TakaPの数学日記

数学を教えていて感じたことや日常の感想などを記録しました。

数学用語と英語

2006年11月04日 08時51分05秒 | 数学
数学の言葉に「置く」というのがある。
3年生で(a+b)(c+d)を展開するときc+dをMとおいて、
(a+b)(c+d)=(a+b)M
=aM+bM
=a(c+d)+b(c+d)
=ac+ad+bc+bd
教科書には説明がないので、
私は生徒に「おく」という言葉を教えた。
「c+dをMと置く」。変な言葉だ。日常使わない。
「置く」の語源はput。英語にするとこう使う。

We shall develop (a+b)(c+d).
By putting c+d=M, we have
(a+b)(c+d)=(a+b)M
=aM+bM
=a(c+d)+b(c+d)
=ac+ad+bc+bd.

Therefore (a+b)(c+d)=ac+ad+bc+bd.

実はputは「置く」という意味だけでなく、あるものをある状態にする
と言うような意味を持っている。
英英辞典で調べると・・・

to move something to a paticular place or position.
これは空間的な意味。

そこから発展して
to change someone's(something's) situation

となる。英和辞典には「物をある状態にすること」が語源とある。

してみるとa+b=Mとおく。はa+bをMという状態にする、すなわち
a+bをMと置き換えると言うことになる。

このように、「置く」は数学で使っている特殊用語であると思われる。
その他にも、左辺、右辺、両辺なども「変」だ。

英語では左辺はleft side(左側) 右辺はright side (右側)両辺はboth sides(両側)と自然なのに、
日本語の左辺、右辺は不自然な言葉だ。
「辺」というと三角形や四角形の「辺」を連想させる「辺り(あたり)」がすぐに浮かばない。どうして方程式で左辺などと「辺」が出てくるのか?
そういえば「奈辺にありやなしや」と使っていたなぁ。
直訳の用語には参る。











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1 コメント

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学術用語 (konnno)
2006-11-05 06:11:13
日本の学術用語は欧米言語の直訳が多いですよね。「左辺」の「辺」は確かにへんですね。でも私たち日本人は二つの言語(日本語と英語とか)を使えて幸せだな感じることよくあります。日本語ではどうも言えないことを英語で言ったりします。
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