植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

すべては内閣人事局から始まった・・・・

2020年01月29日 | 時事
断言します。お役人(キャリア)というのは、人事異動と自分の出世が最大の関心事であります。それ以外は些末でどうでもいいのです。
 ワタシが、勤め人の時代に、県や市に出入りした時期がありました。職員にいろいろな会話をしましたが、あの人は誰の手下だとか、誰の派閥だとかを話題にする人がほとんどでしたなぁ。人事異動のシーズンになるとそわそわし始め、仕事はそっちのけであっちでもこっちでも誰がどこに行くという予想と内示の話でもちきりになります。ひとたび発令されると、辞令を持ってのあいさつ回りが1週間ほど続きます。
 地方自治体では、一括採用ですから、部局の配属はランダムで、現場(区役所とか出先機関周りとか)が最初になります。本庁舎に配属・転勤となるあたりから出世コース、人気部局へのアプローチが始まり出世競争が本格化します。ここで、親分子分の関係を築くことが最重要なのです。よほどひどくなければ、ほとんど年功序列・定期昇給ですから、最後の10数年が、役職のピラミッドの椅子取り競争が激化します。それでも特別職(助役とか局長レベル)に辿り着くのはごく少数で、あとは、徐々に外に出され、閑職に回されるようになりますね。

 その点、国家公務員は、原則として省庁単位での採用となりますから、少し事情が変わってきます。以前は、採用時の成績と出身大学(学部)が順位で示され、退官まで、最も重要かつ堅固な序列化が露骨に形成されました。各省庁の人事課がこれをベースに異動させ出世させていくわけですね。

 最近では(具体的には現安倍政権)、内閣人事局が作られてからその構造が大きく変わりました。組織や幹部人事が、それまでの省庁任せであったものが、内閣の権限に移ったわけです。それまでは、お役人が、異動・処遇の原案を作り大臣の決裁を仰ぐ形でしたから、公務員はその次官を頂点とした派閥にうまく取り入りさえすればよかったのです。
 ところが、このお役人の首根っこを内閣がつかむようになったために、省庁が内閣の言いなり、総理大臣の顔色ばかり窺うような状況を生み出しました。ただでさえ志気が低い国家公務員が堕落し矜持を失った原因です。下品な表現を使えば政権に「金玉を掴まれた」状態ですな。
 これが、森カケ問題や自衛隊の日報紛失、今回の「桜」に共通する公文書の隠ぺい・廃棄・改竄につながった大元の原因です。
 公務員の服務宣誓文は「国民全体の奉仕者として公共の利益のために勤務すべき責務を深く自覚し、日本国憲法を遵守し、並びに法令及び上司の職務上の命令に従い、普遍不党かつ公正に職務の遂行に当たる」です。これを全く無視し、法令に違背し、解釈を捻じ曲げ内部規定などの公文書を事後作成してまでも、真実を糊塗するその理由は、自分が評価され人事的に優遇されることに他なりません。

 これが「忖度」の実態でしょうな。実際に、内閣や官房から具体的な指示命令があって動いているかは定かでありません。しかし、ノー天気でお坊ちゃんで、謝ることが大嫌いな駄々っ子総理夫妻の不始末、挙動・発言をしりぬぐいし補完するのが彼らの役目になっています。総理大臣本人は、こうしてのらくらしているうちに、野党も国民も飽きてくるだろうと踏んでいるのです。

 昨日、お習字の練習をしながら、徳永英明のCDを聞きながら、テレビをつけていましたら、国会中継を延々と続けていました。たしかに補正予算の中身の審議やコロナウィルスそっちのけで、桜を見る会や1億5千万円貰った公選法違反の疑惑に質問が集中する野党側にもどうかなと思いますね。しかし、事態を長期化させ、真実を覆い隠し、説明責任を堂々巡り、禅問答と勘違いした様な詭弁と珍答弁を繰り返す総理大臣に責任があるのは明白です。

さらに、世論調査で、こうした総理大臣の説明に納得するという人がいまだに10数%、さらに内閣支持者が40%近くも居るということが、何よりアンビリーバボーであります。


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