かなをもう少しやりなさい、とお小言を頂いている所であります。

日頃、ちびちびとお小遣いを投資してヤフオクで集めた書道の小物を持参し、展示室のテーブルにデコレーション として置かせてもらいました。栄寶斎や「華石」という名工の水滴や、印材コレクションの中からほんの少し持参いたしました。

万一持っていかれてもダメージが少ないぐらい(高くて1万円位笑)の物で、先生の作品を汚さない程度の品物であります。さすがに、このワタシも自作品=ワタシの彫った篆刻印をついでに展示させてもらう程、厚かましくはありません(笑)。

帰りには、小高い丘から相模湾を見下ろす絶景の眺望、小田原のそば季寄 季作久に寄って、天使の海老天蕎麦/1,980円を美味しくご馳走になりました。

見事な庭園を堪能し、美しい書画を眺め、先生渾身の作品に触れ、天気晴朗な相模湾を見下ろしながら人気の蕎麦屋で美味しい天ぷらそばを頂くという、大変有意義で贅沢な一日でありました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする