植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

安倍政権が遺したもの その3 専用機に乗って金はまいたが芽も出ない

2020年09月02日 | 時事
海外の大統領やら首相やらから、賛辞の声が上がっています。戦後最高の首相とか、偉大な紳士とか、褒めたたえる各国指導者からのメーッセージが届いています。それはそうでしょうとも。

 飛行機に乗って外遊するには、必ずお土産持参。後進国にいけば、ODAで円借款やらプロジェクト資金提供は、55兆円に及ぶそうであります。名目は貸し出しでありますが、概ね貸し倒れし債務免除となります。こういうのをバラマキ外交と呼びます。貰った国は、一説によると9割ほどが政権側のお小遣いになるそうです。
 同盟国としてアメリカの要求には言いなりで、アメリカから買い入れる軍用装備は、それまで数百億円の実績が、毎年急増してピークで年間5千億円近くを買わされました。当然国家の軍事費用は就任以降増加の一途でした。

 沖縄基地の移転問題でも、民主党政権がどうしても解決できなかったのをいいことに、辺野古移転と埋め立てを強行して、県民の怒りを買いました。発展途上国から欧米諸国に至るまでバラマキ外交がお得意なので、みなさんヨイショするわけです。褒めるのはタダ、本心はどうかは知りませんが。

 中国にもいい顔をしていました。土下座外交などと揶揄されながら、国賓扱いで習近平さんを招く手はずだったのです。さすがにコロナで中止にはなりましたが。中国には、尖閣諸島問題から、海底油田の越境操業、サイバーアタック、技術流出(盗用)、商標権・特許権侵害など国を挙げての侵略的行為にもかかわらず、国辱的な外交姿勢だったのです。コロナ発生以降の中国の姿勢は、一帯一路政策、技術覇権競争、台湾・香港はじめとした隣国や自治州への領土侵略、など露骨な世界制覇の野望があからさまになりました。もはや、世界を敵に回しても構わないという体制に見えます。こんな国に平伏して仲良くしようとしていたのです。

 韓国とは、慰安婦問題は鎮火せず、徴用工問題では、鉄鋼会社資産の差し押さえにまで発展して、抜き差しならぬ事態に発展、例の三品目の貿易優遇廃止という強手を打ちました。ワタシが唯一「グッジョブ」と思った政策です。しかしながら、結局韓国の反日姿勢に油を注いで、韓国からの旅行者は激減、日本製品不買が起きており落としどころすら見えません。

 北朝鮮の拉致問題は、結局1ミリも進展しなかったというべきでしょう。随分拉致問題に取り組んでいると仰っていましたね。この政権の特徴「やってるふり」作戦でした。もし、本当に何が何でも解決に向かうなら、小泉さんが仕掛けたように、ピョンヤンに出向き、実務者から両首脳まで会議・会談を行うべきでした。トランプさんに伝言頼んだだけで努力していると言われても、白けるだけです。

 あと、忘れてならないのは北方領土問題でのプーチンさんとの交渉でした。ロシアとの交渉の為にどれだけの国費が投入されたかは知りません。何千億円という税金が投入されたようですが。こちらは前進するどころか後退の一途でした。エリツィンさんと交わした約束は歴代政権がきちんとした交渉や進展がなく、条件も徐々に譲歩を繰り返しました。
 
 安倍さんは、膠着状態であった北方領土返還と日ロ平和条約締結の為にプーチンさんと27回!も首脳会談を催しました。4島返還から、色丹島・歯舞諸島の2島返還への妥協案を示しましたが、結果はロシアは断固としてその領有権を手放す意思はなく、ロシアによる占有も当然の権利(戦勝国の戦利品)という声明が出されて一巻の終わりになりました。意気込んだ安倍さんは功を焦り、誰の目にも作りものに見える「にんじん」をぶら下げたプーチンさんにしてやられたのです。これは、一重に外交責任者と外務省の見込み違いでありました。その後の安倍さんのしょげっぷりは、ワタシですら気の毒に思えました。

 昔から国連には2018年まで実質世界一と言われるほどの分担金を拠出しています。にもかかわらず、いつまでたっても敗戦国扱いで、常任理事国入りも果たせません。アメリカは中国びいきのWHOに対して、分担金支払い停止措置に踏み切りました。安倍政権は、WHOに対する、世界第4位の分担金約50億円は減らしませんでした。
 
 どうやら、外交の安倍という、旗印は見掛け倒しであったのです。外交的成果がほとんど見られなく、他国にコケにされたようにしか思えません。ただし、実利は無くても、国際会議などで主導的な発言を行ったり、長期安定政権として他国との信頼関係を維持出来たというのは、それなりの成果と言えましょうね。

 思うに、日本は海に囲まれて地勢的に他民族・他国家からの侵略の脅威が少なく、陸上で領界線がないために、摩擦や小競り合いも無かったのです。昔は資源もなく、細々とした農業と漁業で生計をたてる大人しい土着民族が暮らす離れ小島に等しく、ヨーロッパの大航海時代にも注目されなかったんですね。

 長く鎖国も行われて居ました。海外との交渉も接点もほとんど無いまま江戸時代末期に「黒船来航」となりました。言葉の壁もあり世界の情勢や歴史経済に全く無知な日本は、それからというもの不平等条約や他国からの干渉にさらされることになりました。伝統的歴史的「外交下手・外交音痴」はそこらに由来するのですね。安倍政権は、さながら「コウモリ」のように全方位的に他国にいい顔をしたため、信頼されず、どこからも相手にされなくなっている様にさえ思えます。

 これまでの自民党政治では、戦後、随所に密約があったことが知られるようになりました。外交は国と国との利害がぶつかりせめぎ合うことです。他国の条件をのむことで自国の主張を通すというプロセスが常に付きまといます。それが、秘密性に繋がるのは当たり前です。往々にして国民の知らないうちに、国益を損なうような相手国の要求を受け入れている(巨額の裏金を支払う等)、ということが問題なのです。そして、情報集能力と権謀術数を駆使して最善の交渉をおこなうという組織が必要です。米CIA・NSAや英MI6、中国国家安全部などの諜報組織・情報組織をきちんと整備すべきでしょうね。皇族気取りの外務省高官や大使などは、何の役にも立ちません。

 金を出していれば厚遇される、にこにこして握手すれば万事うまく運ぶなどといった関係はもはやあり得ないことを肝に銘ずべきなんです。

 





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