植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

洋ラン栽培も駆け出し

2020年01月11日 | 植物
洋ランの季節です。
洋ラン栽培を始めて5年以上になりますが、ほとんど上達しておりません。開花する花は少なく、枯れかかっているもの生死不明のものもくつかあります。そんな中で、幾つかの教訓を得ました。

 一つは、根が地上に出ているのが普通で、鉢からはみ出ているくらいが健康な証拠ということです。主に着生蘭は、樹上の枝や幹、それを覆うシダ苔類などに着生して生長します。胡蝶蘭、カトレア、バルボフィラムなどが該当します。もっとすごいのがバンダですね。気に引っかかったまま、長い根を空中に垂らします。茎も葉もこの根の長さや太さには圧倒されます。室内で栽培する植物では、その目的が、根がメインとなり得るともいえるほどです。全くコケや土に頼らず空中の根で呼吸し水分を吸収します。栽培するにも鉢は不要で、バスケットやメッシュざるのようなもので吊り下げるだけです。ワタシには、バンダと風蘭の交配種が二鉢ありますが、少しの水苔を巻いたまま100均のメッシュかごに入れてあります。水やりは霧吹きだけです。おそらくプラの鉢などに植え替えると早晩根腐れとなるでしょう。そうならなくても根のやり場に困るようになると思います。
天使のスリッパ パフィオペディルムも半着生で岩場や樹木、あるいは地上の苔などが自生するところでも生育するようです。

 次に、ランは温度管理が重要なのですが、寒さには対応する方法は多いが、非耐暑性の蘭は栽培が難しいということです。洋ランは、概ね、熱い熱帯・亜熱帯の森や山中に自生しています。だいたい気温が10℃を上回っていれば、寒さで枯れることはありません。ですから、割合温かな地域では屋内に取り込んでいれば、大体安心できます。冬場にも生長させる必要があれば最低20℃以上の温室栽培になります。 ところが、高温多湿の日本の夏では育ちにくい洋ランがあります。マキシラリア、セロジネ、プレイオネあたりが該当します。ヒマラヤなどの高地に自生する蘭は30度を超える気温になると枯れるものがあるのです。このブログでも以前紹介しましたが、神々の花とよばれるディサなどもそうです。近年では夏の酷暑が当たり前になりましたから、屋内外でもこうした蘭は育てられません。実際に3鉢ほど栽培しましたが枯らしました。
 一般の家庭で育てるとしたら、5月以降、秋になるまで朝から晩まで一日中冷房をつけっぱなしにすることになります。また、夏場だけ、気温が低い高地や、北海道あたりに住む人に栽培をお願いするという人も居るようですが、これも現実的ではありません。小型の「冷房室」を考案することも考えましたが費用対効果を考えるとこれも実現できそうにありません。従って、夏場に弱いランはやらない、というのが賢明でありますね。高山植物を栽培しないというのも同じ理由になります。

 もう一つ学んだことは、鉢はためらわずに中をあらためるということです。植物の多くは根をいじられるのを嫌がります。根を伐ると枯れるものさえあります。せっかく根を張っているのでひっくり返して根の状態を確かめたりするのは勇気がいりますが、洋ランに関しては、少なくとも年に一度は鉢をひっくり返し、株ごと出してよく状態を観察するのがいいように思います。その時に、茶色になった根を取り除き、根を良く水洗いし、植え込み材を交換する、というのがどうやらランを健康に育てるコツのようです。
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