植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

安倍政権の遺したものその2 貧しき格差社会

2020年09月01日 | 時事
安倍さんは事あるごとに、雇用者数の増加を成果として400万人の雇用を生み出したと叫んでいます。確かに、女性の社会進出や60歳を過ぎた高齢者雇用の拡大を中心に増えているのでしょう。
正規雇用者はこの間、150万人増えたということになっています。7年間で言えば年率0.6%というところ。一方非正規雇用者は、255万人増えています。非正規雇用者の割合は2012年就任当時35%ほどでしたが、昨年では38%を超えております。

 そもそも、正規雇用者の年収は約5百万円で、非正規雇用者は180万円位です。しかも非正規雇用は、いつ解雇されるかもしれず、厚生年金や社会健康保険が適用されず、保険料が当人の負担となる非常に危うい条件下に置かれています。本来は非正規雇用者が正規雇用に移行することで国民全体の生活が向上するのです。
 また名目賃金は1995年を100とすると、ほぼ一貫して低下しておりいまだに87程度であります。現在アメリカは80%以上、ユーロ圏でも50%位増加しているのですよ
 
 雇用者(労働者)が増えたのは政府の力と喧伝しておりますが、例の2千万円不足問題(今の年金水準では老後2千万円が不足する)のように、年寄りが働かねば食っていけない世の中になっているのです。それは、少子高齢化を放置し、年金制度欠陥、財源不足を招いたお国の責任であります。一億総活躍などと威勢のいい言葉で糊塗しておりますが、年金は貰えなくなるから、死ぬまで働かせる、という政府の陰謀ですよ。雇用が拡大したなんて喜んでいる場合ではないのです。

 例えば、GDP、平均寿命、社会の自由度などで計る世界の幸福度ランキングは今年62位韓国より下です。2015年は46位でした。欧米的な価値判断・尺度ではありますが国民の幸福度は年々下がっているのです。

 例えば貧困率は、先進国では最悪レベルで、悪化の一途であります。まともに生活できることができない「相対的貧困率」では昨年で世界のワースト11位(15.7%)、つまり日本の2千万人ほどが生活困難者という結果なのです。

 これらの統計は、安倍政権が格差社会の拡大を招いたという証拠であります。異常なまでの金融財政緩和・規制緩和などは、巨額な財政赤字・負債を増大させたと同時に、自民党の応援団の業界や一部の金持ちには巨万の富をもたらしましたが、貧困層を拡大させ、若者・女性・高齢者が、安い時間給で働かされる世の中になったのです。

 バブル崩壊後、未曽有の不況に突入したまま、あるいは失われた30年以上が経過しましたが、いまだに明るい未来が見えません。少子高齢化・人口減少、不動産デフレ、社会保障費や租税負担の増加などが何一つ改善されないまま安倍政権は「やったやった」と言うばかり。安倍さんは「悪夢の民主党政権」と叫びましたが、民主党はわずか3年、その他の数十年はずーっと自民党が国政を握ってきたのです。悪夢の昭和・平成時代を司ってきたのは自民党なのです。

 それでも、次の総理大臣は菅だ石破だ岸田だと世間は騒いでいます。コロナなんかそっちのけです。
 もし、マスメディアが取り上げるとしたら、安倍政権に代表される自民党政治の功罪をきちんと検証し、これからの政治・社会が自民党独裁のままで本当にいいのかを真剣に問題提起すべきなのだ、と思いますが。
 


 


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