植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

お盆を思う

2019年08月09日 | 植物
朝4時過ぎだというのに、セミがやかましく鳴いております。ニイニイゼミとアブラゼミでしょうか。
わずかな地上での命を精一杯燃やしているのでしょう。猛暑の中、暦上は立秋となりました。朝の空気は気のせいか涼しさを覚えます。

甲子園高校野球の真っただ中です。50年も前、郷里の家で、スイカをほおばりながら家族みんなでテレビに見入ったのを昨日のことのように思い出します。地元大分の高校が点を取られると、普段は冷静な父が大きな声を上げていましたな。

玄関先には、自生している高砂百合が蕾をもたげてまいりました。植木屋さんも、それと承知で抜かずにおいてあります。この植物は、元は台湾原産の外来種、種でも球根でも増える旺盛な繁殖力の持ち主で、場所によっては他の植物を駆逐する要注意植物の指定を受けております。

高砂百合は、決まってお盆の頃に開花します。3年前、義母の亡くなった日に合わせるかのように花が咲いたのに驚いたのを覚えております。別名「ホソバテッポウユリ」の名前の如く、照葉に近い細い葉が、上から見ると渦巻のように放射状に伸びます。

お盆のこの時期は、過去様々な悲惨な記憶を思い起こします。ワタシたちが生まれる前ではありますが、広島に続いて、74年前の今日、長崎市の中心部に原子爆弾が投下されました。地獄とまごうばかりの火に焼かれた無数の市民の痛みと無念さを思わざるを得ません。
御巣鷹山にジャンボ機が墜落したのも夏の盛りでした。凄惨極まりない墜落現場にテレビですら衝撃を受けました。

自分の両親を亡くしたのも、こんな時期、暑い夏でした。

お正月が、未来を期待し、向後の安寧と繁栄・健康を祈念する日だとすれば、この時期は、遠い先祖を想い、過去と静かに向かい合う日と言えるのでしょう。死者を悼み、多くの方々に感謝し、足りなかったこと未熟さゆえの失敗を今更ながら悔いる、そんな時間を持つことが大切です。

とは言え、この時は子供たちの帰省にもあたります。孫を連れた長男夫婦はじめ一家が集まれることはシアワセ以外の何物でもありません。
それぞれがそれぞれの思いを胸に一堂に会し、各人の予定の中、繰り合わせてきます。
せめてバーベキューでも、と老夫婦は少し慌ただしい気持ちであります。

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