「生きる」ってなんでしょうか?
この単純な質問に明確に答えられる人がどのくらいいるでしょうか。
みんな、年齢の分だけ「生きる」をしてきました。
もっとも経験があることのはずです。
この質問は長年の間、時々頭に浮かんできていましたが、答えらしい答えに巡り合うことができませんでした。
人により定義は異なるでしょうし、
正直、「生きる」っていう実感をしたことがありません。
ヒントを得るために辞書で引いてみると、
「生命活動を行っている状態。」とでます。
・・・
ますますわからなくなりました。
生きるってのはね、きっと誰かと心を通わせること。
そのものを指して、生きるって呼ぶんだよ。
誰かを認める、誰かを好きになる、誰かを嫌いになる、誰かと一緒にいて楽しい、誰かと一緒にいたら鬱陶しい、誰かと手を繋ぐ、誰かとハグをする、誰かとすれ違う。それが生きる。
自分たった一人じゃ、自分がいるってわからない。誰かを好きなのに誰かを嫌いな私、誰かと一緒にいて楽しいのに誰かと一緒にいて鬱陶しいと思う私、そういう人と私の関係が、他の人じゃない、私が生きてるってことだと思う。
これは、最近映画化して話題となった「君の膵臓を食べたい」より抜き出しものです。
本屋で一面に並べられていたので何気なく買い、
何気なく読んでみたらこの文章に出会いました。
正直、この本はタイトルからあまり魅力を引くことはなく、
内容や作風も好みのものではなかったのです。
話題の作品だから、ただそれだけの理由で偶然手にしたものです。
長年の(時々の)間、僕の中で言葉にできなかったことを
作中の、それもメインでない場所で当たりまえかのように書かれていて衝撃を受けました。
それまであまい関心がなかった作者に対して興味が湧き、
他の作品も読んでみたいと思いました。
何気ない選択を続けた結果の出会いで、
衝撃的な発見をし、
今後に繫げていきたいと思いました。
目的がない行動はあまり好きではありませんでしたが、
今回のような経験から、
何気ない行動というものへの意欲が湧いた、最近でした。
イケ